真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~ 作:貴司崎
さて、時間も押してるからダイジェスト形式でサクサクと悪魔合体を進めていこう。まずは【地母神 キュベレ LV70】から、要望としては『出来れば合体後も女性型が良い』との事なのでまずは全書の【地母神 スカディ LV72】と【魔獣 ルー・ガルー LV60】を合体させて【龍王 ヤマタノオロチ LV74】を作成。
そして継承に必要なスキルを覚えさせたヤマタノオロチとキュベレを合体、邪教の世界式であれば地母神+龍王の組み合わせで生まれるのは【鬼女】でありこのレベル帯であれば……。
「【鬼女 カーリー】よ。騒乱の気配を感じて罷り越したわサマナー、今後も貴方の敵の首を悉く討ち取ってあげる」
「ぶっ殺しても良い敵の首なら幾らでもどうぞ。それ以外を認める気は無いがな。今後ともよろしく頼む」
「ええ、私を前にそこまで啖呵が切れるなら問題なさそうね。コンゴトモヨロシク」
| 鬼女 | カーリー | LV79 | 呪殺反射 火炎・氷結・破魔無効 *1 |
| ・暗夜剣+4・地獄突き+4 ・朧一閃+4 ・マハラギバリオン+3 ・ムドバリオン+2 ・大活脈 ・三分の魔脈 ・氷結無効・物理プレロマ ・千発千中 ・龍眼 ・セーフティ ・不屈の闘志 | |||
そういう訳で生まれたのは複数の腕に武器を携えた女性型悪魔【鬼女 カーリー LV79】。スカディから引き継いだ【氷結無効】【ムドバリオン】とヤマタノオロチから引き継いだ【龍眼】【物理プレロマ】【大活脈】、キュベレから引き継いだ【暗夜剣】【三分の魔脈】【セーフティ】を組み合わせている。
なんか【千発千中*2】を覚えてたので【朧一閃*3】を打ち込む事に特化した対ボス用の単体アタッカー構成って感じだな。マガツヒスキルもボス向けだし。
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「じゃあ次はパズスの番だな。確か要望は『なんかダークな感じで更に強く』だったか」
「そこまでフワッとした事は言ってませんよ。これでも嘗ては魔王だった気がするのでそれに近くなる様にはと」
「つまり悪魔合体で高位の魔王種族にすれば良いんだな。邪神は魔王の合体素材になるからそのぐらいは余裕だぞ」
「……まあ、サマナーは仲魔の要望には可能な限り答えてはくれるので、その辺りは信用しますけどねぇ」
次は【邪神 パズス LV69】の悪魔合体、要望は高位の魔王なので丁度合体素材用に全書登録してあった【天使 ソロネ LV70】を素体にして邪神+天使の組み合わせで【魔王】を作る。
……これで出来るのは【魔王 アバドン】だけど俺のレベルならもう1ランク上の“魔王”でもいいか。アバドンには【大活脈】【セーフティ】【氷結無効】を入れておいて、全書の【魔王 スルト】と【魔王 ロキ】の合体で【精霊 フレイミーズ】を作って精霊合体すると。
「ふむ、成る程。【魔王 ミトラス】契約に従い参上した。引き継いだ
「ああ、こちらこそよろしく頼む」
| 魔王 | ミトラス | LV80 | 火炎吸収 氷結・破魔無効*4 |
| ・ヤブサメショット+1 ・ラグナロク+5 ・マハラギバリオン+5 ・ハマバリオン+3 ・デカジャ+1・デクンダ+1・大活脈 ・火炎プレロマ ・火炎ギガプレロマ ・ハイリストア ・氷結無効 ・セーフティ | |||
出来上がるのは金髪の美形成人男性な外見の悪魔【魔王 ミトラス LV80】となる訳だ。アバドンに覚えさせておいた継承用のスキルに、スルトが覚えていた【火炎プレロマ】とロキが覚えていた【ハイリストア】をフレイミーズを介して継承させた火炎特化型悪魔にカスタムした。
火炎属性スキルはケルベロスやカーリーも覚えてはいるがこの二体は物理重視だから、純粋に火炎魔法系スキルに特化した悪魔も欲しかったしな。物理ステも高いから【ヤタガラスの写せ身】より【
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「次はメルキセデクだな。大天使のままのランクアップが望みなら精霊合体で構わないか?」
「ああ、次もこの世界に正しき秩序を齎す者にならねばならんからな」
じゃあ、全書から適当な低レベル悪魔の同種族合体でもって【精霊 フレイミーズ】を作って精霊合体させて【大天使 カマエル】を作り、更にもう一度今度は継承させたいスキル持ってる悪魔を使って作ったフレイミーズと合体させて二段階ランクアップで行くか。
……邪教の世界式だと精霊は直接全書から呼び出すとめっちゃマッカが掛かるからなぁ*5。だからとりあえずランクアップさせるなら適当な低レベル同種族合体で精霊作る方がいいんだよな。
「【大天使 スラオシャ】呼びかけに応じて参上しました。これからはサマナーと共に世界を守る一助となりましょう。コンゴトモヨロシク」
「ああよろしく頼む。……ところで外見が“美少女”になってるのはどういう事だ? まあ悪魔の外見が違うのは良くある事だが」
「最近大天使の間で美少女になったり美少女に憑依したりするのが流行ってると聞きまして。そもそも天使自体は中性イメージなので。……後は最近天使へのヘイトが性癖云々で酷いので、少しでもイメージアップを図る為ですね。この国ではとりあえず美少女にしておけばうまく行くと聞きました。後はヘブライ系への当て付けですね」
「そんな理由かい」
| 大天使 | スラオシャ | LV78 | 破魔吸収 衝撃・呪殺無効 |
| ・マハンマバリオン+5 ・エナジードレイン+2 ・メディアラハン+3 ・メパトラ+3 ・サマリカーム+3 ・大活脈 ・大魔脈 ・衝撃無効 ・ハイリストア ・セーフティ ・チャクラウォーク ・トラエスト | |||
そうして出来たのは【大天使 スラオシャ LV78】だったのだが、なんかアレな理由でエルフ耳の美少女として召喚された。まあ“とりあえず美少女”は日本のお家芸かもしれんし、ガルーダとかの先例もあるから悪魔にとって外見はそこまで意味がないってのは知ってるけどさぁ。
まあ能力的には予定通りフレイミーズから覚えさせた【大活脈】【大魔脈】を引き継いで、更にメルキセデクには【モトの写せ身】から【衝撃無効】と【ハイリストア】を写してたので引き継がせた。
そして【アンズーの写せ身】から【メパトラ】、【キュベレの写せ身】から【サマリカーム】と【セーフティ】を覚えさせて、運良く【チャクラウォーク*6】を覚えてくれたので普段使いの回復役として非常に使いやすい能力になったから良いんだが。
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「それと状態異常特化のパズスが居なくなったからその役割の悪魔もいるな」
『全書より【ファフニール】【アナンタ】【ユルング】を検索。特殊合体は可能だぞ』
「じゃあそれで最高の状態異常適正持ちの悪魔を作るか。必要スキルが足りない分は写せ身合体でどうにかしよう」
今度は全書登録した悪魔を使った特殊合体。【邪龍 ファフニール LV67】【龍神 アナンタ LV65】【龍王 ユルング LV57】のドラゴン系悪魔三体の組み合わせで生まれるのは、かつてのダアトでインド神群勢力のトップの代理を務めていた龍蛇の大悪魔。
「おやおや私を特殊合体で、しかもこのレベルで呼び出すとはね。どこかで縁がありましたか?」
「昔少し争った事のあるぐらいだな。能力は知っていて必要だから呼び出した」
「成る程、まあ私を従える実力は十分にある様ですし構わないでしょう。……【邪龍 ヴァスキ】です。コンゴトモヨロシク」
| 邪龍 | ヴァスキ | LV77 | 氷結反射 火炎・睡眠・幻惑・毒無効 呪殺耐性*7 |
| ・ブフバリオン+4 ・マハムドバリオン+1 ・セクシーダンス+7 ・テンタラフー+7 ・マカジャマオン+7 ・毒の液+7 ・まどろみの渦+7 ・大活脈 ・呪いの大還元 ・火炎無効 ・セーフティ ・狂い咲き | |||
呼び出されたのはインド神話のナーガラージャである長大な蛇身と複数の腕を持つ悪魔【邪龍 ヴァスキ】。ファフニールが覚えていた【大活脈】を継承させており、トップクラスの状態異常スキル適正に加えて状態異常発生率を上げる【狂い咲き*8】も獲得していた状態異常のプロだ。
更に弱点を補う為に【ザオウの写せ身】から【火炎無効】を継承、そして使える状態異常の種類を増やす為【キウンの写せ身】から【マカジャマオン】に【パズスの写せ身】から【テンタラフー】と【セーフティ】、【サキュバスの写せ身】から【セクシーダンス】を写した状態異常特化仲魔となる。
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「さて、最後はバロンなのだが……済まんがちょっと“主神”になってもらう」
「うむ、そういう話だったな。……私とサマナーとの契約条件は『この世を襲う災いを退ける一助になる事』。少なくともお主であればその為に戦う事を否としない事は分かった故、これからの戦いの為に高位の主神を呼び出し制御する器を作るのに必要とあれば存分に私を使うが良い」
「ありがとう、バロン。現状保有する写せ身の数だとバロンを使わないと“目標”とする悪魔の予定能力に届かないんだよな。……さて、最後の『特殊合体』を始めようか。
まずは【神獣 バロン LV68】と【大活脈】や【電撃プレロマ】を継承させていた【妖精 ティターニア LV61】を合体、神獣+妖精の組み合わせで必要なスキルを引き継いだ【鬼神 トール LV69】を作成する。
そうして出来上がったトールと全書登録されている【妖魔 ヴァルキリー LV45】と【魔王 ロキ LV63】の組み合わせによる特殊合体、この北欧神話系悪魔三体によって嘗てのダアトでは最大クラスの敵であった『北欧神話の主神』を呼び出す。
「……ほう、我を呼び出してみせるか」
| 魔神 | オーディン | LV80 | 電撃反射 衝撃・破魔・呪殺無効 幻惑耐性*9 |
| ・グングニル+5 ・真理の雷+4 ・マハジオバリオン+4 ・会心の覇気+1 ・大活脈 ・大魔脈 ・衝撃無効 ・電撃プレロマ ・電撃ギガプレロマ ・ハイリストア ・奈落のマスク ・セーフティ | |||
そうして呼び出されたのは片手に神の槍を持ちもう片方の手にはワタリガラスを携えた隻眼の悪魔【魔神 オーディン LV80】、北欧神話における主神たる大悪魔である。
スキル構成はトールより【電撃プレロマ】【大活脈】【衝撃無効】【奈落のマスク】【ハイリストア】を継承させ、そこにヴァルキリーの【セーフティ】とロキの【大魔脈】を追加。元々のスキルと合わせて電撃魔法に加えて貫通物理も使えるアタッカー仕様だ。
「ふむ、スキル構成はまあまあ考えられているな。体力と魔力の増強に状態異常への耐性、後は攻撃時の隙を減らす単純だが強い構成か。弱点も埋めてあるしな」
「単体電撃はトールからの【ジオバリオン】と【真理の雷】で迷ったが、単騎相手ならランダム攻撃最低二発でも【真理の雷】の方がダメージ量は多いからな*10。敵の数が多いなら【セーフティ】付き【マハジオバリオン】で薙ぎ払えば良い」
「成る程、そこまで考えてはいると……分霊とはいえ北欧神話の主神を呼び出せるとは流石は“ナホビノ”といった所か? ……いや、ここではない何処かの世界の私と縁があったのか」
「そこまで気付くか」
流石は北欧神話の主神であり知恵の神でもあるといった所か。嘗てのダアトでも各神話の主神クラスであればナホビノの事も知っていたし、俺が合一神である事も普通に初見で気がついたからな。
「ナホビノであるのなら仲魔となるのも吝かではないが、その前に少し質問をさせてもらおうか。……お前はナホビノとして“流れ着いた”この世界で何を成そうとしているのだ?」
「そこまで分かるのか。……俺がやろうとしている事は『人と人が住まう今の世界を守る事』だ。そこは“人を守る”プログラムを施されていた神造魔人だった昔も人間になってチームDATの一員となった今も変わらない。今はその為にこの世界で只の二人の戦士として戦うだけだ」
『嘗てダアトと呼ばれた世界でも俺達は流されながらも人を守る為に戦った。最後には上手くいかずに世界崩壊の一端を担ってしまったとは言え、その為に戦ってきた事だけは間違ってはいなかったと思うからだ』
嘗ての俺達が創世の際に願った『人のみの世界を創世する』コトワリが“間違い”だったとは思わないが、結局それが世界を崩壊させる一因になってしまった以上は“誤り”ではあったのだろうからな。
「ナホビノであれば自らが望む世界を創世する資格を持っているのだから『人を守る世界』を創世する事も出来るだろう。或いは自らが神群の長となって悪魔から人を守る神話勢力を作る事も出来るのではないか?」
「もう創世云々はちょっとこりごりかなって。……後、どんな理由があってどんな崇高なコトワリであろうとも、人一人の意思で世界を染め上げるのは上手くいかないと今では考えてる。世界がループしてる事もあるから創世なんて上手くいかないし、行っても先には続かないんだろうよ」
『神群といっても俺達は神造魔人と人間が融合した存在だから神群の長になる事は現実的に難しいだろう。単純にこの世界で組織のトップに立つには実力も能力もノウハウも全く足りていない。俺達なぞいい所個人戦力として動くのが精々だろう』
そもそもナホビノになったぐらいで最強になれるなんて都合のいい話はないしな。サマナーとして規格外な事が出来たり写せ身合体でスキルを手に入れたり神意が使えたりと長所もあるが、言ってしまえばナホビノ自体の強さなんてそんな個人戦力止まりでしかないのだし。
「俺達はナホビノによる創世を行った嘗てのダアト世界では世界を守れず敗北した敗残者だ。そしてこの世界では様々な人間の意思が力を合わせて俺達でも勝てなかった脅威に打ち勝っている。……であれば少なくとも正解に近いのは今のこの世界の在り方であり、それに対して敗残者である
『そんな事をしても滑稽なだけだろうしな。同じ理由で自らの神群を作るなどのこの世界を無駄に混乱させる事をする資格など俺達にはない。出来る事は一介の戦闘員として戦う事ぐらいだ』
「ふむ成る程、まあ上手くいってる者に対して嘗て失敗した者が、助言や失敗例の提示ならともかく『その方法ではダメだ』などと言うのは滑稽な道化でしかないだろうな。……つまりお前達はあくまで一人の戦士として人を守る為に戦うと。既に“人ではなくなっている”と言うのに」
まあ、既に自分が“人間ではなくなってる”事には気付いているがな。ダアト時代と違って人間と神造魔人に分離出来なくなってるし、おそらく分離・転生・再融合で色々と因子が混ざって俺とアオビトの融合度合いが上がってるんだろう。
……実際、自分の意識や価値観が人間のそれになっているかはちょっと疑問なんだが、それでも神造魔人時代からある『人を守りたい』と思う意思はまだ持っている。例え最初が役割の為に植え付けられたものだとしても。
「まあ、別に人間でなくても人間を守る為に戦ってもいいだろうよ。……前世で神造魔人だった頃から与えられた『人を守る』使命は好ましく思っていたのだし、今世で
『それ以前にナホビノ程度ならこの世界の人間なら普通に打倒出来るのだから人でなくなった程度なら大した問題ではないだろう。人と悪魔が共に在って共に戦っているこの世界であれば、ナホビノが人と共に戦うのも大しておかしい事はない筈だ。……人と悪魔を永久に別たせようとした俺達が言える台詞でもないかもしれんが、そんな今の世界の事は存外に悪くないと思っている』
嘗ての創世が失敗したのは人と悪魔の関係の悪性だけを見て、共にある事の良さの方から眼を背けたからなのかもな。あの時だって俺達はサマナーとして悪魔と共に戦っていたと言うのに。
……ウルトラシリーズが好きになったのも前世の神造魔人時代には出来なかった『人を守るだけでなく人と共に戦う』事を成し遂げてきた彼らへの憧憬があったからかもしれないな。
「成る程、ナホビノとして創世や神群を成す気は無くとも戦士として戦う覚悟はあると。……良かろう、単なる合一神とは違うお前達の在り方に少し興味が湧いた。北欧神話の主神【魔神 オーディン】としてお前達の仲魔となろう。コンゴトモヨロシク」
「ああ、よろしく頼む。……だが良いのか? 俺達はお前の望み通りに創世云々を行う気は無いが」
「いや、別に私はお前達に何か用事があって召喚に応じた訳では無いが? さっきの質問は単なる個人的な興味本位で特に意味はなく、その答えが面白かったから付いていこうと思ったまでだ。……本霊に近い分霊が何かしてるみたいだが普通の分霊である私には関係ない事であり、私の様な高位神格の分霊がサマナーに従うのは大体がサマナーへの興味と暇つぶしだぞ」
そんな事をイイ笑顔のオーディンに言われた俺達は思わず面食らってしまったが、まあとにかく予定していた悪魔合体はこれで終わりだ。後は写せ身合体で俺自身に【メルキセデクの写せ身】から【貫く闘気】を取得して今日の作業は完了。
……これで全盛期には届かないまでも戦力は整ったし、これからは各神話勢力への挨拶回りとかも考えていかないとな。ダアトでもやったが御厳集めの意味もあるし。
「さっきは神群の長にならないとか言っていた割に戦力を増強してやる事が神話勢力への挨拶回りなのか? 侵略戦争でもするのか?」
「だからしないって。御厳集めるには信仰ポイント的なものとか各神話勢力の依頼達成が必要だからな。その為の戦力だ。……ダアト時代には『腕前を試させてもらおう!』とか『真の力を取り戻せた。まずは君達と戦う事で調子を確かめさせてくれ!』とか『騙して悪いが』とかで挨拶したら襲撃されるのが普通だったからな! それに対抗する為の戦力だ」
『クエスト達成途中で魔丞レベルの強敵と遭遇する事もしょっちゅうだったからな。この世界のインフレ具合を考えるに挨拶回り前に相応の戦力を整えておく事は必須だと判断した』
そもそも悪魔って実力主義だから力を見せるのがダアトでの基本交渉術だったからな。特に御厳入手の為には相応の力か難易度の高い依頼を達成して信用を稼ぐ必要があったし……このインフレ極まった世界なら挨拶回りでレベル80越えの強敵と遭遇しまくるに違いない(疑心暗鬼) この戦力で足りるかも怪しいかもしれん(脅迫観念)
「各神群への挨拶回りってそこまで物騒だったかねぇ? この国の神格だとその辺り割とゆるいから挨拶ぐらいなら神社参拝ぐらいの気軽さでいけた筈だが」
「それでも用心しておくに越した事無いので戦力強化を優先しました。……どうせお札を集めて渡しに行ったら、お礼を言われると同時に何故か戦闘開始みたいな事があるんだ。シキオウジ絶対許さん(過去のトラウマ)」
「ドリフター的な常識のズレを感じるな。まあ最近トチ狂った秘神が暴れるみたいな事件も聞くが。……それなら帝都ヤタガラスからそれっぽい依頼でも探してみれば良い。日本の神話勢力と繋がりがあるから伝手が出来る依頼もある。或いは寺社仏閣巡りを自分でやるとかだな」
ふうん、まあ依頼内容と報酬と自分の予定次第だけど今後はそういう事もやっていった方が良いかと考えつつ、今日の邪教の館の利用時間が終わった俺と隊長は次の予約者が詰まってる事もあって速やかにその場を後にしたのだった。
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『……ギギ……ガガ……ワ、私ハ……!』
そこは0と1の数字が乱舞する、所謂『電脳世界』と呼ばれる場所。インターネットの急速な発展や【電霊】と呼ばれる悪魔の出現などによってもう一つの世界と呼ばれるまでになった場所に於いて不恰好なポリゴンの集合体の様な“何か”が生まれようとしていた。
『ワ、私ノ名ハ……コウガ……メガ……ソウダ。私ノ名前ハ【ブラフマンⅡ】』
そしてその“何か”が自分の名前を【ブラフマンⅡ】と定義した瞬間、歪なポリゴンの様なものが集まって一人の男の様な姿の【電霊】となった。
……この【電霊 ブラフマンⅡ】を構築しているデータは先日崩壊した【メビウス】と呼ばれた電脳認知世界のジャンクデータであり、その世界を治めていた“とある男”のデータが主軸となって新たな電霊が構成されたのだ。
『ダガ、私ハ何ヲシヨウトシテイタノダ……カツテノ“私”ガヤッテキタ記録ハアルガ……私ハ何ヲ成セバ……』
最もあくまで残骸データから新たに生まれた電霊であるので“その男”の自我や意識などはない全く新しい人格をしており、それ故に己がこれからどうするのかも分からないブラフマンⅡは記録にある“その男”の行動から自分の行動方針を定義しようとしていた。
『……ソウダ、“カツテノ私”ガ望ンダ事ヲ引キツグノガ私ノ役割。……ソシテ記録カラ読ミトレル“カツテノ私“ガ成ソウトシテイタ事ハ…………世界ヲ破壊シ人々ヲ苦シメル事! ソウ私ハ“絶対悪”トシテ世界ヲ破壊スルノダ!!!』
そして生まれたてで自我が明確ではないブラフマンⅡは“とある男”が行なってきた“非人道的行為を含む実験の数々”の記録を見て、嘗ての自分の目的が『世界を破壊して悪として不幸を撒き散らす事』であると解釈してしまいそれを引き継ぐのが自分の存在意義だと定義してしまった。
……一応、“とある男”の目的は世界を救う事ではあったのだがそんな意思は残ってなどおらず、そもそも行なってきた非道極まりない行為からそんな目的だったなどと類推するなど普通は無理であるので仕方ないのだが。むしろ“とある男”はこんな結論に至ったブラフマンⅡの方が人間らしいと言えるぐらいの非人間サイコパスだったのだし。
『フハハハハハハ! 破壊! 破壊! 破壊ダァ!!!』
そうして己の存在意義が定まったブラフマンⅡは狂った様に喜びの声を上げながら、早速世界を破壊する為の行動を起こそうとする……が、それが実行される日は永久に来なかった。
そもそも完全崩壊したメビウスの残骸が新たな電霊を生むなどという偶然が都合よく起きる事などなく。つまりは“何者か”がメビウスの残骸データを集めて電霊を作り上げたという事であり、その事をブラフマンⅡは自らを構成するデータが突如1ビット足りとも動かせなくなった事によって知る事になる。
『ガッ……⁉︎ コレハ一体……マサカ私ハコレマデズット監視……イヤ、“観察”サレテイタ⁉︎』
「はぁ、
身動きが取れない【電霊 ブラフマンⅡ LV1】をモニター越しに眺めていたのは眼鏡を掛けてマフラーをした小柄な少女──【魔人王 コンス・ラー(私服)】であり、そこは彼女が拠点とする回収型強襲揚陸艦【太陽の船】の電子作業室であった。
彼女も独自にアストラルシンドローム被害者に偽装した電霊を送り込むなどしてメビウスについて探っており、崩壊時に残骸データを回収して簡易な電霊へと構成に直しながら情報を読み取り使えそうなデータがないか調べていたのだ。
「思った以上に使えるデータは無かったな。実験のデータもどれも大して意味のないものばかりか……さっさと電霊を消してデータファイルにする」
『マ……』
溜息を吐きながらも彼女はコンソールを軽く操作してあっさりとブラフマンⅡを消去し、保有していたデータをコンピューター内の情報ファイルに変換してしまった。
まあ、その中身の各種実験内容も脈絡がなさ過ぎて理解するのに手間がかかり、内容自体もそこまで自分の目的に役立つレベルのものでもなかったのだが。
(役に立ちそうなのはメビウス……超大型認知世界の運営データぐらいか。アマラコンピューターの類似技術であるバニシングシステムで認知世界を運営していたデータなら、完成はしていたこのコンピュータ本来の用途である『神話の縮図であるボルテクス界内部での再演された
かつての世界において彼女は“いつか起こる至高天を巡る戦い”の内容を再現したダアトと呼ばれる世界を創る事で至高天への道を開こうとしたが、そもそも至高天を巡る戦いをそれっぽく再現した程度で至高天への道など拓ける筈が無い事ぐらいは分かりきっていた。
故に彼女と協力者であるメフィスト博士は3機のアマラコンピューターを連結させる事で“至高天を巡る戦いが行われた因果”をもって“至高天へと至る事が可能になる”という結果へと無理矢理結び付けられる因果率操作装置を作り上げたのだ……まあダアト時代では様々トラブル故に中途半端な運営しかされなかった様だが。
(正確に言えばいずれ起こる至高天を巡る戦いという“
つまり昔のヤマトとアオビトが色々と襲撃されたり無茶なクエストを受けさせられたりした一因もアマラコンピューターによる認知操作にあるのだが、出来たのはその程度で嘗ての【ダアト】では至高天への道は開けず規模の大きい受胎現象に留まったのだ。
また、先日の擬似ボルテクス界形成において嘗てのダアトが再現されたり、内部では残された残留思念の願い通りにヤマトや結璃がレベルを上げやすい様になっていたのもこの認知技術が部分的に機能していた部分がある。
(まあそこまで強く干渉していた訳でもなく、精々擬似ボルテクス界を彼等の“神域”として
そして、それらの情報を回収した三号機を解説して得たデータから知った彼女は『今度こそ本当に至高天へと繋がるダアトを創る』為に行動を開始しようとしていた。
(失敗のデータがあるのならそれを修正すれば成功へと導けるから残り二台のアマラコンピューターを回収、最悪でも嘗てにダアトでの運用データは手に入れる。この船に残ってるフォルマも少ないから転輪鼓の完全な複製は難しいし出来れば回収したいけど。……それらを使って今度こそ至高天の座への道を拓ける【本来の創世へと繋がる受胎】【真なるダアト】となる舞台装置を実現させる。そして“失ったモノが取り戻せない”この世界を変えてやる)
……そうして嘗て『凡ゆる
あとがき・各種設定解説
ヤマト&アオビト:ウルトラマンになりたいナホビノ
・前世の記憶を正確に思い出して以降かつての自分達の選択が世界崩壊の一因になった事から自己評価は低めで、現行世界の世界崩壊を阻止し続けてる在り方をリスペクトしている。
・それでも人を守ろうと戦った事だけは間違ってなかったと考えており今の世界での基本方針になっている他、受胎や創世などで世界を一人の意思で染め上げる行為には完全に否定派となった。
・神造魔人だった彼が人間に転生出来たのは、前世で彼等が最後にコトワリを叶えるカグツチに対して『人間と共に在りたい』『相棒をこのまま消滅させたくない』という願いを無意識の内に抱いてそれをカグツチと“巫女”が叶えたからだったりする。
・ちなみに前世の記憶を完全に取り戻した影響で、転生当初の混乱が原因で浮き出ていた
・嘗てのダアトでレベル99まで上げられた原因にはナホビノに試練を与えやすい様に因果が紡がれていたのもあるが、それらの試練には達成しやすい手加減とかは無かったので乗り越えられたのは本人達の実力である。
コンス・ラー:目的は『シン・東京受胎(仮)』
・ダアト世界での神話(真Ⅴ)再現による噂の現実化での至高天への到達には結構力を入れており、現地協力者の博士と共にシュバルツバースや東京受胎で暗躍したのだが失敗したのでこの方法は無理かと半ば諦めていた。
・なのでアマラコンピューターを回収した時点では使い物になる転輪鼓が手に入れば良し、昔失敗したダアト関連の詳細データがあれば今度は成功させられるかもしれないぐらいの気持ちだった。
・だが、回収してみて情報を精査してみたら機能的に改良を幾らか行えばやれそうで、他に道筋も見えない事もあって再びのダアト創造からのを至高天到達を実行に移す事にした。
・勿論、そのまま実行に移しても失敗するだけなので、3機のアマラコンピューターを回収した後も更なる改良が必要ではある難易度の高い作業ではあるのだが、技術は十分にあって何より“諦めるという事がもう出来ない”ので突き進むしかない。
読了ありがとうございました。
ちなみにブラフマンⅡ云々の元ネタは昔のジャンプ漫画の『魔人探偵』から、“魔人”王繋がりデ……といってもやってる事は某怪物強盗で動機に関しては完全に某電人の方がモデルだったりするが。