真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~ 作:貴司崎
……嘗てダアトと呼ばれた世界で
ナホビノとしての性能もあってどうにか悪魔を倒したり、或いは交渉の末に仲魔とする事で戦力を増やしつつダアトを巡り、途中で『骸の隠れ家の主人』や『邪教の世界の女主人』、そしてパートナーである【アマノザコ】と出会えた事もあってどうにかやれていたのだが……。
『少年、この先から複数の人間の生態反応を感知した。少年の目的である『他の人間との合流』を行うなら接触を推奨』
『分かった、行ってみるか。……アレは、聖華学園の生き残りか!』
そんな一人旅の途中で出会ったのが自分と同じ聖華学園の生き残りであり、彼等は混沌の悪魔の軍勢から辛うじて生き残れた退魔生徒会メンバーを中心にして悪魔が蔓延るダアトを逃げ回っていたのだった。
……まあ合一神モードだったせいで最初は悪魔と間違えて攻撃されかける事もあったが
『あっちにあった廃墟から使える資材を幾らか持ってきました。まだ幾らかあったので運び込む事み出来ますよ、あそこら辺の悪魔は大体殲滅したので暫く悪魔は湧かないでしょう*1』
『分かったよ、何人か人を派遣して資材を運び込ませて……ごめんなさい、本当なら退魔生徒会を何人か付けたい所だが此処を守る為の人員をこれ以上は減らせなくて。私も先の襲撃で仲魔を失って戦力には……』
『仕方ないですよ生徒会長、俺なら一人と仲魔だけでなんとかなりますから。それに会長から“サマナーとしての戦い方”を教わったお陰で大分戦いやすくなりましたし』
『……本当に基本の立ち回りしか教えてないんだけどね。それでこれだけの戦闘能力とか一体……』
そこで俺は唯一生き残った生徒会長である『第七生徒会生徒会長』からサマナーとしての手解きを受けつつ、マガツヒ溢れるダアトでなら飲み食いも要らないナホビノスペックを活かして暫くは色々なクエストをこなしつつ彼等の手助けをしていた。
……今考えるとこの頃から依頼を受けては各地を駆け回る作業ばっかしてた気がするな。ナホビノはマガツヒあれば休みも要らないし龍脈にマッカ捧げれば回復出来るし隠れ家と邪教の世界が有れば補給も悪魔合体も問題なかったから、拠点防衛と日々の生活の維持だけで限界になってた退魔生徒会とは前提条件が違い過ぎるからな。
『とりあえず動中にあった【マガツカ】を占拠してた悪魔は全員倒して、生徒達を連れても進める悪魔の少ないルートは見つけたんですけど……途中にいる【邪竜 ヒュドラ】がクッソ強いんですけど⁉︎ 【蛇毒の息*2】とか【ファイアブレス*3】を連発してくるとかどうすれば良いんだ……』
『だ、大丈夫ですか? ええっと依頼にあった【火障石*4】と【闇障石*5】は何とか作れましたけど。……あ、アマノザコちゃんクッキー食べる?』
『わーい! いただきます、ます!』
『梨璃ったらまた自分の配給品を……まあ貴方達に依存してどうにかやってる現状だから少しは恩を返したいのだけどね。それとコレは先日【ダイモーン】の群れを討伐した時に手に入れた物なんだけど使えるかしら』
『コレは【ダイモーンの写せ身】か……火炎と呪殺に耐性があるか、これなら写せ身合体で……』
そんな聖華学園の生き残り達の中に【一柳梨璃】と【白井夢結】もいた。彼女達もまた第三生徒会の生き残りとして生徒達を守る為に日夜戦っており、また気難しいアマノザコが梨璃ちゃんには懐いていた事から生徒会メンバーの中でも生徒会長に次いで接する機会が多かったのだ。
その後はクソボスだったヒュドラを倒したり悪魔を狩ったりクエストをこなしたりしながら、聖華学園と伝手があったダアト内で割と真っ当な組織である【ベテル】に保護を求めつつ道なきダアトを進んでいった。
『ほう、貴方が報告にあった変わったデビルサマナーですか。神造魔人と合体したとか……その実力、少し試させてもらいます!』
『ちょっと待て、保護を求めるベテルからの使者じゃなかったのか⁉︎』
『聖華学園の生き残り達の保護についてはちゃんとやりますよ。……それとは別に貴方と一回手合わせをしてみたいと思っただけなので!』
『この状況で人間同士の戦いに意味はないと指摘』
まあようやくベテルに保護して貰える段階で琴陽──当時は【戸田・エウラリア・琴陽】というベテルに所属している元メシア教穏健派のエクソシストを名乗っていた少女に何故か喧嘩を売られるみたいな事もあったが。
とりあえずHPを半分程減らしたぐらいで『ふむ、なるほど。やはり……噂に違わぬ実力ですね!』と言われて戦闘は終了になって、そのまま何事も無かったかの様にベテルへと案内されたのは少し呆れたが、それでも生徒の生き残りは無事に保護されて俺達は引き続きベテルの一員として戦い続ける事を選んだ。
『聖華学園がなくなっても私達はまだ『退魔生徒会』だからね。……後、保護してもらってるベテルにもメシア過激派や混沌の悪魔や各神話勢力や野良悪魔と戦ってて余裕は一切無いし』
『無駄飯食らいになるのは無理なのは仕方ないわね』
『今は戦える人間は戦う選択を選ぶしかない状況ですからね』
『少年がそう望むなら私は常に君と共に戦おう』
そんな世知辛い理由もあったりしたが、とにかくベテルの一員となった俺は此処でもマガツヒがあれば急速なく行動出来て仲魔のお陰で手数も確保出来る事を活かしてソロでクエストを受けながら東奔西走していた。
……なまじソロで動くのに慣れていた上にベテルの慢性的な人員不足もあって単独行動ばっかりしてた俺ではあるが、それとナホビノボディの規格外なスペックもあってメキメキ強くなって行き幾つかの大規模な作戦では頼りにされる事もあった。
『アオガミみたいに神造魔人の量産?』
『ええ、今のベテルは戦力学園不足し過ぎているのでそれを補う計画ですね。この前貴方も参加した『ヤタガラス過激派の廃棄拠点探索』でアオガミ型神造魔人のデータと生産設備の一部が入手出来たので。それを流用すれば誰でも使える仲魔としての人造悪魔【神造魔人】が作れるかもと』
『誰でもデビルサマナーになれる訳じゃないですからね。悪魔召喚プログラムを使っても』
『そうですね、悪魔と上手く付き合えるかは人に寄りますし、付き合い方間違えて『オレサマオマエマルカジリ』だって珍しくないですから。……ですが初めから『人に従う』事を設定されている神造魔人ならCOMP制御だけ出来れば運用出来るので戦力増強になるかと!』
『そういう事なら……』
始まりは琴陽から提案された『神造魔人量産計画』、ベテルの戦力不足を補う為に計画されていたものでありヤタガラスで神造魔人の研究をしていた人が元から合流していたので研究自体は進められていたが、俺達のデータと例の施設の設備があれば実現出来ると言われて構わないと言ってしまったのだ。
……当時の琴陽はメシア勢力の中では穏当な方で他の勢力との折衝の様な立ち位置にいて信用度が高かったのもあるが、実際にベテルの戦力不足は深刻でありそれを補う為に様々な手段を模索していた時期だったので自分も協力出来ればと思ったのだが……。
『お姉さま!!! お姉様!!! しっかりして下さい!!!』
『アアアアアアアアアア◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️!!!』
『少年!あのままでは彼女が!』
『分かっている!!!』
……結果、何故か開発していた神造魔人の一体と夢結が合体して暴走、俺がその場に駆けつけた時には髪を白く染めながら辺りを破壊して研究員を皆殺しにしながら暴れ回る夢結、そしてそれを止めようと必死になって呼びかける梨璃という地獄絵図が広がっていた。
俺も彼女を止めようとするがレベルが大幅に上がっていた夢結を相手には苦戦を強いられ、結局彼女は暴走したままその場から逃げられてしまった。
『お願いです! 私も連れていって下さい! 回復ぐらいは出来ますので足手纏いにはなりません!』
『分かった。……あの場で夢結は君にだけは攻撃をしていなかった。君の呼びかけなら或いは……』
『彼女が元に戻る可能性は低いと思われるが……少年が望むならば全力で私も手助けをしよう』
それから俺と梨璃は暴走した夢結を見つけ出して元に戻す為に『脱走した白井夢結の捜索』という任務の名目で独自に行動を開始。ダアト中を駆け回りつつ邪魔する天使や悪魔を雑に始末しながら夢結に感する情報を集めた。
その途中で妖精の集落で夢結の情報を入手した俺達は直ぐに彼女の下へと向かって、どうにか元の夢結に戻すべく説得と戦闘を行ったのだが……。
『……お姉……様……』
『……ア、アアアアアアアアアアア◼️◼️◼️◼️◼️◼️!!!?』
俺達は不覚にも説得に気を取られた隙に夢結に腹部を貫かれて瀕死の状態となり、それでも諦めずに説得を続けようとする梨璃が夢結を抱きしめながら同じく身体を剣で貫かれて生き絶える光景をむざむざと見せ付けられる事となってしまった。
……その結果として絶望から更なる狂乱へと陥る夢結を見てもう終わりかと思われたが、その時死んだと思っていた梨璃が神々しい光に包まれながら髪の色を紫色に変えて起き上がったのだ。
『……大丈夫です……貴方達だけは死なせません』
| 常世の祈り | マガツヒスキル | ストックを含む味方全体のHPと状態異常、死亡状態を全回復する【女神】のマガツヒスキル。 一柳梨璃が<■■女>に転生した時に溢れたマガツヒがこのスキルとして発現した。 |
| 回復スキル | ■■女専用/味方全体のHPを中回復する。能力低下を解除し、3ターンの間、全能力を1段階上昇させる。 ■■女の資質を持つ者が有する世界に在るべきコトワリを導く権能の片鱗。 |
その光に照らされた途端にロスト寸前だった筈の俺達の傷は完全に回復し、更に暴走していた夢結の様子も僅かに落ち着きを取り戻していた……が、その力の代償なのか梨璃の姿は徐々に薄れて行き、やがてマガツヒとなって消滅してしまった。
『……お願い……もう……保たないから……私を……』
『…………分かった』
『ありがとう……』
……だが、それでも夢結が正気を取り戻せた時間は僅かな間だけであり、目の前で梨璃が消滅して呆然としながら懇願する彼女に俺達が出来た事は彼女を腕の中で解釈する事だけだったが。
それからこの事件は不幸な事故として処理されて俺達も活動を本格化したメシア過激派・混沌の悪魔・ヤタガラス過激派とベテルとの抗争において最前線で戦いを続けて、更にダアトの王の座であるカグツチが東京の『台東区』と呼ばれるエリアにあると分かって争奪戦となったりした。
『……あの事件で夢結に神造魔人を融合させたのはお前の手引きだったんだな……琴陽。いや“お前達”と言うべきか?』
『…………あらら、バレてしまいましたか。最近こっちを嗅ぎ回ってた“大天使”と“天津神”からの情報ですか? 流石にあの事件では無闇に動き過ぎましたし、そろそろ“私達”が邪魔になったから消しに来たか』
そんな中で俺は梨璃と夢結を襲った事件を独自に調べていた元退魔生徒会メンバー、そしてベテル設立当初から暗躍していて事件から尻尾を出し始めた“謎の勢力”の調査を元ヤタガラスとメシア教穏健派から依頼されて容疑者である琴陽と相対した。
……あの事件で夢結に『神造魔人のテストをお願いしたい』と頼んだのが彼女であり、複数の勢力との折衝役になる中でそれぞれの勢力で共通の目的を持って行動している者達の連絡役になっている事を突き止めたのだ。
『どうしてこんな事を?. お前達は何を企んでいるんだ』
『……夢結さんの事はこちらとしても想定外だったんですよ? 本来なら貴方達と同じ様に“神造魔人と融合したナホビノ”として、人の意識を残したままの合一神になる予定だったんです。まさか知恵が“狂戦士”のものなのがあそこまで影響が出るとはね。……どうにかする方法を作る為に貴方が“解決”しちゃいましたし』
『言い残す事はそれでいいんだな』
『ああ、別に貴方を責めているつもりはないんですよ。どのみち対処法が出来る前に夢結さんは暴走の末に死んでたでしょうから。……そして私達の目的ですが“人類に真なる救済を齎す事”とでも言っておきます』
『そうか、もういい。……召喚【シヴァ】【ベルゼブブ】【メタトロン】』
ちなみにその後の戦闘では琴陽はレベル40ぐらいに振る舞っていただけで実はレベル70後半で見た事ない強力なスキルを持っていたりもしたが、その時の俺は台東区の探索を大体終えてカグツチでの決戦直前でレベル99かつ相応の仲魔もいたので普通に瞬殺だった。
『いやちょっと強くなり過ぎじゃないですか⁉︎ この短時間で一体どうやって……!』
『台東区は他と比べて時間の流れがかなり早いからな。加えて出現悪魔の平均レベルが50〜70だから悪魔狩りすればレベルは上がる。……その上で創世狙いの各神話勢力主神格とか精鋭を倒したり、ナホビノになる事目的だったアモンやバアルを返り討ちにしたり、過激派ヤタガラス生き残りのライドウと決着を付けたり、なんかダアトを破壊しようとしてたシヴァを倒したりすればナホビノならこのぐらいにはなるさ』
『後はレベル90前後になった時点で溜め込んでいた【福音書*6】を全て使ってレベルを99まで上げただけだ。どのレベルでも1レベル上がるだけの経験値が手に入るのだからレベルが上がりにくくなるまで使わなくて正解だった』
『……えぇ……ナホビノがみんなそのぐらい強くなれるなら“私達”もこんな苦労しなくて済むんですがね……』
そんな感じで琴陽との戦闘はダイジェストで終わったんだが、その後にベテル内部に入り込んでダアトで暗躍していた謎の勢力のリーダー格である“御前”と名乗る女が俺の前に現れたのだ。
『……お前達は一体何を企んでいるんだ?』
『“私達”の目的は言えないけど、私個人の目的は話せるわね。それは……』
……その解答を聞いた時点で“俺達と御前は絶対に相容れない”と判断して全力を持って抹殺しに掛かり、最終的には打倒出来たのだが余波で戦いの舞台であった研究施設が崩壊して俺は脱出したものの二人は瓦礫の下で消息不明になったのが事の顛末となる。
あの時は大した事を聞き出せなかった事もあって連中の事は“ダアトで暗躍している勢力の一つ”とぐらいしか思わなかったが、他の組織とは毛色が違った事とこの世界に来てからドリフ掲示板で知った『他の世界でもいたベテルの名を冠する勢力』の事を考えるとその正体は……。
──────◇◇◇──────
(……思い出した範囲内ではそんな経緯だったが、アレから崩壊した施設探しても死体は見つけられなかった筈だからやはり生きてたか)
『だがまさかこの世界にも来ていたとは……やはり彼女達の正体は“予想通り”といった所か』
そんな過去を鍔迫り合いを行う僅かな間で思い返していたヤマトとアオビトだったが、直ぐに意識を切り替えると光剣を奮ってCHARMを弾き飛ばして琴陽から距離を取りつつ仲魔を呼び出して直ぐに戦闘に入れる構えを取る。
「おっとと、流石は嘗て『超大規模ボルテクス界』である【ダアト】の勝利者といった所ですかね。御厳について探ってる者を処分しに来たらまた貴方達に会えるとは思っていませんでしたよ【
「人違いです。俺の名前は八坂ヤマトなので」
『嘗てのダアトでの私達の名前ではあったがな』
「え?」
姿形が同じなので確信を持って言った言葉があっさり否定されて少し困惑する琴陽だったが、その【高松】と言う名字は嘗ての彼の苗字であり今の世界では母方の旧姓になる。
……前世と今世では出生に若干のズレが発生している故のちょっとした行き違いだったのだが、姿形は変わらないので転移系の漂流者だと思っていた彼女は僅かに混乱する。
「そもそもお前と俺は初対面(今世では)の筈だがいきなり襲いかかって来てどういうつもりだ!(謎の襲撃者に対する質問的演技)」
「えー、絶対あの人だと思ったのに。……アナライズでも名前違うし転移者じゃなくて同位体かな? でもそれにしては似てる……」
そこでヤマトはそんな相手の動揺を利用して少し誤解される様な言い回しをしつつ相手の情報を抜こうと試み、“転移者”や“同位体”と言う単語が彼女の口から出て来た事から推測通りに琴陽が“敵性ドリフター勢力”に所属している人間であると確信を深めた。
「うーん ……とりあえず一当てしてみましょうか! 転移者か同位体かとかは一回手合わせしてみれば分かるでしょう!」
「脳筋か貴様ァ!」
『確か初めて会った時もこういう展開だったな』
まあ、その狙いは琴陽が『とりあえず一回手合わせしてみよう』的な脳筋思考だったのであっさりと瓦解したのだが、ヤマトも彼女をここで逃がす気など毛頭なく初めから戦うつもりではあったので即座に迎撃の準備を整えた。
「流石に備えてますね……ですが私の方が速い」
\カカカッ/
| 神人 | 戸田琴陽 | LV87 | 備考:【大天使 スラオシャ】の天使人間 |
| 自動効果スキル | 悪魔(自身)のバトルスピードへの影響が50%増加する。 |
| 【大天使 スラオシャ】:思念融合 |
| ①物理命中率が20%増加。最大HPが20%増加。HP増加。 ②バトルスピードが30%増加する。物理攻撃力増加。 ③物理属性で与えるダメージが15%増加し、クリティカル率が20%増加する。HP増加。 スラオシャの天使人間たる彼女は複数の世界で【大天使 スラオシャ】を倒し、その写せ身を取り込んで自己強化を行っている。 |
だが、
| スクカオート | 自動効果スキル | 1ターン目開始時、スクカジャが発動する。D2仕様。 |
| スクンダオート | 自動効果スキル | 1ターン目開始時、スクンダが発動する。D2仕様。 |
| 三段の剛力 | 自動効果スキル | 力が15増加する。 |
| 物理ハイブースタ | 自動効果スキル | 物理属性で与えるダメージが25%増加する。D2仕様。 |
| ソウルブレイク | 物理属性スキル | 敵単体にクリティカル率30%の貫通を得た物理属性の打撃型ダメージを威力145で与え、MPを3失わせる。 スキルLv.6(MAX)時:このスキルで与えるダメージ20%増加+このスキルの消費MP1減少。 |
しかも、その斬撃はHPだけでなくMPも奪い去る“魂をも砕く一撃”であり、更に彼女が取り込んだ様々な
……このスキルで先手を取りつつ
「……HPだけでなくMPも減っているな。面倒な技だが【反撃*7】が出来ない訳でははない」
「げっ⁉︎ まさか【防壁】……きゃっ!?」
| 畏怖 | 神意 | 戦闘開始時、敵全体に対しランダムに1種類の3ターン持続する能力低下効果が1段階掛かる。 攻撃力低下が選択された |
| 観音神符 | 消費アイテム | 自分への攻撃がクリティカルだった場合、それを通常の成功に変更する。 プレスターン使い的にはクリティカルを無効にしてくれる神アイテムなので副隊長によくダース単位で注文している。 |
| 活脈 | 自動効果スキル | 自身の最大HPを15%上昇させる。 |
| 大活脈 | 自動効果スキル | 自身の最大HPを30%上昇させる。【活脈】と効果は重複する。 |
| エレウシスの祝福(劣化) | 自動効果スキル | D2出典。 1ターン目開始時、連動効果「1ターンの間、味方全体はHP1500相当の防壁を得る」 自身が生存中、味方全体は次の効果を発揮「このスキルによる防壁を得ている時、すべての状態異常無効を得る」 仲魔のデメテルでは霊格が足りないのでいくつかの効果が削られている。 また防壁の最大値は効果対象の最大HPまでである。 |
だが、それに対してヤマトは攻撃のダメージを召喚しておいたデメテルが展開した防壁で受ける事で凌ぎつつ、更にタイミングが合ったので発動出来た反撃で間髪入れず光剣で琴陽を斬りつけて弾き飛ばす。
そして自分の手番になるとまず初手として手から光弾──【ヤブサメショット*8】を放ち、
「じゃあいつも通りに【ラクンダオート*9】に上書きする形で【ランダマイザ*10】っと」
「そして我は【ラスタキャンディ*11】でデバフを打ち消しつつ強化」
「そして私はとびっきりのハーベスト!【エウレシスの実り*12】でHPを増強ですわ!」
それに続いて流れる様にヤマトの仲魔が動き、まずはガルーダが敵の全能力低下、次にコウリュウが味方の全能力上昇、そしてデメテルがHP回復+増強の対ボス戦闘における鉄板の行動で準備を整えた上でプレスターンで稼いだ手番でヤマトが再び動く。
「ヤツはスラオシャの天使人間なら破魔・電撃辺りは無効以上だったか? 反撃は通ったがダメージが削がれたから物理耐性あり」
『前と同じなら耐性面は装備品でガチガチに固めてるだろう。だが人間様の装備品だと耐性判定が細かいからまず万能の耐性を確かめる』
「ちょ、待ってやっぱり私の事……みぎゃぁ!?」\Critical!/
| 万能プレロマ | 自動効果スキル | 万能属性で与えるダメージを上昇させる。真5仕様。 |
| コロシの愉悦 | 自動効果スキル | クリティカル率を上昇させる。真5仕様。 |
| 天剣叢雲 | 万能属性スキル | 敵単体に力依存による特大威力の万能属性攻撃。クリティカル時、威力が上昇する。真5出典。 |
何か言おうとした琴陽を無視して容赦なく長大化させた光の剣を振り下ろして彼女を袈裟懸けに切り裂き、重ねがけされたバフデバフにプレロマによる威力上昇と発生下クリティカルでもって、“彼が知る限りで”万能属性スキル最大威力を持つ一閃*13の名に恥じない大ダメージを叩き出した。
「……まあこれで死んでくれるなら楽なんだが、今の俺ではレベルとステータスが足りないか」
『装備品の防御力に加えて【マッスルドリンコ*14】によるHP増強も行っていた様だからな。レベルも向こうが大きく上回っている』
「まあ増強したHPもごっそり持っていかれましたけどね! ……というかやっぱり私の事を知ってますよね。ナホビノなのにこの塩戦術とか絶対に咬月さんでしょ!」
琴陽は致命打を受けつつも事前の【マッスルドリンコ】や思念融合効果、更には装備していた【強靭の闘魂*15】によって増強してあったHPで耐えつつ文句を言うが当然ヤマトの視線は冷ややかなものだった。
……まあこのまま誤魔化しても話が進まなさそうだし、向こうにも気づかれてる様だから誤魔化すよりも少しバレても問題ない範囲でそれっぽい情報を漏らして相手の反応を探る方針に切り替える事にした。
「何度も言うが俺の名前は八坂ヤマトだ。……貴様達の事は知っているがな、戸田琴陽」
「やっぱり知って……まさか転移者じゃなくて“転生者”ですか? それなら珍しいですが有り得なくはないですけど、よく見れば姿も“あの人”とは僅かですが違いますね」
「ご想像にお任せしよう(説明するの面倒くさいし)」
実際は『転移者でもあり転生者でもあり同位体でもある』と言う複雑で面倒くさい設定なのだが、そこまで教えてやる義理もなくいい感じに混乱してくれる事を期待して適当に誤魔化した。
「さて、確かにお前はあの時より強くなって俺は幾らか弱体化しているが、それでも単独の相手なら数の暴力で叩き潰せば良いだけだ。詳しい話はまあ生きて蘇生できたら聞き出すぐらいでいいだろう(どうせ切り札ぐらいはあるだろうが)」
『わざわざ単騎で仕掛けて来たのだから離脱手段や援軍の宛てはあるんだろう。……“あの女”もまだ見えないから副隊長には援軍の警戒を頼んでいる』
そして情報管理がガバい自分では会話から情報を引き出すのはやっぱり難しいと思い直し、当初の予定通り戦闘で叩き潰してからロストしなければ情報を引き出せばいいと言う脳筋方針に変更した。
まあ、そう簡単に行く相手ではない事は重々承知しているのでこの発言自体は半ばブラフであり、万が一の援軍警戒と撤退の為に敢えてアンヌ副隊長を戦闘に参加させずに待機させたりしているが。
「いや話し合う気は!? 嘗ての【ダアト】の王座に着いた程のナホビノなら本格的な戦闘にする気はないんですけど……」
「そちらから仕掛けて来てそんな理屈が通るとでも思っているのか? 元よりお前達は見つけ次第始末するつもりだった」
「まあそういう答えになるでしょうけどね! 正直好感度とか最悪だろうし!」
「……そうね。でも出来れば少し話をするぐらいは許して欲しいのだけど」
そうして引き続き油断なく戦闘を続行しようとしたヤマト達だったが、唐突に妖艶さを感じさせる様な“声”が聞こえて来た事によってその動きは止められた。
……その声が聞こえて来た方向から艶やかな黒の長髪に琴陽以上に女性的な肢体を同じ様な黒いドレスで包んだ女性と、その斜め後ろに付いている頭から足先まで黒いフード付きローブに身を包んだ体型からして恐らく小柄な女性らしき人部の二人がゆっくりと歩いて来た。
「かの魔人王が作り上げた超大規模ボルテクス界【ダアト】、そこの頂点に立ってみせた貴方なら“私達”の同胞になるには十分な資格があるわ」
「現れたな御前……いや【
\カカカッ/
| 合一神 | 白井咲朱 | LV94 | 備考:【女神 ノルン】のナホビノ |
彼女の名前は白井咲朱……嘗てのダアトで白井夢結に神造魔人の融合を強行して合一神へと昇華させようとした事件を起こし、ベテルを隠蓑にしてダアトで暗躍していた“謎の勢力”の首魁に当たる
あとがき・各種設定解説
ヤマト&アオビト:ゆゆりり推し
・ダアト時代に梨璃と夢結を襲った事件は彼等にとってもトップクラスのトラウマであり、人のみの世界を創世するコトワリを芽生えさせたキッカケになったり、現世界の彼女達を同一視しない様に心掛けていても後方腕組み守護神思考になってる理由でもある。
・ダアト時代の琴陽とは割と仲が良く共に戦った事も何度かあったが、事件を起こした主犯だと判断した時点で敵対の選択肢を迷う事なく選んで本気でロストさせるつもりで戦った。
・ダアト時代の苗字の元ネタはアサルトリリィの百合ヶ丘女学院に学園長である【高松咬月】から拝借、アサリ唯一と言っていい立ち絵と固有名がある男性キャラなので。
戸田琴陽:とりあえず手合わせな決闘脳
・ただし事前に準備を整えてから戦闘に挑んだり装備品を念入りに仕込んでおくなど決して考え無しではなく、むしろ自分がそこまで強くない事は分かった上で立ち回るタイプ。
・頭部装備としてネコミミっぽい形状の索敵・解析特化COMPを付けており、主に高精度なアナライズやギボ・アイズ、タリ報、エネミーソナー、ネオ・クリア、スキャニングゼロなどのインストールソフトを自由に使える高性能品(元ネタはアサルトリリィの索敵装備『ヒュージサーチャー』)
・他にも電撃・破魔吸収、呪殺弱点(D2スラオシャの耐性+スキル)の自身の耐性を補う為に【よみのがいこう(デビサマ出典胴部装備:闇防具)】と【ガネーシャリング(デビサマ出典腕部防具:反精神)】で耐性の殆どを埋めていたりするが万能と悪魔攻撃には耐性が無かった。
・ダアト時代には同世代だった元退魔生徒会のメンバーとも仲が良く、当時のナホトラマン(旧)の事も悪くは思っていなかったが“謎の勢力”と“御前”の味方をする事を優先したので彼等を庇うなどはせずに敵対の道を歩んだ。
読了ありがとうございました。
そういう訳でナホトラマンと因縁のある新しき神話(推定)勢力の一派である『御前チーム』が登場です。新しき神話に所属してるけど独自の目的を持って動いてる感じ。まあ本家様でトライアドの詳しい設定が出てないので今は曖昧な設定で後々設定が上乗せされると思いますが。