真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~   作:貴司崎

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超人失踪事件を追え!

「……乃木って確かドリフ関連の支援を行ってる【乃木グループ】ってのがありましたよね?」

「ああ、乃木グループはヤタガラスの御三家(もう一個しか残ってない)と呼ばれる名家の一つで、表で大規模な企業グループを運営してるから色々と便宜を図ってるな」

「要するにヤタガラス勢力の一派ね。乃木園子って名前は余り聞いていないけど御息女とかかしらね。まあ別世界の京都ヤタガラス資料から名前が出てもおかしくないんだけど」

 

 ヘビクラ隊長とヤナセ副隊長の話を聞いて乃木家がヤタガラスの重鎮的ポジションにあると理解したヤマトとアオビトは、そんな家と血縁関係があると分かってしまった結梨の事を考えた。

 ……何だかんだで前世の仲魔の生まれ変わりであり共に窮地を乗り越えた仲なので、彼女には友人以上の思いと縁を抱いているので結構心配になってきているのだ。

 

「これ、結梨ちゃんは大丈夫ですかね? 彼女多分なんも知らないと思うけど……」

「まあ大丈夫じゃね? ……そもそも俺達が調査の手伝いで手に入れた情報とはいえ、帝都ヤタガラスにも報告する義務があったから報告したが軽い口止めぐらいで何も言われなかったから重要度は大して高くねぇよ。本当にヤバい情報なら乃木グループが闇から闇へと葬り去るだろうしな」

「大手グループなら自称親類者への対応なんて容易いでしょうしね。それに結梨ちゃん自身が事情を知らないし、この情報で悪どい事をする様なタイプじゃないから変な事にはならないでしょう。そもそも『乃木園子』がこの世界に居たとしてもこの資料に書かれた『乃木園子』とは無関係なのだしね」

「乃木グループもまあ強かだがそこまで悪い噂は聞かんしな。……それに生化学は専門外だが、こんなやり方の悪魔合体では生まれた生命は結構変質するだろうからDNA鑑定通るかも怪しいと思うぞ」

 

 最もそんなヤマトの心配もヘビクラ隊長とヤナセ副隊長、そしてミツヒロ達の至極真っ当な考えの意見によってあっさりと否定された訳だが。

 ……そもそも京都ヤタガラス残党から得た情報だけで問題を大事にする程に今の乃木グループは暇ではないのだし、この情報程度なら悪用しようがどうとでもなると思っている。

 

「まあ結梨ちゃん自身がこの情報を知っても悪用とか考えるタイプじゃないですからね。乃木グループが善良で彼女の意思を無視した外道行為を行うタイプじゃなさそうなので安心しました。……何か彼女やその周りに非道な行為をするなら潰すけど」

(((((コイツ思った以上に結梨ちゃんへ重い感情を抱いてるよな)))))

 

 尚、前世で自分のコトワリの為に仲魔を切り捨てたのが響いているのか、特に仲が良かったアマノザコの生まれ変わりである結梨ちゃんに結構ヤマトは重い感情を抱いているという新事実が発覚した方がチームDATにとっては問題だったが。

 

「…………流石にちょっとした冗談ですよ。結梨ちゃんの味方になるのは本当ですけど」

「本当でござるかぁ? ……それはともかくとしてお前の仲魔だったっていうアマノザコと今の結梨ちゃんは別人だからな。その辺りはきっちりと割り切っておけよ」

「分かってますよ。ダアト時代の事は前世の出来事ですから気にし過ぎない様に、プロスペラさんにカウンセリングを受けた時も言われましたしね。あくまで今の世界で仲良くなった友人である結梨ちゃんの味方をするってだけです」

『俺が言えるセリフでもないが、今の少年はあくまで『この世界の八坂ヤマト』であって俺や前世であるアオガミが成した事に対して直接の責任はないのだからな。所詮は既に“終わった世界”の事なのだから気にし過ぎない方が良い』

「分かってはいるんだが、アオビトとアオガミの“カグツチへの願い”、アオガミの『人と共に生きたい』とアオビトの『相棒には消えて欲しくない』という願いをカグツチが叶えたからこそ生まれたのが俺だからなぁ。色々思い出した所為でまだ完全には割り切れん」

 

 今のヤマトは『ドリフターな神造魔人と合体してナホビノになり、更にその神造魔人が人間だった頃に融合してた神造魔人の前世の記憶を思い出した』という非常にややこしい設定過多な状態で、加えて明確に前世の記憶と思い出したので精神がいくらか引きずられている。

 その辺り彼の複雑な事情を知っていてアルカニストの心得として精神診療の技術を持ってるプロスペラとの伝手でカウンセリングを受けて、今では“前世は前世”とある程度は割り切れる様にはなったが何分特殊過ぎる事例なので前世と今世を同一視する事も多いのだ。

 

「ま、とりあえず結梨ちゃん本人には伝えておく必要はあるだろうからな。保護者代わりの祈り手連中は今ちょっと手が離せないって言うから俺らで伝えに行く、内容が内容だから直接な」

「じゃあ、私と事情に関わるヤマトで伝えに行くわ。夢結も所属してる第三生徒会にいるって話だし伝手のある私なら話も通しやすいでしょう。丁度結梨ちゃんのレベルが上がった所為で祈り手達では保護責任果たせないから、聖華学園に私達も保護責任者になると言ってあるから会うのは難しくないしね」

「ヤマトを置いていったら結梨ちゃんの事が心配で飛び出していっちゃいそうっすよね(笑)」

「そこまではしませんよ。……まあ、最近俺達が調べている“御厳”が関わる『超人失踪事件』の件もありますから少し心配ですので、それについての警告も必要だとは思いますけど。既にナホビノや御厳については絶対に口外するなとは言ってますが。とりあえずメールで今日大丈夫かどうか確認します」

 

 そんな訳でヤナセ副隊長とヤマトがこの情報を結梨へと伝えに行く為に聖華学園へと赴く事となり、メールの返信にも『今日なら大丈夫。人に聞かれたくない話なら生徒会の方で部屋を用意してくれるって』とあったので放課後に聖華学園へと行く事に決まった。

 ……まあ、そのメールによって妙な誤解が広まる事になったりするのだが流石にそこまでは彼等も予想出来ず、加えて彼等が独自に調査している『超人失踪事件』についても伝えねばならないと考えていたのでそこまで気にして話いられなかった。

 この『超人失踪事件』は転生者・悪魔人間・デビルシフターなど“悪魔の力を持った人間”が最近多数失踪している事件であり、更にそれらの人間が同じく最近多発している“御厳結晶の取引”に関わっている可能性が高いというもので、それを御厳関係を調べていたチームDATが知って調べているのだ。

 

「……俺がうっかり御厳関係の情報を掲示板で流したりしなければ……」

「まだ気にしてたのか。……確かにやらかしたのは事実だが説教と反省は既に終わってるから余り気にし過ぎるな。それにすぐ管理人に削除申請したにも関わらず話が一気に広まったのを見ると、“俺達以外の御厳を求める勢力”が複数存在していて、更に“それらを襲う勢力もいる”のは確かだからな」

「ヤマトの書き込みがキッカケだったかもしれんがここまで予定調和の様に話が広がった以上、御厳について暗躍する勢力がいたのは確定であり遅かれ早かれ似たような事態になっていただろう。お前がいるいないに関わらずな」

「この手の今までなかった希少アイテムの情報が出回って、それを確保しようとしたら深入りして始末されるなんて悪魔業界あるあるだから気にし過ぎない方が良いわよ。極論この業界では襲って来る連中と怪しげな情報を元に迂闊にレアアイテムに手を出す方が悪いわ」

 

 彼等が事件に気付いたキッカケは魔人王対策に気をとられていたヤマトがうっかり掲示板に御厳関係の情報を載せてしまった事であり、それ自体は直ぐにヘビクラ隊長が注意して止めて直ぐに掲示板の削除申請を通したので『御厳とか欲しいな』ぐらいの情報しか出回らなかった。

 ……だが、それから直ぐに『御厳を高値で買い取る』だとか『御厳が希少で有用なアイテム』という噂が一気に出回ったので何かおかしいと考えた彼等は御厳関係の情報を調査し、その結果御厳に関わった人間が次々と襲われてその中の悪魔の力を持つ人間が拐われる『超人失踪事件』に気が付いたのだ。

 

「状況から見てヤマトみたいに『御厳の力を知って求める勢力』に『御厳が高く売れると知って確保しようとする転売ヤー達』、後は『御厳について知った連中を始末しようとしている』勢力がいる。ついでに始末勢力は悪魔人間とかを確保しようとしてるらしいと」

「襲われて数少ない生き残った者から証言が得られたのは運が良かったっすね。……後は御厳について知ってる者を炙り出す動きもありそうっす。誘いが露骨な御厳要求もありましたし」

「御厳関係で事が起きてるから合一神について知ってる勢力が動いてるのか、或いはシンプルに他の合一神が動いているのか。それなら合一神が在籍しててそれらの情報も知る俺達も狙われる可能性がある」

「だからいっその事迎え入れてやろうと、先日の御厳取引でも向こうの許可を取った上で隊長とヤマト以外の四人をあっちの護衛に付けて、レベル50〜60ぐらいの一般修羅チームと一緒に誘き寄せた襲撃者を返り討ちにする算段だったんだが……結局来なかったな」

「それ以外にも敢えて俺と隊長だけで襲われやすい場所にまで移動したりしたのに。レベル70後半二人だけとか狙い目なんだから仕掛けてこいよチキン共め。仲魔出して圧殺してやる予定が」

「祈り手と隊長の知り合い繋がりでこっそりと取引を行ったからバレなかったのかね。まああっちの都合もあるから“念の為に警戒する”ぐらいで“罠として積極的に情報を流布”とかはしなかったな。個人規模の取引を察知できる程ではない可能性が高い事は分かったが」

 

 そんな訳でキッカケとなったせいで責任を感じているヤマトがやる気で、チームDATとしても自分達含めて少数しか知らない御厳関係や合一神関係で事件が起きているのは行動方針(防衛チームムーブ)的に見過ごせないので色々と手を打っていたという訳だ。

 

「失踪事件の方の調査も上手くいってないな。……というか御厳関係以外にもヤクザとかガイアとかメシアとかがマンハントに最近積極的とかいうクソみたいな状況だから情報が錯綜してる。先日被害者に接触出来たのはマジで幸運だった」

「もういっそ俺達が御厳について知ってる事を匂わせて誘き寄せて殴るのが良いのでは?」

「落ち着けヤマト。そもそも合一神関係の情報漏らすのはアウトだし、御厳関係はお前がやらかした所為で俺達が知ってるっていう情報は既に流れてるだろうよ」

「だから最近は警戒態勢を上げつつ敢えて少数行動させて隙があるように見せて誘ってるんだけど引っかからないわね。少数行動に見えて実は直ぐに合流出来る様に色々と“対応策”を用意してたのを悟られたかしら」

「単純にレベルが高い者への襲撃は慎重になっているだけかもな。俺達防衛チームムーブする関係上、そこそこ情報をオープンにしてるから実力は普通に知られてるし。……まあ本当に重要な部分は隠してるけど」

 

 ……とは言え、合一神関係情報は秘匿せねばならないので協力者を求めるのは難しく、そもそも失踪事件に関わる勢力が多過ぎて情報収集にも苦戦しているので調査は難航していたが。

 もういっそ狙われる要素がある自分達の情報が既に流れている事を利用して、襲って来る襲撃者を叩き潰して返り討ちにした方が早いかもしれないと色々と迎撃用の準備をしていたりもしているが襲撃は未だにない。

 

「合一神関係の情報が流せないけど御厳を持ってるヤツが狙われてて、その強盗が結構高レベルって話は出せませんかね? 情報封鎖とかは意味ないのは分かりましたが」

「そのぐらいならなんとかならない事もないが、知り過ぎてる俺達だとどのぐらい情報流さねばならないか判断し難いし、巫女さまに相談して任せるか……漫画好き辺りに情報を流して対応させる方がいいか? アイツなら対応を間違えないだろうし、俺達よりも信用度が遥かに高いからな」

「漫画好き……前にも聞いたキリギリスの発起人で最強戦力ですね。それなら信用も出来ると」

「それもあるんだが……そもそも俺達チームDATの信用度がそんなでもないからな(笑)」

「まあ悪魔業界で防衛チームごっこガチ勢とかやってる奴等なんてネタとしては面白いけど、実際に信用出来るかどうかって言うと……ねぇ?」

 

 そんな事をあっけらかんと言う隊長と副隊長を見て思わず唖然とするヤマトであったが、二人の言う通りチームDATは自分の趣味と好み最優先で行動する変人集団でもあるので信用度と言う観点から見れば微妙である。

 それでも防衛チーム活動を宣伝してたり活動と実績自体は真っ当かつ優れていて、何より本人達の実力に関しては本物なので伝手のあるヤタガラスやグランギニョル社などから依頼を回される事も多いので活動に関しては問題ないのだが。

 

「悪魔業界に“実力のある変人”なんて珍しくはないんだが、そんな連中の信用度はお察しであり俺達もまた然りって事だ。まあ俺達の活動方針が『防衛チームムーブで善行しようぜ』で実際に成果を出してるから、一般的な変人達よりは信用度は高いが」

「じゃあ漫画好きさんに頼むのは大丈夫なんですか。隊長は漫画好きさんと知り合いみたいですし」

「ああ知り合いではあるな。そして俺は漫画好きの事は信用出来ると思ってるし、向こうは()()()()()()()()()()()()って思ってるだろうからな。だから超人失踪事件について匂わせておけばいい感じに自分達で調査して、いい感じに対応してくれるだろ。面倒見てる子達に悪魔の力を持ってるのが多いからアイツなら確定で動くなぁ」

「…………えぇ……? どういう事なの?」

 

 そんな意味は理解出来るけどよくわからない事を闇の仕草混ざる笑みを浮かべながら言うヘビクラ隊長を見て困惑するヤマトだったが、それを眺めている他のDATメンバーはやや呆れた顔をしながら説明を入れる事にした。

 

「この人は漫画好きやくぅんみたいな“ヒーローっぽい人”を見るとジャグジャグ的な意味深闇ムーブしながらからかうのが趣味っていう面倒くさい性質があってね。そのせいで向こう側からの信用度が低いというか」

「ウチの信用度低い理由の半分ぐらいは隊長の闇ムーブにあるっす。漫画好きさんからの誘いとかが俺達には一切ないのもその辺りが理由で信用度が薄いからっすねぇ。無駄に黒幕っぽいムーブするのに実際には無関係どころか真の黒幕を横から殴りつけるタイプですし」

「まあ敵対はしない上に事態が悪化する様な事は一切せず、むしろ闇ムーブしながら事件解決には全力で手伝って援護するから敵対関係にはならないんだが。そのせいで“鬱陶しいけど邪険にも出来ないから面倒クセェ”って印象を持たされているが」

「隊長の闇ムーブは“敵対する程でもなくむしろ味方なら有益なんだけど絶妙にうざい”ポジションを維持する職人芸だからな。セプテントリオン戦とかシリアスシーンでは自分に信用がない事を理解した上、直接漫画好き達主戦力に接触しない範囲で、かつ可能な限り的確な援護とかしてるから文句も出にくい」

「……とりあえず非常にコメントに困る趣味が隊長にある事が分かりました」

 

 基本的にDAT隊の隊長をやってる時は『有能隊長ムーブ』を崩さず、実際に能力に関してはサマナー(召喚師)バスター(戦闘者)コマンダー(指揮官)と全てにおいて一流なヘビクラ隊長だけを見てきたヤマトにとって他の隊員から聞かされた“隊長の趣味”の話は中々受け入れがたい事だった。

 ……まあ、他の隊員達の呆れの表情に嘘は一切無いことと、そんな自分を見ながら愉しそうにニヤニヤ笑っている(原作ジャグジャグな闇の仕草してる)ヘビクラ隊長を見て『嘘じゃなさそうだなぁ』と悟るのであった。

 

「まあそのお陰でキリギリス掲示板でリーダームーブするヤツを潰す合議の存在も“知らされてない”しな。これに関しては俺たちがヤタガラスやグランギニョル社とかの組織や企業との繋がりが深いから、そっち側の影響力を及ぼしてフットワークが鈍る事を警戒してるからだろうが」

「……色々と質問はありますけど、なんで『知らされていない』事を隊長は知ってるんです? 矛盾してない?」

「単なる推測だけど? ……キリギリスでリーダームーブしようとしたヤツが消されてる事と漫画好きとかの性格と行動方針を考えれば、そういう合議とかやってるぐらいの推測は勘のいいヤツなら思い至ってるさ。その上で思い至ったヤツなら今のキリギリスのフットワーク軽い在り方が一番都合がいいって気付いて、俺みたいに『勝手に維持してくれるなら知らないフリしてよう』って判断してる」

「……隊長ってめっちゃ頭いいです?」

「頭も良いし洞察力も凄い高いよ。……その能力を活かして全力で“クッソ怪しいけど敵とは言い切れない、むしろ事件解決の役にはすっごく立ってる”闇ムーブしてるから信用ないけど」

 

 隊長を筆頭にキリギリスの中でも割と変人な連中が揃ってるのがチームDATであり、そもそもそうでもなければ悪魔業界でガチ防衛チームムーブとかしないと言う当たり前の事を今更察したヤマトなのであった。

 まあやってる事は『正義の防衛チームごっこ』なので変人度が悪い方向に向く事が少なく、更に防衛チームの方針に沿う形の依頼ならその実力を活かして困難な依頼も解決してくれるので、その辺りを理解している帝都ヤタガラスやグランギニョル社などからはそれなりに信用を得ているのだが。

 

「……まあ普段真面目に隊長やってウルトラ防衛チームとして活動してくれるなら多少趣味に走っても問題ないですね。もし隊長が『昔大きな木を切った事があってなぁ』とか言って裏切ったら、その時に改めてブン殴れば良いだけですので。ダアトに居た時には良くある事でしたし」

「ヤマト、お前も結構良い性格をしてるよなwww。……その“選択”を迷いなく行える精神性は評価するぜ」

「そんな事よりもなんか話が逸れたっすけど、確か結梨ちゃんに例の情報を伝えに行くんじゃなかったっすか?」

「そうね、今日は祈り手が忙しくて彼女は学園の寮に泊まる事になってるからそろそろ出ましょうか。今日の学園の授業は午前中までだから今から行けば良い時間になるでしょう」

 

 尚、結梨と第三生徒会メンバーが仲良くしている事や超人失踪事件などの状況を考えて、彼女をそのまま聖華学園の寮に入れておいた方がいいんじゃないかという話がDATと祈り手両方から出ていたりする。

 ……まあ、当の彼女自身が生徒会やりつつ祈り手の検証やDATの手伝いもしたいと言ってるので、とりあえず生徒会の方を優先させつつ偶に外での依頼を手伝ってもらうぐらいに妥協されているが。

 

「まあ単なる“おつかい”でしか無いけどいつ襲撃されるか分からないから装備はキッチリしておきましょう。業界で防衛チームごっこしてる変人で通ってるから、防衛チームスーツに外見を改装した装備に身を包んでても違和感持たれないのはいいわね」

「外見も最近的な比較的地味目のデザインなので多少の偽装を施せば外着と言い張る事もギリギリ出来なくはないですし。……俺の場合は装備着けられないから外見同じなだけの普通の服で、そもそも変身すれば関係ないんですけど」

『それなら普通の服でも問題ないのではないか?』

「チーム的な一体感を出したいからダメです」

 

 まあヤマトも一人で近所のコンビニに行く時は普通の服なのだが。装備品を付けられないので逆に外出する際でも普段着のままで大丈夫なのが彼の利点である(それで良くパシリにさせられてるが)

 まあ流石に目立つ【DATハイパーヘルム(ドルフィンヘルム改造品)】とかは専用のバッグに入れるしかないので、副隊長は新武装であるグランギニョル社製武装COMPの改造型【ダインスレイフ・カービンSP.DAT】と共に大型バッグへと入れた。

 

「今更だが『カービン』の方で良かったのか。オリジナルの【ダインスレイフ】ならガチャガチャ変形してかっこいいんだが。それにまだ熟練度上げも終わってないだろう?」

「近接技術も射撃技術もそこそこ程度な私がそんな大仰な武器使っても意味ないでしょ。そもそも私が武装COMP装備する目的はセットされた【魔晶】とかの補助効果だからね。……それとオリジナルのダインスレイフ見てると何故かお腹が痛くなってくるから多分相性悪いと思うのよ」

「いいなー新武器とか。俺は武装COMPは装備扱いなのかナホビノの霊基に弾かれるしなー」

「装備品に金使わなくていいのはそれはそれでメリットあると思うぞ。サマナー兼バスターとかやってると仲魔強化に装備強化でマッカが湯水の様に飛んで行くしさぁ」

 

 割と本気で羨ましそうなヘビクラ隊長の声を尻目に準備を終えたアンヌとヤマトの二人は車で聖華学園へと向かう事となった……大丈夫だとは思うが味方によってはショッキングな内容に思えなくもないので、結梨が気にしすぎる事にならないと良いのだがと思いながら。

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

「美鈴お姉さま、お久しぶりです。確か結梨に内密な話があるとの事で一応個室を用意しておきましたが……まさかそちらの彼が結梨に告白するとかそういう話じゃないですよね」

「結梨ちゃんにまだ“彼氏”とか“大人の付き合い”はまだ早いと思うんです!」

「……あー夢結、一体どういう話になってるんだい?」

 

 そう思って学園にやって来た二人が結梨が所属している第三生徒会へと会いに行ったら、なんか変に興奮している梨璃を連れた夢結から聞かされてどうしようかと悩む事になった。

 ……だが、苦笑しつつ困惑してちょっと昔の口調になるアンヌに対して、ヤマトは何故か険しい視線を梨璃と夢結へと向けておりその瞳には動揺と僅かな後悔が滲んでいた。

 

(……まさか“この二人”が結梨ちゃんと一緒の生徒会とは……以前電話で名前を聞いた時にまさかとは思っていたが……)

『……かつてのダアトにいた“あの二人”とは同一存在だが別人であるとは分かってはいるがな……』

(まったく、結梨ちゃんと良い妙な縁もあったモノだな。前の世界で会った同一存在ともう一度出会うのにここまで動揺するとはな。掲示板で騒いでいた人間の気持ちが今なら分かる気がする)

 

 そう、梨璃と夢結を見たヤマトとアオビトが動揺しているのは『嘗てにダアトで彼女達の同一存在と出会っていた』からであり、その時に“大切な人を想う少女を守り切れずに人としての命を終えさせてしまった”悔恨、そして“陰謀によって身体を乗っ取られても最後まで人間としての想いを捨てなかった少女を自らの手で介錯を行った”苦い経験があったからである。

 ……それでも過去の世界の事を今の世界の人には余り結びつけない方が良いと丁度言われて自分達もそう考えていた彼らは、努めて彼女達に“自分達の事情”を押し付けぬように感情を押し殺すのだった。




あとがき・各種設定解説

ヤマト&アオビト:前世と今世の関係で悩んでいる
・自分のうっかり書き込みで御厳関係の騒動が起きた事には責任を感じてるので、自分を囮にする事も辞さない方針で元凶を潰そうと思っている。
・まあ彼がフラグを踏んだ事によって色々と動き出した事が最終的に現行世界にとって益になるか不利益になるかは今後の本家様次第ではあるのだが。
・今回結構重い感情付きで物騒な考えになってるのは元々ダアトでは喧嘩を売ってくる相手を返り討ちにするのが基本だったのも理由だが、ダアト世界に梨璃と夢結関係でトラウマ的事件(真5中盤のアレに近い)があったので『JCJKを守護らねばならぬ』的考えが強いからでもある。
・前世でカグツチに願いを言う際にお互いの事を思ったが故に『八坂ヤマト』と言う人間に転生する事になったのだが、その際に前世のアオビトの因子を受け取る形で魂が人間のものになって転生した影響かヤマトと前世のアオビトは外見がよく似ている。
・更にアオガミの方が『残される少年の力になりたい』と願った所為で代わりに神造魔人としての力がアオビトに与えられており、創世後の世界ではその残滓を使って戦っていたが本来の実力の3割も出せなかったので敗北した。
・そうして世界の外に投げ出された魂を神造魔人の力が保護して、その力に邪教の世界の主がサービスで残していた『アオガミの躯体』が合体する事で悪魔として転生したのが今のアオビトになる。
・そんなヤマトとアオビトが合体してナホビノになったのが今の状態なのだが、色々と因子はお互いに混ざっているので前世の記憶を取り戻した際の実感などが普通の転生者よりも遥かに高いので前世と今世の区別が付きにくくなっている模様。

ヘビクラ隊長:本来の彼は超面倒くさい人間
・ヒーロー属性を見かけると全力で闇ムーブしながら卓越した実力と頭脳で事件解決を手伝うとかいう面倒なキャラであり、ヒーロー属性と彼が思った相手以外には普通に接するので評価が色々と分かれるタイプ。
・まあ闇ムーブしてる時も鬱陶しいけど絶妙に相手の地雷は踏まないし、むしろ事件解決には滅茶苦茶貢献してくれるのでからかわれつつ意味深ムーブされるヒーロー属性の人以外には闇ムーブしてるけど有能な人物と思われてる感じ。
・そんな面倒くさい隊長だがそもそも他の隊員も『悪魔業界でウルトラ防衛チームムーブをガチでやる』レベルの割と変人揃いなので、実力と隊長ムーブは信用しているので信頼関係は強い。
・超人失踪事件については掲示板や“ヤマトが思い出したダアト世界でベテルに巣食って暗躍していた者達”などの情報から適性ドリフター勢力が関係していると推測しているが、同時に複数の勢力が御厳を巡って争ってるので調査は進んでいない感じ。


読了ありがとうございました。
書き直し二回目。今後の方針としてはナホトラマンがいたダアト世界に介入していたオリ新しき神話勢力を出す感じに変えていこうかと。『ベテル』が新しき神話のカバー名義っぽいので生えた設定。
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