真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~ 作:貴司崎
そうしてチームDAT一行は魔丞・セトが異界で企む恐るべき計画を阻止する為、相手が待つ異界の霊的な中心部へと足を踏み入れた……勿論ボスがいると思しきエリアへと入る前に【マッスルドリンコ】を飲むなどしてボス戦に備えた準備は万全にしているが。キリギリスガチ勢のお約束である。
『…………ククク、とうとうここまで来たか、忌々しきキリギリスの愚か者どもよ! ここが貴様らの墓場となるのだ!!!』
\カカカッ/
| 邪龍 | 魔丞・セト | LV82(+2) | 火炎吸収 氷結・電撃・衝撃・呪殺・神経・精神・魔力無効 破魔耐性 ??? |
そこに待ち構えていたのは今も禍々しく蠢動しながらマガツヒを撒き散らしている“改造マガツカ”を背に、異界を占拠する前よりもその存在感を膨れ上がらせた【魔丞・セト】であった。
……増した存在感は決して見掛け倒しではなく実際にレベルも上がり耐性もより上位のモノへと変化している辺り改造マガツカによる自己強化は順調であり、故に宿敵であるキリギリスメンバーを前にしても余裕の表情を崩していなかった。
「おーおー今時珍しいテンプレセリフでの歓迎ありがとうよ。しかしキリギリスの事まで知ってるのは珍しいな」
『ふん、貴様らには私の崇高なる目的を幾度となく邪魔されて来た恨みがあるから徹底的に調べてやったさ。そしてこの異界は貴様らの様な下らん正義感を抱いた愚か者を始末する為の罠なのだよ!』
「あー、どっかのキリギリスに壊滅させられたカルト組織とかの生き残りかね。……大体自業自得なんだろうし、どんなお涙頂戴な理由があっても馬鹿な事をやった以上、その
『ほざけ! ならば私の崇高な行いを邪魔した罪、そして“我らが神”に刃向かった罰を貴様らには私自らが下してくれるわ! ……来いアナト! イシス!』
ヘビクラ隊長と魔丞・セトのテンポの良いレスバが終わった後、セトはマガツカの力を駆使して二体の女性型悪魔──【女神 アナト】と【地母神 イシス】を召喚した。
『『………………』』
\カカカッ/
| 女神 | アナト*1 | LV69(+3) | 破魔無効 物理耐性 氷結弱点 |
\カカカッ/
| 地母神 | イシス*2 | LV68(+9) | 電撃無効 火炎・呪殺耐性 |
……ただし、そのどちらの女神もマガツカの効果によって多量のマガツヒを込められてHPとMPを中心に強化されているが、その代わりに先のオオヤマツミやホルス以上に魔丞・セトの支配下に置かれていて完全に手駒扱いで会話も通じそうになかった。
『さあ、ここまで来た以上は私自らの手によって貴様等を始末し、私が“我が神”へ届き得る為の生贄としてくれよう! このマガツカはその為の、お前達を確実に始末する為のモノなのだからな!!!』
「これだから狂信者は(呆れ)……それにイシスはセトの敵対ポジだろ。アナトはエジプト神話に習合したらセトと同一視されてたが……ただ実力だけは本物だろうな。召喚、ノルン! アナンタ! ガネーシャ!」
「ボスであれば私の出番ですね。参りましょうサマナー」
\カカカッ/
| 女神 | ノルン | LV72*3 | 破魔・呪殺無効 |
| ・マハンマオン ・メディアラハン ・サマリカーム ・アムリタ ・ラスタキャンディ ・デカジャ ・三分の魔脈 ・チャクラウォーク |
身勝手というか自分に酔っているだけで既に戦闘体勢へと入った魔丞・セトの様子を見て、ヘビクラ隊長はこれ以上『talk』で情報を引き出すのは無理だと判断して自分が使える最強の仲魔を呼び出した。
特に【女神 ノルン】はレベルが自分と同じでMAG消費も相応に激しいから普段は出さないが、キリギリスの事まで知っているこの魔丞には『確実にこちらを始末出来る策を用意している』と判断してノルンを含めた三体同時召喚という切り札を切って迎え撃つ事にした。
「行くぞお前達! コイツの野望はここで必ず阻止する!(ヤバそうなら【くらましの玉】とか【トラフーリ】で離脱してから、後続と合流して確実に仕留めるという意味で)」
「「「「了解!(事前説明でカッコ内も把握しているという意味で)」」」」
「召喚セタンタ、モー・ショボー、モスマン。……さて自分よりも圧倒的に格上(レベル40以上)と戦うのはこれが初めてだが」
『大丈夫だ少年、俺もサポートする。あの程度の相手であればダアトで何度も倒して来たからな』
「ウチの霊山を散々にしてくれた借りはキッチリ返しますよ!」
そして他のDATメンバーも当然戦闘体勢となり、またヤマトも仲魔の中から今回の相手に有効そうな三体を召喚して圧倒的な格上を前にしてもアオビトの経験を共有している事もあって怯まずに相対して、更にサクヤも怨敵を前に全力で戦う意思を示して戦闘が開始されたのだった。
──────◇◇◇──────
『ふん、威勢はいい様だが此処は貴様等の墓場とする為に作り上げられた処刑場であるという事を教えてやろう! アナト! イシス!』
『【戦乙女の加護*4】』
『【銀の月の加護*5】』
そんなチームDAT一行を愚かな正義感によって自身に挑もうとしていると思い込んだ魔丞・セトは、戦闘開始と共に自動で起動するアナトの全体物理防御上昇、及びイシスの全体魔法防御上昇の加護を受けながら自ら前に出た。
『戦闘開始時に自動発動するスキルを持っているのはそちらだけではありませんよ。我こそは【無終なるもの*6】なり』
それに対してアナンタも同じ様に戦闘開始時の自動バフ効果を味方へとかける。ヘビクラ隊長が切り札としているだけあってレベルが高い上に回復と補助に特化したボス戦闘を前提にして生み出された仲魔なのだ。
そうして戦闘開始時の自動効果を撃ち合った所でそれぞれの手番が周り、そこでまず動いたのはチームDATの支援役達であった。全能力バフ程度では格上の魔丞相手には心許ないと考えて事前に打ち合わせした通りの対応だ。
「セタンタとモー・ショボーは行動待機。モスマンは物理反射。俺も守りを固める」【神奈備ノ守*7】
『ワカッタコレダナ、物反鏡!*8』
「念の為にテトラジャ*9を」
「全体回復は格が低いのしか覚えなかったっすけど、実は意外と使い道があるっすよ! 【メディア】!」
「ペルソナ! 合わせて【慈愛の祈り】よ!」
【メディア→慈愛の祈り→合体魔法:メディアマイ*10】
ヤマトのモスマンとサクヤが使った各種結界魔法が味方を守り、トモヤとアンヌ副隊長によって発動された合体魔法が味方全体に半永久的な自動回復効果を付与する。ヤマトの仲魔は全員が神意【道具の知恵】によって消耗品を使用する事が可能なので、アイテム要員になれる様に彼は道具を優先的に支給されている。
「ウオオオオ!!! 俺はいつも通りに囮だぁ!!!」
「まずはバフが効いている間に物理で攻めるぞ! セトには物理耐性がない!(ケンジロウによればアナトとイシスはそれぞれ氷結と電撃弱点。どちらの属性も使えるアナンタに狙わせる)」
「了解した。さて前衛で殴るのは性に合わないがそうも言ってられん。久しぶりの出番だぞ【フツヌシ】!」
『さあその首を差し出すが良い!』
そして執拗にまで全体防御を固めた後は攻撃役の手番であり、まず【咆哮*11】を上げながらガネーシャが突撃。
無論それは囮でありヘビクラ隊長がその右から、そして実は武芸も一流程度には出来るミツヒロが手製の【DATハイパーブレード(改造魔晶剣:フツヌシ)】を持って逆から魔丞・セトに一当てせんと迫り、更にそれを二重の囮として後ろにいる女神達を喰らわんとアナンタが巨体に見合わぬ速度で地を這う。
『ふん、バフデバフ属性防御でのはめ殺し、貴様等キリギリスはそればかりだな。……だからこそ対策はうってきた、デカジャ!』
だがそれに対して魔丞・セトはアナトに全能力バフ、イシスに全体自動回復効果を使わせながら、自身は
それを見たヘビクラ隊長は二重に防御力を上げられればレベル差から碌にダメージは与えられないと攻撃を中止して【滅却の札*14】を取り出そうとする……が、それよりも早く魔丞・セトが
『遅いわ! 我が怨念の颶風の前に跡形もなく消え去るが良い!!!』
| 妬みの狂飆 | 特徴*15 | 主なる者への恨みを抱える悪魔。電撃・衝撃相性のスキル使用時、威力が50%上昇する。 レベル不足で効果は少し欠けている。 |
| マハザンダイン | 衝撃属性スキル | 敵全体に大威力の衝撃属性攻撃。 |
| 暗殺者 | 自動効果スキル | 単体攻撃スキルで与えるダメージが10%増加する。 |
| ザンダイン | 衝撃属性スキル | 敵単体に大威力の衝撃属性攻撃。 |
そんな恨みつらみが篭った声と共に魔丞・セトが背中の両翼を羽ばたかせると強化された衝撃波の暴風が周辺一帯を薙ぎ払う様に吹き荒れてチームDATの面々を吹き飛ばしていき、更に間髪入れずに前に出て目立っていたガネーシャに向けて特大の衝撃波の刃を放って斬り裂いた。
「グハッ!!? くっ、大分削られましたがまだ……」【三分の活泉*16】
「衝撃耐性が無いタイプとはいえ御霊強化されたガネーシャのHPの殆どが……しかも三回攻撃だと? ノルン!」
「分かっています、メディアラハン*17!」
その一連の攻撃を食らったガネーシャだったが壁役として追加したHP増加系スキルと御霊合体で体力を増加させていて、更にヤマトが発動していた万能ダメージカットスキル【神奈備ノ守】の効果もあってギリギリの所で耐え忍んでいた。
同じく全体攻撃をダメージカットと装備している【ヤクトアーマー*18】で凌いでいたヘビクラ隊長は、その結果と三回行動に驚くも即座に【滅却の札】を使って敵の強化を図りつつ行動を保留していたノルンにダメージを受けた味方を回復させる様に指示する。
『言っただろう、ここは貴様等キリギリスを屠る為の処刑場だとなぁ!!! 我が神より賜ったマガツカの力をもってすればこの程度容易いの……ふん無効耐性もいたか』
「悪いが、俺は大抵の魔法は無効化出来るぞ!(出来ない属性もあるが)」
そんな自らの圧倒的な力に陶酔する魔丞・セトであったがマハザンダインによって生じた土煙を破って突っ込む改造魔晶剣を構えた無傷のミツヒロを見て冷静さを取り戻した。
彼はサクセサー及び魔匠として得たスキル【相性獲得】によってDATハイパーガントレット、もとい改造魔晶手甲に封じられた【鬼神 コトシロヌシ*19】が有する“物理弱点・万能以外の魔法反射”の属性を自らに移して衝撃属性を防いだのだ*20。
「出番だぞ、起きろフツヌシ!」『ふん、普段は使わんくせに……まあ仕事はするがな。雄渾撃!!!』
『我を忘れるなよ』【ティタノマキア】
『チッ、やはり小賢しい……だが』
そして接近したミツヒロは手に持つDX魔改造(光る鳴る的な意味で)魔晶剣【DATハイパーブレード】に封じられた【技芸属 フツヌシ】の気絶効果を伴う大威力の剣技を見舞い、更にダメージを回復してアナンタがセト諸共敵全体を致命の一撃で薙ぎ払う。
……が、その程度のダメージであればマガツカから流れ込んだマガツヒによって体力が大幅に増しているセトには致命打とならず、更に事前に掛けておいた慈愛の祈りによるHP自動回復に加えて
『大丈夫サマナー? ちゃんとカバーはしたけど』
「ああ助かったよモー・ショボー。念の為にカバー用に衝撃と電撃に耐性があるメンバーで固めていて助かった(衝撃弱点感)……しかしアレは【溢れるマガツヒ*21】か?」
……その光景を見ていたヤマトはマガツカが起こしている現象が自らも使える様になった神意の一つに類似していると気が付き訝しんだ。彼が知っている『マガツカ』には悪魔の強化ぐらいは出来ても自動回復や行動回数の増加などの機能までは流石になかったからだ。
そこに同じく後方で退路を確保しつつも、魔眼を使いながら敵を解析して情報を集めていたケンジロウが声を掛けてきた。
「ヤマト、何か分かったのか? 俺の魔眼による【ハイ・アナライズ】でも後ろのマガツカとやらの情報は中々抜けなくてな」
「いえ、あのマガツカはどうも俺が知っている物と違っているみたいで……」
『いや少年、アレと似たような力は以前見た事がある。確か“魔装”とか“ナイトメアシステム”と言って、以前に戦った“とある女神”が自身のマガツヒを供給する為に使って行動回数を増やしていたな。8回行動とか死ぬかと思った。……ただ流石に回復機能まではなかった筈だが』
アオビトがかつての経験からそこまで推測しているそれは半分以上当たっており、魔丞・セトが神と崇めている『とある人物』が彼の要望に応えて深淵からマガツヒとセトの情報を組み上げる機能以外にも“かつて開発に関わった”ナイトメアシステムの理論を応用して、セトの【マガツヒゲージ】がマックスの間“溢れるマガツヒと同じ効果”と“行動回数の一つ増加”する機能を改造マガツヒに追加で組み込んだのだ。
……それも全ては復讐に取り憑かれた魔丞・セトが憎っくきキリギリスを自らの手で葬り去り、その血肉を持って自らを更に強化しようというある種の妄執に囚われたからでもあるのだが。理由はどうあれ普通の魔丞と比べても遥かに強い力をセトが与えられているのは事実であり、その力は自分のテリトリーに乗り込んできたチームDATに容赦無く向けられるのだった。
──────◇◇◇──────
「神奈備ノ守!」「ふむここは【テトラカーン】だな」「【マカラカーン】をいくぞ!」「【雄叫び】を行きます! 喝ッ!!!」
そうして魔丞・セトとチームDATの戦闘は長期戦となっており、まずヤマトがこれで何度目かになるカッコいいポーズからの万能ダメージカットの結界を展開し、更に隊長がガネーシャの代わりに召喚した【デカラビア】が物理反射の結界を、今も毎ターン全体バフを自動で駆け続けている【アナンタ】が魔法反射の結界を全員に貼る。
更にサクヤがその嫋やかな見た目にそぐわない喝破を上げ、それに修験者として磨き上げた法力を乗せて放つ事で敵全体の物理攻撃力と魔法攻撃力を二段階下げさせた。
「ほら、更に【ラク・カジャオン*22】だ! さっさと解除に手番使え!」
『チィッ! 毎度毎度代わり映えのない手を! デクンダ! デカジャ! アナト!』
『【ラスタキャンディ】』
「させません、デカジャ!」
そこにミツヒロがDATハイパーブレードの力で味方全体の防御力を大きく引き上げるが、魔丞・セトは即座にアナンタの【無終なるもの】を含む敵強化の解除及び味方の攻撃力弱体化の解除を行った上でアナトに全体強化を使わせるが、それに備えていたノルンが同じ強化解除魔法を使って相殺した。
そこにトモヤが
『【メシアライザー*23】』
「ああクソ! またっすか!」
「呆けない! 次来るわよ!」
『消し飛ぶが良い! 【メギドラオン*24】!!!』
そのダメージと状態異常もイシスが使う最上位の全体完全回復魔法によってこれまでに与えていたダメージを含めて纏めて治され、愚痴る暇すらなくセトの口から万能属性の光線が超広範囲に放たれてチームDATの面々に大ダメージを与えた。
……だが、いくら万能最上位の攻撃といっても攻撃力上昇バフやプレロマ効果も掛かっていない単発だけ、加えてヤマトの【神奈備ノ守】でダメージが抑えられている事もあり死亡者は一人もおらず直ぐに行動を待機させていたアンヌの【メディアラハン】で治療された。
(そして再びマガツカがアイツらを回復させると。こっちもヤマトの神意ってヤツで回復するがボス補正による根本的なHPMP量の差から回復する量は向こうが上。……このまま続ければ順当に削り殺されるな。やはりテトラマカラバフデバフを毎回やってると手が足りん)
そんな神経を削られる攻防を続けながらもヘビクラ隊長は冷静に状況を分析しつつ、このままではMPかアイテムが切れたら順当に負けると考えながら【蛇心剣】を振るってセトにダメージを与えていた。
現状では物理と魔法の反射結界を毎ターン掛ける事によって敵の攻撃手段を【メギドラオン】のみに限定しつつ、バフとデバフを重ね掛けして魔丞・セトに解除魔法を
(だがテトラマカラを使わないとセトがより威力の高い【ウアス*25】やら【ジオバリオン*26】を使って来るから死人が出てもっと手番を使わされるし、実際サマナーの俺を狙われて既に【不屈の闘志*27】を使わされた)
事実、セトが持つ強化系の自動効果が乗るこれらの大魔法の方がメギドラオンと比べても破壊力が高く、加えて物理と魔法が効く状態であれば支援に回っているアナト・イシスの女神二柱も【冥界波*28】や【ザンダイン】などの攻撃スキルを使ってダメージを割り増しされてしまい、そうすれば回復と蘇生が追い付かずに戦線が崩れてしまう。
(そもそもデバフ無しでメギドラオン二発撃たれるだけでも適時防御せんと普通に半壊するからな。現にレベルの低いヤマトの仲魔は二連続メギドラオンで出していたヤツは全滅しているし、他もマッスルドリンコで割り増しされたHPが既に吹っ飛んでる。だからデカジャデクンダで手番を使わせてるんだが、そこまですると今度はこっちの手番が足りず女神二柱の回復を突破出来ない)
ちなみにヤマトは万能ダメージ軽減の【神奈備ノ守】が毎ターンメギドラオンが放たれる現状だと生命線になっているので、控えの仲魔を呼び出すのに手番使うよりも毎ターン防御魔法掛けるマシーンとなる事を優先している。
(状態異常ハメを狙ってもセト自身が神経・精神・魔力無効の上、緊縛・降魔・万能属性の状態異常もマスク二重掛けと元々のレベルとステータス差があるから入らない。俺も持ってるから分かるがマスク系スキルは“状態異常や即死の発生率そのものを下げる”からどんな属性にも有効だ。仮に入ったとしてもさっきの【メシアライザー】で治されるし、あの女神二柱はどっちも【サマリカーム*29】持ってるから片方だけ倒しても建て直される。……今時暴れてる魔丞はもう少し悪魔よりの戦術を取ると聞いてたんだが、大分真っ当な“戦術”を打ってくるな)
それ以外にもサポート役の女神二柱に攻撃が及びにくい様に自分が前に出て後方を狙わせにくくするなどの立ち回りを見せるなど、この魔丞・セトは悪魔らしい衝動やルーチンに縛られやすい普通の魔丞と比べるとキチンとした“戦術”を取っている。
……まあこれは魔丞としての覚醒直後にキリギリスからのハメ殺しにあったからこそ、皮肉にもキリギリスへの復讐心や克己心によって僅かながら“人としての知恵”を取り戻したからなのだが。
(ただし、やはり行動に一定のルーチンが混ざってるのは確かだ。例えばバフとデバフを掛けると自分の行動回数は減っても“必ず解除を優先してくる”し、女神二柱へも一々指示を出している辺りサマナーとしても三流。形振り構わず最低限のバフだけで連続攻撃される方がキツかったしな。……ただ、これは逆に“ハメにくく崩しにくい”という意味でもあり、おそらくヤツの狙いも持久戦によるこっちの息切れなんだろうが)
事実ヘビクラ隊長の推測はおおよそ当たっており、魔丞・セトの対キリギリス戦術の基本は『事故やハメに合わない様に対策しつつ、ボス悪魔としての圧倒的なHP・MPと回復による持久戦狙い』であり、どれだけ強者でも人間のデビルバスターであればMP・MPには限度があり持てるアイテムの数にも制限があるなら持久戦が最も確実に相手を倒せるとセトは考えているのだ。
(まあ、持久戦だからまだこっちは死んでない訳だが。……一旦撤退して今得た情報を元に後続のキリギリスと合流して袋叩きが最も確実ではあるんだが、問題はヤツが例の蠱毒儀式によって
ヘビクラ隊長が撤退からの出直しを選ばないのも今も戦えている事に加えて、魔丞・セトが本当に『世界を滅ぼす力』を得る可能性があり得なくもないと考えているからであり出来る事なら今のうちに倒しておいた方が良いだろうと思ったいるからだ。
……ただ、それをやるには現状だと手が足りない状況で何か戦局を変えられる手段がないかと彼は思案していたのだが、そこに戦闘中後方で【援護射撃*30】に徹しながら敵の解析を行っていたケンジロウがやって来たのだ。
「どうしたケンジロウ……ヤツの“弱点”が分かったのか?」
「そちらも凡そ抜けた。……それで解析した弱点からヤマトがアイツらに通じるかもしれない“一手”があるそうだ。検証内容通りなら戦いの趨勢をこっちに傾けられると思うぞ。サクヤさんにも言っておいた」
「いいねぇ。……このままやってもジリ貧だから次の攻防で仕掛けるぞ。ダメだったら撤退で」
「了解」
そうして待ち望んでいた報告を聞いたヘビクラ隊長はハンドサインのみでチームDATの部下達に『次で仕掛ける』と伝え、それを見たメンバー達も歴戦の経験から次に取るべき行動を把握して準備へと入る。
……こうして地球を守る対悪魔防衛チーム(自称)のチームDAT+αと世界を滅ぼす力を得ようとしている(おそらく)魔丞・セトとの決戦は最終段階へと入っていったのだった。
あとがき・各種設定解説
魔丞・セト:高HP全回復三回行動なキリギリス絶対殺す魔丞ボス
・彼が“とある人物”から写せ身合体で授かったスキルは弱点や状態異常でハメ喰らわない様に氷結・神経・精神・魔力無効と二種のマスクスキル、バフデバフで殺されない様にデカジャデクンダ、テトラマカラハメ喰らわない様に万能のメギドラオンといったラインナップ。
・女神二柱も主にバフと回復要員として持久戦及び事故死防止要員だが、攻撃・蘇生は両方しっかり出来る様にしてあるしアナトの方は【慈愛の猛反撃】持ってるから耐性のないセトを物理で殴ると反撃してきたりする(劇中では常時テトラカーンなので使ってない)
・戦術はボスの膨大なHPに加えて自動回復を行いながら持久戦しつつ、バフとデバフは二段階になったら消去してテトラマカラ掛かってたら反射されない攻撃を使うという実は基本に忠実。
・テトラマカラ張らないとヤブサメショットでクリティカル出して行動回数増やしてウアスや肉断ちの鋭爪とか、特徴による強化済みのマハザンダインやジオバリオンを耐性ないやつにぶち込んでくる感じ。
・更に時間が掛かるほどにドンドン強化されていくので【ウアス】が物理衝撃使い分け貫通持ちスキル(D2アップデート後)になったり、メギドラオンが【メギドファイア・Ⅰ(IMAGINE)】になったり、デクンダが【外法のいざない(SH2)】になったりするので早めに倒す必要がある。
DAT天才科学者さんの武器:光る! 鳴る! DX魔晶武器!
・【DATハイパーブレード】は【技芸族 フツヌシ】を魔晶化した上で色々と魔改造した結果、武器としても高い攻撃力を持つ以外にも【雄渾撃】【タル・カジャ】【ラク・カジャオン】【物理吸収】が装備スキルとして使える他【物理半減】【気まぐれ会心】が自動効果として装備者に与えられる。
・おまけにフツヌシの擬似人格を再現して喋る仕様にしていて、擬似的にフツヌシと協力している判定にする事で合体技の【十文字斬り】が使えるなど魔改造されている。
・他にはフツヌシの剣術を装備者に降ろすとかの機能も付けたかったが流石に容量不足だったし、予想される技の精度が自前の剣術よりも低そうだったのでより重要な音声機能と発光機能が優先された。
・【DATハイパーガントレット】は【鬼神 コトシロヌシ】を魔晶化して魔改造した物で、主に【相性獲得】で火炎・氷結・電撃・衝撃・破魔・呪殺・精神・神経・魔力反射の相性を自身に写す用の装備。
・代わりに物理弱点がつくがブレードの方の【物理半減】や防御相性“対物理”の【殿の鎧】を改造したDATアーマーでカバーしており、ついでに【マーキング】【テトラジャ】【メ・パトラ】【マカトランダ】【マカトラ】が装備スキルとして使えるサポート用としても運用可能。
・勿論カッコいい発光機能とか電子音声が鳴る機能も付けているが、ブレードよりも前の作品なので擬似人格機能は技術不足で搭載されていない。
読了ありがとうございました。
せっかく仲魔にしたオオヤマツミとホルスですけど、電撃衝撃物理耐性が無くて高レベルからのメギドラオン喰らえば死ぬのに変わりないので控え要員です。むしろヤマトは【神奈備ノ守】TUEEEEE!って思ってる。万能貫通が飛び交う戦場ではダメージカットが活きる模様。