真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~ 作:貴司崎
◇偽名と戸籍
「……とりあえず偽装用の術式を込めた護符を作っておいたからこれを持ってなさい。一応種族を悪魔変身者──アウトサイダーに見える様にして、融合しているアオビトに解析が通りにくい様にはしてあるわ」
「ただ、偽名による呪い避けの呪術はなんかお前弾くから入れられなかったんだよな。簡単な偽装や隠蔽の魔術なら問題なかったんだが、名伏せの呪術になると途端に弾くんだよなぁ」
それはヤマトがチームDATに加入して必死にレベリングを行っているぐらいの時期、色々と厄ネタっぽい
「ナホビノには状態異常をターン経過で回復する能力がありますからね。それが原因で呪いが掛かったら無意識的に弾いてしまうみたいで」
「まあ『状態異常の自動回復』自体は珍しくはない。そもそも悪魔であれば毒とかを自然回復させる事があるし、悪魔の要素が強い悪魔人間なども状態異常を時間経過で回復する事が出来る者もいる。生身の人間よりも情報生命体に近い悪魔の方が状態異常による汚染の効果が軽いんじゃないかってのが通説だな」
「同じ状態異常でも使い手や使われた側次第で効果が変動するものだとは知られているわ。……それでも個人差こそあれ重篤なバッドステータスになると回復困難な事も多いのだけど、ナホビノの状態異常自然回復能力はおそらく普通の悪魔人間のものと比べても桁外れに高いと思われるわ」
「ああ、確かダアト時代には普通の回復魔法では治らなかった状態異常でも時間経過で回復出来てましたね*1」
戦闘中でも時間さえかければ、非戦闘時なら自己のマガツヒ操作に集中する事により短時間で自身のマグネタイトを正常な状態に戻せるナホビノの強力な状態異常回復能力であるのだが今回は少し仇になっていた。
「実験データによると幾つかの悪魔が使う【激怒*2】の様な膨大なマグネタイトによる自己情報の上書きに近いか。アレよりも時間がかかる分だけ損耗は遥かに少ない様だがな」
「後はマグネタイト調律による状態異常回復系カルトマジックにも近いっぽいわね。多分ナホビノは膨大なマグネタイト由来で自己情報が強力に保全されていて状態異常が重篤化する事がなく、情報汚染による変調があれば“正しい状態に戻す”回復を行ってるんだと思うわ。大分推測が混じるけど」
「へー、昔は気合を入れれば状態異常が治るって事しか分かってなかったので理屈とかは検証してしてませんでしたからね。それより悪魔や仲魔や悪魔合体データを検証する事優先してたので。……でも今回はそれが仇になって皆さんが使ってる“偽名の呪い”も弾いてしまうと」
チームDATの面々が好きなウルトラシリーズの防衛隊員にちなんだ偽名を名乗っているのは防衛チームごっこをする為だけではなく、偽名を名乗り日常的に使う事で“本名”を媒体に掛ける呪いなどを防ぐ『名伏せの呪術』を全員が使っているからでもある。
まあ悪魔業界では偽名による素性隠蔽と呪い隠しは珍しくなく、チームDATが使っている呪術も常に身内でその名前を使い続けて定着させ、名前媒介の呪いを本名ならざる偽名に押し付けて回避するという名伏せの呪術としては比較的ポピュラーなモノなのだが……。
「うむ、この呪術は生まれもった“己の真名”を隠すある種の呪いであるからなのか、バッドステータスと判定されてナホビノの状態異常自然回復に引っ掛かる様だな。……名前や霊格に直接干渉する類いのモノは大凡弾いてしまうという事だろう、ナホビノは装備品すらも霊格で弾いてしまう様であるし」
「まあバフは受けるから自然回復や術が弾かれない範囲内で隠蔽の術を込めた護符を作るぐらいは出来るんだけどね、手間は掛かったけど。……そもそも名伏せは呪い返しの為だから大体の呪いは治せるであろうヤマトにとっては優先度が低いしね。アナライズで見えちゃう名前の方も戸籍含めて対応してるから」
「確か証人保護的に新規の戸籍が用意されるんでしたっけ。ナホビノ関連で親類縁者に余計な被害が出ない様にと。……ありがとうございます」
そう、ヤマトがアオビトと融合するなで紆余曲折あってチームDAT入りした後、ナホビノ云々の情報を聞いたヘビクラ隊長は直ぐにヤマトの経歴を抹消して新しい戸籍などを用意する事に決定したのだ。
実際、特殊な異能を持つ人間の親類縁者が異能を発現する可能性があるとして狙われるケースはそれなりにあり、ナホビノとか言うどう考えても特級の厄ネタ過ぎる能力ぐらい知られればヤマトだけでなく周りの人間も狙われる可能性があるとして口外厳禁は当然に戸籍などの調整も必要だと判断したのである。
「戸籍に関しては最近良くあるドリフの経歴取得に紛れ込ませてドリフターの一人って事で新しい戸籍を用意したわね。前の戸籍に関しては“悪魔事件に巻き込まれて死亡”って感じに偽装、例のヘカトンケイル魔丞に攫われた時にアオビトと融合したからそれを隠れ蓑にする形で。ヤマトはご両親が死んで親類縁者もかなりの遠縁の者しかいないからそこまで苦労はしなかったわ」
「まあ両親が死んでからは遺産と保険金で食い繋ぎつつバイト生活、高校でもバイトで忙しい事もあって人付き合いは最低限だったのでバイト先に報告だけすれば問題ないでしょう。友人がいなかった訳じゃないけど部活も幽霊部員として名前を貸していたぐらいですので」
「その辺り含めて経歴の改竄は悪魔業界あるあるだから特に問題は起きなかったな。半分はドリフなのだからドリフ戸籍の違和感も最低限だ。……そして名前の方も【ヤサカ・ヤマト】が偽装戸籍による偽名だと思わせる様に情報工作しておいた。チームDATが偽名使ってるのは知られてるから同じ様に偽名になってると思い込ませる目的だな。同姓同名の悪魔被害者を知っても名前だけ流用したと思われる様にしてある」
「本当にありがとうございました」
その様にナホビノという厄ネタを抱えてもキチンと色々な準備を整えていく辺りヘビクラ隊長とチームDATの先達は凄いなと思うヤマトであった……後に自分の常識のズレ、及び高校時代はバイトと趣味の読書と特撮鑑賞やってて掲示板慣れしてない事もあって情報管理でちょっとやらかした時に改めて情報の重要性を自覚するのは別の話である。
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◇聖華学園の部活動
「……それで一葉さん、叶星さん、皆様方の聖華学園での生活はどうでしょう? 何か困った事はありませんか?」
「お陰様で特に生活面で困った所はないですね。楓さんを始めとした第三生徒会の皆さまや教師の人達も良くしてくれているので」
「みんなも特に困った様子は無いですし、同級生やクラスメイトとも仲良く出来ていると思います」
聖華学園の第三退魔生徒会が所有している女子寮の一室、そこでは第三生徒会の議長である【楓・J・ヌーベル】及び【吉村・Thi・梅】【郭神琳】、最近編入生したドリフターのヘルヴォルから【相澤一葉】【飯島恋花】、同じく編入生ドリフターのグラン・エプレからは【今叶星】【定森姫歌】が机を囲んで座っていた。
まあ何か緊急事態という訳では無く第三生徒会のメンバーが定期的に行っているお茶会、それに最近編入したヘルヴォルとグラン・エプレの様子を確認する意味で話を聞こうと時間が合った者達を誘って開いたというだけである。
「お茶を淹れました。お茶菓子もありますのでどうぞ」
「あ、ありがとうございます。……わぁ、このお茶すごく美味しいですね!」
「お気に召した様で何より。……定期的なお茶会は女子寮系生徒会の伝統みたいなものですので茶葉とお菓子は良いものを常備してますの。まあお茶が美味しいのは神琳さんの腕が良いからでもありますが」
「光栄です」
そう言いながらグランギニョル社の令嬢でありフランスの名家であるヌーベル家の出身である楓は側から見ても分かるぐらい優雅な所作でティーカップを口に運び、お茶を淹れた神琳も和かな笑みを浮かべながら手際よくお茶菓子を用意する作業を進めている。
「おおー、凄まじいお嬢様力。これが12の生徒会で最もお嬢様っぽいと言われる第三生徒会のお茶会かー。……アタシら場違いじゃない?」
「あははー、第三生徒会でお嬢力が高いのは楓と夢結と神琳ぐらいで、梅を含めた他のメンバーは年頃の女学生らしく好き勝手に飲み食いしてるから気にしなくていいぞ。前の生徒会メンバーがお嬢様が多くて今の議長の楓が学園でも有数のお嬢様だからそう思われてるけどなー」
「まあお茶会などはその場のTPOに合わせた所作をすれば良いのです。今回は単なる女学生の集まりなのでマナー云々は気にせず普通に飲み食いすれば良いですわよ。私はこういう所作が身に染み付いてるだけなので」
ガチご令嬢な楓のお嬢様力に少し萎縮するヘルヴォルとグラン・エプレのメンバーであったが、その本人から気にせずに好きに飲み食いしていいと言われて実際に梅が出されたお茶菓子パクパク食べている所を見て少しずつ出されたお茶菓子を食べ始めた。
まあ一度お茶会が始まればそれぞれ年頃の女学生ではあるので直ぐに打ち解けた感じとなり普通の女子会の様になったので、そう雰囲気が柔らかくなった辺りで楓はヘルヴォルとグラン・エプレの近況を聞く事とした。
「それで改めて聞きますが学園には慣れましたか? ……ああ、皆さんが特に問題などを起こしていない事は知っていますので、どっかの反省組とかマッドマックス・ポストアポカリプス系ドリフとか13裏とかと違って」
「13裏に関してはこの前DIO式龍王の能力を調べてたら何処からか来て色々と聞いてきましたからね。ヒュージについては話せないのでDAT隊から聞いた敵戦術だけ話したら満足して帰って行きましたが。……それ自体は問題ないんですけど」
「生まれ育った常識が違うから仕方ないのかも知れないんだが、とりあえず最低限社会に合わせて上っ面を整えられる“優等生”ならまだいいんだけどな。学内で“比較的まともな異能者の子供のフリ”が出来るぐらいの」
「同じドリフターでも結構常識が違う事も多いんですよね。私達ヘルヴォルやグラン・エプレは文明崩壊前の世界で暮らしていた経験があるので齟齬は少ない筈ですが」
「普通に生活する分なら大丈夫です。この世界のデビルバスターとしての常識やドリフターが生活するべき注意点も【新世界サバイバルガイド】や【TOKYOサバイバルガイド】を見て学んでいますから」
未成年のドリフターを多数受け入れている聖華学園なので既にドリフ生徒用のノウハウは出来上がっており、またヘルヴォルとグラン・エプレは文明崩壊前の生活経験があるタイプなので常識については問題なく、デビルバスターとしての腕もあるのでそちらの学内活動も支障なく行えていた。
……問題は“普通の女学生として生活出来ているか”であり、こういう事は本人達の口から直接聞かないと分からないので楓達はお茶会に読んだのだが。
「それは良かった。……では一般の授業の方はどうでしょうか? 後は部活動とか」
「授業の方は大丈夫ですね。前の世界のレジスタンスでも義務教育分の勉強はしていましたから。……藍がちょっと危ないですけど」
「藍に勉強させるのが一番大変だよねー。……前の世界でも『いずれ平和になったら必要だから』って勉強させられてたけど世界を超えて役立つとはね」
「当時はそんな未来が来るとは思えなかったんだけど、まさか別世界に来て役に立つとはねぇ」
現行世界に逃げて来た彼女達だがそれが出来たのは所属していたレジスタンスの“真っ当な大人”が彼女達を庇って生かしたからであり、そんな真っ当な大人達故に未成年の彼女達を戦わせる事はよく思っておらずもし平和になった時の為に勉強を教えるなどしていたのだ。
……まあ、普通に話を振ったらちょっとした地雷になってしまったが事情持ち異能者が多い聖華学園ではドリフターである無しに関わらず珍しくもないので楓達は余り気にしなかったのだが、ちょっと空気がしんみりして『お茶会でこれは不味いんじゃないかしら!』と思った姫歌は務めて明るい様子で近況を話し出した。
「そういえば! 姫歌と紅巴は部活動に入ったんです。【アイドルデビルバスター部】って言うんですけど」
「ええっと……姫歌ちゃん達で新しく作ったのかしら?」
「いえ、聖華学園の部活動で元からありましたよ?…… ファンに希望を与えるアイドルとして自分を磨くと同時に、ファンが生きる世界を守るデビルバスターとしても強くなる事で“アイドル力”を磨く部活動なのでアイドルデビルバスターである姫歌にはぴったりですよね!」
「……あー、確かに【アイドルデビルバスター同好会】ってのが部活・同好会一覧にありましたわね。この学園に多数ある怪しげなキワモノ同好会の一つだったのですが、最近部員が増えて部活動に格上げされたと」
なんか変な部活動名を言い出した姫歌に怪訝な表情を浮かべる
「えーっと、アタシらみたいなドリフが増えたから変な部活が出来たとか……?」
「ああいえ、聖華学園に変な部活動や同好会が多いのは元からですわね。そもそも学園では多数の未成年異能者を受け入れている関係なのか普通の学校と比べても変人が多いので、部活動で異能関係のやらかしを行う所も多いのです」
「ユグドラシルとかザックーム育てようとする園芸部とかウンディーネ使って波が出るプールをやろうぜと言って洪水を起こしかけた水泳部とか悪魔素材料理作って部内でちょっとメシテロ(不味)を起こした料理部とかなー。ちなみに今上げた部活動は重症者が出ずに部内で問題が完結してるから厳重注意だけで済まされるレベルだぞ」
「えぇ……? 姫歌ちゃんと紅巴ちゃんが入った……【アイドルデビルバスター部】では大丈夫だったの?」
「大丈夫です叶星様! 姫歌も紅巴も入部の時の『アイドル力を試す試練』には合格して、今はアイドル力を高める訓練とかをやってますから!」
「アイドル力……?」
そんなめっちゃいい笑顔でサムズアップする姫歌の発言を聞いて頭に疑問符を浮かべる叶星、前の世界でも姫歌の提案でレジスタンスの慰撫を目的としたコンサート的な事をグラン・エプレでやったりもしていたが、本格的にアイドルを目指した事はなかった叶星なので“アイドル力”と言われても常識的な反応である。
ちなみに試練は『フハハハハ! 貴様が新たにアイドルデビルバスターを目指そうとするものか!』『ほう、これは中々のアイドル力の持ち主』『だが我らがアイドルデビルバスター同好会に入るならまずは試練を突破してみせよ!』『姫歌のアイドル力を一眼で見破るとは只者じゃないわね。いいわ! 試練を突破して姫歌がアイドルデビルバスターに相応しいと認めさせてあげる! 行くわよ紅巴!』『え? ちょっと待って下さい姫歌ちゃん。今日は同好会の見学だけだって……』『その意気は良し! だがまずは実力を証明してみせよ! これがアイドルデビルバスターの基本【せつなさみだれうち】ィ!』『む、冬優子先輩も使っていた技。けれど見切ったわ!【雷震王母の蹴り】!』『キャァァァァァッ!?』……と言う感じで合格を貰ったと聞いて常識人組は更に宇宙猫になった。
「……まあ聖華学園が“普通の学校”と言うのは口が裂けても言えませんが、私達の様な異能の力を持つ子供が“真っ当な青春”を送れる場所ではありますから。部活動とかに関しても子供の異能者が関わる故に多少のトラブルはありますが、それでも“一線”だけは超えない様に私達退魔生徒会や教師達が目を光らせていますので」
「ちょっとしたオカルト事件なんてのは聖華学園では日常茶飯事だもんなー。……まあ環境がインフレしてからは生徒会を12も増やした上でクッソ忙しいぐらいに事件の規模と数は増えたけど。ドリフターの編入含めて」
「覚醒者は良くも悪くも人を超えた力を持つので、子供の内は如何しても“その力を振るいたい”と思ってしまうものですから。下手に暴発させるよりも部活動とかで発散させた方が良いと言う狙いもありますわね。トラブルに関しても健全な学生生活の範囲であれば厳重注意と多少の処罰で済ませられますわ。……まあ犯罪行為とかイジメとか多少では済まない負傷者・死傷者を出すなどで一線を超えたら即フルボッコで処罰対象ですが」
退魔生徒会歴が長い楓と梅の話に『自分達の知ってる“普通の学校”と違う』と思った叶星と恋花の文明崩壊前の未覚醒時に普通の小学校とかに通っていた経験がある組だが、そもそも未成年異能者を受け入れて運営している聖華学園が普通の学校な訳がないと言われれば反論出来なかった。
そんな少し変な学校だからこそ様々な未成年に異能者や常識が違うドリフターを受け入れても、どうにか問題なく運営出来るのだとも言われて常識人組も確かに聖華学園では異能者の自分達でも今まで真っ当な学園生活を送れていたと思い返して納得はした模様。
「あー、まあ確かにアタシらみたいな異能者でも学生生活や部活動が出来るだけ凄い事か。千香瑠は料理部に入ったって言ってて、藍もたまに遊びに行ってるって話してたか。瑤も【ぬいぐるみ同好会】に入ったとか言ってたね、なんかペロロさまがどうとか言ってた」
「灯莉も美術部に入ったって言ってたわね、なんか定期的にアタシの所に来るけど。紅巴もアイドルデビルバスター部以外にも何かしてるみたいだし」
「高嶺ちゃんも写真部に入って偶に趣味の写真を撮ってるって言ってたっけ。……私も園芸部でお花を育てたりしてみたいな」
「良いと思いますわよ叶星さん。ウチの園芸部はアルラウネとか育てて仲魔にしたりもしてますが、別にそれが強制ではなく普通に植物を育てたりもしてるので。……この聖華学園は“異能者の子供が真っ当に他者と付き合いながら暮らせる環境”としての役割があり部活動もその一つ、様々な事情がある子供を“真っ当な大人”に育てる事が目的の場所でもあるのですから」
「だから部活動とかは普通に推奨してるぞー。まあ異能者の事情はそれぞれだから強制はしないし、部活動もノルマとかが厳しい所は殆どないし退部も大体は自由だから気楽に一回入ってみるのでも良いと思うぞ。まあ入る入らないとかは個人の自由だから好きにすればいいさ」
複雑な事情を持つ事が多い異能者の子供に学生らしい真っ当な人間関係を含む生活を送らせるのが聖華学園の基本方針、だからこそ部活動に関しても結構緩いし様々な人間を受け入れられる様に同好会なども多く異能関係の活動なども普通にしているのだ。
……まあ、それ故にオカルト的なトラブルが日常茶飯事となって退魔生徒会達が日夜事件の解決を担っているのだが。
「うーん、そう言われるとアタシらも何か女学生らしく部活動とかやってみたくなるよね一葉」
「え? 私はもう部活動に入ってますよ恋花さま。【トレーニング部】と言う覚醒者を含めた学生の効率的な肉体の鍛え方などを研究・実践している部活動があったので。スミレ部長にもお世話になりつつ日夜ヘルヴォルの為に新しいトレーニング法を開発してます!」
「えぇ!? いつの間に⁉︎ ……いやまあ一葉にはぴったり過ぎる部活動だけどさぁ。ヘルヴォルの中でアタシだけなんか青春から遠ざかっている様な……部活動のパンフレットとかない?」
「聖華学園の部活動紹介パンフレットはありますわね。……部活や同好会の情報を詳しくまとめたドリフ用のガイドとかも作っておくべきでしょうか」
まあ色々と事情があるヘルヴォルとグラン・エプレだったが蓋を開けてみれば普通に学園生活を割と楽しんでいる様だったので楓は安堵しつつ、部活動パンフレットを取り出しながら以降は学生らしいごく普通のお茶会に興じるのだった。
──────◇◇◇──────
◇悪魔合体と魔王城
「……さて、これでヤマト君の写せ身合体は終わりかな。いつもデータとマッカを落としてくれてありがとう……私の時間は減るがね!」
「何時もありがとうございますクルーゼさん」
「まあ君は今回写せ身合体でスキルを追加しただけだから大した労力ではなかったからね。……悪魔合体を短時間連続で行ってくる様な時と違って!」
「あはは……じゃあ次は悪魔合体をお願いします。全書合体とか精霊合体を何度も駆使して目当ての悪魔を作る予定なのでサクサク行きましょう」
「ですよねチクショウ!」
疲労状態で仮面越しにも目が逝っちゃってる事が分かる邪教の館の主人に苦笑しながら礼を告げつつ多分次は悪魔合体で酷使すると告げる一般的サマナーなヤマト。彼はいつも通り写せ身合体を行う為に邪教の館へと来て新たに手に入れた写せ身を使い自身と仲魔のスキル構成を弄っていた。
| 合一神 | 八坂ヤマト/アオビト | LV79 | 氷結・衝撃・破魔・呪殺無効 物理・火炎・電撃耐性 |
| ・火炎耐性 ・衝撃無効 ・破魔無効 ・地獄のマスク ・大活脈 ・物理プレロマ ・ハイリストア ・貫く闘気*3 |
| ・麁正連斬 ・荒神螺旋斬 ・ヤブサメショット ・滄海原ノ渦 ・ジオ ・ジオンガ ・轟雷 ・ハマオン ・国津罪ノ穢レ ・逆薙 ・神矢来 ・天剣叢雲 ・吸魔 ・エナジードレイン ・神霊水 ・ディアラマ ・メディアラハン ・メパトラ ・布瑠言霊 ・ディアムリタ ・マカジャマ ・まどろみの渦 ・ラクンダ ・マハタルカジャ ・コンセントレイト ・会心の覇気 ・神奈備ノ守 ・アナライズ ・トラフーリ*4 |
| ・活脈 ・魔脈 ・大魔脈 ・龍眼 ・反撃 ・リストア ・勝利のチャクラ ・コロシの愉悦 ・毒の使い手 ・呪いの大還元 ・セーフティ ・万能プレロマ・奈落のマスク・食いしばり ・不屈の闘志*5 |
この前のレイドバトルで回復役をやったら何故か無駄に目立った代償として何故か手に入った、及びこれまでの地道なドサ回りで手に入れた御厳を使い【神の技数・肆*6】を解放して、更に密かな鍛錬で自力習得出来た【会心の覇気*7】分増えた写せ身スキル枠。
そこに【バロンの写せ身】から【衝撃無効】と【ハイリストア*8】をセットして防御面と継戦能力を更に向上させた感じのカスタムだったが、それはそれとして次は悪魔合体であり時間も押しているのでサクサク進める事とする。
「【聖獣 ハヤタロウ】参上しました。今後ともよろしくお願いしますぞ」
| 聖獣 | ハヤタロウ | LV45 | 電撃・呪殺無効 物理・衝撃・破魔耐性 |
| ・絶・閃光斬烈牙+5 ・某を見よ+3 ・日輪の光+3 ・衝撃耐性 ・呪殺無効 ・不屈の闘志 ・忠義の励み ・ライトマ ・エストマ ・リフトマ ・リベラマ ・宝探し | |||
そうして幾度かの悪魔合体を得て生まれた一体目は白と黒の毛並みを持つ聖なる犬【聖獣 ハヤタロウ】、色々と有用なスキルを持っている全書登録悪魔を経由して作った【魔獣 イヌガミ】と【国津神 タケミナカタ】の特殊合体にて生み出されたもので弱点を補う【呪殺無効】を全書合体で、そしてイヌガミから【忠義の励み*9】を継承している。
以前の戦闘の経験からマガツヒスキル用の聖獣枠として作った悪魔だが【サルタヒコの写せ身】から【ライトマ*10】、【シキオウジの写せ身】から【エストマ*11】、【クシナダヒメの写せ身】から【宝探し*12】、【スザクの写せ身】から【リフトマ*13】、【ヤクシニーの写せ身】から【リベラマ*14】を取得させて戦闘以外の役目をこなす事がメインの構成となる。ポケモンの秘伝要員が元ネタだろと言ってはいけない。
「【女神 イズン】よ。あなたがワタシのサマナーかしら? コンゴトモヨロシクね!」
| 女神 | イズン | LV47 | 破魔無効 電撃・衝撃・魅了耐性 |
| ・マハンマオン+2 ・黄金のリンゴ+4 ・ディアムリタ+4 ・ヒュギエイアの杯+3 ・電撃耐性 ・三分の活泉 ・魔脈 ・大魔脈 ・回復プレロマ ・チャクラウォーク ・忠義の励み | |||
そしてもう一体の悪魔は赤い頭巾と黄金のリンゴを持った籠を持つ美女【女神 イズン】、同じく複数回の悪魔合体経由で【女神 パールヴァティ】【地霊 カハク】【国津神 アメノウズメ】の特殊合体で生み出されたもので、弱点カバーの【電撃耐性】や経験値増加の【忠義の励み】に【大魔脈*15】、そして全書登録してあった以前の仲魔であるパールヴァティから【回復プレロマ】と【チャクラウォーク】を継承している。
基本的には超強力な回復スキル【黄金のリンゴ*16】を使う事に特化させた構成なのだが、何故か【三分の活泉*17】を覚えていたので写せ身合体では【フォルネウスの写せ身】で【魔脈*18】を覚えさせるだけで済んだのは有り難かった。まあ実戦で使うには暫くレベリングが必要だが。
「やっぱり【黄金のリンゴ】は便利だから用意しておいた方が良いだろう。ダアト時代も終始イズンはスタメンだったし……そのせいで全書に登録してある方のレベルが90超えてるから流石に召喚出来ないので新しく育てるしかないから後回しにしてしまっていたが。枠もキツかったし」
『まあ【忠義の励み】も覚えさせたし、そもそも控えから出して【黄金のリンゴ】を使うだけだから低レベルでもそこまで問題ではない』
「ハヤタロウの方は【禍時:的中*19】目当てで、せっかくだから専用スキル持ちの聖獣を選んだが。……まあ暫くはどちらもレベリングだな」
『余り強いマガツヒスキルでは無いと思っていたのだが、先日の様な回避特化ギミック持ち相手には有用だから用意はしておく。仲魔に関しては“目的の悪魔”までのレベルが足りない事、そして合体に使う分も必要だから最低3つは仲魔用の枠は空けておきたいので次の【神の懐】を解放する御厳も足りないから今はこれ以上に増やさないと言う方針だな』
「レベルも上がったから新しい強力な仲魔を加えるのも良いんだが枠とマッカと御減がなぁ。俺自身のスキルも少し調整して戦力を補強したが……おっと、予定時間来たから退出しますか。お待たせしましたケンジロウさん、トモヤさん」
「ああ、予定時間通りだから問題ない」
「噂の写せ身合体を見れてそこそこ楽しかったっすよ。何が起きてるかはさっぱりだったっすけど」
そうして合体結果を纏めていたヤマトとアオビトだったが利用終了時間となったので次の利用者の邪魔にならない様、ヤマトは一緒について来ていたケンジロウとトモヤの二人と共に邪教の館を後にするのだった。
ちなみに二人がヤマトに同行しているのは単に現状環境では単独行動は可能な限り避けると言うヘビクラ隊長の方針、及び他のメンバーはグランギニョル社からの別の仕事を受けているのが理由である。
「それでこれから【魔王城ダブルツインマークIIセカンド】に向かうんすね。……ヤマトの推理だと“潜航したヒュージ入り地下シェルターが出て来る可能性のある場所“って事で調査しに」
「推理と言える程のモノじゃないですね。単に地下シェルターに例の【アマラコンピューター】が使われているから、同型機が発生原因である異界の【魔王城ダブルツインマークIIセカンド】に出現する可能性があるんじゃないかって言う想像ですし」
「まあ今の所グランギニョル社の方でも人手が足りない事もあって痕跡を追い切れてないみたいっすから、手掛かりがありそうな所を手当たり次第に探すしかないっすね。実際【魔王城ダブルツインマークIIセカンド】に出る可能性は無くはないっすし」
「……ところで異界の名前がそれだと気が抜けるんだが」
「「いやだって安価は絶対だし」」
そんな気楽な雰囲気で冗談を言いつつ、けれども準備は念入りにしてから彼等は調査と自分達のレベリングを兼ねて異界【魔王城ダブルツインマークIIセカンド】へと向かって行ったのだった。
あとがき・各種設定解説
ヤマト&アオビト:写せ身は依頼中に命乞いしてきた悪魔から巻き上げた
・装備もまともに付けられないし今流行りの宝石による強化も人間ではないから乗らないので、今後の展開を考えていつも通りに悪魔合体や写せ身合体を駆使して自己強化を図ろうとしている。
・まあナホビノだから基本ステータスが普通の人間とは比べ物にならないし、成長時にある程度ステータス配分を弄れる(真5のレベルアップ時ボーナスポイント)ので今はサマナーとして死なない為に『体』重点ぶりで少しは『力』にも振ってる。
・ハヤタロウとイズンはメタ的には真5初登場悪魔で専用スキル持ちなので採用しており、レベルが低いが直接戦闘以外のスキルを写せ身合体して便利度を上げている。
ヘルヴォル&グラン・エプレ:割と学生生活を満喫してる
・どっかの13裏とかと違って崩壊前の文明で普通の生活を送っていた経験がある者が多いので、何だかんだ言っても普通に学校生活を送れるのが嬉しい事に代わりはない模様。
・当初は“戦わなければならない義務感”もあったけどレイドバトル時にDATメンバーから諭された事、そしてグランギニョル社から暫く学園で大人しくしていて欲しいと事情説明込みで言われたので素直に学生生活を楽しめている感じ。
・まあ学生デビルバスターとしても普通に活動しているし、グランギニョル社からの仕事(と言う名目だけど)である楓の護衛の役目もある事も学園で大人しく生徒をしている理由ではある。
・ちなみにこの後叶星は普通に園芸部に入部して、恋花はファッション部にでも入ろうかと思ったらいつの間にかラーメン研究会に入っていたとかいないとか。
読了ありがとうございました。
ナホトラマンのスキルは写せ身合体枠+嘗て神造魔人シリーズを習合した事による習得や自力での獲得枠という感じに若干変更。まあシナリオ部分に影響はない感じでちょっと減らして分かりやすくした。