真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~ 作:貴司崎
魔丞・セトとの戦いが終わった後、俺達チームDATは装備やアイテム等の損耗もあり暫くは本格的な活動を控えて休養期間に入る事となっていた。この業界身体が資本だから定期的に休みを取ってコンディションを万全にする事も必要とはヘビクラ隊長の弁である。
そういう訳でメンバーはそれぞれ休暇を取りながら損耗したアイテム・装備の補充と確認、或いはセトを倒した事によるレベルアップによって上がったスペックの調整などをして過ごしており、その一環として俺はトモヤさんとケンジロウさんと一緒にヤタガラスから預かっている初心者用異界の見回りをしていたのだが……。
『…………フハハハハ!!! この異界は我【魔王 ベルフェゴール】が頂いた「うるせぇ! 仮にも魔王が初心者用異界でイキがるんじゃねぇっス! 最近覚えた【アギバリオン*1】を喰らえぇ!!!」グワーッ!!!?』
「アナライズしたらLVは50ぐらい。氷結と呪殺は無効、物理と電撃に耐性があって弱点は火炎と破魔。それとボス補正なのかBS全部に強耐性だ。これなら破魔カートリッジで良いな」
「それじゃあ【ハマオン*2】をぶつけますね」
何故か初心者用異界のボス部屋に便器に座った悪魔もとい【魔王 ベルフェゴール LV53】が居座っていたので、トモヤさんの新魔法の試し撃ち相手になって貰った上で消し炭にしました。魔王のクセに第二形態とかは無かったのが悪い。
……あ、倒したら【ベルフェの写せ身】を落としたな。コイツ耐性に呪殺無効と物理耐性が付いてて優秀だから今度多分出来る予定の【神格習合】による耐性を写す候補の一つかな。
「……初心者用の異界の深部にレベル50未満とはいえ魔王が出現するとは。前にボスやらせてた【シキオウジ】も倒されてるし、また手頃な悪魔と交渉して異界ボスを担当させんとな」
\カカカッ/
| ガンスリンガー | カリヤ・ケンジロウ | LV68 | 破魔・呪殺・即死無効 銃撃・衝撃・BS耐性 |
「一応この異界にはそんな高位悪魔が発生しにくい結界もあるんすけど、やっぱ最近のGP上昇には強度が付いていけないっぽいっすね」
\カカカッ/
| 顕現者 | オキ・トモヤ | LV75 | 火炎・氷結・破魔・呪殺・睡眠・封技無効 電撃・衝撃・BS耐性 |
まあ、魔丞・セトとの戦いを得てレベルアップを果たした二人にとってはレベル50以下の魔王なぞ敵ではない……というか、そもそも今の俺(LV56)よりもレベルが低いのだから脅威にはならないのは当然だが。
……魔王ですら雑に倒される辺り怖ろしき現環境よ。ドリフター掲示板で聞いた情報では今のベルフェゴール ですら過去周回では大ボス張れるレベルなのにね。
「しかし、あの魔丞・セトを倒してからみんな一気に強くなりましたね。これが噂に聞く限界突破とか覚醒ですか」
「レベル30後半から一気にレベル50強まで、一度異界攻略しただけで殆どレベル20ぐらい上がってるヤツがなんか言ってるっす。……ま、顕現者の異界になってから微妙に“ズレてる”感じがしてたのが無くなった気はするっすね。【フィン・マックール】の力が馴染んだお陰か【アギバリオン】と【ブフバリオン*3】まで使える様になったし」
「お前も一気に9ぐらいレベル上がったもんな。副隊長とレベルなら並んだしレベルアップダイスでクリティカルでも出したんじゃないかって感じで。……俺はレベルが少し上がって【銃貫通*4】が反射まで抜ける様になって、後は魔眼の性能も少し上がったか?」
流石は地球を守る防衛チーム(自称)なので鍛錬や研鑽にも余念がない所は素直に尊敬出来るな。俺もセトから剥ぎ取った御厳で解放した神意を使えば、多分本格的な【写せ身合体】が出来る様になるだろうから今度強化しなければ。
常に走り続けないと環境に追いつけないし、追いつけなくなったら死んでいくルナティックメガテン世界なのでね。早くアオビトの前世レベルの力を取り戻さないと。
「とりあえず結界の解析と簡易的な調整をやるんで周辺の警戒は任せるっす。出来れば手頃な悪魔に異界ボスをやらせれば安定するんで後で探そうっす」
「そうですね、悪魔交渉なら俺でも出来ますし。……ところでトモヤさん結界の調整とかも出来るんですか?」
「これでも魔術師としてもそこそこ出来るぐらいの技術は持ってるんで。まあ日本神道系の術式だからケルト系の俺だと干渉は難しいんすが、そこは神道系専門の副隊長とミツヒロから術式の仕様を聞いてるっすから」
そう言ったトモヤさんは異界に張られた結界へアクセスして異常がないか調べ始めた。合一神と言っても俺は一般人上がりだからこの手のカルトマジック系はさっぱりで、アオビトも元は普通の高校生だったから戦闘用の魔界魔法はともかくこう言った技術や知識面は大して持ってないんだよな。
「まあ、こう言った術式に関しては幼い頃からオカルト家系で学んで来たヤツらの方が優れてるからな。俺も一般家庭出身だから生まれつきの魔眼と銃技ぐらいしか出来んし」
「魔界魔法なら写せ身さえあれば幾らでも使える様になるんですけどね。確かアンヌ副隊長・ミツヒロさん・トモヤさんがオカルト的家の出身で、ケンジロウさんと意外にもヘビクラ隊長が一般家庭出身だったんでしたっけ」
「まあヘビクラ隊長はかなり早い時期に覚醒していて、色々とオカルト事件に首を突っ込んでたらしいがな。……俺も魔眼は生まれつきだったが覚醒は不完全だったから大したものは見えなかったが、高校生ぐらいの時に悪魔事件に遭遇して隊長と副隊長に助けられて完全に覚醒したからこっちの業界に入ったな。その時に両親も死んでしまったから自分と妹の生活費とか稼ぐ必要もあったし」
「あ、すみません」
地雷踏んだかと思ったけど『この業界ならよくある話だから気にするな』と言われた。確か副隊長とトモヤさんも実家との折り合いが悪いどころか実質縁を切ってるみたいだからこの手の話題は出さない方がいいか。
「妹の方も俺と同じ魔眼に目覚めたりするトラブルもあったが、隊長達の協力もあって業界の作法や異能の制御などを学ばせて丁度今年高校生になったから【聖華学園】に放り込んでおいたから大丈夫だろう」
「【聖華学園】って確か異能者の受け入れやってる学校でしたね。……確か以前に受胎儀式が起こったとか聞きましたけど大丈夫なんですか?」
「その受胎事件でも最終的に犠牲者ゼロで解決してるから外よりは遥かに安全だ。正直言ってあそこでダメなら通わせられる学校なんてないぐらいには警備がしっかりとしてるからな。それに妹には悪魔業界人としての戦闘技術やサバイバル技能も仕込んでレベルも30弱はあるから大丈夫だろう。……ただ結構なミーハーで取材した上で校内新聞作るぐらいには有名人好きなオタク気質なのが不安だが。なんか退魔生徒会に興味津々だったからなぁ」
一般常識や業界の作法は叩き込んだからマスゴミじゃなくて真っ当なジャーナリズムがやれる程度の分別は付いてるんだが……と、遠い目をしながら呟いていたケンジロウさんを見て妹さんの事が心配なんだと分かりやすく見て取れた。
「まー“
「黙らっしゃい。それより結界の解析は終わったのか?」
「一通りは、やっぱりGP上昇とかが理由で少し縛りが緩んでたっすね。仕様上ボス部屋は他のエリアと比べてレベル高い悪魔がいる様に調整されてるし。……とりあえず本格的な調整はあの二人を連れてくる必要があるとして、一先ず代わりのボス悪魔になれるヤツを仲魔にするっす」
「分かりました。交渉は任せて下さい」
交渉関係の神意はポイント足りなかったから取ってないが、検証作業とか異界周りで悪魔交渉の経験は積んだからどうにかなるだろう。異界の管理を任せるんだからこっちに従順な悪魔を見つけて、そうじゃない奴はぶっ飛ばせばいいんだから話は早いし。
──────◇◇◇──────
「……そんな訳で異界を占拠しようとしていた【魔王 ベルフェゴール】は討伐。とりあえず新しい異界ボスとして交渉が成立した【堕天使 フォルネウス LV31】を据えておきました」
「そうか分かった、ご苦労さま。……異界の本格的な整備は後で行うとして、まさか管理していた異界で弱いとはいえ魔王まで現れるとはなぁ。これもGPが上がり続けている影響か」
\カカカッ/
| 導師 | ヘビクラ・シンゴ | LV78 | 破魔・呪殺・BS反射 全体的にやや強い |
そんな訳で俺達は多少のトラブル(魔王出現)はあったものの無事に初心者用異界の見回りを終えて、チームDATの
ちなみに丁度ミツヒロさんが隊長達の装備品の整備を終えて確認作業中だったので室内なのにアーマーとメット含めてフル装備中だったが、まあ大体室内でも防衛隊員ムーブで制服なので余り違和感は無かった。
「とりあえず装備の調整は全員分終わったから初心者用異界の見回りぐらいは何とかなるが、流石に損耗したアイテムの方までは手が回っとらんな。霊山同盟から相応の報酬も貰ったが最近消費アイテムが値上がりしていて、更に需要も増してるから買うのも面倒になってきてはいるしな」
\カカカッ/
| 魔匠 | ドイガキ・ミツヒロ | LV70 | 魔法・BS反射 物理耐性 |
「まあ私達はお札やマジックアイテムを自分達で生産出来て、装備の整備も自主的に可能だからまだマシなんだけど。……とりあえずトモヤもマジックアイテム作成に加わりなさいよ。私だけお札生産漬けとか卑怯でしょ」
\カカカッ/
| シャドウ使い/符術師 | ヤナセ・アンヌ | LV75 | 破魔・呪殺・BS反射 氷結無効 火炎耐性 全体的にやや強い |
副隊長の護符にはいつも本当に世話になっています。ちなみにトモヤさんもケルト式のルーンとかで簡単なストーン類などは作れるらしくてアイテム制作にも駆り出されてるとか。
一応、俺も仲魔をレベルアップさせた時に一定確率でアイテムを貰えるけど*5、流石にランダム要素が強過ぎて安定供給とかは無理だしな。
「でも俺が作れるのは【マハラギの石】レベルの安物ぐらいっすよ。ギリギリ【テトラジャの石】とか【マカジャマの石】ぐらいだから副隊長の札には出来は及ばないんで、やっぱりその辺にいるカルト組織を襲撃してアイテムをせしめるべきでは?」
「【デカジャの石】と【デクンダの石】も作れるでしょ。私が【滅却の札】と【除霊の札】を作る手間が省けるからやりなさい。そもそも主だった雑魚カルト組織は同じ理由でキリギリスのアイテム枯渇勢が狩り尽くしてるわよ」
「新人のヤマトが装備使わんから俺の仕事は大して増えてはいないのはありがたいな。……そうそう、確か神意とやらで仲魔の保有枠が増えたと言っていたから【ヤマト専用COMP】の方は少し改造したぞ。具体的には悪魔を封印するストックを減らして通信機能の強化、及び改造型の機械式のアナライズ機能を追加したぞ」
「ありがとうございます」
神意【神の懐】を更に解放して最大12体の悪魔とまで契約出来る様になったからな、正直普通のCOMPでもコレだけストックがあれば仲魔の運用は問題ないから封印機能を使う機会も減るだろうしな。契約した悪魔を封印するのはなんか気が引けたし。
尚、出来ればCOMPアプリとかも入れたかったらしいがナホビノだと装備品が使えないのと同じ様に使用者への契約を介して干渉する系列のアプリは機能不全を起こすので、機械の方だけで機能が完結するもののみを追加したらしい。まあマップ系は自前で出来るし、機械式アナライズも怪しそうなヤツはコッチで解説する事で被害を最小限に抑える感じのアナライズトラップ対策みたいなものだからな。俺はCOMPぶっ壊れても戦闘能力に変化は無いから。
「まあ、この前の霊山異界で何体か合体素材要員として仲魔にしてストックは満杯なので今度悪魔合体でスペース開ける必要ありますけど。やはり仲魔枠はいくらあっても足りない」
『スキル枠と仲魔枠は多ければ多いほど良いものだ。御厳がもっとあれば……」
「いや、普通はそこまで多くの悪魔と契約しても使いこなせないぞ。合体素材としてストックするとか道具として使い捨てるならともかく、信用のおけない仲魔複数体と共に戦うのは難しい筈なんだが」
「隊長の“仲魔数合計6体・最大制御数3体”ですら運用する悪魔が非常に多いって言われる部類だからね。最近はGP上がったから維持する為のMAGも減ってるけど、普通は契約しておくだけでも僅かに取られるから」
「特に古式召喚師はそうだな。COMP式なら収納しておけばそこまで問題にはならないが……よし、やっと装備の調整が終わったな。もう脱いでもいいぞ」
仲魔ってのは20対ぐらいストックして必要なのを出せばいいんじゃないのか(ゲーム脳)……まあ一応サマナーの基本としてその辺りは聞かされてたけど悪魔への信用とかは仲魔にしたてでも普通に全員言う事聞いてくれるし、MAGの消費も戦闘時は3体までしか出せないから特に気にならないが。
「検証班からの報告を見るにナホビノはMAGの容量が専門の鍛錬を行ったクズノハの召喚師などと比べても遥かに多く、契約が特殊なのか悪魔を維持する為の『抗体ポイント』もかなり低くなっているのではないかとの事だったな。GPが上がった現在や異界などなら余程の無茶をしなければほぼ損耗無しで悪魔を使役出来る様だな」
「一般COMPサマナーとしてはクッソ羨ましいんだが。……こっちは前回のセト戦でMAGバッテリーをほぼ使い切ったから、生体エナジー協会でタダでさえ高騰してるMAGを買ってくるか、仲魔出さずにソロで悪魔を狩ってMAG集めるかしないと」
「あれだけ高レベルの仲魔を6体も持っておいて一般サマナー扱いは厳しいんじゃないかしら? 流石は魔界帰りだからかMAGの容量がかなり多い方でしょうに」
ヘビクラ隊長が契約している悪魔はどれもめっちゃ強い上に長年隊長と組んできた悪魔、或いは付き合いの長い悪魔を合体素材にした結果生まれた仲魔だからか連携できるぐらいの信頼関係を築いてるって言ってた。
……そうでないと仲魔は一応契約がある以上は逆らえないが、言われた通りの事しか出来ないか契約の隙をついて陥れようとする事もあるから共に戦うには長い時間共に過ごして信頼関係を築くのが重要って話だけど、俺の場合は戦闘中に多少の指示を出した後はやって欲しい事を念じれば仲魔が普通に戦ってくれるんだが……その辺りちょっと聞いてみるか。モー・ショボー、パールヴァティ、チロンヌプ召喚。
「別にサマナーの事は嫌いじゃないし、盾にされた後も一応お礼は言ってくれるから騙そうとか襲おうとかは思わないよー。ちゃんと駅前のシュークリームも買ってくれたし」
「わざわざ全員分のシュークリーム買ってくる辺りマメですもんねサマナー。……それはともかくとして我々が従順な理由の一つには“サマナーがナホビノである”事もあると思います。悪魔が失った知恵を持つ本来の神霊に近い存在故、通常の悪魔は無意識の内に合一神を上位の存在と認識しています。なので初めから敵対してるか余程悪い扱いでもない限りはどんな悪魔でも基本従順になるかと」
「悪魔使いは荒いけど悪魔合体の希望とか聞いてくれてお菓子とか貰える辺り待遇はいいからな。オイラは固有スキルが便利だからこのままレベル上げって言われたが」
『ちなみに俺が戦闘中に仲魔へと契約のラインを通じて“やって欲しい事”を伝えたりもしているからな。仲魔が最低限の指示で動いてくれるのはそのお陰だな』
他の仲魔にも聞いてみたがどうやら現状には不満は無いらしい。ナホビノ補正も多分にあるっぽいけどサマナーとしては大分上手くやっていると自画自賛してもいいかな。
「じゃあ仲魔の扱いはこのままでいいとして今後の戦力強化を考えないとな。……クルーゼさんの所で今の俺がどれだけ『邪教の世界』の力を引き出せるかにもよるけど、悪魔合体と写せ身合体の方針ぐらいは決めておくか。俺のレベルも上がったから自分で戦う事も考えないと……確かいずれ『セプテントリオン』とか言う理不尽枠が出るって話だし、そうでなくても魔丞より高位の相手と戦う事を考えると……」
「じゃあ貫通系のスキルは入れておけ。どうせまた万能以外全無効とか万能含めて全無効とか無駄に凝ったギミックボスが出てくるんだろうし。なんか“あの邪神”に関わってそうな気配もあるし、確かこの前は二体同時に出てきたらしいから次は三体同時出現とかでやって来るに違いない(猜疑心)」
「アナライズトラップとか言うクソ仕様だから俺の魔眼がイマイチ効果を発揮しないしな。隊長にアナライズを止めて貰ってなかったら危なかった。だからこそアナライズ無しに耐性を抜く【サードアイ】とか習得したけどな。それと幻視や眼界などで捉えるのはアナライズトラップには引っかからない様だ」
「ドゥべとか言う万能含めて全無効とかふざけた耐性で攻撃通じなかったので、その後頑張って修行して物理と魔法に貫通付与する【貫く闘気*6】を習得したっす」
「まあ貫通スキルはセプ以外にも理不尽耐性持ちボスがちょくちょく出て来るから手札の一つとしてあって損はないんじゃないかしら」
「後は状態異常含む耐性スキルだろうな。ヤマトは装備を付けられないからそこを疎かにするとレベルが上がっても事故る。……BS耐性仕様の【ドルフィンヘルム*7】なら少数だが生産可能なんだがな。流石に隊長が魔界で買ってきたBS反射仕様の【ドルフィンヘルム*8】は作れなかったが、こっちは物理と魔法に弱くなるからな」
ちなみに隊長と副隊長が使ってる【DATヘルム】は隊長が魔界で買ってきたオリジナルの外見改造品で、それを参考にして劣化コピーとして作ったのが他の三人が使ってる【DATヘルム】なんだそうだ。
弱点なくなってる分だけ汎用性は上がってると思うんだが、特に呪殺とかは耐性止まりだと信用出来ないらしく呪殺無効装備とかはそれぞれ別につけている模様。100%と0%以外は信用出来ない、命中率5%なら体感30%ぐらいは当たるとか言ってる。
「……そう言えば隊長が言ってた“あの邪神”って何ですか? セプテントリオンの黒幕とか? 話を聞くにアナライズトラップについても知ってたみたいですけど」
「勘の良いガキは嫌いだよ(闇の仕草)……まあ冗談はさておきそれっぽく言ってみたが大した事は知らないぞ。昔俺が学校ごと魔界に落ちた時の話はしたな。その時に戦った“よく分からん邪神”がアナライズトラップを持っていて、あのセプテントリオンからも似た気配があったからなんか関係あるのかなって考えてるだけだ」
「倒したって言うか貴方が邪神に身体を乗っ取られて、それをクラスメイトの幼馴染みに救われたとかって話じゃなかったっけ? その幼馴染みへのライバル心を利用されて『力が欲しいか』的な展開で肉体を奪われかけたとか」
「悪魔の囁きの典型的な例だな」
「……あの頃は俺も若かったんだよ」
アンヌ副隊長とミツヒロさんに突っ込まれたヘビクラ隊長は嫌そうな顔をしながらも、かつて【軽子坂高校】が魔界に落ちた時に遭遇した“邪神”について簡潔に説明してくれた。
曰く、当時の隊長は“幼馴染”と共に高校生活を送りながらフリーの異能者をやっていたのだが、悪魔カード式のデビルシフターである幼馴染と実力差がドンドン開いていって焦りを感じている所をつけ込まれて魔界落ちした時に邪神に憑依されたらしい。
「……大体原作のジャグジャグみたいなムーブしてますね」
「俺が『彼』のコスプレしてるのはとても他人には思えなかったという理由もあるからな。……それで俺に憑依した邪神はどうも事件を起こした【魔神皇】やそれに相対していた【ガーディアン使い】達にちょっかいを掛けるのが目的だったみたいだが……“アイツ”が『事件を起こした彼を止めなければ!』とか言って邪神憑きの俺を連れて魔界に出て、そのまま道に迷ったお陰で彼等と接触する事は無かったんだが」
「なんでそんな事になってるんですか?」
「仕方ないんだ、“アイツ”って極度の方向音痴で学校に通学してる筈なのにいつの間にか異界に迷い込んでそこのボスと戦ったりしてるんだよ。正直言って何か呪いでも掛かってるんじゃないかっていうぐらい迷うんだが、何故かあの時みたいに結果的に超ファインプレーになる事も多いんだ」
「ヤタガラスでも管理している異界に入り込んではボスを倒して片端から潰す『異界潰し』として要注意対象だったからな。単なる方向音痴とは隊長に聞くまで知らなかったが」
「そういう因果か運命持ちの人間なのかもねー。良くも悪くもトラブルに巻き込まれる異能者の話は結構聞くし」
それで業を煮やした邪神の誘導と元から持っていたコンプレックスもあって邪神憑き隊長とデビルシフター幼馴染とのガチバトルが勃発、悪魔カードによる多くの変身を次々と破るなど奮戦したが、最終的には魔界で拾った聖剣によって自分の本来の力に『覚醒せよ! オーブオリジン!』した幼馴染さんに敗北。
それによって正気を取り戻した隊長は『クソが! 結局また勝てなかったじゃないか使えないなこの邪神!』と憑依を解除させて、それによってキレたのか本性を現した邪神を幼馴染さんと一緒になって倒したらしい。
「アナライズトラップのお陰で邪神の名前とかはイマイチ分からなかったが、そういう変な邪神がこの世界で暗躍してるっぽい事は知ってたから、それと似たような気配を持ってるセプテントリオンがトラップ付きだと気付いたんだよ。多分裏で邪神が糸を引いてるんじゃないかってのは俺の想像だが、聞いた最前線組の話だとそれっぽいしな」
「なるほどー、ところでその幼馴染さんって今どうしてるんです? ストーカー的に粘着してるとか」
「俺は元ネタジャグジャグ程に粘着質じゃないから。……アイツは高校卒業直ぐに日本を飛び出て旅に出たよ。一応定期的に連絡は来るんだが、俺がチームDAT設立したって話したら『じゃあ俺も【モロボシ・ガイ】の偽名で風来坊ヒーロームーブするか』とか言ってたから元気にやってると思うぞ。キリギリスには参加してるみたいだし、最近ではこの前のセプテンに乗じて動こうとしてた海外のカルト組織を潰したって連絡が来た」
「割と今でも湿度高めの感じがするけどねぇ」
ニヤニヤしながら突っ込む副隊長に対して、ヘビクラ隊長は『だからコレについてはあんまり話したくなかったんだよな……』とボヤきながら溜息を吐いて椅子に座り込んだ。
しかし、やっぱり邪神ってのは『あの神話群』の悪魔なのか? 俺の虫食いな前世の記憶……らしきものでも『あの神話群』の事はサブカル的な知識しかないから大元の詳細は分からないんだよな。そもそも俺の『前世の記憶』自体が曖昧というか『女神転生・ペルソナと呼ばれていた“らしい”ゲームの知識含むサブカル知識』以外は殆ど無くて役にイマイチ役に立たないし、正直アオビトの経験やこの世界のwikiの方が役立つからな。
……やはりもっと強くならないとダメだろう、今のままでは『あの神話群』の連中には対抗出来ないと思われるから、せめて
あとがき・各種設定解説
チームDAT:準備を終えた後は『ウルトラマンオーブ』の視聴会になった
・魔丞・セトを倒した事でレベルアップ処理が行われたので全員レベルが上がっており、それぞれ新しいスキルなどが発現するなどしている。
・本編の二人の他にもヘビクラ隊長は新しい剣技やマイナー状態異常魔法獲得、副隊長は特性の発現及びラクシュミ由来のスキルを引き出す予定、ミツヒロは改めて上位の精霊魔法を覚え直して魔晶武器の強化とかやってる。
・装備の外見が特注品なので整備代が結構掛かっており、何か大口のスポンサーがいる訳でも無いので資金面には結構気を使っていて、消費アイテムなどは自前で作って節約したりそれらを売ったりして資金繰りする事もある模様。
新キャラ達:現状設定だけで今後の出番は未定
・ケンジロウの妹は元ネタが『アサルトリリィ』出典の【二川二水】で聖華学園新入生、多分ツイッターとかもやってるミーハーオタク系魔眼持ち少女で現在は兄の配慮で表よりは安全だろうと学園の寮に住んでる。
・兄と違って幻視も出来ず銃の腕もそこまで高くないが視野とアナライズ能力は高く、簡単な全体デバフやフィールド用魔法とかを覚えている便利キャラ。
・直接戦闘能力はインフレ極まった現在基準だと低いがチームDATに訓練を付けて貰ったので、レベルも30はあって自衛ぐらいは出来る他にもサバイバル技能や調査技術などを覚えている。
・【モロボシ・ガイ】の方は大体原作ガイさんイメージで『悪魔の力、お借りします!』って感じでカード変身するデビルシフター件、“とある聖剣”に由来する高位悪魔の転生体でありジャグジャグ隊長より強い(現在レベル80後半〜90前半ぐらい)設定。
・現在では各地を放浪しながら得意の迷子で事件に遭遇しつつも、その度にハーモニカを吹きながら『誰でもない、ただの風来坊さ』とか言いながら世界崩壊組織を叩いている感じ。
読了ありがとうございました。
本家様でアサルトリリィキャラが生徒会二人しか出てないので新しく設定してみた。今後学園編とかで登場するかも(未定)風来坊の方はネタキャラ枠というか本家様が隊長ニャル繋がり説出したから設定生やした。