真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~ 作:貴司崎
『……では早速ですが検証作業を始めましょう。まずはマガツヒスキルについてですね』
『一番代表的なのが【禍時・会心】という全ての種族で使えるマガツヒスキルの様ですが、これは物理・魔法問わず全ての攻撃に
『ではどんなスキルでもクリティカルが発生するのか検証しましょう……とりあえず物理魔法問わず一通りの属性魔法に各種武器種のスキル、後は合体魔法や100%属性を含む特殊な攻撃スキルでも検証してみましょう』
『攻撃アイテムも検証の必要がありますね。後はどれだけの人数を対象に入れられるかの検証とかも』
『パーティー全体に対応するので数を用意すれば
「は、はい!」
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『ふむ、どうにか3日以内に終わりましたね。とりあえず物理魔法万能は当然として、100%や合体魔法にすらクリティカル効果が確認出来ました』
『まあ合体魔法の方は全員が効果範囲でないと機能しない様でしたが。……それよりも思ったよりマガツヒゲージを溜めるのに手間が掛かりますね』
『悪魔を倒せば一応のゲージは溜まるみたいですが割合としては一匹につき約1%と非効率ですね。だからといって人間を痛めつけて手に入れる訳にもいきません』
『マガツヒは人間の強力な負の感情によって変異・精錬されたマグネタイトだと言われていますが、まだまだ分かっていない事の方が多い物質です。観測する方法も現状限られていますし』
『人間の場合はマガツヒを吸収した時に通常のマグネタイトと比べて精神に負荷が掛かる様ですね。逆に悪魔だと活性化する様ですが……彼の様なナホビノや魔丞は周囲のマガツヒを詳細に感知出来る様ですがね』
『とりあえず多数の人間が犠牲になって出来た異界などを回ってみましょうか。そういった場所であればマガツヒが多いかもしれませんし、彼ならその辺りも感知出来るでしょう。そういった場所で悪魔を倒すのならゲージ回復の効率が良いかもしれません』
「お、おう……が、頑張ります」
『一応マガツヒ濃度は大雑把程度に感知出来るが、流石に異界に入らないとな』
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『古戦場跡や廃病院、後は事故によって多数の人間が死亡した後に出来た異界では確かにマガツヒの濃度は多かったですが、それでもそれ以外の異界よりは多少多い程度でこの前の裏闘技場にすらマガツヒ濃度は大きく劣る程度の様ですね』
『やはりマガツヒが通常の環境で放置されるとマグネタイトに戻る、或いは継続的に人間に苦痛を与えられないと発生しないなどの仮説が立ちますかね』
『或いはボルテクス界や魔丞が作るマガツヒの多い異界など特殊環境でないと発生や維持できない、又は効率が大きく落ちるとかですかね。やはり観測手段が完全に確立出来ていないのが問題ですか。マグネタイト感知の応用で作ってはいますが』
『次は【禍時・適性*1】の検証に入りたかったのですが。悪魔や人間によってそれぞれ得意属性に違いがあるというのは経験則や合体時のスキル継承傾向などによって感覚的に分かっていましたが、これはそれを明確に数値化できる代物ですしね』
「適性って自分のとか契約した仲魔のものは全部分かる*2んですけど、アナライズとかで分かりませんか?」
『【万里の眼鏡*3】があれば悪魔の適性まで見れる筈だが』
『普通のアナライズならそこまで分からないですし、アナライズ能力があるアイテムは存在しますが【万里の眼鏡】と言うアイテム名は聞いた事もないですね』
『邪教の館で時間を掛ければ仲魔の適正まで解析出来るとは聞いてるが。後は自分自身であれば適正が分かるのだったか?』
『成る程、彼の主観でアナライズすれば相手のステータスや適性は全て見破れる様になっている説ですか。とりあえずヤマト君達にアナライズが出来るアイテムを渡して実験してみましょうか』
『とりあえず検証班と伝手のあるデビバス、それとマガツヒ集めついでに悪魔をアナライズさせればいいですね。軽く
「おおう……や、やってやりますよ!(ヤケ)」
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『アナライズアイテムでも普通のアナライズと同じ結果しか出なかったが、契約した悪魔の能力は問題なく分かったのだから適性についての調査は出来たか』
『ふむ、やはり悪魔だけでなく人間にも適性はあるみたいですね。個人でスキルの性能が違うのはステータスだけでなく適性も影響していると思われます』
『人間は基本的に得意の属性の適性が高い傾向にありますね、当たり前かもしれませんが。適性が高くなると消費MPが減って威力や効果も上がる様です』
『ヤマト君は仲魔のスキルの消費MPもおおよそ数値化出来ているので、適性による消費MP自体は分かりやすいですし大体貰った資料通りになってそうです。最も現状最大値の+9適性持ちがいないのでおおよそですが』
『最大値の+9で約50%〜60%威力上昇、消費MPは40%減の様ですね。補助や回復の適性は何故か+5までなのですが消費MPの最大軽減値は同じの様です。この資料によれば』
『ただ威力の上昇などはステータスの上下とか他にも色々と要因が関わってくるので確認が面倒ですね。消費MPもヤマト君のアナライズ頼りで、しかも消費アイテムを使えないと』
『他に合一神がいないので偏った情報になるのは仕方ないですね。まあヤマト君の身体が一つしかないので今はwikiに乗せられるマガツヒスキルの検証を優先しましょう。例の魔丞連中の事もあって要望が多いですし』
『彼が現状契約出来る仲魔の数は6体のみで悪魔合体も専用の術式を同志である悪魔合体士やアルカニストに頼んで構築中。……ですが悪魔会話と契約交渉自体は可能ですし、契約した悪魔には一時的に他のサマナーが持っているCOMPに入って貰えば問題ない様ですし」
『契約をその身で行うせいかCOMPによる契約などは重複現象が起きて彼自身には使用不可能でしたが、それなら契約交渉だけやらせて悪魔の保持は別の人間が、その上で必要に応じて契約する悪魔を入れ替えれば良いのです。契約解除は任意で出来る様なので』
『これで他のマガツヒスキルの検証も捗りますね。ただやはりマガツヒゲージの充填速度がネックですが。どこかに都合よくマガツヒが溢れてる異界なんて無いんでしょうか。魔丞でごく稀にそういったものを作れるヤツがいるらしいですが』
「それも多くの人間を拷問に掛けて漸くなのであまりそんな所で検証はしたくないですね。ようやく検証作業が楽しくなってきたのに(死んだ目)」
『おやおやおやおや! やはり君には「資質」があった様ですねぇ』
『愛です、愛ですよナナチ』
『少年……』
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『私は頑張る人間を“色々と”応援するのが好きなの。……でも今の地上レベル高すぎて私が応援出来る人間がいないのよねー。このままだと他の悪魔にやられるから助けてくれない?」
「じゃあ俺の仲魔にならないか? といっても殆ど合体要員に近いが」
『強くなれるならそれでもいいわ、貴方からはとても“頑張ってる”人間の匂いがするしね……ちょっと目が死んでるけど。鬼女リャナンシー、短い間だろうだけど今後ともよろしく』
『ウム、異界デ迷イコンダコノ子達ヲ外ヘト出シタカッタノダガ、弱リキッテイル今ノ私デハ何モ出来ン。故ニソコノ悪魔混ジリヨ、代ワリニコノ子達ヲ外ヘト出シテクレナイダロウカ? 対価ハコノ身グライシカナイガ』
「この子達を送り届けるなら当然引き受けよう。対価に関しても貴方の様な誇り高い神獣が仲魔となってくれるなら十分に過ぎる」
『力ヲ失ッタ私ニソコマデ言ッテクレルトハナァ。……神獣マカミダ、コンゴトモヨロシク』
『チョット待ッテクレ! 俺ハソノ子達ヲ襲ウ気ハ無イゾ!!!』
「いやさっきから鬼系ばっかり襲って来るし」
『アイツラトハ別ニツルンデ無イカラ⁉︎ ……俺ハ今ノママデイタク無イカラモット強クナリテェンダ……』
「じゃあ俺の仲魔になるか? 基本的に合体要員か検証材料だが。頷かない場合は倒すけど」
『選択肢ネェジャン⁉︎ ……マアイイヤ、コンナシケタ異界カラ出テ強クナルチャンスダ。妖鬼オニ、コンゴトモヨロシク』
「ヒーホー! ヘイそこのお兄さん! オイラを仲魔にしないかホー!」
「なんだいきなり」
「オイラは最近フロスト業界で噂の、人間と一緒に大活躍してるっていう戦隊ファイブなフロストやライ・ライホーなフロストやデモニカ鬼軍曹なフロストみたいなビッグな男になりたいんだホー!」
『いきなり自分語りが始まったな』
「それで頑張って修行して【ジャックブフーラ*4】とか覚えたんだホー。……でもそろそろ伸び悩みを感じてきたから、ここは先に活躍してるフロスト達に習って人間の仲魔になろうと思ったんだホー」
「まあ仲魔は募集中だから構わないんだが……俺が知ってるフロスト派生は、特殊合体でキングフロスト経由からのジャアクフロストぐらいなんだが」
「ビッグになれるならそれで良いホー! むしろフロスト上位進化知ってる人間?なら当たりだホー! 妖精ジャックフロスト、コンゴトモヨロシクだホー!」
「……ほうほう、なかなか面白い相をしておるな。どれそこの若者や、ワシを仲魔にせんかの?」
「え? また仲魔入り希望?」
「悪魔であれば無意識の内にお主には惹かれる事も多いじゃろう。何せかつて自分達が失った『在り方』をしておるからな。……さて、ワシは……今は地霊コロポックルじゃな。既に忘れられた古き土地神としてこのまま朽ちるぐらいならと声を掛けたが、どうする?」
「今は絶賛仲魔募集中だから、仲魔になりたいなら歓迎しよう」
「では通例通りにコンゴトモヨロシクじゃ」
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『これでいくつかのマガツヒスキルのデータが取れましたね。流石に破壊神・魔王・邪神などの高レベルが殆どの種族のデータは、そもそもヤマト君のレベルの関係で難しそうですが仕方ありません』
『元々のヤマト君の仲魔である外道スライム、幽鬼ガキ、凶鳥オンモラキ、邪鬼トゥルダク、妖獣バイコーン、堕天使アンドラスの他にも、低レベル(比較的)の異界で鬼女リャナンシー、神獣マカミ、妖鬼オニ、妖精ジャックフロスト、地霊コロポックルと契約して貰ったお陰で、そのマガツヒスキルのデータが集まりました』
『彼の契約によってレベルアップした悪魔合体新たにスキルを獲得したデータとかも取れましたね。マガツヒが集めにくい関係上、マガツヒスキルを使用出来る回数も制限があるので殆ど効果確認だけとなりましたが』
『マガツヒゲージ溜めるのにも仲魔の契約数を増やすにも『神意』というものが重要らしく、それを解放するには『御厳』が必要との事ですが……肝心の御厳というのが一体どういうモノか分からないのでは検証が出来ませんね。魔丞を倒せば良いらしいですが手頃な相手が見つからないですし、魔丞撃破報告でもそれらしいモノは見つかりませんし』
『やはり彼の悪魔合体の実現と、彼の言う写せ身合体を再現する必要がありますね。元よりそういう契約内容ですし、そろそろウチの新入隊員返せとジャグジャグ隊長から言われてますから』
『まあレベルも上げましたし、戦力強化して返せば文句はないでしょう。正直言ってマガツヒスキルなど十分過ぎるデータが取れましたしね。……では後日最後の検証として悪魔合体と写せ身合体の実験を行うので、渡した普通の悪魔合体及び写し身合体に関する資料は読み込んでおいて下さい』
「…………はーい(死人顔)」
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「……いやぁ、検証班の手伝いをやってから色々な事があったなぁ(ウルトラ総集編回想感)……正直言って合一神になっていなければ過労死してた」
『まあお陰でレベルが一気に上がったが……マガツヒゲージを溜める為だけに悪魔を狩り続けたからな』
「悪魔を狩ればマガツヒゲージが1%弱溜まるのが悪い」
\カカカッ/
| 合一神? | 八坂ヤマト/アオビト | LV38 | 電撃無効 破魔耐性 衝撃・呪殺弱点 |
元々のアオビトがレベル99で霊基の殆どが破損・喪失した現在でも『拡張された器』自体はそのままだから、悪魔を倒してマグネタイトを得るだけでレベルはバンバン上がっていく。少なくとも現在の異界の平均レベル程度までならあっさりだ。
……生体エナジー協会でMAG買う案もあったがDATや検証班にあんまり負担を掛けたくないし、何より俺自身の戦闘経験を積んで鍛えた方がいいだろうと思ったしな。アオビトも『少年側の魂を鍛えずにレベルだけ上げると主導権が俺に寄り過ぎる可能性がある。そもそもナホビノはマガツヒを単に集めただけではマガツヒゲージかHPMPが回復するだけだからな』と言ってたし。
『まあ、マガツヒスキルに関して俺でも知らなかった情報が得られたから、そちらの分野でも十分に収穫が得られたと言えるが。【会心】の最大適応人数など共に戦うのが仲魔とだけで主に一人で戦っていた俺は意識しなかったからな。精々ベテルの戦友一人二人と共闘する程度だった』
「八回かけられるバフとかと【禍時・漲力*5】を組み合わせるとかな。強化倍率が酷い事になった」
『俺が使っていたバフは2回までで最大40%強化だったから*6、イマイチ強さを実感出来なかったが。……しかし、wikiに乗せるのは主に
「流石に魔丞連中が使ってきて知られてるマガツヒスキルはともかく、未だに分かっていない事も大きく公開すると悪い影響の方が多いだろうナホビノ関係に関しては今は秘匿だってさ。……情報管理がガバすぎるとめっちゃ注意されて、情報の扱い方も検証ついでに叩き込まれたっけ」
どうも俺には一度信用出来そうと判断したら情報を全ブッパしてしまう悪癖があるらしく、この業界では余計な騒ぎを起こさない為に自分の持ってる情報がどれだけ重要で周りに影響を及ぼすのかを考える必要があると検証班の人達に言われたからな。
なんだかんだで情報の扱い方に関してはプロな彼らの説明は非常に分かりやすく、自分がどれだけ危険な事やってたのかを理解して反省する事になった。これは原作知識(?)なんて墓まで持っていった方がいいかな。
「……あんまり日常の事とか話さなかった両親が事故で死んでから、後は小さい頃に隠し事で友人と喧嘩した時とかの事が原因で“信用出来る人には嘘をつかずに包み隠さず話そう”って思考になってるっぽいな。気をつけないと」
『俺も友人が考えている事や思っている事を聞かなかったから最終的に殺し合いになったという感覚があるからな。……常に戦い漬けだった所為で業界の常識にも疎かったから、これからはその辺りも意識していこう』
やっぱり悪魔業界はただ戦えば良いってもんじゃないんだな。検証班や調査依頼もやってるDATもそうだし、今後はもう少し頭を使う事を意識しないと。脳死戦法はダメゼッタイ!
……そんな事を考えつつも、俺は検証班の人達から貰った『よく分かる悪魔合体・写し身合体について』の本を読み終わったので一旦閉じた。
「悪魔合体の方は大体分かったが、写し身合体の概念自体は既に存在しているんだな。デビルシフターやペルソナ使いなど一部の特殊な異能者が悪魔カードからスキルを自分に写し取って習得する技術と。……確かにナホビノの『写せ身合体』も同じモノっぽいが」
『俺が経験した『写せ身合体』は自分の“写せ身用のスキル枠”に写せ身からスキルを移し替えて、その中のスキルが一定以上習熟すれば“自分のスキル”として習得出来るものだったな。まあ写せ身スキル枠は写せ身さえあれば好きに入れ替えできたが、自分のモノにするには相応の修練や適正とかも関わる制限があったが』
俺の知ってるモノとは違うがそこはゲームと現実の差かな。悪魔はともかく人間にはゲームみたいなスキル習得数制限がないっぽいし。
ちなみに今の俺達の写せ身用スキル枠は【神の技数*7】がないので四つのみ、スキル取得に関しても霊基の損耗があるせいか出来るかどうか分からないとの事。
「まあそれでも使えるスキルがジオオンリーの現状よりは遥かにマシだから、明日の悪魔合体及び写せ身合体が上手くいってくれるとありがたいんだが」
『かつて俺が邪教の世界で経験した合体の感覚が役に立つかもしれんと言われているから出来る限り努力するつもりだ。とりあえず鍵盤を1日に何十回も引き鳴らせばいいんだろう?』
その手の毎回やるシーンムービーは最初以外スキップしてたなぁ……なんて事を考えつつも俺は久し振りに充てがわれたベッドでグッスリと眠る事が出来たのだった。ナホビノになって一週間貫徹でも死にはしないんだけど、それはそれなのだ。
あとがき・各種設定解説
ヤマト&アオビト:総集編ネタという名のダイジェスト
・情報管理に関しては普通ならある程度融通を効かせられるのだが、親しい仲になると『全ブッパ』か『墓まで持ってく』の両極端な判断しか出来ない悪癖がある。
・かつてのアオビトの写せ身用スキル枠は自由にスキルを移し替えたり消したりする事が出来たが、完全習得したスキルは消せないので有用なスキルなどを覚える様にしていた。
・相性から写せ身の中でも継承しやすいモノやスキルがあったり使い込んでスキルの扱い方を理解すれば習得しやすくなる様な事もあり、嘗ては写せ身のスキルをセットして熾烈な実戦で使い続けて馴染ませる事で多数の強力なスキルを運用出来ていた。
・尚、普通のナホビノは取り戻した本来の“神霊”としての力に由来する強大なスキルを使用出来るのだが、かつてのアオビトと今のヤマトはどちらも『神造魔人による人間を主体としたナホビノ』なのでその手の力は使えないが、その分の容量を使って人間特有の様々スキルの習得が写せ身合体によって可能になっている……のではないかと彼等は考えている。
読了ありがとうございました。
次回はメガテンの醍醐味である『悪魔合体』の時間だ! これ出来ないと主人公が地獄環境を生き延びられないからな!