真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~   作:貴司崎

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新要素検証と食べてみた動画

 病院防衛戦が終わった後、やっぱりどれだけ強力なスキルを持っていても使いこなせなければ意味は無いと思うので、とりあえず『防壁』とか言う見慣れない特殊ステータスの検証の為にいつも通り【黎明の祈り手】の人達に声をかけてみた。

 

「おやおやおやおや、どうやら『防壁』と呼ばれる特殊ステータスは単純な耐性などとは違って貫通の影響も受けない様ですねぇ。対象がHPが受けるべきダメージを優先して肩代わりしていると見えますが」

「ゲーム的に言うとダメージを吸ってくれる増設HPみたいな特殊ステータスと言った所でしょうか。ターン経過で解除される仕様ですが、各種状態異常の様に他スキルの効果で解除されるかどうかも検証せねば」

「『防壁』の強度、どれだけダメージを吸えるかなどは個人差があるみたいですね。どうやら対象の最大HPが関わっていると推測しますけど」

「とりあえず最大HPを始めとして異なるステータスを持つ者への防壁を張って、それがどれぐらい削れるかで防壁の総量を測って行きましょう。防壁が受けるダメージ量と実際に減るHPの相関なども調べねば」

「被験者として人間と悪魔を各種用意したので、それらに防壁を張った時のダメージ量と普通にライフで受けた時のダメージ量を確認して、そこから防壁の最大値と各種ステータスの関係を割り出しましょう」

「……それではデメテルさん、これから軽く100回ぐらい防壁を張って欲しいんですが」

「わーん! なんかこの仮面の人達めっちゃおかしい事言ってるんですのー! サマナー助けて欲しいですのー!!!?」

 

 そしたらまあ何時もの如く度し難い仮面を付けた人達が集まって来て、早速ウチのデメテルを囲みながら検証作業の準備を進めていったのでしたとさ。

 ……俺的にはその光景にも慣れたものだから気にならんのだが、現在囲まれてるデメテルはその圧に慣れてないからか涙目になってたりするが……。

 

「済まんなデメテル、既に前金で検証作業手伝いの報酬分のマッカはたっぷり貰ってるんだ。……と言うわけで、スキル検証作業は頑張ってくれよ」

「うわーん! サマナーの人でなしー!!!」

「合一神だから人間じゃないしなぁ。まあ後でコンビニのスイーツを奢ってやるし、戦闘開始時のみ展開だから休み休み出来るだろう?」

「せめてもっと高くてハーベストなやつを要求しますわー!!!」

 

 今の【エレウシスの祝福】は戦闘開始時にしか効果を発揮しないからな。この手のスキルは一度発動させた後、戦闘状態が解除されるしばらくの間は休憩期間を取らないと次の発動は出来ないから

 それと何故か報酬がコンビニのスイーツだと不評なんだよな、最近のは美味しいと思うんだが。何だかんだで腕前普通な俺の手作りの料理の方が悪魔には好評だったりするから、値段では無く込められたMAGの質や量の問題かも知れん。

 

「『防壁』といったこれまでに無い特殊な特性に関しても、高レベルの異界ボスや魔丞が使うスキルでいくつかの種類が僅かだけど確認されているらしいし、基本情報だけでも検証してwikiに上げれば少しは被害が減るかも知れんし。……今後も絶対理不尽スキル持ちの敵が増えるだろうからなぁ」

「まあ検証作業に協力してくれるなら有り難いですが、自分の手持ちの仲魔の情報を公開しても良いので?」

「あくまで公開するのは『防壁』みたいな特性やスキルの情報だけです。……ちゃんと情報管理の重要性は学んだので、流石に手持ちの詳細情報までは秘匿って事で」

「分かっているなら構いません」

 

 ただ、悪魔の専用スキルの情報とかは何処まで公開するべきか悩むな。今後敵として【女神 デメテル】とかが出てくる可能性もあるし、そうなればきっと恐ろしく強いボスになるだろうからな。

 

「少なくとも【女神 デメテル】自体悪魔として観測された例が非常に少なく、仲魔として有しているのはヤマト君ぐらいですからね。……なので今のうちに可能な限り情報を入手しておきましょう。公開情報は応相談で貴方に迷惑が起きない範囲にしておきます」

「コウリュウとかも普通は四神による特殊合体、かつコウリュウに認められた者しか呼び出せないから仲魔としてるサマナーは殆どいないんだがな。確かヤタガラスでも歴代のライドウとかレベルのサマナーでようやく契約出来たとかだった筈」

「それはそれとして万能魔法を反射するカーン効果である【五行思想】って専用っぽいスキルは初めて見るな。とりあえずどのレベルの万能魔法まで反射できるのか、万能物理とかはどうなのかのデータを取らないと」

「GP上昇でそれぞれの悪魔の専用スキルとかが生えて来たよな。それにスキル外の強化要素とか何となくだが悪魔種族ごとに明確な個性が出てきたと言うか、汎用的なスキルばかりではなく」

「いやー、今まで調べた悪魔にも新しい能力が生えてる可能性があるからもう一度調べなければなー(死んだ目)」

 

 ちなみにコウリュウに関してはダアト時代に四神を全員倒して、それから強化型四神+コウリュウを倒す高難易度の試練*1をクリアして認められて特殊合体出来る様になった。

 ……まあ、ヒーホー共ならともかくコウリュウクラスだともう一度特殊合体するにあたって呼び出せないか試練の再クリアが必要かとも思ってたが、コウリュウ曰く『何か縁があるなら分霊が悪魔合体に応じるぐらいはするが? 我のサマナーに相応しい“仁ある者”かはこれから見定めるとしよう』って感じらしい。

 

「まあ倒した悪魔に縁が出来て悪魔合体したら呼び出せたって事例もあるし、特殊合体に関しても余程に拒否されていない限りはとにかく『縁』があればいいんだろう……とクルーゼさんも言ってたしな」

『悪魔を倒せばその悪魔が合体で呼び出せる様になるのは『邪教の世界』でもそうだったしな。前世を明確に思い出して、俺達が持ってる邪教の世界の主から引き継いだ【生命の種子】があれば悪魔合体における縁が出来るのだろう』

「……所でサマナーよ、この仮面の連中が我に『【五行思想】の検証の為に凡ゆる種類の攻撃を撃つので、とりあえず100回ぐらい張り直しをお願いしますね』とか言ってきたんだが」

「既に前金は貰ってるから……もといそれと攻撃受けるの自体は検証班の人達がやってくれるんで、コウリュウは【五行思想】を掛け続けるだけで良いからさ。今後も厳しい戦いが続くからサマナーとして仲魔のスキルは正確に把握しておかないと」

「ふぅむ、まあ仲魔を預かるサマナーとしては間違ってはいないのだが……」

 

 なんか凄いコウリュウからは微妙な表情をされたんだが、この前の悪魔合体でマッカ使い切ったから検証作業手伝いのバイトで稼がないと行けないんだ。今後もサマナーとして戦っていくなら必要な事でもあるからしょうがないんだ(言い訳)

 ……とりあえず仲魔のご機嫌とりの方法は後で考えるとして、この前倒した【魔丞・ランダ】から得た御厳で【全書の厚遇】を取って悪魔合体に必要なマッカを節約するなりもしないと……。

 

『いや少年、先日のランダから入手した御厳だと【全書の厚遇】を取る場合には【壱】と1【弍】は取れるが【参】には届かない程度だ』

「む、そうか。……あのレベルでマガツヒスキルを使いこなす魔丞にしては取れた御厳が少ないな。倒した後の御厳の量には個人差があるとはいえ、これまでの経験則だとその倍ぐらいは手に入るレベルの戦闘能力はあったと感じたが」

『まあ魔丞から取れる御厳は個人差が割と大きいから何とも言えんが。……ただ、あのレベルの自我(エゴ)を持つ魔丞がヤクザ程度の配下に収まっていたのには違和感を感じたが』

 

 ダアト時代でも魔丞は自らが一勢力の王になっているか強大なエゴに従って好き勝手やってる事が多く、混沌の悪魔勢力の魔王達の様に共通の目的の為に手を組むって事は余り無かったからな。

 ……個人差も大きいので絶対では無いんだが、言われてみればあのランダは自らの自我(エゴ)が薄いというかズレてるというみたいな感覚があった様な……気の所為だとは思うんだが。

 

「おやおやおやおや、この【エレウシスの実り】という回復魔法は最大HPを超過して回復する様ですね。最近発見された回復チャージスキルの【ヒュギエイアの杯】にも同様の効果は見られますが」

「最大HP増強は【マッスルドリンコ】以外だと希少ですからね。ヤマト君の感想だと増強出来る最大HPは大体倍ぐらいに出来るタイプのドリンコと比べると三割程度らしいですね。【ヒュギエイアの杯】の検証による最大増強割合もそのぐらいですから同型のスキルなのでしょうか?」

「本来は更にダメージを受ければ受ける程に追加で防壁を張れる様なスキルらしいですが、流石にそんな永久期間の様な力は余程深度の深い異界のボスぐらいでないと無理だとか」

「或いはGPの上昇による悪魔の強化も関係しているのでは? 最近強力なスキルを新たに獲得した悪魔の情報も出ていますし」

「この【五行思想】というスキル、どうやら連続使用出来ない様ですね。最近出てきた強力なスキルに見られる発動制限でしょうか。確か魔力の最大発揮値が関係しているとか*2

 

どうもコウリュウの強力と思ってたスキルにも思わぬ落とし穴があったみたいだな。連続行使に対する制限があるとなると使い所を考える必要があるし、強力なスキルだとしても俺の戦い方に合わない可能性も出て来るから効果意外の要素も含めてもう少し吟味するか。

 

「もう防壁は出せませんわー! 祝福は強力すぎるスキルですから自動効果とはいえそれなりに負担が掛かりますのよ! ここまで無茶な連続使用を要求されなければ気にならないぐらいの筈なのですが!」

「ふむ、では「防壁」の検証は次の機会にするとして……専用回復スキルの検証もしましょうか。そちらは普通に使えるようでしね。とりあえずMPは回復させるので100人ぐらい回復とHP増強させましょう」

「後は確かヤマト君達はサマナーとしては珍しい“呼吸を繋いでの連続行動”が可能でしたね。最近行動回数と戦闘速度の相関に関しての検証もやってるので手伝って貰いますか」

「連携の取れた熟練のバスター同士、或いはごく一部のサマナーが使う“敵味方の戦場の流れを把握して呼吸を繋ぎ隙を突く事で相対的に行動速度を操作する戦闘スタイル”。一部では“プレスターンバトル(機先の奪い合い)”とも呼ばれてますね」

「連携の取れたベテランバスター同士とか自分が動かない(パスする)事で、味方の行動回数を増やす戦い方で出来るとかですね。一部の悪魔などは機能としてそういう戦い方が出来て、それらの悪魔と契約したサマナーも出来る場合があるとか」

「そもそも“行動回数”という概念も色々とありますからねぇ。ステータスとしての速さと行動回数は別物である様ですが、一部のボスなどは明らかにこちらが一行動する時間で複数回行動しますし」

「先手を取れるかは速さが重要なんですが、戦闘中のどれだけ行動出来るかは単純な速さ以外の要素が重要なんですよね。……覚醒して悪魔と戦ってるバスターサマナーは全員が感覚的に理解しているものなのですが、逆に細かく検証する事自体を今までやってなかったというか」

「呼吸を繋ぐ戦術を自らの仲魔と出来るサマナーは中々居ませんからね、……ヤマト君にはその戦い方の検証の為に実演して貰いましょう、追加で報酬も出します」

「こらー! サマナーもサボってないで手伝うですわー! 一人だけサボるとか許しませんわー!(ヤケ)」

 

 しかし“行動回数”に関しては深く考えた事は無かったというか、ナホビノになってから当たり前の様に出来たから意識はしてなかったな。大体10秒ぐらい(1ターン)内で行動できる回数って感覚なんだけど、単純にスキルを発動するだけなら秒間10連射なんてのも出来るから、敵味方が入り乱れる戦闘中に戦場の呼吸を乱さない範囲で動ける回数って感じなのか?

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

「……弱点突いたり相手に攻撃を無効にしたりすれば敵の呼吸は乱れるから、そこで味方の呼吸を差し込んで行動回数を増やしたり、敵の呼吸に割り込んで敵の手番を潰すなどが基本的な俺がいつもやってる戦い方なんだが。……感覚的にやってるからか改めて言葉にするのは難しいな」

『敵味方が入り乱れる戦場では殆どの悪魔が自分が的確に行動出来る範囲を把握していたからな。少なくともダアトでは。……覚醒者もそうだが“世界の法則に合わせた効率的な戦い方”を感覚的に理解しているのか?』

 

 あれからとりあえず検証作業がひと段落した辺り*3で、俺は“プレスターンバトル”とも呼ばれる呼吸を繋ぐ戦い方についての資料を纏める様に頼まれたのだが思った以上に苦戦していた。

 ……弱点を突くかクリティカルを出せば味方の行動を差し込めるとか、敵の攻撃を回避・無効・吸収・反射すれば敵の行動回数を減らせるとかの『法則』は書けるんだが、それがどういう理屈でそうなってるかを文章化するのは難しい。

 

「システマチックに動く悪魔に対抗する為、同じくシステム的に戦場の流れを把握して手番を操作する戦術って感じになるのか? ……とりあえず戦闘中の属性相性からの攻防からなる手番消費数を中心に纏めるか」

『俺達の戦い方はそれがほぼ全てだからな。後はレベルを上げて仲魔を揃える事前準備。……だから手番とかを前転して無視(アクションゲーム挙動)してくるライドウの相手が一番手間取ったんだが』

「まああの前転も万能って訳じゃないから、二戦目ではそれ込みで上から押しつぶせるだけのレベル差と仲魔のスペックを揃えてから“無理矢理プレスターンバトルに持ち込んで”勝ったけど。……相手に何もさせずに押しつぶすのがプレスターンバトルの真髄で、戦力差で押し潰すのがナホビノの最も得意とする戦術なんだよなぁ」

『このインフレ極まった世界ではもう少し工夫する必要があるがな』

 

 まあ【黎明の祈り手】からは『戦闘中の行動手番や行動回数に関する色々な者からの視点からなる意見が欲しいので、そこまで肩肘張らずに戦闘中に意識してる事や感覚的に感じてる事を出来る範囲で書いてくれれば』と言われているが。

 ……戦闘時の挙動以外にも呼吸を繋ぐ関係上、自分の仲魔みたいに呼吸を合わせられる者だけが味方の状態でなければ使えず、更に戦場全体の呼吸を読む必要があるので敵味方の数が多過ぎる場合にも使えないな。

 俺の場合は敵味方がそれぞれ6体ぐらいまでが安定してプレスターンを行える限界でそれ以上でも出来なくはないが難易度が上がる*4、多数の悪魔が“群勢”みたいな形で呼吸が纏まってる場合は別だが。

 

「改めて文書に書いてみると呼吸を繋げるのもスキルを使うのも俺にとっては“当たり前に出来る事”だからか、そのルール内で如何に上手く動けるかを考える“戦術”とかは書けるし出来るんだが、どういう理屈で呼吸を読んでるのかとかの“技術”面はよく分からん、むしろ戦闘中に敵味方の呼吸(プレスターンアイコン)全てを完璧に把握するのは普通の事ではないのか?」

『その辺りの技術面に関してはヘビクラ隊長から戦闘技術を学んだ際にも言われたか。……『戦闘中に最適な行動やスキルを使う戦術面に関しては問題ないが、スキルの使い方である武術的な技術面は拙い……いや、悪魔と同じでそれらは“そういう存在で当たり前に出来る事”だから必要ないのか』だったか』

「『お前らの戦い方は悪魔の挙動や性能を人間の戦術で動かしているデビルシフターや悪魔人間、或いはサマナーが使う悪魔の戦い方に近い。なので武術の訓練とかは無駄だからレベル上げと仲魔強化と知識を付けてに戦術の見直しに集中するべきだ』だったっけ。……今思えば魔丞や合一神と一般的な悪魔との戦闘面での違いはその辺りなのかもしれん」

 

 正直言うが俺にとってスキルとは“性能”であって“技術”じゃないから、使いこなす戦術を磨く意味はあってもスキル自体の扱いを極める必要性は殆ど感じ無い。まあ技術とか一切学ばずダアトでの実戦経験だけで今の戦闘スタイルを作ってしまったのも原因だろうが。

 ……そんなこんなで色々と改めて自分の戦い方を考えつつ、報酬を貰っている以上は出来る限り真面目な資料を書かねばと悪戦苦闘した結果、何とか数時間ぐらいでそれっぽいレポートを書き上げる事が出来た。

 

「ふー、どうにか終わったな。……時間はあるから息抜きに動画サイトでも見るか。ちょっとゲームとかやる気力は残ってないし」

『お疲れ様』

 

 とりあえず冷蔵庫から適当な飲み物を出しつつ動画投稿サイトを開いて適当な動画を流し見していく。実は暇な時とかソシャゲの周回プレイ中に動画を見るのは良くやるのだ。

 最近はデビルバスター専用サイトの動画投稿とかも情報収集を兼ねて見てる(匿名動画なのであんまり役には立たないが)ので、ちょっとした趣味の一つになっていたのだが……。

 

『……さて! 今回、己はコレを調理していこうと思うぞ! ……この、ピカピカだ!』

「カッフォ⁉︎」

 

 ちょっとリアルタイム配信してる所謂『食べてみた動画』を開いたら、なんか仮面の少年*5が異界内部でめっちゃ見覚えのある光る結晶体を料理しようとしてる動画だったので思わず変な声を出しながら飲んでたお茶を吹き出してしまった。

 あの“ピカピカ”何処からどう見ても【御厳結晶】です本当にありがとうございます……というか何でそれを食べてみようと思ったんだ⁉︎ *6どう見ても食べられる類の物じゃないだろ! 合一神や魔丞なら吸収は出来るけどさぁ。

 

『うむ! 己の勘は食えるものだとコレを見たぞ! 故に料理するのだ!

『……うん、その直感は間違っているよ。パトラは必要かい?』

『その結晶体からなんらかの悪影響が出ているものと考える。破壊を優先するぞ』

『いや、己は正常であるぞ。それに、この結晶はそう簡単には壊れん』

『……ふむ、御厳結晶を“食べられる”と判断するという事は、もしやあの少年も合一神か魔丞としての素質があるのではないか? 或いは悪魔混じりで直感的に御厳の本質を理解しているとか』

「それでも普通料理して食おうって考えにはならんだろ」

 

 コメント蘭にも『トチ狂ってて草』とか『明らかに石』というコメントが寄せられるぐらいにはネタ動画なんだが、御厳の詳細を知ってる者としては放置する訳にも行かん。

 ……この動画投稿者、コメント欄では『野生児くん』とか言われてるって事はドリフ掲示板で偶に話題になってる前線系高レベルドリフターか。崩壊世界出身だから悪食という話は出てた記憶があるが。

 

『あ、戦闘中に悪魔を喰うのは体力回復のためだぞ。トドメのタイミングで使えば、数を減らしながら回復とMAG補給ができるので、お勧めだ!』

「崩壊後の世界の食料事情はそこまでハードなのか? 俺達はダアト内なら大気中のマガツヒ吸収で活動エネルギーを賄えるから良く分からん。後は常識面だと転生した現行世界のが基準だし』

『ベテルの人間は色々と大変そうだったが。偶に食料確保のクエストも受けた記憶がある。……だが、確かに合一神になってからは食料は『食えれば嬉しい嗜好品』みたいな扱いになって積極的に欲しがりはしなくなったな』

 

 そうこうしている内に画面内では御厳結晶と水と塩とめんつゆを鍋に入れて煮込もうとしている所だった……ヤベェどうしようかコレ。

 御厳も合一神に関する事だから情報をどこまで公開していいのか……いやでも魔丞倒したらドロップするんだから存在自体は知られているし、このまま動画投稿されてもアレだからコメントは入れるべきか。名前ぐらいならセーフ?

 

【めんつゆは全てを解決するッ!】

【いや、めんつゆ入れて煮込んでも御厳は食い物にはならねぇよ⁉︎】

 

 とりあえずさっきからずっと思ってたツッコミを入れつつ御厳の名前を出して反応を見てみるか。思った通りに【御厳結晶】が何か知らなかったみたいなので、とりあえず情報公開は『それは御厳って言いますよ』ぐらいに留めつつどうにか。

 ……しかし、本当にどうしようかなコレ。御厳食べてみた動画の対処方法なんて分からんし、正直煮たり焼いたりした程度でどうにかなる様な物質でもないだろう。

 

『ふむ? ならば問うのだが、御威を料理する際に注意するべきことはあるか?』

『断言するけど、コレは絶対に料理するものじゃない』

『ああ、注意も何も料理をするなと言われるに決まって……』

【熱エネルギーを与えると、悪魔が寄り付く匂いみたいなのが出てくるから注意なー】

【知らん……何それ……怖……】

 

 ……と、そんな事を思ってたら、御厳の料理方法に対する返信の書き込みに俺も知らん情報が出て来たから、思わず正直な感想を書き込んでしまったんだが。

 確かに俺もダアト時代に御厳焼いた事なんて無いって言うか、使い方が本能的に分かるのもあって手に入ったら直ぐに吸収して検証なんてしなかったが。

 

「御厳に関する新情報が分かったな。……まあ俺達が活用する機会とか無さそうだが。幾らあっても足りない御厳結晶は即ポイント化だから」

『悪魔をおびき寄せるアイテムとして使うのはもったいない気もするんだが、まあ使い減りしないならそういう風に使う者もいるのか?』

 

 その間にも動画内では『御厳結晶のめんつゆ煮込み』が料理されるのに呼応してるのか、異界から悪魔が料理してる野生児くんの下へと寄って来ており、それらの悪魔を同行している二人の仮面の人が片っ端から排除している所だった。

 

【御厳がゴキブリホイホイみたく使われてるのか……】

【割と天才の発想になってて草。ゴミカス悪魔を絶滅させてやれー!】

 

 奇しくもそれによってコメントの御厳情報に関しては正しかった事が証明されてしまったんだが、御厳がゴキブリホイホイみたいに使われてるのを見るのは何とも言えない気分になって来るな。

 ……しかし、この仮面の人達と野生児くんは相当に高レベルなデビルバスターなのか戦闘自体は問題無く進んでるんだが、さっきから肝心の御厳入れた圧力鍋が嫌な振動を発しているんだが……。

 

『あづっァア⁉︎』

『これが、爆発落ちってヤツなんだね』

『御厳というのは、加熱すると爆発するのか?』

「だから加熱するものじゃないんだけどなぁ」

 

 予想通りというか振動してた圧力鍋は見事に爆発してしまった。コメントを見るに圧力鍋の蒸気孔が詰まっていて、そこに加熱された御厳が何やかんやして爆発したのではと言われてる。

 これは動画ネタとしては“美味しい”かもしれんが料理的には失敗だな、成功して貰っても困るんだが……と思っていたら、徐に野生児くんが熱々の御厳結晶を掴んでそのまま勢い良く齧り付いたのだ!

 

『し、しかし! コレだけの圧力がかかったのならピカピカとて柔らかくなったはずだ! お魚の骨のように! …………硬い(かひゃい)熱い(あふい)

「でしょうね」

『多少熱したぐらいでは御厳結晶はどうにもならん様だな』

 

 まあ、予想されたオチというか御厳結晶が食べられる様にはならず、その後熱せられた御厳の影響が爆発で広がったのか多数の悪魔が集って来た辺りで流石に撮影は不可能となったのか動画は終了してしまったのだった。

 ……息抜きで見始めた動画だったんだが訳の分からない事になったな。

 

「……さて、この動画についてはどうするかな。御厳関係はどのぐらい情報を出しても良いんだったか」

『とりあえず隊長などのチームDATメンバーに相談するのはどうだろうか。……どう扱っていいのか正直判断に困る』

 

 その後、隊長達に相談した所この『野生児くん』の面倒を見ている人物とは知り合いなので、連絡を取ってみて御厳を譲って貰えばいいんじゃないかと言われた。情報云々に関してはまあ巫女さま辺りのスタッフが判断するだろうと。

 ……そんな事があった後日、俺は連絡が取れた野生児くんこと『ジエン』君と会って、この前の擬似ボルテクス界で手に入れた物を含む幾らかのアイテムと交換で【御厳結晶】を譲って貰ったのだった。

*1
真5サブクエスト【応龍が来る】【仁ある平定者】

*2
D2のMPは初期10、ターン毎に3回復する数値をやりくりする使用。現在GPでその挙動以上の連続行使は不可能。

*3
デメテルとコウリュウは死んだ目をしながら召喚解除して休んでる。

*4
真5での敵の最大出現数は6体、プレスターンアイコンの数は最大8つ(魔装イシュタルや行動回数2回悪魔4体など)

*5
オタクくん三次【姫の護衛はケガレビト】より主人公のジエンくん。かわいい。

*6
その29話【奥多摩アビス調査行04 御厳料理と『マシンドッグ』】を参照。ダイマ。




あとがき・各種設定解説

ヤマト&アオビト:マッカが足りない御厳が足りない
・ジエンくんから貰った御厳結晶で得たポイントは魔丞から得たにしてはこちらも少なめだったが、とりあえず念願の【全書の厚遇・参】までは手に入った。
・余ったポイントで【神の懐・漆】を追加して仲魔枠を更に増やし、更に【成長祈願・速】と【成長祈願・運】を取って仲魔のステータスに補正が入る様にするなど仲魔強化に重点を置いたセットにした(そしてポイントは全て使い切った。
・ちなみに渡したアイテムは気力♪様の方で良い感じに決めてくれて、もしかしたら向こうで出てくるかもしれないし出てこないかもしれないシュレティンガーのアイテム(笑)
・マガツヒを吸収してエネルギーに変えられるのは合一神である以外にも、元になったダアト式の神造魔人に『マガツヒをエネルギーにして半永久的に活動する機能』が付けられていたからでもある。
・プレスターン式戦闘と呼ばれる呼吸を繋ぐ戦い方に関しては“ワンモア“や“総攻撃”と言ったのと同じく戦闘時の戦術の一つと言った扱いで、パスという形でベテランデビバスがやる事もあるが制限やデメリットも多いので仲魔と行うサマナーは少ないと裁定。
・つまりサマナーで行動手番を操作する技術持ちは希少であり、最近出てきた『バトルスピード』といった概念と行動回数とステータスの速さの相関を調べる為の検証作業もヤマト達はやらされて……GPが上がる(作品追加の)度に検証作業が増えガガガガ。
・でも先日始まった【ウルトラマンブレーザー】がミリタリー色強めで、かなり新機軸の設定がありそうで今後も楽しみから、完結して劇場版が出るまで文明維持頑張るぞい……って感じでモチベーションを上げて頑張ってる。


読了ありがとうございます。
気力♪様の所でDATが話だけ出てきたので動画ネタのこちらサイドも書いてみました。流石に他所様のキャラ本人はは動かせる気はしないので、その辺りはボカしつつナホトラマンとの関係は『取引した事ある顔見知りドリフター』程度ですが。
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