真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~ 作:貴司崎
「……ここが【カグツチ神殿】……っぽい建物だが、先日は悪魔から逃げる事優先で中身を見る余裕こそなかったが、改めて見ると過去の【ダアト】にあった【カグツチ神殿】とそっくりだな」
『ああ、内装や出現する悪魔の反応もかつての【カグツチ神殿】と一致する。それと詳細に解析した結果だが、この異界にあるマガツヒはこの神殿から異界の各地に拡散している様だな』
\カカカッ/
| 合一神 | 八坂ヤマト/アオビト | LV72 | 氷結・呪殺・精神・神経・魔力無効 物理・火炎・電撃・衝撃・破魔耐性 |
「ふーん、なんか荘厳な雰囲気がある気がするね。……何処かで見たような気もするけど……」
\カカカッ/
| 一柳結梨 | LV67 | 電撃反射 衝撃・破魔・呪殺・精神無効 銃・火炎・氷結・神経・魔力・金縛耐性*1 |
そうして俺と結梨ちゃんは休憩を終えて体力を回復させた後、他の悪魔が寄ってくる前にこの異界の核であると思われる【カグツチ神殿】の攻略を開始した。
……内装は昔のダアトのラストダンジョンである【カグツチ神殿】に類似しているが、やはり構造自体は別物みたいだから探索と攻略には相応に手間が掛かりそうではあるな。前みたいに高低差があったり時間止める面倒なギミックがなければ嬉しいんだが。
「とりあえず探索の方針としては出来るだけ悪魔との接触を避けつつマップを作るという代わり映えのない方針だが、ここは室内だから狭い通路なども多くて接触を回避出来ない事も多いだろうからその辺りには注意だ」
「そうだね、出てくるのがヤマタノオロチと同等かそれ以上のレベルの悪魔相手だから連戦はキツイかな?」
『だが表を調べても手掛かりは得られなかった以上、異界から脱出するには一番怪しいこの神殿の調査は避けては通れん。それに戦っていればレベルも上がるだろうし、消耗にだけ気を付けていればどうにかなるだろう』
一応、俺が【トラフーリ*2】を使う事を常に意識しつつ、万が一の時は手持ちの【カエレール*3】でこの神殿から脱出する事も視野に入れてはいるが。
しかしダンジョン脱出魔法は便利だな。今は【回帰のピラー*4】が無いから龍穴への転移からの【龍脈渡り】によるダンジョン離脱の手が使えんし。
「そもそも龍穴みたいなパワースポットは大体どっかの霊能組織の管理下だから、ダアトみたいな崩壊してる世界じゃ無いと龍脈渡りなんてまず使えんからな。管理者の許可とか無いと」
『この異界内には龍穴を模したパワースポットがあるから内部限定で龍脈渡りは出来るし、お陰で探索も多少は楽になったが何処でも直ぐに移動出来ると言う訳では無いからな……話の途中だがこちらに向かって来る悪魔の反応だ』
そうして神殿内の探索を続けている途中で少し昔を懐かしんでいたがアオビトからの警告があったので直ぐに警戒態勢、悪魔の反応は進行方向側の通路の先から敵意を持って接近中、現在地は一本道の通路に入って暫く経ってるから脇道に行くなどしての接触回避は困難。
そこまで考えた所で通路の奥から『複数の腕に鋭い剣を持った女性型の悪魔』が現れて、まるで踊る様な足捌きをしながら超高速で距離を詰めてからの斬撃を見舞って来た。アイサツ前のアンブッシュは一度なら許されるか!(違う)
「チッ! 【鬼女 カーリー】か!!!」
「シャァッ!!!」
その一閃を左手から出した光の剣で受け止めた俺は間髪入れずに右手からも光剣を出してカーリーの胴を狙う斬撃を見舞うが、それを読んでいたらしい相手は華麗にバックステップをしながら回避して更に援軍として二体の【堕天使 ネビロス LV67】を呼び出した。
それに対してこちらも召喚待機状態にしていた【軍神 ヨシツネ LV63】【幻魔 クー・フーリン LV65】【天使 ソロネ LV67】を召喚、そして結梨ちゃんも戦列に加わって互いに本格的な戦闘態勢が整った。
「ヤマト大丈夫?」
「問題ない、カーリーは物理攻撃主体で火炎無効呪殺反射破魔耐性に氷結と衝撃無効。ネビロスは呪殺と万能魔法を使って呪殺反射と衝撃破魔弱点だ」
「うん分かった、それなら結梨はバフとネビロス狙いだね」
元から結梨ちゃんとは相性(戦闘的な意味)は良かったんだが、この異界でのレベリング悪魔狩りツアーを得たお陰か最低限の言葉だけでこっちが行う戦術を理解してくれた上でお互いに連携が取れる様になった。
そして戦術を決めたと同時に即座に動いて先手を取る事もこれまでの戦いで出来るようになっており、最初の奇襲を防いだ時に向こうに僅かな隙を作れた事もあって俺達は先んじて攻撃を行う事が出来た。
「プレスターン戦闘においては先手を取る事こそが基本にして奥義! 勿論初手は確定クリティカル攻撃だ!!!」
「物理無効以上が居ない限りは初手【八艘飛び】が安定だな。戦場では一番強い戦術があるなら飽きもせずに使い続けるべきだ」
| ヤブサメショット | 物理属性スキル | 敵全体に小威力の物理属性攻撃。相性を無視して貫通し、必ずクリティカルになる。 |
| 八艘飛び | 物理属性スキル | ヨシツネ専用/敵全体ランダムに8回小威力の物理属性攻撃。必ずクリティカルになる。 |
最初に俺がウルトラマンの牽制用小威力光線技っぽい動作で敵の急所に必ず当たる複数の光の矢を乱れ撃ちし、そこにはっそうとびマシーンヨシツネが何時もの連続斬撃で追撃する事でダメージを与えると共に敵側に追加の呼吸を挟めるだけの隙を作る。
基本的に一巡目は確定クリティカルか弱点属性攻撃、バフや回復は二巡目からやればいいのだ……攻撃回避されたら地獄を見るから回復は優先した方がいい時もあるが。
「これでも影の国で鍛えられたから魔法にも心得があるぞ! 【マハンマオン*5】!」
「堕ちた天使よ、裁きの光を喰らいなさい! 【マハンマオン】!」
「グギャァァァァァ!!!」
そこに間髪入れずにクー・フーリンとソロネが悪しき者を浄化する破魔の光を敵全体に浴びせ掛ける。見かけによらず女神の側面でもあるカーリーには破魔耐性があるので対して効かないが、死者を操る堕天使であるネビロスの方には効果は覿面であり弱点を突いた事による即死が発動して片方は浄化された。
弱点を突く為の全体攻撃でも使うのは無効相性が居ない時のみ、耐性までであればダメージは減っても呼吸を乱されて敵に手番を渡す事は無いからな*6。
「ネビロスもカーリーも衝撃弱点なら結梨の番はこれ! 【マハザンダイン*7】!!!」
「ヨシツネ は壁、残りは攻撃でネビロスだけは確実に仕留める。【ハマオン*8】!!!」
「そして俺は守りを固めろと。まあ戦場では確実に勝てる手段を選ぶのは当然か……【畳返し*9】」
「承知した。【ザンダイン】!」
「もう一度裁きの光を! 【マハンマオン】!」
そして結梨ちゃんが【衝撃プレロマ】で威力の増幅によって大出力と化した衝撃波で敵全体を吹き飛ばして隙を作り、そうして稼いだ手番を使っての2回目の行動で俺は残ったネビロスに浄化光線を発射。
運悪く即死効果は発生しなかったが更にヨシツネは俺の指示通りに味方全体に物理反射の壁を展開して敵の攻撃に備え、残ったクー・フーリンとソロネが放った衝撃波と破魔の光によって最後のネビロスは倒された。
「残ったカーリーにも【ザンダイン*10】! こっちの方が威力高いもんね! ……でもレベル差があるから仕留め切れないか」
「舐メルナァ!!!」
最後にもう一度結梨ちゃんが衝撃波による刃を見舞うがHPを削りきる事は出来ず、攻撃が途切れた瞬間にすかさずカーリーは度重なる致命打と弱点攻撃によって崩れた態勢を立て直して狂相を浮かべながら結梨ちゃんを貫かんと迫る。
……あの構えは【地獄突き】だな。同名の別効果スキルはいくつかあるがダアト式の場合は大威力を誇る貫通付きの単体物理攻撃であり、物理反射相性までならぶち抜いてダメージを与えて来るかなり強いスキルである。
「まあ、ダアト式の貫通スキルが抜けるのは“物理反射相性”までで“物理反射状態”は突破出来ないんだがな」
「だからテトラカーンみたいな物理反射状態はそれじゃ抜けないよ。とっくに検証済み」
「何ィ!!?」
そんな俺の狙い通りカーリーが結梨ちゃんに放った凡ゆる相手を貫く刺突は、ヨシツネの【畳返し】の効果で展開されていた【テトラカーン】と同質の物理反射結界を突破出来ず逆に反射されて相手にダメージを与える結果となった。
……ダアト式のテトラマカラは『対象の物理・魔法の属性相性を反射に変更する効果』だから貫通で抜けるんだが、これ相当に特殊な仕様だったらしくポピュラーなテトラマカラは『物理・魔法を反射する状態を付与する』類なので反射属性突破の貫通でも抜けないのである。
『生まれたての悪魔は行動にルーチンが決まっている。そして“貫通なら反射を突破出来る”ダアトのルールで動いている悪魔であれば、そのルール外の“物理反射状態”を知らないから貫通で突破出来ると誤認して嵌る訳だ』
「まあ俺達も
ダアト式のテトラマカラ単体対象だし貫通防げないしで使い勝手が悪くて、防御用なら特定属性のみを全体に一度だけ無効にする各種【障石】が一番使いやすいって状態だったし。一度でも無効化すれば敵の呼吸を奪ってこっちが動く隙を作れるから使い道はあったけど*11。
それと比べれば1ターンずっと物理か魔法を反射出来るテトラマカラはクッソ便利過ぎてつい頼っちゃう。しかもヨシツネが新しく覚えた【畳返し】はHP消費スキルだから適時回復すれば連続使用にも問題ないぐらいコストが安いのも良いね。
「そしてカーリーのスキルは【地獄突き】以外は【朧一閃*12】と【黒龍撃*13】……どちらも力依存攻撃だから物理反射状態を突破は出来ん。万能魔法が使えるネビロスがいなければ嵌められる」
「つまり物理反射の壁を張りながら殴ればどれだけレベル差があっても勝てるね」
「…………オ、オノレェェェェェェ!?」
恨むなら力依存攻撃しか持ってない自分と力依存なら万能属性だろうが反射出来るテトラカーンの仕様を恨むんだな! ……ってノリで一通り弱点とクリティカルでボコボコにした所でカーリーのHPはゼロになって俺達は戦闘に勝利したのだった。
──────◇◇◇──────
さて、カーリーとの戦闘に勝利した後も俺達は【カグツチ神殿(偽)】の探索を続行し、神殿の隅まで歩いて行き止まりにぶつかったりしながらマップを埋めたり、宝箱の反応があったから取ってみたり、偶に遭遇する悪魔を背後から辻斬りしてからクリティカルと弱点攻撃でタコ殴りにしたりしていた。
「だが上手くはめ殺ししているとはいえ格上との連戦はキツイな。特に一戦一戦全力だからMPの消費がエグい。マガツヒゲージは常に満タンにして【溢れるマガツヒ】で回復させてるが限度がある。……この辺りには他の悪魔は居ないから少し休むか」
「さんせー、ちょっと疲れたよ。とりあえず【チャクラドロップ*14】でも舐めよう」
ちなみに【溢れるマガツヒ】はマガツヒゲージが満タンの時にHPMPを自動回復してくれる便利能力なのだが、そもそもマガツヒゲージが満タンの時は悪魔にとってエネルギー源であるマガツヒが身体に満ちている状態の為か“HPMPの自然回復速度が上昇する特性”が元からあり、この神意はその特性を強化した上で味方全体に効果を伝播させる仕組みである。
なので戦闘してなくても味方全員のHPMPの自然回復速度を上げる事は出来たりする。まあ負の感情から生まれるモノである所為か闘争心や死の恐怖とかで戦闘中の方がマガツヒが活性化するので効果は上がるのだが、こうして休憩中に多少なりMPを回復出来るのは長期戦において有用だ。
『現在休憩しているこの広間周辺には敵性悪魔の反応は無い。周囲の監視は俺が行っておくから暫く休むといい』
「ああ、任せたアオビト。……それで結梨は飴を舐めながら何で武器を振り回してるんだ?」
「んー? もごもご……」
そんな感じで俺達は悪魔の姿が無い広間、おそらく異界に稀にある悪魔がポップしない空間であろう場所で身体を休め様とした俺だったが、何故か結梨ちゃんが獲物の【真紅の長巻】をゆっくりと何かを確認する様に振り回していたので思わず聞いてしまった。
「……さっき戦った【カーリー】が使ってた【地獄突き】とか【朧一閃】とかのスキル覚えられないかなって。元々貫通スキルの【貫通撃】と確定クリティカルの【渾身剣】は使えるし、そこから発展させてけば習得出来そう」
「そんなにあっさりとスキルは覚えられるものなのか?」
「んー、自分が使えそうなスキルが使われてる所を見れば何となく“出来そう”って分かるでしょ、後は真似してやってみたら覚えられるよ。隊長さんが使ってた【ブレイブザッパー*15】とかファフニール が使ってた【モータルジハード*16】は異界探索の空き時間で覚えられたし」
……そう言えば結梨ちゃん先日までの異界探索の休憩時間にも同じ様にやってたが、まさかあの短時間でしかも見様見真似でスキル覚えてたのか?
写せ身合体でスキル習得してる俺が言える台詞でも無いとは思うがそんな簡単に習得出来るモノではないと思うんだが。少なくとも写せ身合体でのスキル習得は俺もチームDATメンバーから教えを請う形でやってみたがさっぱり身に付かなかったぞ。
「俺は過去も今も武術の心得とかはさっぱりだからな。基本的にナホビノのスペックと神造魔人に刻まれた戦闘術、後はこれまで戦ってきた経験で戦闘中は立ち回ってるし。写せ身合体頼りだからか自力でスキルを習得する感覚がよく分からん」
『俺も昔はナホビノになるまでは単なる高校生で武術など全く覚えていなかったがな。まあナホビノになった時点で融合した神造魔人の“悪魔的な”戦う方法は自動で身に付いたから困らなかったが』
悪魔は“そういう存在だから”生まれて間もなくても武術やら魔法やらを問題なく使って戦えるモノであり、ナホビノである俺達も融合した神造魔人の能力で素人でも問題なく戦えたんだが、逆に人間の武術や技術を覚える必要が無いので“人間としての技術の習得”はやり難くなっている……と、指導に当たった隊長やトモヤさんからは言われたな。
以前検証班と一緒にやった反撃系スキル効果検証の時にも他の参加者に『反撃は技術だろJK』って言われてもピンと来なかったし、俺にとって【反撃】は確率で発動する“スキル”だからな。一応物理反射吸収の相手には発動しないぐらいの調整は出来るが。
「参考までに結梨ちゃんはどんな感じでスキルを習得しているんだ?」
「どんな感じって言っても……【ブレイブザッパー】の時は隊長さんが使ってたヤツを参考に結梨の【絶命剣*17】をより“シャキン!”から“ズバッ!”っとなって“ズゴン!”ってなる感じに強化したよ。それと【モータルジハード】の時は悪魔のファフニール が使ってたヤツを結梨が使える様に“グオンッ!”って部分を“ズオッ!”って感じにして“ブゥンッ!”と振れる様にすれば覚えられた」
「…………ア、ハイ、ソウデスカ」
……結梨ちゃん擬音族だったか。多分彼女のセンスとか才能が凄すぎて余人には理解出来んヤツだな。
「むー、梨璃や二水にもスキル習得のコツを聞かれた時も何故か同じ顔をされたんだよねー。……【地獄突き】の方は【貫通撃*18】と比べて“グイッ!”っと腰を捻って“ズバシッ!”って突きながら防御を“ドゴン!”と貫く感じで……よし覚えた。【朧一閃】の方は結梨のレベルが足りないのと相性悪いから覚えられないかな」
「それなら休憩に入った方がいいんじゃ無いか? スキル覚えるのは良いんだが一応ここは異界のダンジョンだし」
「そうするー」
ちょっと宇宙猫になってた俺だが今は異界攻略が最優先だから、その為に結梨ちゃんの戦力が上がるならまあいいかて思い直して彼女に今後の探索の為にキチンと休憩する事を促した。
さて、それじゃあ休憩ついでに今までの探索結果を振り返りつつ今まで作った神殿の内部マップを見ながらこれまで分かった事を纏めてみるか。今回の目的は単純に異界を攻略するのではなく、何故【ダアト】を模した異界が出来てどうすれば脱出出来るのかを知る事だからな。
「……ここまででは敵は確かに強かったが神殿の探索自体は上手くいっている。神殿を長く歩き回ってマップもだいぶ埋まったし、宝箱とかを見つけて中身を手に入れたりした」
「アイテムも結構拾えたよね。消費系の回復アイテムが多く拾えたのはラッキーだったかな」
しかし、今まで探索してマップが埋まった場所で分かった事は宝箱から結構強そうな【写せ身】が出たりしたとか、
……残念ながら何かこの異界に関する情報や違和感とかも無く、悪魔ともどうにか戦えるレベルだったから異界の“攻略”としては順調なんだが“調査”としては何も得られなかった形になるが……。
「強いて不自然な所を上げるなら
「探索が順調なのはいい事じゃ無いの? それに戦闘も毎回レベル70代の悪魔と戦う羽目になって結構キツイんだけど」
『いや、前回の偵察時には探知出来た範囲内だけでもかなりの数の悪魔がいたから慌てて引き返してきたんだが、今は大体五分の一ぐらいの数しか遭遇出来ていない。……正直言ってこの神殿の攻略には何度も挑戦しながらレベルを上げていかねばならないと思っていたからな』
実際、異界に閉じ込められたままだから神殿探索の消耗と消費アイテムの残量の兼ね合いで詰む可能性もあるかもと思ってたんだが、何故か悪魔は多少梃子摺るが普通に戦えるぐらいの頻度と数でしか出てこなかったのだ。
「特に逃げずに戦って倒しながら進んだ方が安全な程度の悪魔しか出てこなかったし、異常なこの異界で起きている不審点だから探索が楽になってラッキーと考えるよりも警戒した方が良いだろう」
「それはそうだね。異界で悪魔の数が少ない時は誰かが狩り過ぎて数が少なくなったとか、何かの理由で発生する悪魔が減ったとかだろうし」
「まあこの異界にいる人間は俺達だけの筈だが、悪魔同士の縄張り争いで何か強力な悪魔に狩られたとかもあり得るが「それが正解ではあるな」ッ! 何者⁉︎」
そんな風にこれまでの探索の際に感じた不審点を話し合っていたら、突然俺とアオビトの探知でも何も無かった筈の方向から声を掛けられたので即座に俺達は戦闘態勢を取った。
声が聞こえて来た方向には先へ続いていると思しき通路があり、そこにはついさっきまでは探知には何も反応が無かった筈なのに急にこちらへ向かってくる悪魔の反応がありゆっくりと広間へとその姿を見せた。
「アレは……【妖鬼 オンギョウキ】か? 確かに伝承的には探知に引っかからなくてもおかしくないが」
『気を付けろ少年、いきなり反応が現れたからおそらく【マカーブル】や【スイキ】の様な隠密からの奇襲タイプの悪魔だろう』
「でも敵意は感じないんだけど? そもそも奇襲が目的ならわざわざ声を掛けないんじゃない?」
現れたのは異常に存在感の薄い漆黒の鬼【妖鬼 オンギョウキ LV78】、過去のダアトでも出て来たが物理攻撃に万能魔法に状態異常を駆使するかなり厄介な手合いだ……が、確かに結梨ちゃんの言う通り敵意は感じないな。
「そちらの少女の言う通り私に汝らと戦う気は無い。……ナホビノとその仲間である汝らに頼みがあるのだ」
「あ、なんだクエスト依頼か。それで依頼内容は?」
「……聞いておいて何だが悪魔の言う事を随分とあっさり信じるんだな」
だって
先に依頼を受けても途中で気に入らなかったから回れ右して依頼主を倒す、或いは依頼を達成したら依頼主の悪魔と何故か戦う事とかも良くある事だったからな*19。
「それで? さっきは悪魔同士の縄張り争いで悪魔の数が減ったって話に『正解』とか言っていたが?」
「ああ、今この神殿内部の悪魔が少ないのは“ある悪魔”に片端から
なるほど、だから神殿内の悪魔が少ないのか。まあ『邪魔者の排除』は悪魔からの依頼としては『物探し』と同じぐらいに良くある依頼ではあるが……。
「この神殿に居る悪魔ってレベル70以上の高レベル悪魔だよね。そんな悪魔を食べるってどんな悪魔なの? 此処にいる悪魔がみんなで挑んでも倒せないレベルとか?」
「依頼を受けるにしてもその悪魔の詳細な情報は欲しいな」
結梨ちゃんの言う通りそれだけ危険な悪魔がいるなら、その情報如何によっては神殿の攻略計画を見直す必要があるので何としてもオンギョウキから情報を引き出す必要が出て来たな。後はまだ依頼受けるとは言ってないからヤバそうなら断って撤退か。
「まあ此処にいる悪魔が総掛かりでいけば倒せるかもしれんが、私の様な例外を除いて発生して間もない悪魔ばかりで自我が薄いから協力する事自体が無理だな。……そしてお前達に依頼した理由はその悪魔が
「ッ⁉︎ ……詳しく話せ」
……そう思っていたんだがオンギョウキの口から聞き捨てならない情報が出たので、俺達はなんとしてでもコイツから情報を聞き出す必要が出てきてしまった。俺達以外のナホビノがいる可能性がある情報は見過ごす訳にはいかない。
あとがき・各種設定解説
ヤマト&アオビト:実はどちらも人間としては凡人だった
・どっちも合一神になる前は普通の高校生だったので武術やら魔術の心得はさっぱりであり、合一神になれる知恵がある事以外は人間としてに霊的才能も並だった。
・ただ合一神になってしまえば自動的に成長限界レベル99確定だし、戦闘用として作られた神造魔人と融合してるので悪魔と同じ様に“そういう存在だから”という理由で戦闘が可能。
・この神造魔人の機能としての戦闘能力と合一神としての圧倒的な霊的資質によるレベルとステータス、そしてダアトを戦い抜いてきた膨大な戦闘経験及びそれによって培われた戦術眼で戦うのが彼らの戦闘スタイルになる。
・そのせいか自力でスキルを習得するなどの才覚は写せ身合体に頼りきり故に皆無であり、正直言ってそちらの方が圧倒的に効率的。
・実際スキル習得に時間を使うぐらいならレベル上げるか裏稼業の心得や立ち回りを学ぶのに時間使った方が良いので、武術などの単純な戦闘技術の研鑽とかはチームDATとの連携訓練などの最低限しかやってない。
一柳結梨:こっちは才能お化け枠
・原作『アサルトリリィ』でも一度見た“お姉様”の戦闘技術を真似しての初戦闘で敵を撃破したり、一度見た一人一つしか使えないレアスキルを複数同時に使って巨大な敵を撃破してるので設定を流用して才能オバケに。
・ただし一度見たスキルならなんでもコピー出来るとかのデタラメな力ではなく、あくまで自分に適性があるスキルを一度見れば見様見真似で習得出来る形。
・特に魔法系とかは元となった【幻魔 アマノザコ】に適性のある種別のものしか真似出来ず、主にアマノザコの因子から魔法を引き出しているので“かつての第三生徒会”が多用していた全体バフ補助魔法などを習得したぐらい。
・その代わり技術でどうにかなる武術系スキルは見様見真似で結構覚えているが、それでも本人に適性がある物理スキル(主に真5の物理属性スキルなど)しか覚えられないので例えば【バイパースマッシュ】とか特殊なものは見ただけでは習得出来ない。
オンギョウキ:サブクエスト悪魔シンボル
・何故彼等に依頼を出したのかや合一神(仮)の正体やオンギョウキが明確な自我がある理由などは次回詳しく説明します。
読了ありがとうございました。
全体反射のテトラマカラクッソ強いな。プレスターン式なら一回でも反射出来れば【セーフティ】でも無い限り敵の手番を奪えるし、その味を覚えた主人公は使い倒してる感じです。それだけに拘る事はしてませんが。