真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~   作:貴司崎

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『ヘビクラ・シンゴ』という男

 俺ことDAT新人隊員【八坂ヤマト】は先日から入り浸っている異界【魔王城ダブルツインマークIIセカンド】の近くにあるレルム、攻略の前線基地となっているそこで育成した悪魔の売却依頼を受けていた。

 まあ魔王城ダブルツイン(ryで仲魔にした悪魔をレベルアップさせてスキルを覚えさせてから依頼主の人に渡すそこそこ面倒なクエストだったが、そもそも【ソウルリンク】系技術で悪魔のレベルを上げられる者は少ない事もあって結構な報酬が貰えるので受けていた

 

「……はい、それじゃあこちらが予約にあった【鬼女 クロト LV55】と【霊鳥 ヤタガラス LV57】と【邪鬼 ヘカトンケイル LV58】ですね。要望にあった【ディアムリタ】【ヒュギエイアの杯】【ヤブサメショット】【会心専心】含めてちゃんとレベルアップで覚えるスキルを全て覚えさせていますよ」

「……うむ、確かに。レアなスキルだから保持している悪魔が欲しいとは思っていたのだが、古式サマナーの様に悪魔をレベルアップさせる術がなくどうしようかと思っていたんだ。これで新しい合体ルートを模索出来る。この手の軸の悪魔はソウルリンク無しでもレベルが少しは上がるケースもあるが手間がかかる上に不確実だからな」

 

 彼は【黎明の祈り手】とも繋がりがある異界巡りチームに所属しているサマナーであり、この魔王城(ryにはレアなパターンの悪魔目当てで来たのだが初期レベルでは覚えないスキルもあって困っていたので祈り手から推薦される形で俺に『目当ての悪魔の確保』を依頼してきたのだ。

 ちなみに依頼を受けているのは祈り手達やヘビクラ隊長の知り合いで取引する分なら問題ないと判断されたサマナーなので問題が起きる事もなく、まあレベリングついでのアルバイトには丁度いい上にマッカもガッポガッポだから美味しいクエストなのだ。

 

「しかし、これだけの悪魔を見つけて育成するまでを僅か数日でこなしてこなしてみせるとはな。ベテランの管使い辺りでもここまでスムーズに悪魔の育成は行えんだろうに。交渉に使った際の費用による追加報酬も控えめだし」

「まあ今回は目的の悪魔を運良くあっさり見つけられたので。交渉もスムーズに行きましたから」

 

 そんな事を愛想笑いを浮かべながら言う俺だが、実際には神意【話神の威光*1】によって交渉することなくタダで悪魔を仲魔に出来るケースも多いので実は交渉費用分はかなりぼったくっている。

 俺が合一神だと余り知られる訳にはいかないから偽装は必要だし、態々成長させて特殊なスキルを覚えさせた悪魔の一般的な買い取り料金*2ぐらいしか要求してないし、そもそも相手も納得してくれてるから問題ないよね。いやーボロい商売ですわ。

 

「参考までに、どうすればここまでスムーズに悪魔を仲魔にしながらレベルを上げられるんだ?」

「簡単ですよ。……交渉が成功するまで目当ての悪魔に悪魔会話を仕掛け続けて、仲魔にした後はそいつよりもレベルが高い悪魔を倒し続ければすぐに目的のレベルまで達します(笑顔)」

 

 まあ嘘は言ってないよね。ナホビノとしての力で交渉や育成がローコストになっているとはいえ、実際にやっている事は普通のサマナーと大差ないのだから。

 ……ちなみに向こうも軽く探りを入れただけみたいなので、こっちが自分の能力を話す気が無いと察した時点で話を切り替えて報酬の支払いへと移っていった。

 

「うん、まあサマナーの基本だよねそれは。……それじゃあこっちが報酬のマッカと以前魔丞を倒した時に手に入れたなんか光るヤツ……確か【御厳結晶】とやらだったか」

「はい、確かに受け取りました」

 

 そう、彼のチームが魔丞との戦闘経験があると聞いていたので、依頼料として御厳結晶をくれるならマッカを割引にするという交渉を事前にしていたのだ。

 ……一人で行動してたら魔丞が向こうから襲って来たり、様々な悪魔からのクエストを受けられいたダアト時代ではドロップ品や報酬として御厳を沢山手に入れられていたのだが、この世界では中々機会に恵まれないから神意の解放が上手くいかないんだよなぁ。

 

「しかし、手に入れたは良いが煮ても焼いても食えず、合体の素材に使おうとしてもうんともすんとも言わないそれでマッカの大幅割引していいのか?」

「俺にとってはマッカよりも重要なモノなので」

「ちなみに何に使うかは教えてもらえないのか?」

「申し訳ありませんが禁則事項です」

 

 まあナホビノや合一神関連の事は秘匿せねばならない上、昔程に日本各地を自由に動き回って魔丞を倒して回ったり悪魔からクエストを受けまくるという訳にもいかんからな。

 ナホビノ関連の情報が明らかになれば“知恵”狙いでの人間狩りも起きかねないからな。ダアト時代にも似たような事があったし、この前色々と御厳系の情報を漏らして色々と注意された後だから“色々と”気を付けないとな。

 

「禁則事項ならしょうがないな、出来れば巨乳美少女に言われたかったが(笑)。……じゃあ俺はこれで、これから実戦で悪魔の試運転してから、合体プランを練りつつ業魔殿やら邪教の館をハシゴしながら悪魔合体に勤しむから。また縁があったらまた会おう」

「ええ、良い依頼をありがとうございました」

 

 向こうもこちらが話す気がないと分かればそれ以上は深入りしようとはせず、あくまでビジネスライクな態度のまま要望の悪魔をCOMPに入れて急ぎ足で去っていった。

 新しい悪魔を手に入れたらとりあえず実戦で使ってみるのは俺も良くやる、というかサマナーの必須事項だから気持ちは分かる。そこから現在のパーティーバランスを考えてスキル構成を吟味して、次の悪魔合体プランを練る所まではやっとかないと落ち着かないよね(サマナーの基本思考)

 

『……御厳結晶の吸収を完了した。ポイント換算で710ポイント。……当初の予定通り【成長祈願・力*3】【成長祈願・体*4】【成長祈願・魔*5】の三つを取って530ポイントを消費して残りは180ポイントだ』

「成長祈願系の神意は先に取っておかないと悪魔を育成する時になんか損した気分になるもんな。それとポイントも余ったし追加で100ポイント使って【神の技数・参*6】を獲得しておく。この後クルーゼさんとこの邪教の館に行くからついでに何かスキルを追加しようか」

 

 追加スキルの候補は【メルキセデクの写せ身】から【貫く闘気*7】とかかな、貫通持ちスキルならみんな大好き【ヤブサメショット】があるけど機先を制するか雑魚敵の掃除には便利でもボス戦の単体火力としてはやや見劣りする。

 チャージ系のスキルって手番を無駄に消費する感じがして余り好きじゃない*8んだが、この【貫く闘気】は魔法や万能攻撃にも貫通効果を付与出来るから巫山戯た耐性持ちが多いこの世界のボス相手でも通じない事もないだろうからな。

 

「この後は隊長と一緒に邪教の館に行くんだけど、もう来てるかな」

「来てるぞ。……まあ人間相手の依頼達成ぐらいは一人で出来る様にはなったか」

 

 そんな事を考えながら待ち合わせ場所に行くと既に来ていたらしいヘビクラ隊長が背後から現れた……というかその口ぶりからするに。

 

「……さっきに報酬の受け取りの時からいましたね? 隊長」

「これでも隠密行動は結構得意なんでな。それとお前は情報漏洩には前科もあるし、今回の取引相手は相手に悪印象を持たれない範囲で会話の中から情報を引き出すのが得意なヤツだったから。……まあ重要情報は渡さなかったし及第点か」

「うう、一度失った信用を取り戻すのは大変だ」

 

 まあうっかり掲示板にナホビノ関係情報を流しそうになった俺が悪いんだけどさぁ。あの時はダアト事件の元凶である魔人王と会って実の所かなりテンパっていたから、今考えるとどうしてあんな行動に出ようとしたのか……神の見えざる手を感じる(ナホビノ談)

 ……それはともかく俺は隊長が運転する車に乗って邪教の館にまで向かう事になった。予約自体は明日なので暫くは適当な所をブラつきつつ、邪教の館があるレルムで予約したホテルに泊まる予定だが。

 

「それで今回は隊長も悪魔合体するんですよね。手持ちの強化ですか?」

「露骨に話題を逸らしてきたな。……まあレベルが低いデカラビア・モト・ケルベロスが今後の戦闘についていく為に合体を希望していてな。後は流石にレベル70代6体の使役はCOMP込みでも俺のMAGがキツイんで数を減らすのも兼ねてる。今回はクルーゼの所の実験に付き合う代わりに色々と割引があるからな。

「へー、大変ですね」

「……スキル枠8つの高位悪魔6体と契約してるってCOMP系サマナーとしては割と凄い事なんだぞ。スキル枠を12個まで拡張して自分よりレベルが上の悪魔含めて10体以上と余裕で契約出来ます……って言うナホビノが色々とおかしいだけだ。俺デミレベル70前後はCOMP込みで5体までは限度だしな」

 

 スキル枠云々の話はこの前掲示板で見たけど、殆どのCOMP式サマナーが多くても6個ぐらいってのはちょっと驚いた。8個も使えるレベルだと余程悪魔との信頼関係があるかしないと情報汚染がヤバいとか。

 ちなみに俺も以前邪教の館で調べてもらったが仲魔からの情報汚染は皆無というか、むしろ逆にナホビノ側から仲魔である悪魔へ【シンクロ現象】による情報汚染してるんじゃないかとまで言われた。神意とかによる干渉の所為なのか、或いは俺の中の【邪教の世界】の力が関係してるのか詳細は分からなかったが。

 

「俺も元はガイア系の古式悪魔召喚師の家に生まれたから相応にマグネタイトを増強する訓練を受けて、更に最新鋭のCOMPを使いながら長年の付き合いの仲魔を悪魔合体させ続けてようやくだからな。そこまでしても仲魔維持の生態MAGに掛かる費用は相当なのに」

「ポケモンで初期に捕まえたヤツを最終進化させて殿堂入りに連れてく感じですね。……一応俺も高濃度マガツヒ空間でもなければ仲魔維持に負担は掛かりますけど、特に外部からのMAG補充が必要になった事はないですね」

「進化先を考えて初期に捕まえるポケモンを厳選するみたいな事はしたがな。……現在のGP上昇で維持負担は減ってるとはいえそれか、ナホビノの仲魔は抗体ポイントが掛かってないのか?*9

 

 俺もダアト時代とは違って仲魔の維持の多少負担が掛かって面倒だと思ってはいるんだが、それですら普通のサマナーから見ればナホビノの悪魔使役のやり方は理不尽に過ぎるんだろうとは最近分かり始めた。

 

「あー、隊長は古式の召喚師の家出身なのにCOMP使ってるんですね。掲示板で見たけど管とかなら仲魔の保有スキル枠も増えるとかあったけど」

「その分同時召喚には制限が付くからな。……それに俺は古式の術に関する才能がなくて管使いにはなれず、それもあって次期当主に選ばれなかったからな。まあ悪魔召喚師になる為の訓練で得た知識と技術を機械式に流用してるんだが」

「それで若い頃は色々腐っていて、更に仲良くなった友人の才能にも嫉妬して邪神に取り憑かれたんですよね」

「……誰から聞いた」

「副隊長から」

 

 先日自分の高校時代の黒歴史バラされた腹いせに隊長の若かりし頃について色々と話してくれたんだよね。すぐにノロケ話になったけど。

 

「美鈴め……まあ、隠す程の話でもないからいいんだがな。それにアイツを超える為に邪神に憑依されたのに、向こうはなんか魔界に刺さってた聖剣を抜いて前世に覚醒して地水火風の上位魔法とか【アマノムラクモ*10】とか使って来て普通に負けたからなぁ。それで『このザコ邪神使マジえねぇ』ってなったからウィスパーでスキルだけ覚えて始末したが」

「その聖剣なんか円盤状のものが付いてたりしません? それで負けたから善落ちしたんですか」

「うーん、まあ力は手に入れたしCOMP式のサマナーとしてはそこそこの能力を手に入れたから、お礼参りついでに“アイツ”と京都ヤタガラスとも繋がりあって腐ってた実家を壊滅させてからフリーのサマナーやってた感じか」

「そこで当時JSだった副隊長と出会って保護した感じの惚気話をされましたね」

 

 確か無駄に優秀だった副隊長が隊長の実家に貢物された辺りでお礼参りしたから、そのドサクサに紛れて京都ヤタガラスの魔の手から逃れられたって言ってたな。

 ……それで恩義のある隊長に付いていこうとしたらスルーされて聖華学園に放り込まれたのは不満だったとも言ってたが。まあ腐った実家のやり口に巻き込まれた子供への対応と考えたら学費もさっさと出してるから凄い真摯なんだけども。

 

「実家潰して得た金があったから面倒ごとが起きない様に被害者への賠償的に放り込んだだけなんだがなぁ。まさか今みたいな関係になるとは当時は思ってませんでした」

「その結果が学園卒業して追いついて来た副隊長に捕まる結果ですね。というか学園に副隊長放り込んだ後も定期的に様子見してたからでは?」

「いやだって学費とかも出してるから一応ね。……それでフリーサマナーとしてそこそこの実力者として名前知られてから、偶然知り合った特オタバスターとの飲み会したんだよ。そこで酒の勢いで『どうせなら防衛チームムーブしながらバスターやらね?』『いいね!』って言ったのが【チームDAT】の結成の由来だ」

「そこは初めて知りました」

 

 チームDAT結成由来が酒の席の勢いだったとは……悪魔業界で防衛チームムーブするとか素面では思いつかないだろって言われたら、それはそうなんですかとしか言えんけど。

 まあ隊長達も最初は個人行動がキツくなって来たから趣味の合うメンバーでチーム組めば楽かなぐらいの気持ちだったんだが、そこにヤタガラスから出てきた天才発明家のミツヒロさんが合流して装備の外見がガチな防衛チームのものになったから本格化したんだとか。

 

「それでミツヒロ が用意した装備が思ったより本格的だったし、当時でもレベルは50ぐらいあった俺を筆頭に結構な精鋭が揃った所為で『チームDAT』の名前も売れてきたから引けなくなってな。……俺達の評価が悪くなるのはともかく『ウルトラマンの防衛チーム』の評価が悪くなるのは許容出来なかった。ウルトラオタ的に」

「それはよくわかります」

「それで世界崩壊の噂が出た後も『世界の崩壊から逃げる防衛チームは解釈違い』ってのもあって活動を続けてたら『漫画好き』のヤツにキリギリスに誘われて、その後も引き続きデビルバスターしながら宇宙怪獣と戦ったり医者誘拐するアホどもをしばいたり京都ヤタガラスのクズ共をボコったり色々とインフレしながら今に至るという感じだ」

 

 成る程、人に歴史ありというか俺が入る前にもチームDATは世界を守る戦いに身を投じていたらしい。個人的には詳しく話を聞いてみたくはあるな。

 

「そういえば『漫画好き』さんって確かこの前闘技場で見た『レッドアイホーク』と同一人物で、キリギリスの代表かつ最精鋭なんでしたっけ。そんな人とも知り合いなんですね?」

「あー、そもそも漫画好きはキリギリスの発起人ではあるんだが1年ぐらい前までは30ちょいで俺よりレベルが低かったぞ。それがインフレ最前線に巻き込まれて今は凄い事になってるが」

「うーん、話に聞く最前線ではあの【魔人王】や全盛期の俺以上のバケモノが跋扈してるって聞きましたし、そんな所で戦ってればレベルも上がりますよね」

「僅かな期間でレベルを80近くまで上げ直せるナホビノからすればそんな感想か。……それとこの業界広い様で狭いからな。漫画好きとはヤクザ銀行やカルト銀行から金を引き出す時に偶にブッキングしたり、異界攻略とかの依頼で共闘したりした事がある程度の知り合いだった感じだな。あの自称ダークサマナー(笑)とは」

 

 うーむ、その『漫画好き』さんと隊長はそこそこ仲のいい同業者みたいな感じかな。ヘビクラ隊長って『黎明の祈り手』さん達と知り合いだったり色々と顔が広いみたいだしね。

 ……そんな会話をしている内にクルーゼさんが経営してる邪教の館にあるレルムに着いたので、とりあえず明日の予約に備えて最終確認をしつつ適当な所をブラついたのだが“何も無かった”のでホテルに泊まる事となった。

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

「フゥフハハハハハァァァァ!!! 悪魔が集いし邪教の館へようこそォォ!!!」

「随分とハイテンションだなクルーゼ。……というか目にクマが出来てるから単に寝不足なんじゃないか?」

「ハハハハハ! 最近の邪教の館はどこも似たようなものさぁ! 私の様な偏屈悪魔合体師の下にさえ合体依頼が引っ切り無しに来るぐらいにはどこも人手不足なのさァー! これが人の夢! 人の罪! 人の業!!!」

「ジェネシス撃たれそう」

 

 翌日、邪教の館に向かうとそんな風に寝不足からのハイテンション状態で俺達を迎え入れてくれたクルーゼさんではあったが、本人が言う様に現在非常に忙しく予約時間にも余裕がないので、話は早々に切り上げて早速まずはヘビクラ隊長の悪魔合体に移る事となった。

 

「それで、確か【邪教の世界】の悪魔合体術を極一部再現した試作術式のテスターをやればマッカをまけてくれるんだよな。合体法則はヤマトがやってるものと同じだと聞いたが」

「うむ、合体法則はヤマト君の『邪教の世界式*11』と同じものだ。この辺りは同じ合体法則で悪魔合体を行う古式合体師もいたから再現は難しくなかった。そして更にこれまでのヤマト君の悪魔合体から得られたデータにより、スキルの任意継承機能や【忘れじの経験*12】【つわもの誕生*13】などの神威を再現した合体後の悪魔のレベルアップやステータス強化機能を実装できた……と思う」

 

 最後なんか不安ではあるが、一応低レベル悪魔による合体実験で固有のものや余程相性の悪いスキルの任意継承は成功し、レベルアップやステータスの上昇も確認出来る様になっているらし。

 元よりクルーゼさんはサマナーと悪魔の育成状態や個性を合体に反映させる研究をしていたので、それを発展させる形で邪教の世界の術を一部だが一般利用出来る様にしたらしく、今回隊長には高レベル悪魔による合体のデータ取りと引き換えに邪教の世界利用の大幅割引を提案した模様。

 

「ヤマトがやってる邪教の世界の再現なら【写せ身合体】は再現出来なかったのか? 話を聞く限りアレでスキルを自在に付け替えれるなら悪魔合体の常識は大分変わりそうなもんだが。デビルソース使うのとかは出来るんだろ?」

「無茶言うな。悪魔合体途中の不安定な情報に追加してスキル獲得するデビルソースと違って、既に完成された悪魔のスキルを自在に入れ替える写せ身合体は訳が違う。おそらくナホビノ自身の神威、それによる仲魔への情報汚染によってスキルの入れ替えが可能なぐらいに柔軟性が出てるんじゃないかとは推測しているが詳細は未だに分かってないんだ。……おそらく悪魔合体とは違う法則・神威が絡んでるんだろうがな*14

 

 とにかく写せ身合体の再現は未だに無理らしい、一応データは集まってるので根幹となる神威が分かれば再現可能かもしれないが、スキルクラックなどより遥かに複雑なスキルを自在に写している以上は演算能力等も重要かもとの事。

 まあ彼の研究内容にも興味はあるけど今重要なのは悪魔合体、時間も押してるので早速隊長の仲魔のうち【魔獣 ケルベロス LV60】と【破壊神 モト LV65】を悪魔合体する事に。

 

『ヨッシャァ! 更ニ強クナッテ来ルゼ!』

『ではまた』

「おう、またよろしくな」

 

 ベテランサマナーらしくあっさりと手持ちが合体装置に入るのを見送ったヘビクラ隊長。邪教の世界式で【魔獣】と【破壊神】の組み合わせなら合体後の種族は【龍王】、そしてこのレベル帯であれば最上位の龍王が誕生する筈だが……。

 

『キシャァァァ……【龍王 ヤマタノオロチ】ダ。更ニ強クナッタカラ、マタコンゴトモヨロシク』

 

龍王ヤマタノオロチLV75火炎・氷結・電撃無効 睡眠・毒・混乱弱点*15
・ティタノマキア ・カタストロフ ・アギダイン(モトから継承) ・パワーブレス(ケルベロスから継承) ・電撃無効(モトから継承) ・大活脈 ・物理プレロマ ・ハイリストア(モトから継承)

 

 悪魔合体の結果生み出されたのは八つの首を持つ龍蛇の悪魔【龍王 ヤマタノオロチ】、隊長のレベルと合体素材の組み合わせなら龍王種の最上位が出るだろうと思っていたが予想通りだったな。ちょっとレベルが上がってるが。

 

「ああよろしく。……まあ結構レベルは高いが数も減った分だけ消費MAGはマシになったか。ただデータと比べてレベルが少し高いがこれが実験の成果か? 俺はヤマトと違って悪魔のレベルを上げたり出来ないんだが」

「御霊合体でステータスが上がった分も合体後のレベルやパラメータに反映される仕様にしておいたからな。御霊合体が出来ないナホビノ仕様と違って一般向けの改造点というやつだ」

 

 俺の邪教の世界式悪魔合体だと御霊合体は出来ないんだよな*16、何でもステータス加算出来て合体によるスキルの移し変えとか出来るっていう御霊合体やってみたかったんだけど。

 まあ隊長に羨ましいって言ったら『写せ身合体が反則過ぎるからそっちの方が遥かに羨ましいぞ。ステータスみレベル上げれば良いだけだろ』って言われたけど。

 

「次はデカラビアの悪魔合体だが、精霊合体で上位の堕天使にする予定だから【破壊神 モト】の全書データととっ捕まえた【破壊神 チェルノボグ】を合体させて【精霊 エアロス】作って悪魔合体だな。実験に協力してるんだから全書召喚代は出してくれるんだろう?」

「ううむ、ここぞとばかりにお高い悪魔を……まあ精霊合体のデータが取れるならいいか」

『一番良い精霊を頼むぞサマナー』

 

 そしてモト(データ)とチェルノボグを合体させてスキル継承に使えそうなスキルを詰め込んだ【精霊 エアロス】を作成。それと【堕天使 デカラビア LV58】を合体させての精霊合体で上位の堕天使へ。

 

「……【堕天使 ネビロス】此処に。これで最前線でもサポートを行えるでしょう。今後ともよろしくお願いいたします」

「ああ、今後ともよろしく」

 

堕天使ネビロスLV70呪殺反射 衝撃・破魔無効*17
・マハムドオン ・メギドラ ・エナジードレイン ・衝撃無効(エアロスより継承) ・破魔無効 ・万能プレロマ ・テトラカーン(デカラビアより継承) ・テトラジャ(デカラビアより継承)

 

 誕生したのは紅い外套を羽織って手には糸に繋がれた人形を持つ悪魔【堕天使 ネビロス】、主に呪殺と万能を得意とする悪魔だがデカラビアから継承して補助魔法のお陰でサポート役も引き続き熟せる様に仕上げたらしい。

 

「実験としてはまあ上手くいったが、やはり通常の悪魔合体の延長線上でしかないから目新しさには欠けるな。悪魔合体パターンの一つとしてサービスに追加するのもアリかもしれんが、やはり写せ身合体の実用化を目指すか」

「想定よりも多少レベルが上がったがこのぐらいなら契約の維持に支障は出ないな。後は御霊合体でステ上げつつ他の仲魔のスキルも調整するか」

「じゃあ次は俺が悪魔合体するんで準備しときますね」

 

 一応計算したけどマッカは足りてるから予定していた悪魔合体は行える筈、俺自身のレベルが80に届かなかったから最上位の悪魔の合体は解禁されてないのが残念だが。やはりマガツヒが無いとレベルの上がりが鈍い。

 まあそれでもパーティーバランスがある程度取れるレベル70越えの悪魔は揃えられるから、インフレ極まった現行世界における今後の戦闘にも十分役立つと思う……多分。

*1
覇道の神意。会話相手の悪魔がたまに無条件で仲魔になる事がある。二週目はこれのお陰で仲魔集めが凄いスムーズ。

*2
悪魔のレベル上げが出来る者が希少なので通常と比べても料金がかなり高いのが相場である。

*3
覚醒の神意。仲魔のレベルアップ時、一定のレベルに上昇するまでの間、力のパラメータを1多くアップさせる。

*4
覚醒の神意。仲魔のレベルアップ時、一定のレベルに上昇するまでの間、体のパラメータを1多くアップさせる。

*5
覚醒の神意。仲魔のレベルアップ時、一定のレベルに上昇するまでの間、魔のパラメータを1多くアップさせる。

*6
ナホビノの写せ身スキル枠を1つ拡張する。現在7つ。

*7
自身が次に行う全ての攻撃のダメージが上昇し(1.3倍)、相性を無視して貫通する効果を付与する。

*8
真5のチャージ系スキルの倍率は一番高い【チャージ】【コンセントレイト】でも1.8倍。なので二回殴った方が強くね? ってなる。

*9
真5に“仲魔を維持する為のコスト”という概念はない。実際にはダアトなどの高濃度マガツヒ空間でもなければノーコストとはいかないが、それでもナホビノの仲魔は抗体ポイントが低くなると裁定する。

*10
敵全体に万能属性攻撃+攻撃力ダウン。真4出典のとある英傑が使うスキル。

*11
真Ⅴ仕様。

*12
合体後の悪魔が素材となった悪魔の育成状態に応じた経験値を得る様になる。

*13
合体後の悪魔がパラメータに素材となった悪魔の育成状態に応じたボーナスを得る様になる。

*14
真5の邪教の世界において悪魔合体は【悪魔合体】の選択肢で実行可能だが、【写せ身合体】は【神意の取得】と同じ【神魔の儀】によって実行可能となっている。

*15
真Ⅴヤマタノオロチ仕様でスキルを全部覚えるまでレベルアップ済み。

*16
真Ⅴに御霊合体のシステムは存在しない。

*17
真Ⅴネビロス仕様でスキルを全部覚えるまでレベルアップ済み。




あとがき・各種設定解説

ヤマト&アオビト:悪魔のレベル上げて売る育て屋ムーブ
・今回悪魔を売ったのはキリギリスのサマナーの一人で本家様の業魔殿にいる棒人間の一人といったイメージであり、そんな一般サマナーがチーム組んでレベル70超えの魔丞を倒すのが今の世界。
・最初は全書から召喚した悪魔を売れば良いのではと考えたが神の技数でスキル枠を拡張していた普通の人間では扱えないので断念、交渉で引き入れた悪魔をスキルを増やし過ぎない様に注意しつつ育てて売る方向に変更した。

ヘビクラ隊長:色々と“選ばれなかった”過去があった
・召喚術の才能不足で実家の次期当主に選ばれず、それでもと厳しい修行で手に入れた剣術や魔法も友人で何故かガンガン強くなっていく“ハーモニカ吹いてるカード式デビルシフター”に戦闘能力面では及ばず鬱屈とした日々を中高時代は送っていた。
・そこで学校が魔界に堕ちた時に邪神の誘いに乗って腐れ縁の友人とガチバトルしたのだが、契約した邪神を倒された上で完膚なきまでに敗北して自分をも救い出されたのを機に『光』に対する強い憧景とそれを自分のままで超えたいという願望が目覚めた。
・その願望によって邪神の支配を跳ね除けて用済みになったので始末し、側から見れば憑き物が堕ちた感じになって他人と自分を比べるのをやめて独自の道を行く事にした。
・その後高校卒業した後はCOMPを手に入れてダークヒーロー的サマナームーブをしながら腐ってた実家を潰したり、殴っても心が痛まない適当なヤクザやカルトを潰したり、異界に潜って自己研鑽しながら知り合った特オタ達とチームDATを組む事になった。
・本人的には中学高校時代は割と黒歴史なので自分から話したがらないが、今の隊長ムーブが本人の性に合っているのもあって話を振られてもサラッと流すぐらいには割り切っている。
・ちなみに隊長ムーブ時には自重しているが上述の願望と合わさって『光属性』の人を怒らせない範囲でからかうのが好きなイイ性格をしており、昔は善行と一緒にちょっかいかけるみたいな『味方なんだけど面倒くさいヤツ』だと言われる事が良くあった。
・『漫画好き』さんとはフリーサマナー時代に似たようなムーブしてる事もあって相対する機会がそこそこあり、敵対はしてないが偶に共闘しながら闇ムーブして揶揄うなどする感じの変な同業者って感じの関係だった。


読了ありがとうございます。
ちなみに真ifの時には魔神皇とPがバトってる裏で隊長と腐れ縁の人だけ『復活の聖剣』やってた感じ。後そのハーモニカ吹いてる腐れ縁(レベル80代)は現在イギリスで魔女やロンドンスターのメシア教殴るお手伝いしてます。
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