真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~ 作:貴司崎
「……意外とウチの【秘石】って珍しい種類だったから驚いたよ。都会ではストーン類は普通に売ってると思ったんだけど、ウチで作ってるのとは結構違ったから。それに需要も沢山あるみたいで」
「まあ消費アイテムはいくらあっても足りませんからね。使用すればどんな人間でも魔法的な力を利用できるという特性から、新人から最前線まで需要が途切れる事はありません。何より梨璃さんが作る【秘石】は通常のストーン類には見られない効果のものもありますし」
「【吸魔の秘石*1】みたいなドレイン系スキルが使えるストーンは中々見ないもんね。【剛力の秘石*2】とか【魔力の秘石*3】とか【会心の秘石*4】みたいなチャージ効果系も珍しいみたい?」
聖華学園の放課後、校庭にある道の一角で三人の少女……一柳梨璃、二川二水、一柳結梨の新一年生JKトリオが仲良く話しながら下校していた。
彼女達は入学式で右も左も分からなかった梨璃を二水が助けた事をキッカケに友達となり、そこに『友達になろうよ!』とやってきた転入生の結梨が加わるという経緯で三人パーティーを組んでいた。
「今回ちょっと行ってきた旧校舎で梨璃さんが作る【秘石】は十分に実戦に耐えうると証明出来ましたから、珍しい種類である事を踏まえても販売するのも手ではありますね。必要なら学園内での消費アイテムの需要や値段、後は安全に販売出来るルートや方法も調べますが」
「私はまだお母さんみたいに上手く【秘石】を作れないし、数もそんなに作れないから今は自分達で使う分だけでいいかなぁ。一応仕送りもあるからお金とか材料には困ってないし、足りなくなったら【ストーンハント*5】で悪魔から宝石を貰うから」
「梨璃って悪魔との交渉上手いもんね、なんか【カリスマ*6】があるっていうか。それに石が必要になったら結梨も一緒に探すよ? 異界での物探し得意なんだー*7」
また、この三人は新入生の中でも旧校舎の異界に入ってアイテムや素材を集めたり、レベル20〜30ぐらいの悪魔相手に戦闘や交渉を行うなどして積極的に活動している組だったりする。
レベル50近い結梨がいるのでレベル20〜30程度の悪魔相手なら安全に戦闘が行え、フィールド探索では【
「でもレベル43の【邪鬼 マカーブル】がいきなり現れて奇襲を仕掛けて来た時には危なかったよね。レベルで上回る結梨ちゃんが抑えて、その隙に建て直した私達が投げた破魔弱点を突く為の【破魔の秘石*8】が上手く決まってくれたから良かったけど」
「まさか私の索敵をスルーしていきなり奇襲を掛けてくるとは油断出来ませんね*9。……旧校舎は出現悪魔レベル帯ごとにエリア分けされてますけど、稀にレベル帯よりも高レベルの悪魔が現れるとは聞いてましたが不意打ちまでしてくるとは。結梨さんが対応してくれて助かりました」
「悪魔相手の戦いはルール無用だってみんな言ってたし、ああいう不意打ち仕掛けてくる相手は以前経験があった……気がする? でも結梨一人だとレベル50以上の悪魔はまだちょっと厳しいかな。格上を相手にする技術や戦術が足りないとも言われてたし」
まあそれでも油断ならないのがこの世界での戦闘なのだが。異界としては非常に安全に配慮された調整がされている旧校舎の浅い層でも、まだ戦闘に慣れていない新入生では判断ミスなどが起きる事もある様だ。
良くも悪くも管理された空間でしか戦えない学生故に判断力が外のベテランと比べて劣りがちなのは問題視されているが、だからと言って学内で死人を出す方が悪影響は大きいので痛し痒しである。
「やはりこれ以上先のエリアに進むなら誰か追加でメンバーを加えるか、或いは別のパーティーと協力関係になる事も考える必要がありますね。ワンチャン退魔生徒会入りも……結梨さんなら入れそうですし、ちょっと学内で信用出来そうな異能者を調べてみますよ」
「本当に二水ちゃんは頼りになるなぁ。情報収集から異界内部の探索までほぼ一人でやってくれるし。……私はちょっと石作る事しか出来ないからなんか申し訳ないな」
「それを言うなら結梨は戦うしか出来ないぞ、あんまり自分を卑下するなよ梨璃ー。梨璃が作ってくれる【秘石】は便利だからな。特に防御用の【障石】類は強敵相手でも有用だぞ」
ちなみに三人とも外の環境を明確に知っているので自己評価は低めだが、学園内の新入生としては普通に上澄み枠であるので実は退魔生徒会からも目を付けられてるのだがそれはまた別の話。
そんな話をしながら彼女達は校門の前に付いて、そこで寮生活の梨璃と二水は自宅(黎明の祈り手のセーフハウス)から通っている結梨と別れる事となる。急な編入による部屋割りの不都合と本人の要望もあって彼女は学園の寮には入っていないのだ。
「それじゃあ二人ともまた明日ね」
「うん、結梨ちゃんもまたね」
「最近物騒ですからお気をつけて」
「ありがとー。でも今日は“迎え”もいるから大丈夫だよ」
そう言った結梨は二人とも別れて校門を出て、そこを警備している門番さんに挨拶をしてから事前に決められた“待ち合わせ場所”までテクテクと歩いていった。
「……ヤマトおまたせー。待ったー?」
「大体30分ぐらいな。まあこれも仕事だから気にするな」
待ち合わせ場所に居たのはなんとチームDAT所属の新人隊員こと八坂ヤマトだった……ちなみに何故彼が結梨と待ち合わせをしているのかと言うのは“とある事情”があって彼女の登下校中の護衛を依頼されたからであって別に邪推される様な理由はない。
「それでも待ち合わせなら校門前の方が良くない? この前漫画で見たよ」
「いや校門前だと警備の人に職質されるからアウトだからな。色々あったらしいから学園の警備は厳重だから。……それと流石に男と学校前で待ち合わせだと変な噂が立つから配慮はするさ」
「変な噂?」
「……分からんならいい」
人生経験が少ないからか知識はともかく情操に関しては子供並みな結梨のとぼけた様子にヤマトは少し溜息を吐くが、それはそれとして受けた“依頼”を達成する為に気を引き締めて『彼女の護衛』を務めながら一緒にセーフハウスへと帰る事にした。
……ちなみに此処での事がたまたま学園生に目撃されて『結梨ちゃんが中性的なイケメンと逢い引きしてた』なんて噂が立ったりするが、本人が特に気にしてないのと色恋ごとに関してはそれ以上に濃い噂がある聖華学園(学食で猥談とかスパダリのコトワリとか)なので直ぐに消えたそうな。逢い引きぐらいではインパクトが足りない模様。
──────◇◇◇──────
「……まあいきなり現れるマカーブルとかスイキとかは確かに鬱陶しいな。とりあえず現れた瞬間に
「逆に飛びながら背後から襲い掛かると先手が取れるよ。結梨は悪魔人としての力で自由に【飛行】が可能だよ」
「え、何それ裏山。……アオビト、俺達も空飛んだり出来ないのか? 専用スキル使う時には浮遊したりちょっと飛行したり出来るんだから空ぐらい飛べると思うんだ」
『少年、俺もそう思うんだがあくまでもスキルの挙動としての飛行しか出来んから、移動時には精々浮遊するぐらいな上で走ったりジャンプしたりした方が早く動ける有り様だぞ。それにダアトでは上空に強力な悪魔が飛び回っている事もあったから地面を移動した方が安全だったんだ*10』
異界やフィールド探索なんて空を飛べれば簡単だと思ったんだがそう上手い話はないという訳だ。結梨ちゃんも下手に飛ぶと飛べない仲間と連携が切れるから異界内部では余り飛ばない様にしているらしいし。
他にも異界や霊的な拠点にあるトラップなどは物理的ではなく概念的な挙動をする時があるので、落とし穴なら『穴に落とす』概念で飛行出来ようが問答無用で下層まで落としたり、暴風が吹き出る魔法陣なら『吹き飛ばす』概念で同じく凡ゆる相手を指定しただけ吹き飛ばす挙動になる事もあるのだとか。
『高空で活動するでもない限りは飛行よりも地に足が着いた移動の方がまだ安全だ。飛行しながら戦闘出来るならともかく、そうでないなら戦闘能力や身のこなしは大きく落ちるからな』
「結梨も全力で戦うなら地面に立ってた方が良いかな。物理スキル使う時とかは地面を踏みしめた方が威力が出るし、必要に応じて大ジャンプとか飛行とか?する事はあるけど」
「そう上手い話はないんだよなぁ」
かつてのダアトで悪魔が跋扈する複雑な地形を走り回らざるを得なかったアオビトが言う言葉なので相応に説得力があるな。まあ空を飛んで地形を無視して一気に移動したいと思った事は一度や二度ではないみたいだが。
ちなみに結梨ちゃんには俺がアオビトと融合している事を既に伝えている。黎明の祈り手との検証作業で一緒にいるうちに『ヤマトの中にもう一人いる気配がするよ?』と言われたので、既に彼女の保護者である祈り手達も知っている事から考えて隠す意味は無いだろうって事でな。
……さて、こうして美少女JKと話しながら歩くとかデートではと思われるかもしれないが、今回はちゃんとした『彼女の護衛』という仕事であり、何故そんな依頼を受ける事になったのかというと……。
「……うーん、やっぱり見られている気がする?」
「……こっちでも確認した。単なる好奇の視線じゃなくて
『こちらの探知でも敵対対象の気配は感知出来た*11。先程からずっとこっちをつけ回している』
そう、俺が護衛の依頼を受けた理由は最近結梨ちゃんの登下校時に彼女をストーキングしている連中がいるからだったのだ。最初は気のせいかもしれないと思ったらしいが、どうも彼女に探知系の呪術が掛けられた痕跡もありセーフハウスにも同じ術が掛けられていたのでほぼ確定だそうだ。
勿論、セーフハウスにまで術を掛けられたので黎明の祈り手も調査に動いたのだが下手人を捉える事は出来ず、どうやら相手は彼女に好意を抱いてストーキングしてるとかではない明らかなプロの犯行だと判断して丁度世話になっていたチームDATに依頼が来たという訳だ。
「ここまでしつこく一個人を狙うあたり相手が誰でもいいそこらのマンハントって訳ではなさそうだしな。普通なら諦めてリスクの少ない別の獲物を選ぶ。……可能性としてはまず一つ目に【黎明の祈り手】自体に怨みのある人間の犯行。だから彼らと関係のある結梨ちゃんを狙った」
『確か色々な霊能組織の秘伝だったものもwikiに公開してるから、それらから逆恨みされてるとも言っていたな。だから今彼らは心当たりのある組織を調査中で彼女の護衛をこちらに依頼してきたわけだ』
「迷惑かけてごめんね」
彼らがボ卿スタイルなのも悪ふざけというだけではなく、様々な情報を握っている事から狙われやすいので顔を隠すと共に耐性装備を身に付ける事による自衛も目的になっているらしいからな。
……まあ狙われてタダで済ませる気は無いので俺達など何人かを雇って現在返り討ちにする準備を進めているのだが、実は結梨ちゃんが狙われる可能性は“もう一つ”あるのだ。
「別に迷惑とかではないが。俺だって仕事である事もあるが友人を助けるぐらいするさ。……それよりも君が
「……うん、前の世界では京都ヤタガラスの生き残りが私の身柄を寄越せって聖華学園にちょっかい出してきた事があった。その時は生徒会のみんなが庇ってくれたけど、その直後にセプテントリオンが現れてそれどころじゃなくなったの。それから特攻してすぐにこの世界に来たからその後の事は分からないけど」
『世界が違う以上は関係のある可能性はかなり低いのだが、まあ我々がこの世界にいる以上は万に一つぐらいの可能性もある。黎明の祈り手狙いとしては不信点が多い事もあるしな」
ちなみに狙われた理由はその京都ヤタガラス残党が彼女を作った組織であり、何かの目的の為に彼女を回収してデータを取りたかったという話だそうだ。人工的に作られた悪魔人という珍しい存在だから狙われたのではとかつての聖華学園は考えていたらしい。
そういう事情もあるので万が一ドリフター関連の面倒事だった場合に動きやすい俺達チームDATが彼女の護衛につく事になったという理由もあるのだ。
流石に世界が違うから可能性は低いと思うが……まあ、こうして想像しても今つけている連中が何を企んでいるのかは分からんので埒があかん故、それなら“直接聞き出すのが一番手っ取り早い”だろう。
「……じゃあ“手筈“通り」
「おっけー、人気のない所に誘い込むんだね」
そうして俺は結梨ちゃんを連れてワザと人気がない路地裏へと入り込み、そのままもし戦闘になったとしても問題なさそうな町外れの寂れた工場跡地へと向かっていった。
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「……まだ着いて来ているな。あからさまに人気のない所に来たから分かりやすく罠だと考えて逃げると思ったんだけど」
『敵意も更に強くなっている。もはや取り繕う気も無いようだぞ』
アオビトの言う通り辺りに人がいない廃工場に来た所で、付けていた連中は俺でもはっきりと分かるぐらいにこっちへと敵意を向けて来ていた。
……結梨ちゃんもそれを感じ取っているのか顔をしかめつつ武器である【真紅の長巻*12】を構え、俺ももう戦意を隠す意味は無いだろうとナホビノモードへ変身しながら付いて来ている連中へと問い掛ける。
「おい! さっきから付いてきて一体何の用だ! いい加減に姿を見せて要件を言え!!!」
そう俺は敵意が向けられてくる方向に向けて大声で問いかけながら、手からいつものビームソード(使い込んでも威力が上がったりしない)を伸ばして結梨ちゃんを背後に庇う様なポジションに移動する。
……すると物陰から和装を中心に複数の霊装らしき装備を纏った男が三人出て来た。アオビトの感知でも俺達の周囲にいる敵らしき反応はあの三人だけみたいだな。
「……出て来たのか。何か御用ですかね?」
「…………その娘を渡してもらおうか」
重ねて質問したら男の一人がそんな事を言いやがった……どうやら結梨ちゃんが狙いって予想が正解みたいだし、もう少し“ムダ話”をして時間を稼ぐかな。
『少年、アナライズで連中のレベルだけは抜けた。何かアナライズ妨害の術でも使っているのか詳細は分からなかったが、大体レベルは30後半辺りの様だ』
(了解アオビト、俺が話しているウチに引き続き解析を頼む)「いやいきなり怪しい連中に女の子を渡せと言われて渡すヤツはおらんだろ。そもそも貴様ら何者だよ」
「……昔、結梨を狙って来た“京都ヤタガラスの残党”と関わりがあるの?」
「答える義理は無い。寄越さぬというなら力尽くで奪うまで」
そう思っていたのだが連中は初めからこっちと話す気は無かったのか早々に会話を切り上げて戦闘態勢へと移った……俺の
しかし、油断する気もないがレベル40以下程度で俺達に勝てる気でいるのか? 何か切り札があるのかもしれないが、それは狙われている事が分かっているこっちも同じ……と考えていた所で遠くの方から
「ッ⁉︎ これは……」
「“お前たちが用意していた伏兵”はこちらの別働隊に足止めさせている。援軍は来ない」
「みんなが⁉︎」
……今回の護衛依頼は結梨ちゃんの同意の上で初めから彼女を囮にしてストーカーを釣り出す作戦であり、敢えて直接の護衛をレベルが一番低い俺のみで行いながら、更に遠い位置から発信機などでこっちを監視・護衛するチームDAT及び黎明の祈り手の他メンバーが配置されていたんだが。
予定としては俺と結梨ちゃんだけでこの廃工場に入った様に見せかけて連中をおびき寄せてから、他のメンバーが突入して一気に捕獲する展開を想定していたんだが裏目に出たかな。
「……まあ、俺達より遥かに強いあの人達なら足止めぐらい直ぐに突破してくるだろう。……それでレベル30ちょい三人だけで俺達をどうにか出来ると思ってるのか? そうだとしたら考えが甘すぎると思うが」(どうせ切り札でもあるんだろうけど)
「……ふん、レベルが高いだけのど素人が。……全員あの“薬”をキメろ!」
多分自分狙いだと知った上で他の人達が襲撃されて動揺してるっぽい結梨ちゃんをフォローする感じの言葉を掛けつつ、連中を軽く挑発して手札を明かさせようとしたら三人の男は懐から丸薬の様な物を取り出して口に含んだ。
「「「……オオオオオオオォォ!!!」」」メキメキメキメキッ!!!
すると男達の姿が異音と共に変わっていき、一人は肌の色が青白く鼻は異様な程に伸び更には背中から翼まで生え、別の一人は顔が黒く染まり身体に黄色い毛皮が生えた獣の様な姿へ、もう一人は姿は人型のままだが肌が浅黒く変化して目には異様な光を放つそれぞれ異形の姿となりその気配も大きく膨れ上がった。
……悪魔変身の類かと思ったが薬とか使ってるし外法の類いかな。とりあえず変異した事によってアナライズ妨害も機能しなくなっているから今の内にアナライズをしておこう。
| 悪魔人間 | クラマテング | LV49 | 衝撃吸収 破魔無効*14/精神・呪殺無効 電撃に強い*15 |
| 悪魔人間 | ヌエ | LV52 | 電撃無効*16/破魔無効 火炎・衝撃・呪殺・魅了に強い*17 |
| 悪魔人間 | サルタヒコ | LV45 | 破魔・呪殺無効 神経弱点*18/火炎・氷結・毒・混乱に強い*19 |
連中の変身の隙をついてアナライズしてみた所、種族が悪魔人間となり名前もそれぞれ【クラマテング】【ヌエ】【サルタヒコ】と表示されていた。だが装備品を付けている所から人間判定ではあるらしい。
まあ、結梨ちゃんとかもそうだが悪魔因子持ちの人間は普通人間判定で装備も問題ないとは聞くし、変身後の悪魔変身者や俺みたいな特殊例ぐらいしか装備品を付けられない様な事はないとは以前に聞いたが。
「確か人間に悪魔の力を宿す『イマージュ兵』とか言うのがあるって聞いたがその類いか? それでも未だに俺達よりもレベルが低いみたいだが……召喚」
まあ、連中の悪魔変身がどういう理屈なのかは分からないが、とりあえず連中が変身している悪魔のスペックに出来る限り対応出来る能力を持った仲魔──【軍神 ヨシツネ】【幻魔 クー・フーリン】【凶鳥 モー・ショボー】の三体を召喚待機状態*20にしてから同時召喚する。
「ふん、まあイマージュ技術も使われてはいるが、貴様程度では思いもつかない様な技術が使われているのさ」
「デビルシフターかと思ったがデビルサマナーでもあったか。珍しいタイプだが」
「悪魔化で気が高揚するのは分かるが余計な口を開くな。……こちらも“追加の戦力”を呼ぶ」
そう言うとその中の一人である【クラマテング】の男が懐からCOMPを取り出して起動操作を行った。どうやら向こうも悪魔召喚師って事になるらしく、追加戦力含めてだとどう戦うべきか思案する。
……と、そこまで考えていた俺だったが、男がCOMPから呼び出した『150cm程度の小柄な人型で何処となく機械的な風の武者鎧を着た様な悪魔』を見て、更にそいつから“覚えのある気配”を感じ取った事で思わず目を見開いた。
「これは、まさか!」
「え? なんだろうこの感じ」
『アナライズ完了……気を付けろ少年、どうやらただの人攫いではなさそうだ』
| 神造魔人 | スクナヒコナ | LV65 | 氷結・電撃無効 破魔・呪殺・BS耐性*21 |
そしてアナライズ結果に表示された種族【
……アオビトの言う通りこの世界に来たばかりのドリフターである結梨ちゃんが狙いという事といい、神造魔人なんてこの世界ではレア過ぎる代物を持っている事といい単なる人攫いではない面倒な連中ってのは確定になるか。
『それに加えて廃工場に結界の様なものを感知した。おそらく逃走防止のものだろうから【トラフーリ*22】が使えるか怪しくなった』
「確かに油断できる相手じゃなさそうだな。結界が張られているから逃げるのも難しいし、色々と聞き出したい事もあるから全力で戦うしかないか。……結梨ちゃん、やれるか?」
「うん、大丈夫」
「……起動確認。作戦目標『指定対象の確保及び妨害存在の確保』確認。戦闘開始」
そんな無機質で機械的な言葉を【神造魔人 スクナヒコナ】が発すると同時に腰に下げた針の様な剣を引き抜き、三人の悪魔人間もそれに合わせて戦闘態勢を取ったのでこちらも結梨ちゃんと仲魔と共に迎え撃つ構えを取る。
……倒せれば良いんだが無理なら他のDATか祈り手メンバーが来るまで時間稼ぎだな。まあチームDATのみんなと一緒に戦っていないからこそ出来る戦い方──俺とアオビトの
あとがき・各種設定解説
ヤマト&アオビト:アイエエエ神造魔人ナンデ?
・彼だけが護衛だったのはレベル低めで釣りの餌としては丁度いいのと、トラフーリが使えて逃走がしやすいから及び結梨ちゃんと割と仲が良いので丁度いいだろうって感じ。
・ちなみに本来の戦い方とは彼らがかつてダアトで自分一人と仲魔だけで活動していた時に使っていた技術であり、メガテンナンバリングタイトル真3以降に採用されたあのシステム。
一柳結梨:今はもう一度学生やってる
・一応かつて自分の素性云々の問題があった時に自分の出世の秘密とかは一通り知ったが、あくまで『京都ヤタガラスが天狗の遺骸を素材に作った人造人間』とまで。
・なので本人も回収した遺骸が実は『神造魔人の遺骸』だったとは知らなかったので神造魔人は初見だが、“ヤマトと会った時と同じ様に”何か見知った気配を感じた模様。
・神造魔人の遺骸から作られた彼女に【幻魔 アマノザコ】の分霊が宿った理由は原作真5をやってれば大体予想は出来ると思うが、その辺りの詳しい話は今後説明していく予定。
・ちなみにアマノザコの配役を彼女にしたのは『遺骸を素材に作られた人工的な存在』『出世の秘密で追われる』と言った共通点があったからです。
謎の男達:謎のストーカー
・薬飲んで悪魔の力を得て神造魔人まで連れている変な連中であり、チームDATや黎明の祈り手もマンハントかヤクザかメシアガイア辺りかなと思っていたが予想を上回る連中だった模様。
・ちなみにヤマト達の前に現れた三名は悪魔化しても理性を保っていられる熟練霊能者であり、標的を確保するだけの加減が出来るだろうという理由で誘拐役に選ばれた。
・そしてチームDATや黎明の祈り手を襲っているのはそうでない連中……加減は効かないがスペックは高い者達であり、そういった役割分担が出来るぐらいにはプロ。
読了ありがとうございました。
次回はようやく主人公の本格戦闘シーン。これまではレベルが足りずにサポートしか出来なかったからね。相手に物理無効はいないし先頭はヨシツネで(真5中盤辺りからの鉄板戦術)