真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~   作:貴司崎

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欧州の抵抗者達(前編)

 際限なくGPが上がり強大な悪魔や世界を滅ぼそうとする組織が跋扈し、最近は異世界から来た漂流者(ドリフター)などが現れると言った異常事態も日常茶飯事とされる程にインフレ極まる世界。

 ……そんなドリフターから見れば狂っているとも言われる世界が未だに文明を維持されているのは世界を守ろうとする戦士が戦っているからであり、ここ欧州フランスでもそれぞれの目的の為に戦っている者達がいた。

 

「グランギニョル社の施設を勝手に使ってエログロRー18サバトをおっ始めるとかふざけるんじゃねぇぞ。ただでさえ本社が壊滅状態で忙しいって言うのに」

「このフランスの地を汚すなど誇り高きヌーベル家の者として見過ごす事は出来ぬな。……楓お嬢様を日本に避難させたのが改めて正解と思える酷い光景だが」

 

 そう気炎を上げるのは軍需企業【グランギニョルフランス本社】の警備部、及びその子会社のPMC【グランギニョル・セキュリティ・サービス】の社員、そしてフランス貴族でありオカルト側にも関わりが深かった護国組織に近い立ち位置であるヌーベル家の異能者達によって構成されたパーティーであった。

 グランギニョル社は当主が総帥を勤めている事から分かる通りヌーベル家とも関わりが深く、加えて彼等は欧州失陥が間近に迫っている中で会社の要である当主一家と技術者達を日本に逃した上で自分達は欧州で戦う事を決意した精鋭部隊でもある。

 

「犯人共はブードゥー系列のゲーデ崇拝カルト宗教の一派、欧州で日常茶飯事と化してる民衆に自殺による殉教を奨励しているメシア過激派の協力組織の一つ……というか実態はメシア連中のカバー組織でしょうね」

「聖書では自殺は禁じられている筈なのだがな。……本当にあの聖書エアプ共はよぉ。殉教は他者に推奨するものじゃないのに」

「そんな問答は散々今まで戦ってきたメシアン(クズ共)に言ってきただろ。まともに聞きやしないというか自己完結してるから壁に話しかけた方がマシだったが」

 

 また、彼等は欧州で救世主を擁すると自称するメシア教と天使が暴れ回り、イマージュ兵を有するイタリアンマフィアが水源を薬物で汚染して行政システムを麻痺させて、そこに【魔人 ペイルライダー】が病を撒き散らし、それによる社会不安から犯罪者や麻薬中毒者が屯して毎日の様に無差別テロが起きる中でフランスのレジスタンスの一つとして活躍していた面々でもある。

 そして今日彼等は放棄されたグランギニョル社の施設でカルト共がサバトを開いており、おそらくその儀式から呼び出される悪魔を使っての無差別テロを起こす事が目的であると考えて阻止しに来たのである。

 

「せっかく必死に最低限の本社機能を維持しつつ、どうにか欧州でのグランギニョル社やヌーベル家のコネクションとか地盤を維持するのにこっちは必死だっていうのに、廃棄した施設とはいえウチの魔術工房も兼ねた工場でテロの準備とかされると対外的な評価が下がるんだよ」

「お嬢様や総帥の避難を優先して完全に廃棄が出来ませんでしたからね。儀式場として利用するぐらいは出来てしまう。……多くのカルト勢力が以前のセプテントリオン襲来と、そのどさくさによる『アンブラの魔女』など一部の超越者の強襲で潰された今なら改めて残党の撃破と施設の廃棄は出来るでしょう」

「【カドゥケウス】との協力でようやく伝染病対策も出来そうだってのに……【毒】と【風邪】などの状態異常対策装備とアイテムは確認しておけ。後はCHARMの様子と実践投入出来る様になった“アレら”の調整もな」

 

 そういった彼等は突入前に大気や水源が毒や病で犯された欧州では必須となった【頑丈のピアス*1】や【ガスマスク*2】を装備し直し、手に持った武装COMP【CHARM】の確認と調整を行う。

 尚、彼等が有するCHARMは日本支社で研究が進められている可変機能付きの次世代型ではなく非可変型の近接または銃撃のみである初期型だが、複雑な可変機能が無い分だけ整備性や運用性が高く、更に日本支社の研究データをフィードバックして性能を向上させているので欧州のレジスタンス勢力が使う装備としてはトップクラスの性能である。

 

「日本からのデータで作った【万癒の技晶*3】は装備済み。この魔晶のデータが日本から届いたお陰で大分楽になったな」

「カドゥケウスの支援を受けて尚【ディスポイズン】と【ディスシック】の在庫がヤバかったですからね。この魔晶のお陰でメシアやカルトが持ってるアイテムを強奪する頻度が下がったのは大きいです」

「ドリフターから得られた技術らしいのでドリフ様様ですが。……こんな世界に放り出されたドリフには同情を禁じ得ませんけれども。特に欧州」

「……ドリフといえばそのマシン……【ヒュージ】とやらも漂流者になるのか? どっちかと言うと漂流物かもしれんが」

「内部データによると正式名称は【メカルンペルシュティルツヒェンMarkⅨ】だそうですよ。愛称は【ぴゅーじ君】です」

『『『ぴゅっげー!』』』

 

 そんな彼等の背後には球状の胴体に鋭い爪の様な足が三本ついた異形の存在……なのだが、赤と白のカラーリングに加えて頭にドリルの様なツノが2本ついていたり一部にハートマークっぽい模様があったり頭部に花飾りがあったりと微妙にカワイイと言えなくもないデザインのマシンが鎮座していた。

 これらは【ヒュージ】と呼ばれる悪魔とマシンの融合型人工悪魔であり、最近になってフランスでグランギニョル社やヌーベル家が管理していた幾つかの【影異界】より現れたものを捕獲・改造して戦力とした物である。

 

「それにしても戦力化出来たのは三体だけなのか、管理してた影異界からは沢山ヒュージが出てきて襲い掛かって来たから片端からスクラップにしたのに」

「出て来たヒュージは大半が暴走状態で人間を襲う様に設定されてましたからね。……ただこの三体含む特定の影異界から出て来た物だけは『人間が使う』為に作られてました。同時期に発見されたドリフターや数多くのドリフがいる日本で得た情報を総合するに『同じヒュージの様に見えてもそもそも作られた世界が違う』と推測されます」

「つまりどの過去周回のグランギニョル社が作った悪魔とマシンの融合型人工悪魔は【ヒュージ】と言う名前で外見もそっくりだが内部の構造や製法、後は作られた理由も個々の世界で違っていると」

 

 この【ヒュージ】と呼ばれる人造悪魔は幾つかの過去周回でグランギニョル社、またはその強行派閥によって分離されるか会社を乗っ取られて作られる【G.E.H.E.N.A】と呼ばれる組織で作られるものなのだがその理由や製法は様々である。

 ある世界では文明が崩壊した世界で他の阻止に対抗するする戦力立ち上げられるして、またある世界では非人道的な人体実験の結果として機械と悪魔と生物の融合体としてと言った具合である。

 

「このぴゅーじ君に残されていたデータと同時に出て来たCHARMユーザーのドリフの証言からして、この子達が作られた世界では『世界中に大量に現れた人食いの悪魔人間に対抗する為の勢力としてグランギニョル社はヒュージを作っていたみたいですね。だからこのメカルンペル以下略は人間が使う事を前提として作られた対悪魔用の兵器なのでこちらで運用する事も出来ると言う訳です」

「他のヒュージは多分材料に人間が使われてたり、プログラムに『人類の殲滅』とか組み込まれてたんでぴゅーじ君とは別の世界の闇堕ちグランギニョル社が作った物と推測されてます。……製法が非人道的極まる物もありましたが、技術者達の調査ではパーツや組み方に我が社独特のクセがあると」

「そんな過去周回の我が社の遺物が一斉に今の世界に現れたから騒動になったと。影異界が過去周回の残滓って説が正しいなら、数少ないフランスの影異界が会社やヌーベル家の屋敷周辺に集中してたのはそれが理由か? ……まあレベルは大した事無かったし数も少なかったから対処は楽だったがし、こうして使えそうな未来の技術も手に入れられたが」

「グランギニョル社やヌーベル家でも道を誤ればこうなると言う実例を見せられるのは少し気にはなりますけど。このぴゅーじ君の様にそうではない世界もあったみたいですが、今後の技術の転用に関しては気を付ける必要はあるでしょう」

『『『ぴゅっげー!』』』

 

 まあ現状のレジスタンスに戦力をえり好み出来る余裕はあんまり無いので、技術者達によって安全な運用が出来ると保証されているぴゅーじ君達は使い倒す気満々であるのだが。

 実際このぴゅーじ君は気の抜ける鳴き声とは裏腹に基本が【マシン】故に彼等を悩ませる欧州に蔓延した【毒】【病気】【風邪】といったものを含む状態異常に耐性があり*4、更に今のグランギニョル社でも完全な実用化に至っていない『悪魔とマシンの融合技術』により高レベルの悪魔と融合していてレベルにして60近い戦闘能力を保持している為使わないと言う選択肢はなかった。

 

「……偵察隊が戻って来たな。漂流物である偵察用のドローン型ヒュージの使い勝手も上場らしいな」

「【堕天使 デカラビア LV63*5】を融合させて【偵察*6】【アナライズ*7】【幻化*8】【テトラカーン*9】【テトラジャ*10】【トラフーリ*11】【メギド*12】を継承させた【特型スモール級ヒュージ試作型】と言うカスタム品みたいですからね」

「アナライズは偵察の映像をカメラを介してオペレーターのCOMPに送信出来るから安全に偵察出来るのが良いですね。……ただ特型と言うだけあって発見されたのが一機だけ、しかも特殊なカスタムが施されてるので中々解析が難航していて現状量産が難しいのが難点ですが。データを送った日本支社に期待しましょう」

「さーて肝心の偵察結果は……いつも通りのサバトという名の大乱行に自殺儀式か。人様の土地で好き勝手しおって……!」

 

 偵察隊グランギニョル持ち帰った映像には今の荒れ切った社会に絶望した人間が麻薬中毒にされたまま半ばスライムになっている悪魔に犯され、或いは燕尾服を来たカルト宗教の一員らしき悪魔人間が自害した人間を讃えて嬌声を上げるといった凄惨極まる物だった。

 ……だが、そんな光景に顔を顰めつつも“今の欧州では良くある光景”故に見慣れてもいる彼等は、すぐに施設にいる悪魔の種別などの敵戦力や侵攻している儀式の種別などを解析し始める。

 

「儀式の種別はサバトと生贄による高位悪魔の招来、施設にあるレイラインも使ってMAGを集めて召喚を狙ってるみたいですね。その後の制御を考えてない辺り何時もの自爆テロじみた召喚術ですが、その分だけ儀式の難易度は低くて時間も掛からないから早期に制圧するべきでしょう」

「サバト用によりスライム化した合体悪魔は大体破魔で一掃出来るが……やっぱり【夜魔 ロア】も結構召喚されてるな。しかもアナライズ結果からデータベースにヒット、呪殺メインで【ランダマイザ】と【テトラジャ】と【自爆】を使って来る軸のヤツ*13か」

「ペイルライダーのクソったれが呼び出す事が多いからロアのデータ一通りは揃ってるが面倒なタイプだ。破魔弱点だがテトラジャは張られるだろうし連続全体破魔か普通に物理で殴るか。デクンダと呪殺対策も揃えたいが装備枠の圧迫がキツい」

「カルト宗教の連中は大体悪魔人間化してて、この山高帽と燕尾服な外見からして何度か見た事ある【死神 ゲーデ】の力を得た悪魔人間だな。どいつもこいつも頭が沸いてるからなのか【ニヤリ状態*14】から呪殺して来るタイプはよく見かけるが。こいつらも儀式のせいかニヤリになってるしそのタイプか?」

「悪魔人間だと“混ざり”も多いから断定はは出来んが、ゲーデ系悪魔人間はどのタイプでも呪殺攻撃を多用して来るから呪殺無効は必須か。まあ今の欧州では呪殺に毒と病気を防がないとまともに動けないぐらいだが」

「それで装備縛られてるから別属性攻撃を撃ち込んでくるメタ張りが居ると面倒なんですけどね。仲魔は呪殺と毒耐性あるヤツ出しつつぴゅーじ君も前線に立てますか。後は臨機応変に」

 

 偵察隊から得たデータから早急に儀式を中断させる必要があると判断した彼等は基本的な戦術を立てつつ、不足の事態が起こる事も念頭におきながらカルト宗教組織殲滅の為に動き出したのだった。

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

 ゲーデ崇拝のカルト宗教に占拠された施設、そこでは中途半端に悪魔合体して半ばスライムめいた合体悪魔に犯され、或いは薬物によって脳が焼かれて絶頂のままに自害する老若男女問わずの人間達を生贄とする儀式を行われていた。

 そして、そんな醜悪な儀式を同じく醜悪な笑みを浮かべながら見ている燕尾服を来たゲーデ崇拝のカルト宗教の教団員達がいた。

 

「……ふふふ、儀式は順調に進んでいますね。これならば我等が崇拝する真なるゲーデ様の降臨も叶うでしょう」

「生贄など今の欧州では幾らでも手に入る」

「あの忌々しき『アンブラの魔女』達に受けた傷は深いが……“あの者達”から受け取った支援があれば、憎っくき魔女達を滅ぼせるだけの大悪魔たるゲーデ様の招来も……」

 

 そんな教団員は嘗てセプテントリオン襲来時にアンブラの魔女を始めとする欧州の超越者達によって滅ぼされた組織の残党達であり、何処からか支援を受けて組織の再興と復讐の為に『信仰するゲーデを大悪魔として呼び出す』儀式を行おうとしていたのだ。

 また、壊滅させられた残党故に相応に警戒もしており、施設周辺には召喚しておいた【夜魔 ロア】や下級の教団員を見張り代わりに配置しつつ【エネミーサーチ】を常時使用して人間・悪魔問わずに接近して来る者達が居ないか確認しており……故に施設外から爆発音がした時点で即座に襲撃だと判断した。

 

「今のはロアの【自爆*15】だな。エネミーサーチにも反応あり、野良の悪魔相手なら私の【封魔の鈴】による悪魔避けの結界で退けられる故、何処ぞの愚か者が嗅ぎつけてきたか」

「召喚しておいた悪魔達に襲撃者が居る場所に向かう様に指示しろ! 教団員達もにこの場を守り切らせるんだ! 儀式の終了まであと少し、持ち堪えさせろ!」

「ゲーデ様が降臨出来るかの瀬戸際であるぞ! その命を持って信仰を証明するのだ!」

 

 即座に幹部格の男達が配下の悪魔や教団員達へ『その命を捨ててでも敵を食い止めよ』と言う迎撃の指示を出し、元より自害による殉教を教えとするカルト宗教の構成員達は薬物によって高揚している事もあってその指示に一切の躊躇なく従っていく。

 ……そしてカルト組織残党のリーダー格である男は“自らが中心となっている”儀式の遂行を最優先としつつも、嘗ての敗北の経験からか侵入者を倒しきれない事も考慮して多少不完全になりながらも儀式の完成を早める方向に動く事を結論した。

 

「やむを得んな、召喚されるゲーデ様には申し訳ないが儀式の進行を早める事とする。幸い支援として受け取った“コレ”があれば辛うじてゲーデ様の召喚には足る筈だ。……お前達も襲撃者の迎撃に回れ。その殉教を持ってゲーデ様の儀式を守り切るのだ」

「「「ハハァッ! 全てはゲーデ様の為に!!!」」」

 

 そうして命を掛けて儀式を実行するしようとするリーダー格の意思を受けて幹部級……【死神 ゲーデ】の力を宿したレベル60越えの悪魔人間である彼等は、己が信じる教義に従って自らの命すらも投げ捨てる覚悟で迎撃に向かっていき……。

 

『『『ぴゅっげー!!!』』』

「「「ぐわぁぁぁぁぁぁ!?」」」

『『『◼️◼️◼️◼️◼️■■■!!!』』』

 

 そこでは球体に三本足の謎の存在──三体のぴゅーじ君が気の抜ける鳴き声を出しながらの内蔵銃器の乱射による【フュージレイド*16】によってロアや教団員を容赦なく撃ち抜いている光景だった。

 ……そもそもこのぴゅーじ君もとい【メカルンペルシュティルツヒェンMarkⅨ】は過去周回において“世界を滅ぼした人喰いの悪魔人間の大軍勢から人類を守る為に作られた決戦兵器”であり、悪魔とマシンの融合技術を確立した“とある少女”が最後に作り上げたその世界では最強のヒュージ故に現行世界でもその性能を存分に発揮していた。

 

『オノレェ! 呪ワレヨ!!!』【マハムドオン*17

『石化セヨ!』【ペトラアイ*18

『ガァァァァァァッ!』【毒かみつき*19

「ええいっ!? マシン類であるならば!」【マハ・ジオンガ*20

『『『ぴゅっげぴゅっげー!!!』』』\Block!/

 

 今もロアが放った呪殺攻撃を後ろのマシンオペレーターに行かないよう【カバー*21】しながらマシン特有の耐性*22で受け止めて無効化し、それを見て近接攻撃に切り替えた別のロアの噛みつきも“人食いの悪魔”への対策として有する【物理無効*23】によって無効化。

 更に相手がマシンと判断した時点で教団員が放った感電効果を持つ電撃も弱点を補う為に付加されていた【電撃無効】によって防ぐ……尚、ここまではメカルンペルシュティルツヒェンMarkⅨの“マシン部分の基本機能”で機械とマシンの融合体故の“融合された悪魔由来のスキル”もまた有している。

 

『ぴゅっげー!』

「グガァッ!?」

 

 まず一体目のぴゅーじ君A(仮称)は【魔獣 ケルベロス LV65】と融合しており高速で爪を振り回して威力を強化された(物理プレロマ)【全体攻撃*24】によるAttackで周囲の敵を薙ぎ払い、更に【双手*25】によって二度目の爪撃が炸裂した。

 ……この【ルンペルシュティルツヒェンMarkⅨ】は余りにも数の多過ぎる人喰い悪魔人間の群勢と戦う為、消耗の少ない通常攻撃の強化と状態異常による足止めを目的としたカスタム機だったが敵を薙ぎ払うには攻撃の威力が足りず何より敵が強過ぎた。

 

『ぴゅげっぴゅあー!』

『ガァァァッ!?』

 

 次のぴゅーじ君B(仮称)は【神獣 バロン LV64】との融合で得た【ショックウェーブ*26】と【絶対零度*27】によって電撃と氷結を撒き散らしながらダメージと【感電】【氷結】の状態異常を齎して敵を撹乱する。

 ……高揚系スキルによって強化された氷結と電撃魔法による魔法攻撃、及び【狂い咲き】で発生確率を引き上げた状態異常による援護と【メディアラハン】による回復も可能な支援用カスタム機だったが、悪魔人間達との圧倒的な数の差を覆せずに多少の足止めになる程度だった。

 

『ぴゅーじゃー!』

 

 三体目のぴゅーじ君C(仮称)は【聖獣 スレイプニル LV62】と融合しており、バトルスピードを跳ね上げる【スピードスター】によって誰よりも早く行動しながら【ラスタキャンディ*28】【デクンダ*29】などの補助スキルでロアの【ランダマイザ*30】を相殺しながら味方を支援していた。

 ……【サマリカーム】なども使えて未だ戦う人間の支援用としてカスタムされたが、嘗ての世界では死亡した人間はほぼ蘇生不可能なレベルで食い尽くされて最終的には支援する人間が居なくなったが。

 

『『『ぴゅっげー!!!』』』

 

 ……それでも、例え嘗ての世界では人喰い悪魔人間の群れ──【禍の団】には歯が立たなかった【メカルンペルシュティルツヒェンMarkⅨ】の力がこの世界でも通じないと言う訳ではなく、むしろ機械ゆえに欧州レジスタンスを悩ませる【毒】【風邪】【病気】を尽く無効化出来るので彼等からは期待の新戦力と見られているぐらいだった。

 

「ええいっ! 何処からこんなマシン類を! ……だが、耐性は見えた。氷結耐性はある様だが【凍結】ならば機械にも効くだろう!【絶対零度*31】!」

「万能まで軽減出来る訳ではあるまい!【メギド】!」

『『『ぴゅっげー!?』』』【三分の活泉*32

 

 だが、頭を薬物漬けにされている一般教団員や召喚されたばかりの悪魔達と違って、幹部連中は戦闘の中でぴゅーじ君の攻撃を装備による耐性で防ぎつつ有効打を与えられる属性を見破り即座に実行出来るだけの判断力を持っており、万能攻撃と機械を凍結させる氷結によってぴゅーじ君達の動きを止めていく。

 ……このまま生き残っている味方を立て直して最悪ロアや教団員の【自爆】で吹き飛ばせばと考える幹部だったが、そもそも此処を襲撃してきた主戦力はぴゅーじ君ではなく、その証明の様に一人の幹部の頭部が遠距離からの銃撃で撃ち抜かれた。

 

「ヒット、ぴゅーじ君達の攻撃で連中の物理・銃撃相性は【ブレードバンダナ】レベルの耐性止まりと分かって、更にニヤリ状態も“回避率が上がらない仕様*33”と判明しているからこれなら殺せる」

 

ハメットⅡCOMP機能銃撃属性のクリティカルのダメージが25%上昇。

攻撃力+COMP機能武装COMP【ライフル型CHARM】の銃撃属性スキルによる攻撃力を上昇させる。

カツカツの資材をどうにかやりくりして出来る限り強化した。

ターゲッティング補助スキル射撃する対象を1体指定する。使用者が次に行う、指定した対象への射撃攻撃1回の命中率・クリティカル率を上昇させ、威力を2倍とする。

膝射姿勢自動効果スキルターン終了時まで、使用者は回避-10%の修正を受けると共に、使用者が行なう射撃攻撃のクリティカル率を上昇させる。

銃撃貫通自動効果スキル銃撃属性で攻撃する時、耐性・無効・吸収を無視してダメージを与えられる。SH2の【物理・銃撃貫通】の劣化スキル。

至高の魔弾銃撃属性スキル銃撃属性で敵単体に大ダメージを与える。クリティカル率が高い。SH2仕様。

 

 それを成したのはグランギニョル社製【ライフル型CHARM】を持ったレジスタンスの一人であり、作戦通りにまずぴゅーじ君達を先行させて敵の情報を把握してから厄介そうな幹部の頭部にクリティカルの銃撃を叩き込んだのだ。

 武装COMPの機能によって強化された一撃は悪魔人間である幹部の頭部を粉砕しており、それを見て僅かにもう一人の幹部が動揺した隙を突いて【ブレード型CHARM】を持った別のレジスタンスが神速の踏み込みでその懐に潜り込んだ。

 

「貴様ッ!?」

「判断が遅い」

 

縮地自動効果スキルこのターン、使用者が行うすべての格闘攻撃の対象を[前列1体]から「1体」に変更する。

その格闘攻撃の対象は回避率が減少する(後列にいても攻撃が可能になり、後列に対する攻撃も可能になる)。

モノノフⅡCOMP機能物理属性のクリティカル率が20%上昇する。

物理貫通ⅡCOMP機能物理属性で攻撃時、耐性・無効を無視。

攻撃力+COMP機能武装COMP【ブレード型CHARM】の物理属性スキルによる攻撃力を上昇させる。

カツカツの資材をどうにかやりくりして出来る限り強化した。

デスバウンド物理属性スキル敵前列の内一体に剣技相性の物理小ダメージ2〜7回。術者のHP最大値が大きいほど威力が上がる。デビルサマナー仕様。

【縮地】の効果で後列にいた相手に接近して効果対象とした。

 

 懐に潜り込まれた事で回避もできずに超高速の連続斬りを喰らった悪魔人間幹部は細切れにされて地面に散らばった。そこに他のメンバーが【食いしばり】確認でダメ押しの攻撃をしたり、破魔が使える仲魔を呼び出してロアを順次掃討していく。

 ……彼等レジスタンスはマフィアの手によって下水が麻薬で汚染され、大気はペイルライダーによる病が充満する欧州で尚も()()()()()()()()()()()()精鋭であるが故、精々平均レベル50〜60程度のカルト残党であれば容易く制圧出来る実力を有しているのだ……有していない者は死んでるとも言うが。

 

「掃討完了しました隊長。想像よりもぴゅーじ君の活躍が大きかったですね。……このマシン悪魔を量産できれば欧州奪還も夢ではないかも……」

「それにオリジナルロボットを量産して悪魔と戦うとかロマンがありますしね! マフィアやメシアンをロボットに乗ってぶっ潰したいです!」

「その気持ちは俺にも非常によく分かるんだが……問題は汚染環境下で生存と抵抗を辛うじて続けられている我々にマシンを量産する余裕が一切ない事だがな。生体素材を使うなどと言うマフィアやメシアと同じ所まで堕ちるなど論外であるし」

「悪魔マシンの各種運用データは随時総帥と技術者、そして多数のドリフがいる日本支部に送っているからそちらに期待するしか無いな」

「dsyn〜」

 

 そんな無駄話をしつつも慣れた動きで損耗の回復と各員の汚染状況を確認していくレジスタンス達、今の欧州では対策込みでもいつ【毒】【風邪】【病気】を喰らうか分からず、そこからの即死コンボも挨拶の様に横行しているから戦闘終了後には即座にコンディションチェックを行う必要があるのだ。

 そうして確認を終えた彼等はなるべく早く儀式を阻止せんと選挙された施設に向けて歩みを進めようとしたのだが……その直後、突如として施設から強大な魔力やマグネタイトの“うねり”が起きるのが感じ取れた。

 

「コレは……儀式が終わるにはまだ時間が掛かる筈だが進行を早めたのか? 召喚された悪魔が弱体化でもしていれば良いんだが」

「間に合いませんでしたか、どうします隊長」

「……全員、高濃度の【マッスルドリンコ】を限界まで服用。その後選抜した戦闘班とぴゅーじ君で突入する。残った者はオペレーターの護衛に突いてマシンからの情報を随時把握・解説せよ。……突入班が敗北した場合にはその情報を持って撤退、まだこの国にいる“超越者”に事件の解決を依頼する様に」

『了解!』『ぴゅっげー!』

 

 ……険しい表情のレジスタンスの隊長は“最悪の事態”を想定しつつ部下に『対ボス悪魔用の戦闘準備』を整えさせてから、再び今度は覚悟を決めて施設へと慎重に歩みを進めて行ったのだった。

*1
状態異常「毒・緊縛・風邪」を無効にする。真4出典。

*2
毒にならなくなる。グランギニョル社の技術で風邪にも対応する様に改造済み。

*3
アムリタ(味方単体の戦闘不能を除く全ての状態異常を治療する)が使用可能になる。SH2においてCOMPに装備可能な魔晶の一つ。

*4
真1と真2のマシン種族は基本的に破魔・呪殺・神経・精神・緊縛無効。また身体が機械なので生物に影響を齎す毒や風邪などの耐性(マスクデータ)も無効となっていると裁定。

*5
真3仕様。

*6
周辺で出現する悪魔・残りのお宝を確認する。アバドン王出典。

*7
敵単体の各種情報を調べる。真3仕様。

*8
パーティーの認識レベルを2下げる。NINE出典。

*9
次の敵ターンの間、物理相性を反射する。真3仕様。

*10
味方全体を一度だけ破魔・呪殺の攻撃から守る。

*11
戦闘から確実に逃走する。

*12
敵全体に万能属性で中ダメージ。

*13
真3仕様のロア。以前にアナライズして倒した経験があるので判別可能だった。

*14
真4、真4F出典の特殊ステータス。弱点を突く、クリティカルを出す、敵攻撃を無効以上で受けるなどで発生。ダメージ・クリティカル率・回避率大幅上昇、状態異常・破魔・呪殺以外のスキル命中率100%、クリティカルや弱点を受けない、パーティー全員がニヤリならHP・MPが全回復などの効果を得る。

*15
命を捨てて敵味方全体に自爆属性の特殊物理ダメージ。

*16
銃撃属性で敵全体に中ダメージを与え、命中・回避率を低下させる。SH2出典。

*17
敵全体に呪殺属性の中確率の即死効果。

*18
敵単体に呪殺属性のSTONE効果。

*19
敵単体に物理属性中ダメージ&POISON効果。

*20
敵の中心から敵全体に拡散して電撃属性大ダメージ+感電。ソルハカ仕様。

*21
味方ひとりに対する攻撃のダメージと追加効果を自分に移し替える。人間を守る為に作られたメカルンペル(ryは素体であるマシン部分のスキルてして有しているので手番は消費しない。

*22
メカルンペル(ryの基本耐性は真2のマシン【メデューサ】【ラビ】【ゴーレム】に準拠。

*23
物理属性の防御相性を無効にする。あらゆる世界のヒュージが標準的に有する防護システム。

*24
通常攻撃の範囲が全体になる。真3のケルベロスが取得。

*25
通常攻撃が小威力+通常の2回攻撃になる。

*26
敵全体のうちランダムに1体に電撃属性ダメージと『SHOCK(15%)』の効果を与え、これを1~4回繰り返す。真3のバロンが取得。

*27
敵全体のうちランダムに1体に氷結属性ダメージと『FREEZE(15%)』の効果を与え、これを1~4回繰り返す。真3のバロンが取得。

*28
味方全体の全能力を3ターンの間、一段階上昇させる。真4スレイプニルが取得。

*29
味方全体の能力減少を解除する。真4スレイプニルが習得

*30
敵全体の能力を3ターンの間、一段階低下させる。真3仕様。

*31
敵全体に氷結属性の大ダメージ+FREEZE。デビサマ仕様。

*32
自身のHPの最大値を30%上昇させる。人喰い悪魔達の攻撃を耐える為に耐久性を高めに作られた。

*33
真4Fの仕様。ニヤリシステムは真4と真4Fで仕様が違い真4Fのニヤリでは回避率上昇と全回復は怒らない。使用者や状況や魂の励起度合いなどによって効果が変わると裁定する。




あとがき・各種設定解説

レジスタンス:今の欧州の一般モブデビバス(レベル50〜70強)
・最近活躍してるベンルトさんですら撤退(彼の場合は逆襲の為だろうけど)するクソ環境で戦い続けてるので、実力的には日本のキリギリス修羅勢クラスしか残ってないイメージと言うか彼等も掲示板利用はしてるのでキリギリス修羅勢(フランスのすがた)みたいなもん。
・彼等はグランギニョル社やヌーベル家の関係者であるデビルバスター達で総帥やご令嬢、及び失われてはいけない技術者達を逃がす殿となった上、尚も引き続き欧州を守ろうと闘い続けてるガンギマリ連中で残された資材や施設を使って汚染を防ぎながらレジスタンスしてる。
・そんな彼等の心意気に報いる為、及び欧州の陥落地域の生の情報を持つ彼等の重要性の高さからグランギニョル社の日本支部はレジスタンスの支援を最優先で行っており欧州環境用に調整したCHARMや【万癒の技晶】などのデータを送っている。
・そんな支援もあり施設や資材的に厳しい状況でも何とかやりくりして【万癒の技晶】を最優先で実用化したり、CHARMに第三生徒会からのデータで作られた試作コマンダースキル(DSJとSH2のでデータが足りないので高負荷)を切り札として組み込んだりしてどうにか戦ってる。

メカルンペルシュティルツヒェンMarkⅨ:過去からの漂流物
・基本的にヒュージはグランギニョルかゲヘナが作る悪魔とマシンの融合系人工悪魔で、悪の組織化したゲヘナの尖兵になったり繋ぎに生物を使った所為で暴走してアサリ原作ヒュージかデビルガンダムみたいに生物を機械化した暴走するする事が多い。
・ただし、グランギニョルが悪魔マシンを作るとヒュージになるので、極少数の世界線では普通にヒュージが人類の戦力となる世界線もあり、このメカルンペルもといぴゅーじ君もその類い。
・マシン部分の基本スペックは人喰い悪魔達の足を止める【フュージレイド】捕食に対する防御と弱点のカバーに【物理無効】【電撃無効】耐久性強化及び長期戦用に【三分の活泉】【三分の魔脈】【ハイリジェネレート】【チャクラウォーク】物資の運搬と支援の為の【道具の知恵・癒】となる。
・そこにレベル60代の悪魔を融合出来てスキルとステータスを引き上げられ、基本的に人間が制御下に置かないと動かないので暴走の危険も少なくオペレーターからの大雑把な指示でも状況に合わせて最適な自立行動が可能と非常に高性能。
・……最も開発に成功したのが戦線崩壊寸前の終盤で量産出来る様な施設も残ってなかったので少数生産に止まり、何より性能が足りなさ過ぎたので戦局を覆す事はなく最後まで人間を守りながら異界に籠ったらこの世界に流れ着いた模様。
・レジスタンスに提供されたのは共に漂流したドリフでぴゅーじ君を使えるオペレーターが一人しかおらず、死蔵されていた予備機体を自分達の保護の見返りとして提供したものでグランギニョル社所属のオペレーターによって運用されている。
・元ネタはアサルトリリィアニメやラスバレに出て来る【真島百由】が開発したメカヒュージ【メカルンペルシュティルツヒェン】シリーズと、アサルトリリィふるーつに出てきたギャグ敵である【ぴゅーじ】より(この世界の百由さまは今グランギニョル社で絶賛技術開発中)


読了ありがとうございました。
ヒュージは原作設定でCHARMによる攻撃しか基本効かないので、それを再現する為にどの世界のヒュージも【物理無効】持ちな事が多く物理貫通が使える武装COMP(CHARM)なら倒しやすい設定になってる。……まあメガテン世界なので戦いようは幾らでもあるし、今回みたいにヒュージが味方側になる事もあるけど。
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