真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~ 作:貴司崎
地下シェルターより突如現れた大型ヒュージ【マシン ヒュージ“アンジェラス” LV89】。恐るべき事にコマンダースキルや武装COMPの機能すらも使用出来るこのヒュージは。その特性を遺憾なく発揮して強化された
「……ふぅ、ギリギリで間に合いましたか。咄嗟に私の【慈愛の祈り】に合わせてくれてありがとうございます恋花さん」
「こちらこそ神琳さん。掲示板の合体魔法の使い方スレ見といて良かったよ。それでもダメージキッツイけど!」
「強化解除が間に合って良かったです。【ブレイブハート】も強化解除まで防いではくれませんから」
「うん、事前に警告があって【速攻戦型】も使ってこなかったなら間に合わせられる」
| サマカジャ→慈愛の祈り | ||
| マハサマカジャ | 合体魔法 | 味方全体の魔法防御力を二倍にする。P2罪出典。 |
| フォーマット | 補助属性スキル | 敵全体の能力上昇効果を解除する。SH2出典。 CHARM【ゲイボルグ】に搭載された【滅却の技晶*1】によるスキル。 |
| 大地の壁 | 補助属性スキル | 物理攻撃を1ターン防ぎ敵に反射。デビルサマナー仕様。 |
だが、その直前に神琳と恋花によって使用された合体魔法【マハサマカジャ】によって大幅に引き上がった魔法防御力、更に千香瑠が敵の強化状態を解除した上で万が一に備えて全員が事前に【マッスルドリンコ】によってHPを増強していた事もあって初撃の【メギドラオン】ではギリギリ死者は出なかった。
また、続く光弾の弾幕による通常攻撃も付加された貫通効果は物理吸収までを無視するものだったので、瑤が展開した物理反射の結界に跳ね返されてダメージはゼロであった。
「ですが反射された攻撃をあのヒュージは無効化していましたから恐らく物理無効以上持ちですわね。……梨璃さんの【メディラマ】だけでは全員の全回復は厳しいかもなので二水さん回復と耐性確認を!」
「とりあえず【宝玉輪】を躊躇わず使って全回復! 相性は……これまでのヒュージと同じ無効以上の相性に物理と電撃も無効以上みたいです!」」
「お嬢様、我々で相手の耐性を確かめます。物理耐性がある俺は威力低めの通常弾を撃つ」「なら俺は衝撃弾だな」「俺は火炎弾だ!」
身に付けた【カラミティスーツ*2】のお陰でメギドラオンを喰らってもダメージは軽微で済んでいた楓は、直ぐに二水へと指示を出して回復と耐性確認。
それを受けて即座にグランギニョル社員3名が詳細な耐性確認*3の為、サブウェポンの銃に各属性の弾丸を装填して発射……その結果、物理属性は反射され火炎・衝撃は通常通りに通る事が分かった。
「物理は反射、火炎と衝撃は通常! これまでのヒュージと同じ耐性に【物理反射】と【電撃無効】を追加したものと推測。“今は”デバフも効かないのでバフや補助を掛けて凌ぎつつチャージ系スキルを使って殴りますわ!」
「分かりました!【ジャッジメント*4】!」
「はい楓さん!【テトラジャ*5】!」
「私じゃ銃反射は抜けないし……【スクカジャ*6】!」
「そして私はまずこちら【スクカジャ*7】で雨嘉さん!」
耐性を確認した楓は即座に全員に方針を指示、それを受けて一葉が万能殴りしつつ攻撃力強化、梨璃は念の為のテトラジャを張り、雨嘉が楓自身が命中・回避率に二段階のバフを掛ける。
更に結梨が【貫く闘気*8】、夢結が【リベリオン*9】、梅が【チャージ*10】、ミリアムが【コンセントレイト*11】をそれぞれ自身にかけて、対ボス用の『補助に人手を使うので合体魔法無しで個々にチャージして殴る』戦術を準備する。
「ああ、成る程そういう……じゃあ俺はちょっと前衛でヒュージの注意を惹きつけつつ殴っておくっすねー。【アギバリオン*12】!」
「藍も藍もー! ヒュージたおす〜! えぇ〜いっ!!!」【モータルジハード*13】
「私のバフは重ね掛けが効かないから前衛に回る」【からたけ割り*14】
『キィィァァァァァ!?』
それならと学生組へのヘイトを自分に引きつける目的も込みで前に出たトモヤが極大の爆炎をアンジェラスに叩き込み、それに怯んだ所へ藍が勢いよく走り込みながら【モンドラゴン】を大きく振りかぶりながらその胴体部に叩き込み、それに合わせて鶴紗もブレードモードの【ティルフィング】で羽部分を斬り裂いた。
それぞれの【物理貫通★*15】を有する【モンドラゴン】と【ティルフィング】の一撃は物理反射を無視してアンジェラスにダメージを叩き込んだが、それでも通常のヒュージと比べれば遥かに高い能力を持つアンジェラスは機能停止させるには至らなかった。
『グゥゥゥキィィイイイイァァァァァアアアッ!!!』
【速攻戦型*16】【フォーマット】【メギドラオン】
そこからアンジェラスは自らに組み込んだコマンダースキルを持って時間を奪ったかの様に行動を早め、目の前の敵が何かをするよりも早く取り込んだ武装COMPの機能で強化を解除した後に再度の特大万能魔法を叩き込む。
加速させた行動によって解除後に再度の強化を許さず万能魔法を叩き込めばレベルが低い者は死ぬ、一部の高レベルが生き残ろうとも手数が減れば押し潰せるという一手である。
「……持ってて良かった万能耐性装備! それと万能属性使ってくると分かった時点で全員にHP増強系のアクセを付けさせてますので素ドラオン一発ぐらいならライフで受けれますわ! 一葉さんそちらは!」
(……と言いたい所ですが、私と同じ万能耐性付き全対応の【カラミティヘルム】と【制蛇の具足】を装備している梨璃さんと雨嘉さんは耐えられてますが、まだレベルの低い二水さんとミリアムさんはアクセによるHP増強だけではレベル差もあって耐えきれませんでしたか。他のメンバーやうちの社員とトモヤさんはレベルが高いお陰か無事ですわね)
それに対して事前に万能攻撃対策としてHPの増強はしていた学生組+αだったが、それでも【マッスルドリンコ】によるHP増強が最初のメギドラオンで吹き飛んでいた事もあってレベルが低く万能耐性がないメンバーが
……それでも学生組が多数生き残っていたり死亡した二人も蘇生可能な所には、グランギニョル社からテスター用(と言う名目で)支給された高性能装備の恩恵も大きかったが。
「私達ヘルヴォルは全員が<強化人間>で【二分の活泉】を持ってますからどうにか!」
「……二水とミリアムは私が! 梨璃は手番を温存して!」
| リブート(試作) | オートコマンダースキル | 味方ターン開始時、2人以上戦闘不能ならその内1人をHP小回復させて復活させる。 雨嘉のCHARM【アステリオン】に搭載されたコマンダースキルであり1戦闘に1回まで使用可能。 SH2出典だが技術力とCHARMの処理能力不足で効果は劣化している。 |
そこで『銃反射の相手に自分が出来る事は少ない』と考えていた雨嘉が仲間の蘇生に動こうとした梨璃を抑えて自らのCHARM【アステリオン】のコマンダースキルを用いて二水を蘇生、更に【道返玉*17】をミリアムに使って蘇生させた。
「……わぁ! すみません死んでましたぁ!」「コンセが解けたのじゃぁ! 防御しとくべきじゃった!」
「ナイスですわ雨嘉さん! もう一度バフと物理反射と回復! それから一気に攻めますわよ!」
「分かりました、恋花さん!」
「オッケー神琳さん!」
「お嬢様、回復は私が」
更に再度の恋花と神琳の合体魔法による魔法防御力上昇、瑤による物理反射結界、そしてグランギニョル社員の一人が増援に来た技術者達から渡されていた【宝玉輪】を再び使ってHPと負傷を全快させて態勢を立て直した。
(さて、あのヒュージのコマンダースキルは私達のCHARMと同じく手番を消費しないタイプ。ですがこの形式でデモニカが使う強力なコマンダースキルを使った場合には能動型ならクールタイムの大幅延長や効果低下、自動型だと発生確率の低下というデメリットが課せられます。最初に【突撃指令】を掛けての攻撃で私達が生き残ったり、今も連続でコマンダースキルを使ってこないのはそこが理由ですわね)
その指示を出すのと並行しつつ味方が動き出す間に、楓はグランギニョル社令嬢でありCHARMのテスターとしての知識からアンジェラスの能力を解き明かしていく。
実際に最初の攻撃で使った【突撃指令】はデモニカ式と比べると効果が低く、オートコマンダースキルの方も確率の発動故に自己強化としては不安定な代物でしかない。任意で使えるなら【プロモーション】と【速攻戦型】を併用して来ただろうし。
(となれば、倒すならあのヒュージが単騎でいる今の内)「一葉さん!」
「はい、コマンダースキルが使えるのはそちらだけではない!【突撃指令*18】【ジャッジメント】!」
楓の数秒にも満たない思考が終わると同時に、一葉がCHARM【ブルトガング】のコマンダースキルで味方全体を強化しつつ自らも万能ダメージを与えて攻撃力強化、そこに梨璃と楓が【マハタルカジャ】と【タルカジャ】を重ねて三段階の攻撃強化*19を掛ける。
そして十分にバフが掛かった所で先程チャージ系スキルを使っていたアタッカー組が動き出し、攻撃の後で動きがやや鈍っているアンジェラスに襲い掛かった。
「結梨はもう特攻なんてしないよ。だって貫通掛けて殴った方が強いし!【真理の雷*20】!!!」
「バフを持って殴るのは正義だぞ! 誰も数の暴力には勝てないんだ!【デスバウンド*21】!」
「どれだけ強くても単独ならやりようはあるわ。【ブレイブザッパー*22】!」
『ギィィィァァァァッ!!!』
まず結梨の威力上昇+貫通のチャージ効果と【電撃ギガプレロマ*23】によって強化された三条の雷光がアンジェラスの【電撃無効】を無視して焼き尽くす。
次に梅がチャージ効果で強化された得意の高速移動から繰り出される連撃スキルを放ち、それは手に持つCHARM【タンキエム】の【物理貫通★*24】の効果で敵の【物理反射】を突破しつつ【モノノフⅢ*25】によってクリティカルを叩き出して滅多斬りにした。
そして夢結がペルソナ【剛毅 ブリュンヒルデ】を呼び出しながらCHARM【ブリューナク】を構えながら接近して一閃、その凄まじい斬撃は事前に掛けていた【リベリオン】の効果で
『グゥォォォォォァァァァァッ!?』
「流石にしぶといっすけど……【武器の聖別*26】火属性付与。【マク・ア・ルイン*27】!」
「私ももう一度!【からたけ割り】!」
「藍も〜!【モータルジハード】!」
「私も! 少しでもダメージを稼ぎます!【風龍撃*28】!」
「オラァ! 最高級品の属性弾を喰らえ!」
それでも尚動き続けるアンジェラスに対してトモヤが豪炎を纏った剣による伝説の武具を再現した一閃を放って更なるダメージを与え、そこに再び鶴紗と藍が飛び掛かりそれぞれのCHARMでの強烈な斬撃を浴びせ掛ける。
加えてCHARM【ゲイボルグ】を構えた千香瑠の暴風を纏った刺突が羽根の一枚を穿ち、彼女達が離れた所で残ったグランギニョル社員も有効な火炎との属性弾(高級品)を連射して追撃を仕掛ける。
「幾らレベルが高くて強くても人数差が十倍以上で戦えるレベル差ならどうにでもなりますわ。元よりコマンダースキルは
「それで、このまま押し切れればいいっすけどねぇ」
「……まあ、何もかもそう上手くいかない事は覚悟しておりますわ」
『グウウオオオオアアアァァァァァッ!!!』
そう言いつつも楓は再び強化解除からの【メギドラオン】を使ってくるアンジェラスに対して、今度は二水とミリアムには防御させつつ同じ様に【宝玉輪】での全回復と物理反射の準備とバフやチャージの付与を行う。
それに対してコマンダースキルを組み込んだ事によるリソース不足で貫通全体物理攻撃か万能魔法攻撃しか出来ないアンジェラスは、ならばと今度は強化解除を使わずに万能攻撃を二連続で繰り出すものの【マハサマカジャ】の効果もあってギリギリで耐えられた。
「魔法防御バフ込みでならメギドラオン二発まではギリギリ耐えられますわね。正直二連続メギドラオンされた時には危ないと思っていましたが……これで
「はい!防御を下げます!【ラクンダ*29】!」
「藍もデバフをお願い!」
「わかった〜。【雄叫び*30】ガオー!」
そのタイミングでアンジェラスへの状態異常とデバフを防いでいたコマンダースキル【ブレイブハート】が切れた事を見て取った楓は、これまで防御させていた二水に防御低下デバフを行わせて、更に一葉の言葉を受けた藍も雄叫び(かわいい)を上げてデバフを重ねる。
楓の狙いデバフ防止効果の時間切れを狙ってバフデバフを重ねての集中攻撃、アイテムの残量や残りMPから考えても長引かせる訳にはいかない故の戦術であり自身は既にかかっている攻撃バフへ更に【タルカジャ】掛けての四段階目の
「四つ目の【宝玉輪】をソォイ! お嬢の為だし多分社長から予算は降りるだろ!」
「お父さまが予算を出さないなら私が出しますからケチらず使いなさいな! ここで決めますわ!」
HPを全回復した所で楓の号令に従い最大限まで強化された結梨の貫通を得た轟雷が、梅の超高速からの連撃が、夢結の特大の一閃が、トモヤの炎を纏った伝説の剣による斬撃が次々とアンジェラスに浴びせ掛けられる。
『……ググ……グゥォォォァァァァァ……』
「さーて、バフは掛かったままだし私も攻撃に回ろうか。鶴紗ちゃん合わせてくれる?」【アギダイン】
「確か恋花だっけ。分かったよ、私もそろそろ終わらせたいし」【マハ・ラギオン】
「神琳さん、合体魔法を!」【旋風陣】
「分かりました一葉さん」【マハガルーラ】
「ミリアムさん、私達もやりましょう!」【メギド】
「分かった、あの合体魔法じゃな梨璃!」【ハイプレッシャー】
| 火炎系スキル(アギダイン)→火炎系スキル(マハ・ラギオン) | ||
| 灼熱獄炎 | 合体魔法 | 炎と炎を衝突爆発させ、敵単体に火炎属性で術者の能力値「技」の平均値×8のダメージを与える。P2罪出典。 |
| 疾風系スキル(旋風陣)→疾風系スキル(マハガルーラ) | ||
| 龍飛天翔 | 合体魔法 | 巨大な竜巻を作り出し、敵単体に疾風属性で術者の能力値「技」の平均値×8のダメージを与える。P2罪出典。 |
| 万能系スキル(メギド)→ハイプレッシャー | ||
| ゴッドハンド | 合体魔法 | 巨大な拳を勢いよく敵全体の頭上に落とし、万能属性で大ダメージを与える。P2罪出典。 |
それでもまだ動くアンジェラスに対して恋花と鶴紗の合体魔法による爆炎が、一葉と神琳の合体魔法による巨大な竜巻が、梨璃とミリアムの合体魔法による天から降る万物を砕く拳が襲い掛かった。
……最初のアタッカー達の攻撃で既に瀕死状態だったアンジェラスは追撃の怒涛の合体魔法三連打を喰らった事で、殆ど万が一食いしばる事も考慮してのオーバーキル気味なダメージを受けて遂に力を失い地に落ちてその動きを止める……。
『……ゥゥゥゥグウウウウウオオオオアアアアアアアアアアァァァァァッ!!!』
| 不屈の闘志 | 自動効果スキル | 戦闘中に一度だけ、HPがゼロになった時に耐え、HPを40%回復する。 本来は全回復する真5仕様だがアンジェラスの場合は内蔵された“とある機能による特殊な復活”を行う。 ただしその負荷と直前の合体魔法による死体蹴りによってHP回復量が下がっている。 |
その直後、
……胴部や大きさ自体は変わらないものの背部に生えた翼状のパーツは四枚二対へと増え、胴部や横にあった二つのリングからは黒く禍々しい形状の爪を持った両腕が生えるという『天使』の様だった前の姿と比べて、
「天使から悪魔っぽくなったからマシになった……訳ないか」
「一度倒されたら復活して第二形態とかボスのお約束を分かってるヤツだな!」
「現実でやられたらたまったものではありませんわよ! ……どうしました結梨さん?」
「楓……あの匂い、アイツ【マガツヒ】を使ってる」
神造魔人由来の感覚で結梨が感じ取った通りアンジェラスの変化は組み込まれた【アマラ深界接続機能付きヒュージコア】の力で魔界の底からマガツヒを汲み上げていて、そのエネルギーを持って自分自身を改造・進化させた事によって起きているのだ。
この【アンジェラス】は生体素材や機械を捕食して自己進化を行うこれまでのヒュージとは違い、地下シェルター“中枢部”の機能を模したコアの力で汲み上げたマガツヒを使ってより効率的な自己進化を成す事をコンセプトってして生まれた『自己進化機能強化型ヒュージ』の試作機である。
『グゥォォォォォァァァァァッ!!!』
\カカカッ/
| マシン | ヒュージ“ジェミノス” | LV89 | (!)特型ヒュージに関する情報はありません。 |
そうして自己進化を終えたアンジェラス──【ジェミノス】はレベルこそ変わらないものの先程までとはまた違う雰囲気になっており、それを感じ取った学生組+αも姿形が変わっただけでは無さそうだと警戒を強めている。
……そこで楓はまず耐性部分が変更されていないかを懸念して、敢えて行動させていなかった二水に【サードアイ】による相性の確認を指示する。
「二水さん耐性は?」
「……ば、
「楓、アイツ【写せ身合体】を使ってる。多分別の悪魔の耐性やスキルを自分に写してるよ」
「それなら“物理に弱くて魔法を反射する*31”タイプの悪魔の耐性っすね。そこに【物理反射】スキルを加えれば万能以外全部無効以上になるでしょ」
誰よりも写せ身合体を行使して来た人物を知る結梨はジェミノスが何をしたのかを直感的に言い当てたが、その推測通りジェミノスの自己進化の理屈は今まで捕食した悪魔などの情報を参照して必要な力に合わせて自己の機能を変更させるか、それでも足りないならアマラ深界より情報を汲み上げて擬似的な写せ身合体を行いスキルや耐性を変化させるものだった。
そこに【写せ身合体】については知っているトモヤからの言葉もあって楓は『多分アプリ式のスキルクラックみたいにスキルを得たんでしょう』と納得し、つまり相手が何をやって来るかがまた分からなくなって厄介になったと顔を顰めた。
「つまり能力は様変わりしてる可能性もあると、面倒になりましたわね」
『グゥォォォォォァァァァァッ!』【アクセラレート*32】
「アレは【アクセラレート】! 気をつけて下さい!ソルギナックシステムと同じ行動回数の加速スキルです!」
直後、ジェミノスは嘗て捕食したCHARMユーザーのデータより再現された自己の機能を大幅にクロックアップさせて負荷と引き換えに行動回数を増加させるスキルを行使。
それを同種のシステムを使った経験のあるヘルヴォルが真っ先に気がつくと共に警告を飛ばし、更に加速した敵の行動に遅れないよう即座に手番を遅らせていた瑤が【ブレイブハート】によるデバフと状態異常無効バリアと【大地の壁】物理反射結界の展開、同じく千香瑠が【韋駄天の札*33】を使った。
『……キィィィィァァァァァッ!』
「……は?」
だがしかし、連続攻撃からの怒涛の攻撃が来ると思っていた彼女達の予想に反して、ジェミノスは他のヒュージを呼び寄せる甲高い叫び声を上げると共に回復魔法を使って自己の損傷を修復してしまった。
……ジェミノスの進化の方向性は一度は倒された事から“今戦っている者達に倒されない事”が前提にあり、その為に
「はぁぁぁ!? ボスが全回復魔法とかルール違反でしょう!」
「悪魔業界はルール無用っすからね。それよりも多分他のヒュージが呼び寄せられてるっすよ」
「はい!【
「まあ瓦礫ぐらいなら直ぐに退けられるでしょうね……二水さんとミリアムさんはウチの社員達と一緒に援軍に来たヒュージの対処をお願いしますわ。合流されれば手が付けられません」
「まあメギドラオン一発に耐えられぬワシらでは足手纏いになるだけか。分かった」
「最悪撤退も考慮に入れるので私達が敗北か撤退したらそちらもお二人を連れて逃げて下さいな」
「分かりました、お嬢様の御学友は必ずお守りしますとも」
それを受けて楓はやむ終えず二水とミリアムとグランギニョル社員組を増援のヒュージへと大所に向かわせるしかなく、戦力が減った状態でジェミノスと戦わざるを得ない状況となってしまった。
それでも直ぐに彼女達は決して諦めずに回復したジェミノスへと貫通付きの攻撃をメインに仕掛けつつ、更なるバフデバフとチャージ効果を掛けると言うボス戦での鉄板戦法を再び繰り返すが、耐性が増えている事もあってダメージを与えられる手数が減って全回復しているHPを削りきるには至らない。
『クゥゥゥゥィィィィァァァァァッ!』
【リカバリー*36】【フォーマット】【リフレッシュ*37】【ルナトラップ*38】
「多少はダメージに通りは良いですが【リカバリー】で直ぐ回復。そこから強化弱体化解除に逃走封じ? ……まさか」
それに対してジェミノスは残してあったコマンダースキル【リカバリー】を機動させて、以降の3回行動で強化・弱体化解除を行いつつ逃走封じの結界を展開するついでに損耗した肉体を回復させてしまう。
……それを見た楓はダメージが全回復するのも強化弱体化解除も予想はしていたが、相手は持久戦狙いに切り替えたと考えていたので短時間の逃走封じを行って来るのは予想外故に僅かに逡巡するも即座に『敵の狙い』に思い至る。
「此方の戦力が減ってコマンダースキルで傷を治せたからって戦術を殲滅に切り替えて……! 全員攻撃は中止して防御特化のバフデバフを!【イルゾーン*39】!」
逃走を封じて来た所から次の
……だが、ジェミノスを包みこんだ幻惑の霧は焼け付いて使えなくなったブレイブハートを破棄して、代わりに獲得していた【奈落のマスク*40】によって打ち消された。
「了解!【
「守りを固めます!【
「あのヒュージ、なんか嫌な予感がする。【
それを受けて鶴紗や千香瑠、更に結梨はジェミノスのマガツヒの匂いから何かして来ると直感的に感じ取って全体バフを掛けていき、他のメンバーも合体魔法の【マハサマカジャ】や【雄叫び】【スクンダ】などのデバフを掛けたり通じる攻撃を撃って牽制するなどして敵の行動に備えていった。
……解除に手番を使うならそれでも構わないつもりの手だったが、やはり
『グウウウウウオオオオアアアアアァァァァァッ!!!』
「みんな気を付けて! あのヒュージマガツヒを集めて【会心】状態になった!」
| マガツヒチャージ | 特殊行動 | 周囲のマガツヒを一定量集めてマガツヒスキルを使用可能にする。 マガツヒを操る技術が無ければ負担で動けず必ず敵に手番が渡る、その後決められたスキルしか使えないなどの制限がある。 技術があればそれらの制限はないが 器があれば単純に一行動で周囲のマガツヒを集める行動になるが空間のマガツヒ濃度が高くなければ集める事自体が難しい。 ジェミノスの場合はコアの力でアマラ深界よりマガツヒを組み上げる事で肉体に負担は掛かるが使用可能。*44 |
ジェミノスは内蔵された【アマラ深界接続機能付きヒュージコア】を最大稼働させて自らにマガツヒを汲み上げ、赤黒いマガツヒ粒子を撒き散らしながら自らに【禍時:会心*45】状態を付与した。
……自己進化にマガツヒを使っている事からジェミノスにも当然マガツヒの運用能力はあり、流石にマガツヒゲージこそ有していないが単にボルテクス界の影響を受けただけの悪魔の様に手番を相手に渡すなどの不手際を起こさずに行動する事が可能となっている。
『グウウウウウオオオオアアアアアァァァァァァァァァァッ!!!』
「ッ⁉︎ 全員防御……!」
| 万能ギガプレロマ | 自動効果スキル | 万能属性のダメージを大きく上昇させる。真5出典。 |
| メギドラオン | 万能属性スキル | 敵全体に特大威力の万能属性ダメージ。 |
| メギドラオン | 万能属性スキル | 敵全体に特大威力の万能属性ダメージ。 |
そこから加速された行動により双翼を輝かせたジェミノスが使ったのは今日幾度となく使われた
あとがき・各種設定解説
第三生徒会:高レベル相手でも怯まず立ち向かえる強メンタル
・装備品は一級品を揃えているがこれはグランギニョル技術者の趣味や社長の手回し以外にも、真面目に彼女達のCHARM運用データが今後のグランギニョル社の立て直しに必要な武装COMP開発にもっとも重要だからでもある。
・議長の楓・J・ヌーベルは個人戦力としても格闘・射撃・疾風属性魔法・幻影状態異常を使いこなせて、司令塔としてもタルカジャ・ラクカジャ・スクカジャの全体バフを使いながらレベル80越え相手に怯まず指揮が取れる逸材。
・人格もノブレスオブリージュを体現した様なLight−Neutral(真っ当な善人)であるのだが、可愛い女の子好きでもあって最近は梨璃をよく愛でていてちょっと過剰なスキンシップを取っては夢結と小競り合いしてるとか(彼氏がいるらしいがそれはそれ、これはこれなスタンス)
・広報の吉村・thi・梅は“足が早い”というある種の異能があり移動系スキルを複数覚えている他、連続攻撃系の物理スキルや単体強化スキル(味方にも使える様になった)を使う物理アタッカー。
・父親はグランギニョル社の研究員で日本支部への避難組であり武装COMPの開発を行っていて、彼女も試作CHARMのテスターとして楓とは長く一緒にやってきた仲で今のCHARM【タンキエム】も父親が専用に作り上げた一品。
・副議長の白井夢結の【剛毅 ブリュンヒルデ】は物理・電撃無効に銃撃・氷結耐性の強固な耐性を持つペルソナであり(ただし原作再現で精神弱点)、強力な物理攻撃スキルや氷結・電撃魔法を使える。
・結梨を除けば第三生徒会のエースでありお姉様と慕うアンヌ副隊長(川添美鈴)の指導でペルソナ使いとしても共鳴を隠したり、肉体レベルも鍛えているので現実でもペルソナが使えたり出来る実力者で梨璃からお姉様と慕われてる(ただし脳破壊癖がある)
・庶務の一柳梨璃は回復・補助の魔法に長けているが破魔や万能属性も使えたり、元々運動神経が良いからか最近はCHARMの訓練で物理・銃撃スキルも使える様になり何故か生まれつき【呪殺無効】や魅了が無効だったりするので何気に耐性が優秀。
・実家の家業として【秘石】や【障石】の作成をやっていて自分でも作れるが、彼女の技術だと質は問題無いが作るのに時間が掛かるので数を用意するのは難しい模様。
・書記の二川二水はチームDATのガンナーケンジロウの妹で同じ魔眼持ち、ただし兄と違って幻視が出来ない代わりに広域を把握する事に長けていて、銃撃の才能も兄程ではないが索敵魔法や地変・呪殺・デバフ系スキルが使えるなど魔法の才はある。
・書記ではあるが広報の梅に手伝い……と言うか殆どメインで学内新聞を作るなどしており、意外にもキャンプ好きで無人島で生活出来るレベルの【サバイバル】スキル持ちでもある。
アンジェラス/ジェミノス:自己進化はアサリ原作設定オマージュ
・一度負けた相手にメタ張ってリベンジする系な自己進化能力に特化した特殊ヒュージのプロトタイプであり、戦闘中の自己情報更新やマガツヒの運用なども可能だが、まだ試作段階故に肉体には相応の負荷も掛かるので追い詰められないと使わない。
・ジェミノスへの進化時にはコマンダースキルを回復系を除き削除、物理強化系スキルも削除して仲間呼びと自己回復魔法と万能属性強化などを入れて、増援を呼んでの持久戦か敵の即時殲滅の二択を必要に応じて使い分ける。
・それに加えて耐久面のステータスを下げた代わりに攻撃力を引き上げて万能魔法に耐えられる学生組を確実に葬れる様に調整しており、必要に応じて戦術を切り替える判断力もある事で対応力は上がっている。
・ただし戦闘中の自己進化でレベルが上がっていない事から分かる通り総合的なリソースが劇的に増えている訳ではなく、即興の自己進化では能力を再分配しつつスキルや耐性を入れ替えるだけしか出来ない模様。
読了ありがとうございました。
オールドンマイさん主催のレイドバトル編が他の3次キャラや人類悪が出て来たりと超面白いので、今回の地下シェルター編が終わったら何かそのネタをやろうかと思っていたり。まあ内容は本家様の展開見つつその時になったら何か考えるのでまだ未定ですが。