真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~ 作:貴司崎
アストラルシンドローム患者を入院させている病院の一つ、そこに押し入ったヤクザの手先である襲撃者達の殆どは守りに付いていたチームDATを始めとするデビルバスター、更には新興の民間軍事会社【ミスリル】から派遣された軍人達によって制圧されていた。
「あはははははは! フェンリルちゃーん! 出番よぉぉ!」
『GAAAAAAAAAA!!!』
| タルカオート | 自動効果スキル | 1ターン目開始時に味方全体の攻撃力を20%上昇させる。 |
| スクカオート | 自動効果スキル | 1ターン目開始時に味方全体の命中・回避率を20%上昇させる。 |
だが、病院の裏口に現れた【魔丞・ランダ】は人格こそ最早狂い果てているが、かつてボルテクス界の一つを制した事もあってそれ以外の襲撃者と比べて遥かに高い実力を持っており、まず仲魔である【妖獣 フェンリル】が手番消費無しの自動効果スキルによって味方の能力を向上させる。
加えて魔丞としての性能からランダは当然の如く二回行動可能であり、防衛という役割から動きが鈍った敵手の隙を突く形で先手を取りつつ得意の補助魔法【ランダマイザ*1】で更なる能力低下を行う。
『GUGYAAAAAA! 毒毒ドクドクゥ!!!』
『GRUUUAAAAA!!!』
「キヒヒヒヒヒヒ! これでも喰らいなぁ!!!」
そして強化と弱体化によって場が整った所で間髪入れずに【邪龍 ファフニール】の猛毒を纏った身体による薙ぎ払い【べノンザッパー*2】が敵全体を襲う。
更にフェンリルの爪牙による連続攻撃【虚空爪撃*3】が敵の中で仲魔を使役しているサマナーらしき男を襲い、だめ押しに【夜魔 ジャヒー】の放った無数の魔弾【高天烈風弾*4】が敵全体に降り注ぐ。
「ハハハハハ! ファフニールの攻撃が
『GYAAHAAAA! モウイチド毒ダァ!!!』
そして
……このファフニールは毒の威力を向上させる【貪欲なる煌めき*6】を持っており、更にこれまでの攻撃全てにフェンリルが有する敵味方全ての物理ダメージを1.5倍とする【狂乱の間】の補正も乗る事で大ダメージを与えられるのだ。
(まあさっきの攻防でバリアがあるだろうから状態異常は通らないだろうけど、ダメージは与えられたし向こうが行動した瞬間にファフニールのスキルでバリアは解除されると同時に毒を見舞う。そこから毒解除に手番を使わせつつバフデバフを重ねていけば……イズレハ彼等モ私ノ腹ノ中デ……)
この魔丞・ランダはとある過去周回の食料すら無くなった飢餓のボルテクス界で生き残ってしまい、その果てに愛するモノ全てを喰らうコトワリに目覚めたので人格こそ狂っているが、それでもボルテクス界を生き残っただけあって知恵は相応に回る。
基本的には毒を始めとする各種状態異常付与に対処させて敵の手番を削りつつ、クリティカル込みの物理攻撃とバフデバフを重ねながらダメージレースを行うという狂気に満ちた思考からは想像できない様なクレバーな戦術を得意とする辺りにもそれが見て取れた。
「……狂っているように見えて動きは洗練されているな。レベルは然程でも無いが厄介そうだ」
「うん、まあそれはそうなんっすが……ほぼ無傷で凌いでたっすね。やっぱりこの防壁っていうステータスやばいっす」
「私のハーベストな加護のお陰ですわね!」
「………………ハ?」
……だが、そうして知恵が相応に回るが故に一連の攻撃を受けて仕留められなかったり状態異常になってないならまだしも、想定よりもダメージを受けてないヤマトとその仲魔の姿を見ても何が起きたか理解出来なかった。
| エレウシスの祝福(劣化) | 自動効果スキル | D2出典。 1ターン目開始時、連動効果「1ターンの間、味方全体はHP1500相当の防壁を得る」 自身が生存中、味方全体は次の効果を発揮「このスキルによる防壁を得ている時、すべての状態異常無効を得る」 仲魔のデメテルでは霊格が足りないので大半のの効果が削られている。 |
勿論、それを成したのはやっぱりデメテルの有するスキル【エレウシスの祝福】、戦闘開始時に展開される防壁がダメージを吸収した上で追加効果で状態異常になる事を防いだのだ。
加えて状態異常無効は『防壁を得ている間のパッシブスキルの効果』であってバリア系の効果では無いのでファフニールが有するバリア破りも意味をなさない。
「フェンリルとファフニール の攻撃に物理耐性は機能してなかった*7のと、レベルに比べて火力があったから貫通と攻撃力上昇はありますね。それとガルーダが攻撃回避しても態勢崩さなかったので全員が【セーフティ*8】持ち。俺は魔丞をアナライズするから貫通と万能で攻めろ」
「ランダは物理反射で夜魔のジャヒーは魔法吸収……でもどうせ耐性スキルで弱点補ってそうっすからね。俺は【貫く闘気*9】使いつつサポート重視で行くっすよ」
そうして最も被害を受けやすい初手による奇襲をデメテルの力で凌いだ彼らはまずヤマトが反撃に移るためにアナライズを試み、更に事前に決めておいた順番通りにガルーダ・コウリュウが動き出す。
「さて、では何時もの通り隙を創り出して手番を増やしましょう。今の私であれば直接戦闘も出来るのだから。【ヤブサメショット*10】!」
「では我は万能で薙ぎ払うとしようか。【メギドラオン*11】!」
更にガルーダが背にある金色の翼から無数の羽根を縦断の様に撃ち放って敵全体の急所を撃ち抜き、コウリュウが最上位の万能魔法でもって敵全体を包み込む魔光を現出させた。
「それで減ってるHPは私が回復させますわ! ついでに防壁が切れる次ターンに備えて最大HPも増幅させますけど!」
そして最後のデメテルが保有する【エレウシスの実り*12】によって全員のHP回復させつつ最大値を増強させる。
元よりデメテルはこれらの回復スキルによる回復役になるべく悪魔合体で作られており、言うまでもなく本来の役割とて問題なく熟せるのだ。
「アナライズ終了。抜けたのは名前とレベルと耐性だけですが、耐性はWikiにあったランダの弱点をカバーしつつボス補正持ちです」
「まあそれだけ分かれば十分っすね。スキルは殴り合いながら抜いていくっすから、とりあえず【貫く闘気】で貫通付与っと」
そしてまだ行動してなかったトモヤは事前の訓練通りに
| 鬼女 | 魔丞・ランダ | LV76 | 物理反射 火炎・電撃・衝撃・破魔・呪殺・魔力・神経・精神・BS無効*14 |
『スキルがわからん以上は油断は出来んぞ少年。ボスであれば切り札ぐらいは持っているだろう』
「分かってる、とりあえず呼吸を稼ぐからガルーダはデバフ。【ヤブサメショット】!!!」
「分かったわ主人様、反撃に備えて最後にデバフ、解除に手番を使うならそれでも良いわ」
そこまで考えたヤマトは確定クリティカルにより
「まあHPを増強したから早々死なんし、状態異常対策が固めてる……じゃあダメージレースと行こうか」
「……そんなチートスキル使うなんて、この卑怯者がァァァァァァァッ!!!」
そんな叫びを聞いて僅かだがチートスキル使って卑怯かなと思ったヤマトだったが、そもそも病院を襲う様な半天狗的外道に加減してやる義理なんてないし、どうせこのぐらいのスキルが今後は一般的になる環境となっていくだろうと思ったのでスルーして戦う事にした。
──────◇◇◇──────
「喰らえやっ! 【天剣叢雲*15】!」
「ええいっ!ジャヒー【カバー】よぉ!!!」
ヤマトを振るった長大なる光の剣が魔丞・ランダを襲うが、その一閃は行動を待機させておいたジャヒーがランダの前に立ち塞がる事によって防がれる。
……今の様に仲魔を使役するサマナーであり補助と回復を得意とするランダを優先的に落とそうとしているが、戦闘慣れしたサマナーと仲魔である相手は的確にサマナーが落ちる事だけは防いでいた。
「あの鬱陶しい女神はまだ落とせないの!?」
「ハーベスト!(最大HP上昇付き回復)……威力の低い全体攻撃程度なら【大活脈*16】のHP増強に加えて追加でHP増強させとけば早々には落ちませんわ! 状態異常の多くにも素で強いので!」
「我が適時カバーしてるのもあるんだが。……おっと、そろそろ【咆哮*17】が切れるから掛け直すか」
「状態異常は【メパトラ*18】で大体直せるな。マスク二重掛けかつ精神神経魔力無効な俺は早々に状態異常には嵌らん」
そしてランダ側は厄介極まりないHP上限を引き上げる回復を続けるデメテルを落とそうとするものの、複数のパッシブスキルと【エレウシスの実り】の効果でHPを上昇させている相手を落とすのは容易ではなかった。
加えて威力の高い単体攻撃はコウリュウがタゲ集中スキルで攻撃を受け攻撃を受けていて、更に状態異常対策をガチガチに固めたヤマトが状態異常になった仲魔を回復させるので戦闘が長引くと徐々にランダ側が不利になっていた。
『GO、GOGYAAAAAAAA!!!?』
「よし、ファフニールが落ちたな。これでヤツの呼び出していた仲魔は全滅した。……だが念の為にコウリュウは魔法反射」
「承知した。五行の理をここに」
「でも油断は禁物っす、控えを呼び出すか蘇生してくる可能性もある。それに手番使うならその間にランダをボコって倒すっすが!」
そんな攻防が暫く続いた末、主に際限なく増設させるHPの所為でダメージレースで絶望的に劣っていたランダ側の戦力が徐々に減っていき、回復や蘇生で時間を稼ぐもそれに手番を使って手数に差が出て行った所為で最終的にランダ一体を残すまでになった。
……だが、当のランダからは多少の苛立ちは見えてもまだ余裕がある様な雰囲気があり、それに気付いているヤマトとトモヤもまだ何か“切り札”がある可能性が高いと考えてコウリュウに【五行思想*19】を使わせつつ、自分達も敢えてプレスターンの流れを解除しつつ手番を遅らせる事で敵の次の動きを警戒していた。
「ああ、私の可愛い仲魔達が…………なら、もう奥の手を出すしか無いわネェェェ!!!」
| 龍の眼光 | 補助スキル | 点滅状態のプレスターンアイコンを4つ増やし、実質的に行動回数を3回増やす。 |
その彼らの予想は大当たりであり、残り一人となった魔丞・ランダは突如として眼を怪しく光らせた──かつて彼女がボルテクス界に居た時に習得した一部の大悪魔が使う事のある、所謂『眼光系』と呼ばれる自己行動加速スキルだ。
当然ながらチームDATの二人もボスが使う要注意行動として眼光系スキルについては知っていたが、相手が切り札となるスキルを温存していた事もあって対応が遅れてしまい、その間にランダは懐から取り出した『結晶体』を噛み砕き周囲に高濃度のマガツヒが充満させてしまう。
「これはマガツヒだと⁉︎ 今砕いたのはマガツヒ結晶か!!!」
『不味いぞ、ヤツのマガツヒゲージが……』
「ええそうよぉ! これを喰らう事で私は一時的にボルテクス界の女王だった頃の力が引き出せるのよぉ〜! あはははははは!!!」
尚、同時期に別の病院を襲撃した【魔丞・マハーマユリ*20】に比べてこのランダはマガツヒの扱いに慣れており、一手番の消費のみで高純度のマガツヒ結晶を喰らって『マガツヒゲージ』マックスにしつつ空間を高濃度のマガツヒで満たす事が可能だ。
その行動を同じくマガツヒの扱いに長けたヤマトとアオビトは何が起こったかを理解したが、眼光で加速されたランダはそれより早く【高笑い*21】を上げて控えの仲魔を新たに呼び出した。
「「「キャハハハハハハハ!!!」」」
\カカカッ/
| 凶鳥 | “狂喜の”モー・ショボー×3 | LV38〜40(育成成長) | 衝撃無効 火炎弱点*22 |
呼び出されたのはヤマトもかつて仲魔としていた羽の生えた少女型悪魔【モー・ショボー】が三体、しかしその表情はランダの影響なのか少女らしい可愛げは一切なく狂った様な笑い声を上げていた。
「さぁ。いきなさい私の可愛い子供達!!! 彼らに“愛”を与えてあげるのヨォ! 【禍時:会心*23】!!!」
「「「キャッハハハハハハァァ!!!」」」
「不味い、なら【呪毒散布*24】で!」
更にランダがモー・ショボーの一体に“手番消費無しで”使わせた【禍時:会心】のオーラに包まれて、狂喜しながら突っ込んで来る凶鳥達を見たヤマトは“自分も想定した事がある”故に狙いが『自爆特攻』であると看破、それを防ぐために“手番を消費しない”マガツヒスキルの特性を活かして先んじて呪毒を凶鳥達の進行方向にばら撒いた。
……この【呪毒散布】による最も強力な状態異常が凡ゆるスキルの使用を封じる【封技】、モー・ショボーが得意とする自爆戦術もスキルによるものである以上は【封技】さえ決まれば目論見を阻止できると踏んだのだが……。
「「「キャッハハハハハハ! 効かな〜い!!!」」」
「ッ⁉︎ 対策済みか!」
| 激怒 | 自動効果スキル | 状態異常が付与された時、高確率で状態異常を解除する。SH2出典。 |
しかし付与された【封技】はモー・ショボー達に
だが、散布された呪毒で僅かにモー・ショボーのステータスが落ちた所為でトモヤが行動に割り込む隙ができ、弱点である火炎属性魔法【マハラギダイン】を持って凶鳥を焼き尽くそうとする。
「「「……キャハ、キャハハハハハハハァァ! 熱いなァ!!!」」」
「ええいっ! 【食いしばり*25】まで持ってるっすか! 全員衝撃防御!」
だが、そんな獄炎の壁すらもモー・ショボー達は食いしばって無理矢理突破してしまい、遂に飛来する“その為だけに作られた”三羽の凶鳥は狂喜を浮かべる表情のまま己の役割を実行した。
| バイナルストライク | 属性なし | 使用者の命と引き替えに敵全体に100%属性による大ダメージ。P2出典。 |
モー・ショボーという悪魔の“悪い意味で”有名な自爆スキルによって三体の凶鳥は弾け飛び、命をそのまま攻撃力に変換した100%属性確定クリティカルのダメージがヤマト達を襲った。
……だが、それでもモー・ショボー達のレベルが低かった事と【エウレシスの実り】と【大活脈】で増強されたHP、そして副隊長謹製の【観音神符*26】の効果によってクリティカルを無効にする事で凌いでいた。
「アクセに【強靭の闘魂*27】付けてたからギリギリ……」
「……サマナーが持ってる道具が使えて良かったですわ*28。途中でお札が切れて最後はクリティカル貰いましたがなんとか「違う! これから本命が来るぞ!!!」
「あははははは! でも死んだ子達は再び私の
しかし、ランダの狙いは自爆によるダメージではなく“仲魔の死亡”そのもの──自爆したモー・ショボーの残滓であるマガツヒの吸収*29、そしてマガツヒ運用技術の高さによるマガツヒスキルの消費軽減*30による“マガツヒゲージ”の再チャージだったのだ。
| 禍時:無償 | マガツヒスキル | 鬼女種族のマガツヒスキル。ターン中、味方全体にあらゆるスキル使用時のMP消費量が1となる効果を付与する。 マガツヒによってスキルのコストを賄う形であり、使い手次第ではMP以外のスキルコストを削減出来ると裁定。 |
| 龍の眼光 | 補助スキル | 点滅状態のプレスターンアイコンを4つ増やし、実質的に行動回数を3回増やす。 本来なら消耗が激しく一戦闘に一度しか使えないが、【禍時:無償】の効果でマガツヒを使う事で連続使用を可能にした。 |
そして手番消費無しで再度マガツヒスキルを使い、その効果によって消耗と負担を踏み倒して再度の眼光スキルを行使する事でランダの切り札──『マガツヒスキルによる短時間のみのコスト軽減による眼光系スキルの連続使用コンボ』が完成してしまった。
「【デカジャ】【ラスタキャンディ】【ラスタキャンディ】【龍の眼光】【ラスタキャンディ】【ラスタキャンディ】【デクンダ】【龍の眼光】【ランダマイザ】【ランダマイザ】【ランダマイザ】【龍の眼光】【ランダマイザ】【マハザンダイン】【貫く闘気】【龍の眼光】!!!」
眼光系スキルの連続使用によって【禍時:無償】の効果時間内は行動回数を無制限に増やせる事を最大限活用し、MP消費が1となった全体バフデバフ魔法の連続使用で自身の弱体化と敵の強化を解除しつつ自身を四段階強化・敵を四段階弱体化を成す*31。
更にこれまでの戦闘で万能攻撃も反射するが一度で効果が切れると分かっていた【五行思想】を剥がす為、無効にできる全体を反射させて解除。それを見たヤマト達はどうにかしようと動くが眼を光らせたランダの行動を阻止する事は出来ず……。
「【メギドラオン】【貫く闘気】【メギドラオン】【メギドラオォォン】!!!」
そうしてランダの最後の眼光効果によって獲得した手番を使ってチャージ効果を乗せたメギドラオンが炸裂、最大限のバフデバフに加えて万能魔法にすらクリティカルを発生させる【禍時:会心】効果も相まって残った防壁を優に超過する威力となってヤマト達を襲う。
勿論、ランダは一度殺した程度なら食いしばって来る可能性も考えていたので、容赦なく残った手番を使ってチャージを付けながらメギドラオンを二連打して確実に始末しに掛かった。
「……ハァ……ハァ……ハァ……ここで切り札を使わされるとはね。でもこれで邪魔者は排除したのだから、後は病院の子供達を
……とは言え、幾らマガツヒスキルの効果でも眼光系スキルの連続使用は負担も大きく出来て一戦闘に一度、連続使用の回数も今の五度までが限界でもう一度やるなら体力を回復させる必要がある。
だが、それも病院内の患者を喰らい尽くせば回復も出来るから解決可能と考えたランダは足を進めた。
「……いや、悪いがそれをさせる訳にはいかないな。チームDATの一角を担う者として子供達を傷つける者は見過ごせない」
「なっ⁉︎」
だが、そんなランダの前に一人の影──どういう理屈か先程の連続攻撃を凌いで、しかも大してHPが減っていないヤマトが立ちはだかったのだ。
「馬鹿な⁉︎ あの連続攻撃を食らって生き残るならまだしもその程度のダメージな訳が! 今度はどんなチートを使った!!!」
「いや、普通に俺はモー・ショボーが自爆した時から【防御】してただけだが? 万能だろうが100%属性だろうが防御してればダメージは減るし、防御してる者には会心状態でもクリティカルは発生しない」
『まあバフデバフガン積みチャージ付きメギドラオンを複数回受ければ流石に耐えられんが、そこは 【不屈の闘志*32】を使えば良い。……それでも【食いしばり*33】まで切らされたが』
ヤマトはモー・ショボーを迎撃する為のマガツヒスキルが失敗した時点でランダの本命の攻撃は阻止できないと判断、熟練者のマガツヒスキルは手番を消費しない故に残っていた手番で防御を選択して凌ぐ事にしたのだ。
それ故にモー・ショボーの自爆も普通にダメージを減らして凌ぎつつ、その後の連続攻撃を受けても増加していたHPと【不屈の闘志】【食いしばり】の使用でどうにか耐えられたという訳だ。
「でも! 他のお仲間はしっかりと仕留められているわねぇ! ボロボロの貴方一人で私に勝てるかしらァァ!!!?」
最も防御する
それを見て相手が一人、しかもHPが風前の灯の今なら勝てると気炎を上げるランダ。
「……ふむ、まあ俺が行う次の手は決まっているがな。俺は“一人で戦っている訳では無いのだから”」【アイテム使用→滅却の札】
そう言いつつヤマトは涼しい顔を浮かべつつ懐から取り出したお札、副隊長謹製の敵の強化状態を消去するアイテムを使ってランダの最大バフを打ち消した。
それを見て強化解除に手を使ったと判断したランダは二回行動出来るボルテクス界の王たる力を持って一気に縊り殺そうと迫り……直後に降り注いだ【
「コイツは氷結属性にだけ耐性が無いみたいだからな! ありったけの氷結弾を食らわせてやれ!」
「α小隊とβ小隊は距離を取りつつ十字砲火! γ分隊は死亡したヤツを蘇生だ!」
「ステータス減少用のアイテムも使え! BSは無効だから凍りつきはしないだろうからな!」
「俺達はプロフェッショナルだ! よくいる防衛チームの邪魔するだけの防衛軍とかとは違うんだよ!」
それを行なったのは病院の護衛に付いていた【ミスリル】の軍人達であった。彼らはヤマト達とランダの激しい戦いで病院などに被害が出ない様に避難誘導などを行なっており、ランダ側の奥の手によってヤマト達が倒されたのを見て直ぐに援軍に駆けつけたのだ。
事前に『最初はチームDATが敵に当たって手筋を見つつ、必要になったら援護が欲しい』と話が付いていた事、そしてこれまでの戦いでランダの手の内が明らかになった事もあって彼等の動きに淀みは無く、軍人らしい銃火器による連携やアイテム使用によってレベルで上回る相手と五分以上に渡り合っていた。
「助かりましたミスリルの皆さん、それとトモヤさんの蘇生もお願い出来ますか?」
「ああ勿論だ。……そちらにばかり負担を掛けてしまって済まなかったな」
「いえ、今回の最優先事項は病院にいる患者達などの民間人に被害を出さない事ですからね。むしろその為の仕事をほぼ全てそちらにやって貰って有り難いぐらいです」
実際、市街地に近い場所にあるこの病院付近でレベル70越えの超人と魔丞の戦いによって民間人への被害がほぼ出ておらず、その結果は彼らミスリルの軍人や帝都ヤタガラスの霊能者達が裏方で様々な努力をしているからである。
……そう考えつつもミスリル達の集中砲火に耐えながらランダが反撃しているのを見たヤマトは、そろそろ決着を付けるべきかと更なる悪魔を呼び出して詰めに入った。
「さて、味方が増え過ぎたせいで
「承知、一矢を持って射抜いてご覧に見せよう」
\カカカッ/
| 軍神 | “八艘飛びの”ヨシツネ | LV70 | 備考:【強化召喚】により攻撃力が1段階上昇。 |
| 至高の魔弾・改 | マガツヒスキル | 軍神族のマガツヒスキル。敵単体にレベル依存による特大威力の万能属性攻撃。 |
呼び出したのは【軍神 ヨシツネ】であったがこれまでの戦いによってより強い軸へと変異を遂げており、嘗てよりもキレのある所作でマガツヒを集めた弓矢を形成して至高なる魔弾として撃ち放つ。
その万物を穿つ一矢はこれまでの攻防及び銃撃を浴びてHPが減っていたランダに見事に突き刺さりHPをゼロとする……が、腐っても魔丞であるランダはそれでもと食いしばって見せた。
「ごぁっ⁉︎ でもまだ私は「いや、これで終わりだ」
| 物理プレロマ | 自動効果スキル | 物理属性で与えるダメージが20%上昇する。 |
| 物理ギガプレロマ | 自動効果スキル | 物理属性で与えるダメージが35%上昇する。 |
| 会心専心 | 自動効果スキル | クリティカル時のダメージが上昇する代わりに通常時のダメージが低下する。 |
| ヤブサメショット | 物理属性スキル | 敵全体に小威力の物理属性攻撃。反射までの相性を無視して貫通し、必ずクリティカルが発生する。 |
だが、食いしばったランダに対してマガツヒスキル故に手番を消費していなかったヨシツネが追加で物理反射すら撃ち抜く矢をその眉間に放ち、食い縛りで体力が
……【八艘飛び】ばかり使わせて来たからそれに特化した形で変異、そこに【ヘカトンの写せ身】と【シユウの写せ身】による写せ身合体で色々とスキル追加はした事によって物理攻撃であればヤマトの仲魔の中でトップクラスなのがこのヨシツネである。
「よし、とりあえず病院に被害を出さずに魔丞の撃破には成功したな。これで襲撃が終わってくれれば良いんだが」
『最後まで油断なく警戒しておこう。とりあえず死亡状態の仲魔の蘇生からだな』
魔丞・ランダを撃破した後もチームDATの一員として最後まで病院の警備を続けたヤマトであったが、幸運にもこのランダが最後の襲撃者だったらしくそれ以降の襲撃は無かった。
そして、後にアストラルシンドローム患者の回復の報が届いた事によって、彼らチームDATやミスリルの兵士達は無事に病院の護衛という任務を成功させる事が出来たのだった。
あとがき・各種設定解説
チームDAT:病院防衛任務完了!
・ヤマトのプレスターンバトルは『敵味方共に数が6体以下(真5の敵の最大数・群勢とかは例外)』『自分とその仲魔のみが味方』の状態でのみ実行可能で、結梨ちゃんの様な完璧に呼吸を合わせられる例外を除いて他の人間をプレスターンの流れに組み込む事は出来なかった。
・だが、プレスターンバトルの邪魔をしない範囲で他人と連携を取る手法(パートナーシステム)があると掲示板で聞いて、とりあえずチームDATの誰か一人とならパートナーシステム付きプレスターンバトルが出来る様にもなった。
・ただし、ヤマト自身が自分と仲魔のみでダアトを踏破したのでそういう戦闘に特化し過ぎており、どっかのジエン君みたいにアシストアタックの様な特殊行動は取れない(メタ的にいうと真4Fのパートナーシステムは真5で撤廃されたので)
・後はヤマト本人がパートナー込みでの戦闘に慣れてないので、今回の様に本来ならアタッカーなトモヤが終始サポートに回ってしまって持ち味を活かせない様な戦術面の拙さもあると考えているので改善の必要もあると思っている。
・ちなみにモー・ショボーの自爆からの敵討ち戦術はヤマトも考えていたが、余り気乗りはしなかったのと補助特化のスキル構成にしたかったのと一体だけでは余り意味がないのとロスト率が高いなどデメリットが多いので不採用に終わった。
魔丞・ランダ:レベルや戦闘能力なら全病院襲撃勢力の中でトップクラス
・だが、本来回収対象である病人を“食べる”事しか考えておらず、その邪魔になるなら味方も殺しかねなかったので本家様やアナキリの舞台の様なれキチンとした戦術が敷かれている場所には配置出来なかった。
・一応話が通じない訳では無いのである程度の指示は聞いてくれるのだが、獲物を前にすると自制が効かなくなるので実質囮件鉄砲玉扱いで重要度の低いこの病院の襲撃に回された。
・尚、実は『ケガレビト』で本家様の舞台の病院を襲撃した【魔丞・マハーマユリ】と同じく“とある連中”に作られた『複製』であり、能力的に似ている部分もあったので同時期に複製された模様(戦術ネタ被りの言い訳)
・あちらよりはレベルの低下などは起きていなかったが、元々持っていた狂気が増幅されて精神的には不安定で制御が効きにくい事から失敗作扱いだった模様。
読了ありがとうございました。
ナホトラマンは技術が拙いと言うより“閉鎖環境であるダアトで戦った事のない素人が誰の師事も受けずに合一神の性能と悪魔戦闘の経験のみで成長した”ので技術ツリーが凄く尖ってる感じ。