真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~   作:貴司崎

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魔王城の決戦(前編)

 不審な点が見えたと言う【魔王城ダブルツインマークⅡセカンド】のボスと思われる悪魔を倒し、その原因を調査する為にDAT隊は異界内部にある【シン・魔王城(仮)】へ突入した。

 道中に出て来るレベルの高い悪魔もその能力を熟知しているヤマトはプレスターン式【ヤブサメショット*1】連打からの連続攻撃で抹殺し、暴風による強制移動ギミック【突風陣】も過去に同じギミックを突破した経験と事前にwikiで得ていたデータとアオビトの突風陣の位置が表示されるマップ能力で正解ルートを導き出してヤマトが見本として先に突破、その後に他のDATメンバーが続く形でスムーズにクリアしていた。

 

「……これが魔王の間(仮)の扉ですか。確か部屋の中に入ったら直ぐにボス戦が始まると。……じゃあとりあえず【マッスルドリンコ*2】を限界まで飲みますか」

「ボス戦前にHP二倍マッスルドリンコは嗜みだからな。ヤマトも大分二倍ギリギリを見極めて服用するのに慣れて来たか」

「前の世界では効果がHP三割り増しで効果時間も短いから戦闘中に使わなければならない上に状態異常デメリットがあるタイプ*3か、効果がなんかランダムなハズレ枠*4しか手に入らなかったので」

「実質日本全体が受胎だから崩壊世界出身みたいなもんだからアイテムの質も下がってるのかね。今の世界はこの辺りのアイテム類の生産が維持できているから」

「それもアイテムや武器防具の生産系スキル持ちのブラック労働によって成り立っているのだがな。古巣の刀鍛冶の里やグランギニョル社の様子を見ると過労死しても蘇生されるから決して逃げられないブラック労働らしいぞ。……早期にバスターメインに転職してDATの専門技術者になって正解だったな。比較的仕事が少ないし趣味に時間も使える」

「でもこの前ミツヒロの昔の知り合いな刀匠や魔匠から『お前も手伝えェェ!』『戻ってこいやァァァ!』みたいな怨念が籠った手紙が送られてこなかったかしら?」

「そんな物騒な呪いの手紙は読まずに焼却した(という事になっている)に決まっているだろう。最近は物騒だから郵便物にも気を使わないとなー(棒) そもそも俺はグランギニョル社で技術開発の手伝いとかもしてるから普通に忙しいし」

 

 そんな雑談をしつつもテキパキとアイテムの確認やボスの情報の見直しなどを行うチームDATのメンバーは、一通りの準備をした後に最後の作戦の確認を行なった。

 

「さて、今回の作戦名は『ウルトラマンを援護せよ!』だ。……まあ、メインの戦術はヤマトとその仲魔達によるプレスターンバトルであり、俺を含む他のメンバーはその邪魔をしない範囲でアシストに徹する*5。それ用の訓練は積んできたからやれるな」

「でも、プレスターン支援特化だと私達は手番(ターン)ごとに行動できる回数が制限されるし、使えるスキルも限られるから手数が減るのよね。まあ呼吸を上手く繋げれば“強力な集団攻撃”が出来るんだけど、普段ならプレスターンじゃなくて数で押していく方が良いんだけど……それが出来ない可能性があるのよね?」

「ああ、先に戦ったデビバス達から直接詳しい戦闘の状況を聞いた際に『こっちが大体四回ぐらいしか行動出来なかった』『それ以上動こうとすれば機先を制されて敵のターンになる』と言っていたからな。……恐らく“プレスターンバトルを強制して来る”タイプのギミックボスだと推測される以上、下手に数で押したらまともに行動出来ん可能性が高い」

 

魔王の間シーン効果・オリジナル

ダアトが再現された疑似ボルテクス界の残滓による影響で高濃度のマガツヒが満ちた特殊な異界空間。

異界を収めるボス悪魔にはマガツヒが供給されるのでMPは無尽蔵に使用可能。

この場所での戦い方は凡ゆる条件を無視してプレスターンバトルが強制される。

お互いに使えるプレスターンアイコンの最大数はボス悪魔が運用出来る数(此処では4つ)までに強制される。

嘗ての世界で“■■■の■”と呼ばれたサマナーの限定的な再現で戦闘経験値や???によって???

 

 そう、この魔王城ダブルツインマークⅡセカンドのボス部屋にはプレスターンバトルを強制させる特殊な効果が発揮されており、更に互いの一回の手番(ターン)ごとに四度の呼吸(プレスターンアイコン)までしか行動出来ない制限が課せられているのだ。

 例え10人以上で押しかけてもプレス式で四度の行動を終えれば(4つのアイコンを消費すれば)強制的に相手の手番となってしまうので数で押す事は困難であり、先に挑んだ異界攻略組の修羅勢が敗北したのもボスが強かっただけでなく機先の奪い合い(プレスターンバトル)に慣れておらず、それを強制されたからだと言うのが大きい。

 

「まあ一流の指揮官なら敵も味方も自分が最も得意とするバトルスタイルを強制しながら戦う事は可能であるし、ボス悪魔のギミックってして戦い方に影響が及ぶのも無くはないしな。ヤマトもそういう事が出来たんだろう?」

「条件さえ整えばどうにか。一応昔は高濃度のマガツヒに満ちた空間でレベルが相手より上回っているなどの条件を満たせば、葛葉ライドウ(黛冬優子)が使う前転やらガードやらの呼吸を読んで機先を奪って行動を制限するぐらいは出来ました。……まあそこまで状況がこちらに優位でようやく出来るぐらいに難易度高いので、いつでも狙ってやるのは困難ですけど」

「要するに此処のボスもプレスターン戦闘を強制してくる、更に数を用意してもまともに行動出来ずに機先を奪ってくるギミック持ちの可能性が高いって事っすね。特殊なギミックは無いって掲示板で言ってたじゃ無いっすかー」

「特殊なギミックは無い(無いとは言っていない)って事だろ。よくあるよくある。プレスターンは“機先を制する”のがキモだから相手に強制しやすい戦い方ではあるしな」

「単にプレスターンバトルをしてくるだけだから特殊でもないと言い張れるかもね」

 

 つまり確定クリティカルや弱点埋めを行ってプレスターンバトルに特化させたボス悪魔に対し、それと同じ条件で戦って勝たなければならないというギミックであり、それ故に数で押しても機先を奪われて一方的に相手の手番になりかねないのだ。

 

「まあ情報が集まれば裏をかく方法ぐらいは幾つも出てくるだろうが、まだ調査段階なので正攻法でこっちもプレスターン戦闘を行う方がいいだろうって事だ。幸いにもウチには高濃度のマガツヒ空間でのプレスターンの専門家がいるからな」

「マガツヒが溢れる空間でプレスターンバトルを行うのであればそれなりに自信があります。少なくともある程度の手の内が分かっているボスも相手なら十分戦えるでしょう」

「だからこそ私達はアシストに徹するって訳ね。普通に数で押すのは無理でもプレス式戦闘で味方と敵の手番変更の隙に行動を差し込むなら有効かもしれないと」

「ヤマトは俺達の中の一人を加えて5人でプレス戦闘も出来た筈っすけどそっちでやらないんすか?」

「ボスのプレスターン強制がどのくらいかはハッキリしてないからな。最初はヤマトが一番慣れてる『サマナーと仲魔三体』の戦い方をさせて様子見、そこからアシストが出来るかやプレス式の動きで人数を追加出来るかを戦闘中に確かめて出来そうなら動きを追加する方針で」

「「「「「ウィルコー」」」」」

 

 そうして準備を整えて方針を纏めたDAT隊はボスの合わせた仲魔【ガルーダ】【デメテル】【ケルベロス】を呼び出したヤマト先頭に、いざ魔王城ダブルツインマークⅡセカンドのボス悪魔が待つ部屋の扉を開いて中に入って行ったのだった。

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

「……やはり嘗て見た【魔王城】のボス部屋に良く似ているな。そしてアレが此処のボス悪魔と」

『室内の高濃度のマガツヒ充満を確認。嘗てのダアトや以前のボルテクス界に近いレベルだ』

「……………………」

 

 \カカカッ!/

魔王シュウLV89衝撃反射 火炎・氷結・電撃無効*6

 

 \カカカッ!/

邪神ギリメカラLV73物理反射 電撃・衝撃・破魔無効 呪殺耐性*7

 

 \カカカッ!/

堕天使アドラメレクLV75火炎・氷結・呪殺無効*8

 

 \カカカッ!/

地母神イシュタルLV72電撃・衝撃・破魔・呪殺無効*9

 

 ボス部屋にいたのは情報通りの悪魔達であり、どれもボス悪魔らしい非常に強い気配(マガツヒ)を漂わせている……にも関わらず、その表情からは一切の感情が浮かんでいない、まるで機械の様な無機質さを思わせるものだった。

 それを見て大凡掲示板などでの情報通りだと判断したDAT隊は直ぐにヤマト達を前衛とした陣形を整えて戦闘態勢を取った……が、ボス悪魔達は彼等が扉を開けた直後には既に行動を加速させて(プレスターン戦闘状態に入って)おり、ボスであるシュウとのレベル差もあって先行を奪取してしまう*10

 

「ッ! いきなりか!」

「【ヤブサメショット】」「【ランダマイザ*11】」「【ヤブサメショット】」「【ラスタキャンディ*12】」「【ヤブサメショット】」「【ヤブサメショット】」「【アギバリオン*13】」「【ヒュギエイアの杯*14】」

 

 そこから始まるのはプレスターンバトルの基本に則った連続攻撃。確定クリティカルかつ反射すらも抜ける貫通効果を持つ【ヤブサメショット】によって発生した隙(半プレス)に捩じ込むようにプレロマなどで強化された通常の攻撃やバフやデバフなどの補助行動を発動する連携。

 先行を取りつつ狭い室内であれば【ヤブサメショット】でも敵全体に攻撃が出来て、威力こそ低いがボスのステータスってクリティカルもあって魔王に挑むに値しない低レベルの雑兵は一掃。それに耐える強者に対しては強力な単体攻撃(アギバリオン)を、今回はサマナーであるヤマトに撃ち込みつつ補助行動を挟んで次に備えると言う恐ろしく冷徹で合理的な戦術であった。

 

「……まあ先手を取ったのなら“普通の戦い方”だな。貫通はライフで受ける」

『やはり手番を消費せずに強化が行えるのは素晴らしいな。特にデメテルの【防壁】のお陰で先手を取られても食いしばり系スキルを切らずに済む』

「戦いで行動出来ないなら自動効果でバフを掛けられるアナンタだけは召喚しておいたのSA!」

 

畏怖神意バトル開始時、敵全体にランダムに一種類の能力低下効果が掛かる。真5出典。

攻撃力低下が選択されていた。

エレウシスの祝福(劣化)自動効果スキル1ターン目開始時、連動効果「1ターンの間、味方全体はHP1500相当の防壁を得る」

自身が生存中、味方全体は次の効果を発揮「このスキルによる防壁を得ている時、すべての状態異常無効を得る」

D2出典。

無終なるもの自動効果スキル自ターン開始時、連動効果が発動「1ターンの間、味方全体の攻撃力・防御力・回避と命中を20%増加させる」

敵ターン開始時、連動効果が発動「1ターンの間、味方全体の攻撃力・防御力・回避と命中を20%増加させる」

D2出典。

大活脈自動効果スキル最大HPを大きく(+30%)上昇させる。真5出典。

ヤマトとアオビトが拡張されたスキル枠に最優先で入れてるスキル。

曰くコレを仲魔全部に付けないとダアトで百回は死んでると主張している。

 

 しかし、その怒涛の連続攻撃に対してDAT隊はヤマトの神意で攻撃力を下げて、更にヘビクラ隊長が召喚していたアナンタのスキルで味方の全能力を上げて敵のバフとデバフを相殺。

 加えて仲魔のデメテルが展開した防壁で攻撃を受ける事で受けるダメージを最小限に抑えて、ヤマトを狙ったアギバリオンも火炎耐性で凌いだ事で増強されたHPが削れる程度の損害に抑えていた。

 

「さて防壁のお陰で損害は最低限……こちらの手番か」【呪毒散布*15

 

 そして手番(ターン)が回ると共にヤマトは蓄積していたマガツヒを解放、仲魔であるガルーダの力を借り受けての能力減少と状態異常を齎す呪毒を敵全体に散布する。

 ……嘗てのダアトのボスは状態異常に非常に強い耐性はあっても完全に無効化出来る者は少なく、普通の状態異常スキルはほぼ弾かれるがこの確定で状態異常を齎すマガツヒスキルは効くケースが多かった。

 そしてこの異界には恐らく“ダアトの再現”に近い現象が起きていると彼等は考えており、故に昔と同じ様にボス悪魔達にもこのスキルであれば効く可能性がある、また嘗てと同じ様に効くかどうかを確認する意味でこの一手を行使した。

 

「…………!」【封技状態】

『敵ボス悪魔に呪毒散布の効果が通ると確認。嘗てのダアトにいたボス悪魔達と同じ様に状態異常は強耐性止まりだと思われる』

「推測は当たっていたか。さて」【Change(強化召喚)*16:ケルベロス→フツヌシ】

「了解しました。【ランダマイザ*17】!」

「それで私は【パス*18】ですわね」

「呼び出されたが先ずは手番を稼げと。【ヤブサメショット】!」

 

 その結果として敵全体に封技が通った事から推測が当たっていたと確認出来たヤマトは先手を取られる事を前提で物理・火炎・状態異常受けに出していたケルベロスをフツヌシと交代、その工程を行う途中から(チェンジの半プレスを使い)次のガルーダが敵全体にデバフを掛け、デメテルは行動せずに手番を譲られたフツヌシはお返しと言わんばかりのヤブサメショットで攻撃しながら敵の機先を奪う。

 そして嘗てのダアトで誰よりもプレスターンバトルに熟達した経験、及びその過程で編み出した仲魔(従属神)に意志を伝える権能を持って言葉もなく仲魔達に連携させて機先を制するヤマトは、この時点でこのボス部屋に掛けられた戦いの呼吸に対する制限を見破っていた。

 

互いの呼吸は四度(プレスターンアイコンは四つ)まで! 陣形はこのままを継続!」【天剣叢雲*19

「いつもの手番稼ぎですね。【ヤブサメショット】!」

「此処でようやくハーベストですの!【エレウシスの実り*20

「まったく、出来れば剣を振るいたいものなのだがな」【テトラカーン*21

 

 最低限の言葉で戦場の流れをDATメンバーに伝えたヤマトはそのまま稼いだ機先に自らの攻撃を差し込んで長大な光の剣をイシュタルに向けて振り下ろし、次いでガルーダが何時ものヤブサメで更に隙を作り、そこにデメテルの回復とフツヌシによる物理反射の障壁が差し込まれて彼等の手番がようやく終わった。

 ……そのタイミング、味方から敵へと手番が移り変わる刹那の隙に後方で待機していた他のDATメンバーの内二人の【アシスト*22】が差し込まれる。

 

「了解、最低限のバフだけアナンタに任せて補助デバフと攻撃重視。まずは【気合い*23】と」

「まずは一発撃ち込むっすかね。【アギバリオン】!」

 

 そうして動いたのはヘビクラ隊長とトモヤの二人、それぞれ気合を入れて次の攻撃に備えるのとCHARMにセットされた魔晶で強化された火球を回復役であづイシュタルに撃ち込む攻撃援護と言う一見対照的な行動を取った。

 ……そして二人の援護が終わった時点で敵に手番が移ると共にアナンタの【無終なるもの】によって味方全員の全能力が上がる。このスキルのバフは1段階20%上昇までが限界であり味方と敵の手番開始時に必ず発動するので既にバフが掛かっていても20%強化に上書きしてしまう欠点こそあるが、自動効果故に手番を消費しないのでバフはこのスキルだけに任せて最低限にして攻撃やデバフに集中する持久戦を戦術の一つする事でDAT隊は運用している。

 

(ダアト出のボスにはよく効いた封技ハメ、スキルが使えなくなってAttackしか出来なくなった相手に物理反射で構える分かりやすいハメ技。…………これで勝てれば楽なんだが)

 

 そう考えるヤマトであったが此処までの攻防から目の前のボス悪魔の動きが()()()()()()()()()である事に気付き、もしも予想通りこのボス達が嘗てのダアトでの“彼奴ら”の戦い方を再現しているなら全員を【封技】にした程度では終わらないとも思っていた。

 

「……」【道具使用→アムリタシャワー*24

「そう上手くは行かないか。しかも道具まで使って来るとは聞いてないぞ」

 

道具の知恵(偽)仲魔がバトル中にアイテムを使える様になる。真5出典。

同名の神意を再現する形で【魔王の間】に“ボス悪魔が幾つかのアイテムを使用可能となるシーン効果”として追加された。

溢れるマガツヒ(偽)ターン開始時、味方全体のHP・MPが小量回復する。真5出典。

同名の神意を再現する形で【魔王の間】に“ボス悪魔の手番開始時にHPが少量回復するシーン効果”として追加された。

 

 その予想を裏付ける様にシュウはボス悪魔であるにも関わらず徐に懐からアイテムを取り出して、当然の様に使用して敵全ての状態異常を解除し、同時に部屋に満ちるマガツヒが流れ込んで敵ボスが受けたダメージを自動で癒してしまう。

 

「この気配、そして悪魔の動きはやはり……!」

「……」【道具使用→除霊の札*25

「【パス】」

「【メディラマ*26】」

「……」【シュウは周囲のマガツヒを集めた!】

 

 更にギリメカラも普通にアイテムを使ってデバフを解除し、次のアドラメレクはあっさりパスで自分の手番を放棄してそれを受けたイシュタルがチャージ効果付与の回復魔法でHPを回復させつつ増強、再度手番が回って来たシュウは攻撃せずにマガツヒを集めてマガツヒスキル使用可能状態になった事を示すオーラを纏って手番が終わる。

 ……その『仲魔にも当然の様に道具を使わせ』『HPの回復と増強を最優先とし』『パスを駆使して仲魔の手番を操作するプレスターンバトル』のやり口を見て、ヤマトは過去のダアトの“誰”が再現されているのかを確信した。

 

「……やっぱりダアト時代の“俺達の再現”だよなコレ」

『プレスターンの呼吸の繋ぎ方や機先の奪い方がほぼこちらと同じだからな。完全な再現ではなくあくまで戦い方やスキル構成の一部が反映されているだけだろうがな。……以前のダアトが再現されたボルテクス界の残滓といった所か』

 

魔王の間シーン効果・オリジナル

ダアトが再現された疑似ボルテクス界の残滓による影響で高濃度のマガツヒが満ちた特殊な異界空間。

異界を収めるボス悪魔にはマガツヒが供給されるのでMPは無尽蔵に使用可能。

この場所での戦い方は凡ゆる条件を無視してプレスターンバトルが強制される。

お互いに使えるプレスターンアイコンの最大数はボス悪魔が運用出来る数(此処では4つ)までに強制される。

嘗ての世界で“ダアトの王”と呼ばれたサマナーの特性を限定的に再現している。

ボス悪魔の戦闘経験や本人が現れる事によって再現精度が上昇する。

現在ダアトの王の転生体であるヤマト/アオビトとの戦闘が発生したので以下の効果が追加された。

・ボス悪魔は幾つかのアイテムを使用可能。

・ボス悪魔のターン開始時にHPが少量回復。

・ボス悪魔のマガツヒスキル運用能力向上。

 

 その予想通りこの【魔王城ダブルツインマークⅡセカンド】のボス悪魔はダアトで(前世)のヤマト/アオビトの戦い方やスキル構成が限定的に反映された再現体であり、異界の発生原因である“ダアトを再現したボルテクス界”の残滓によって異界の影響を最も受けるボス悪魔が変質したモノである。

 ……嘗てのダアトと呼ばれた世界に最もその存在を刻み付けたのは間違いなく熾烈な蠱毒を勝ち抜いて“ダアトの王”となった前世の彼等であり、故に僅かな過去の再現の残滓が反映しやすい情報として彼等が選ばれるのは不自然ではない。

 

(……過去は何処までもついて回るな。だが“過去の自分達の再現”なら次の手も読みやすく対応は十分可能……前世の自分の負債はきっちり始末を付けておかないと)

「次に大技が来るので防御優先!【ヤブサメショット】!」

「了解ですサマナー。【雄叫び*27】!」

「回復する人もいないので交代ですわー」【Change(強化召喚):デメテル→カーリー(攻撃力上昇)】

「つまりいつも通りか。行け剣軍よ」【ヤブサメショット】

 

 未だに付いてくる過去(前世)に内心辟易しつつもヤマトはDAT隊に大雑把な方針の伝えながら一切の澱みのないプレスターンの動きで機先を奪うための光弾を放ち、それで出来た隙にガルーダが雄叫びを上げて敵の攻撃力を下げ、次のデメテルが多腕の鬼女【カーリー】に交代した直後フツヌシの周囲に舞う刀剣が敵全体に降り注いだ。

 

「次にマガツヒスキル撃ってくるだろうから死なない事優先で万能を防げるヤツをっと」【神奈備ノ守*28

「私も守りを固めます」【防御(Guard)*29

「さぁ! 斬り刻んであげるよぉ!」【朧一閃*30

「そして我はまた物理反射結界だな。まあ戦場の常道ではあるが」【テトラカーン】

 

 そうして敵の動きが乱れた所に攻める……事はせず、機先を制して得た手番をヤマトは防御結界を張りガルーダは防御、更に呼び出したカーリーにはイシュタルを殴らせつつクリティカルで隙を作り、そこにフツヌシの物理反射結界を展開させ達。

 カーリーの物理攻撃力強化(物理プレロマ)が乗り低い命中率を命中強化スキル重ね掛け(竜眼と千発千中)で補った単体物理最強格の一閃だったが、全員が【大活脈*31】を習得していてボス悪魔としてタダでさえ多いHPが更に増幅しているイシュタルには多少の傷しか与えられていなかった。

 ……まあ“自分がボス悪魔運用するなら当然HPは増強する”と読んでいたヤマトに特に動揺はなかったが。

 

「あの加速状態なら差し込めるのは2手って所かしら」

「互いのプレスターン速度が速いからそれ以上は無理か」

「ふむ、じゃあ増強されてないカーリーに【マッスルドリンコ】を投げて他は防御」

「援護で差し込める行動数は決まっていても、差し込まないなら全員動けるっす」【アイテム使用→魔反鏡*32

 

 そして援護するDAT隊もヘビクラ隊長がHP増強が掛かっていないカーリーにマッスルドリンコを使って備え、トモヤもアイテムで味方全体に魔法反射を付与した所で身体からマガツヒを溢れさせる敵に手番が回った。

 ……マガツヒスキルの中で最も良く使われる【会心】は使用後のスキルが属性全体攻撃になるパターンが多く、それに対応する為の物理・魔法反射状態付与であった。

 

「【禍時:会心*33】【メギドラオン*34】」

 

 だが、マガツヒを解放して自分達を会心状態ってしたシュウが放ったのは最高位の万能属性魔法、本来この軸(真5式)のシュウが覚えない魔法ではあるが以前に戦ったデビルバスター達から“自分達ガルーダ使う貫通では突破出来ないテトラカーン・マカラカーン“の存在を学習した結果、それに対応する為に新たに獲得したのだ。

 そして【禍時:会心】であれば万能属性魔法にも会心を付与可能で、反射結界を使う相手には防げない万能魔法によるクリティカルを起点としてのプレスターン式連続行動を行う戦術で叩き潰す為の手札であった。

 

「……まあ当然万能は用意するよな。だが適性のない万能一撃では落ちないな」

『幾らクリティカルメギドラオンでも攻撃力2段階低下で防御力1段階上昇の相手に撃っても殺しきれない。そしてガルーダが防御した以上マガツヒは散る』

 

マガツヒ散らし神意味方が敵攻撃を防御・回避・無効・吸収・反射した場合、敵全体の禍時:会心効果を終了させる。真5出典。

 

 だが、ヤマト達は『自分の再現であればダアトの1ターン単体相性上書きという微妙なカーン系とは違う反射結界を経験しているなら、万能魔法は準備してしている』と読んで、バフデバフと増強HPで凌ぎつつガルーダの防御を起点に敵の会心状態を解除する目的で防御を選択したのだ。

 

「【ランダマイザ】」「【メギドラ*35】」「【デクンダ*36】」「【メギドラオン】」

 

 だが会心状態が解除されてもボス悪魔達には動揺は見られず、更にクリティカルが出た事には代わりないので奪った機先を使ってギリメカラが敵の能力を下げ、アドラメレクが反射結界に防がれない万能魔法で攻撃し、イシュタルが攻撃力低下を解除、最後にシュウが再度のメギドラオンを叩き込む。

 ……以前のボルテクス界の残滓であるマガツヒの干渉で“過去のダアトの再現現象”の影響を強く受けたこのボス達はその影響で自我がほぼ無いが、それ故に何はあっても機械的に“過去のダアトの王の行動”をトレースし続けて最適解を打ち続けるのだ。

 

(さて、バフデバフ結界込みだがマガツヒスキル付きでも適正無しメギドラオン二発とメギドラ一発ぐらいなら【大活脈】とHP増強があれば仲魔でも防御無しでギリギリ耐えきれる、防御してれば確実と。……やっぱり会心付与からの万能プレスターン連打戦術して来たか。MP無尽蔵なら俺でもそうするし)

『だが、対策なく万能を連打されれば立て直しに手番を使い、その間に向こうも回復を行なってくる。恐らく敵の狙いは持久戦によるこちらのリソース枯渇狙いで、隙があれば一体でも落としてこちらの手数を減らすといった所か』

(HPが多くてMP無尽蔵でダアト時代のスキルしかない状況でこちらと戦う、この条件で俺ならそうするだろうな)

 

 しかし、そうくる事はある程度読んでいたヤマトが事前に打っていた対策もあって連続万能魔法攻撃を受けても防御している者達が無事、防御しきれない者は全員が【大活脈】などのHP増強スキルなどを有していたのでギリギリ耐えていた。

 そしてヤマトとアオビトは敵の手を予想しつつも肉体は加速し続ける戦場の呼吸(プレスターンバトル)に乗って速やかにカーリーとスラオシャを交代(Change)、そしていつも通りにガルーダが【ヤブサメショット】を撃って急所に当て、出来た隙で呼び出されたスラオシャが【メディアラハン*37】を使いフツヌシがもう一度【ヤブサメショット】を敵に撃ち込んで機先を制する。

 

(嘗ての俺の模倣であればルーチンワークを相手が死ぬまで繰り返す、誰もがやってる基本的で普通な戦術ぐらいしか出来ない筈。俺はナホビノでスペックが高い以外には戦術も仲魔構成も安全マージン優先の次善策がメインだし)

「攻撃デバフ優先、その時が来るまで今は耐える」【Change(強化召喚):スラオシャ→オーディン(防御力上昇)】

「分かっています」【雄叫び】

「ふむ、あの地母神を殴れと言った所か」【グングニル*38

「物理反射結界を使わねば死ぬからな」【テトラカーン】

 

 更にヤマトはスラオシャを引っ込めてオーディンを召喚、ガルーダが雄叫びを発して敵の攻撃力を下げ呼び出されたオーディンは即座に成すべき事を理解して手に持つ神槍をイシュタルへと投擲、最後にフツヌシが三度目になる物理反射結界を展開する。

 そ相手自分と相手の手番(ターン)が入れ替わるタイミングで後方に待機していたDAT隊により差し込まれる支援(アシスト)。まずヘビクラ隊長はすぐにヤマトの戦術が持久戦だと察して【チャクラポッド*39】を戦術の要(テトラカーン)であるフツヌシに使用、更にアンヌ副隊長がペルソナ【ラクシュミ】のスキルで【炎の壁*40】を貼ってアドラメレクの火炎を対策する。

 

(さて、状況は五分五分ぐらいか。ヤブサメショットが防げるのと他の隊員のアシストで手番では有利になってるが、フィールド効果と膨大なHPが厄介か)

『後は向こうが使えるアイテムがどの程度までかで勝算が変わるな。手の内が読めるから大凡使えるアイテムは予想出来るが』

(まあボス戦でやる事はいつもと変わらないさ、こっちが死なない様に気を付けつつ相手が死ぬまで殴る。プレスターンは一体でも落ちれば押し切られるからな。……それに状況を()()()()()()が無い訳でもない、相手が“嘗ての俺達”を再現しているのならな)

 

 そうして“嘗てのダアトの王”の再現たるボス悪魔と、その今世であるヤマト及びDAT隊の戦いはそれぞれが今打てる最適解を普通に打ち合うだけの『ごく普通の坦々とした戦い』を繰り返し続ける事になる。

 ……最もそれはボスとの戦いにおけるデビルバスターの基本故にお互いに単調な手を繰り返す事に本気で意識を集中させつつ、プレスターン式故に誰か一人でも崩れれば手番が削れて勝敗は決すると分かっているので全力で一手一手の行動を行なっていくのであった。

*1
敵全体に小威力の物理属性攻撃。相性を無視して貫通し、必ずクリティカルになる。真5出典。

*2
一時的に最大値を超えてHPを回復する。ただし最大値の2倍を超えると半分に減少し、毒などになる事もある。

*3
真5のマッスルドリンコ。戦闘中にしか使えずHPの上限を超えて回復出来るが増強度合い1.3倍まで、更に確率で魅了・幻惑・混乱が付加される。

*4
真3のマッスルドリンコ。味方単体に傷薬、宝玉、チャクラドロップ、チャクラポット、ソーマ、HPとMPを50回復のいずれかの効果。50%の確率でCLOSE、POISON、PALAYZEのいずれかの状態異常になる。

*5
真4Fのパートナーシステム。自ターン終了時に同行しているパートナーの内メインパートナーが援護を行なってくれる。

*6
真5シュウの耐性+スキル【火炎無効】【電撃無効】。更にボス耐性として全状態異常に非常に強い(真5ボス耐性)+即死無効。

*7
真5ギリメカラの耐性+スキル【電撃無効】【衝撃無効】【破魔無効】。更にボス耐性として全状態異常に非常に強い(真5ボス耐性)+即死無効。

*8
真5アドラメレクの耐性+スキル【氷結無効】。更にボス耐性として全状態異常に非常に強い(真5ボス耐性)+即死無効。

*9
真5イシュタルの耐性+スキル【衝撃無効】【呪殺無効】。更にボス耐性として全状態異常に非常に強い(真5ボス耐性)+即死無効。

*10
イベント戦闘では先行後行が自動で決まる場合がある。此処のボス戦闘では必ずボス側が先手を奪う仕様になっていた。

*11
3ターンの間、敵全体の全能力を1段階低下させる。真5仕様。ヤブサメショットで発生した半プレスを使って発動。

*12
3ターンの間、味方全体の全能力を1段階上昇させる。真5仕様。ヤブサメショットで発生した半プレスを使って発動。

*13
敵単体に特大威力の火炎属性攻撃。真5出典。ヤブサメショットで発生した半プレスを使って発動。

*14
自身に次に行うHP回復効果を上昇(1.5倍)させ、最大HPの上限を超えて回復する効果を付与する(最大1.3倍) 真5出典。ヤブサメショットで発生した半プレスを使って発動。

*15
凶鳥・霊鳥のマガツヒスキル。敵全体の全能力を3ターンの間一段階下げて、耐性のない状態異常を強力な方から付与する。神意【種族超越】で霊長のガルーダを召喚しているので使用可能。

*16
プレスターンアイコン半分消費で仲魔一体を控えの仲魔と交代する。神意【強化召喚】により呼び出された仲魔はランダムに一つ(今回は防御力が選択)の能力が上昇する。

*17
ソロネから継承した真3仕様。敵全体の攻撃力・防御力2段階低下、命中・回避率1段階低下。

*18
プレスターンアイコン半消費で次の者に手番を渡す。

*19
敵一体に力依存による特大威力の万能属性ダメージ。クリティカル時に威力が上昇する。真5出典で【万能プレロマ】による強化が乗っている。

*20
デメテル専用/味方全体のHPを上限を超えて回復する。真5出典。

*21
次の敵ターンの間、物理攻撃を反射する。真3仕様の1ターン持続するタイプで【パールの写せ身】より余り使わなかったデカジャの代わりに獲得。

*22
真4Fではメインパートナーのみが援護を行うが、本家様では二人以上がアシストしていた事もあったのです連携精度や使用スキルで支援人数が変更されると裁定。DAT隊の場合は2人まで援護が可能。

*23
次の物理攻撃力を2.5倍に強化する。真5仕様。

*24
味方全体の状態異常を回復させる消費アイテム。真5仕様。

*25
味方全体の能力低下を解除する。真5出典。

*26
味方全体のHPを中回復する。真5仕様でヒュギエイアの杯により回復効果増強及びHP増加回復。

*27
敵全体の攻撃力を2段階低下させる。真3仕様。

*28
次のターンまで味方全体に被ダメージを軽減する効果を付与する。真5出典。

*29
次の敵ターンで受けるダメージの軽減、状態異常の被付着率低下、クリティカルヒット防止の効果を得る。真5仕様。

*30
敵単体に特大威力の物理属性攻撃。命中率が低い(50%)代わりに必ずクリティカルになる。真5出典。【龍眼】【千発千中】で命中率上昇。

*31
最大HPが大きく上昇する。真5出典。

*32
1ターンの間、味方全体に魔法反射にする。真3仕様。

*33
味方全体に魔法も含む全ての攻撃技がクリティカルになる状態を付与する。真5出典。

*34
敵全体に特大威力の万能属性ダメージ。真5仕様。

*35
敵全体に大威力の万能属性ダメージ。真5仕様。

*36
味方全体の能力低下を解除する。真5仕様。

*37
味方全体のHPを全回復する。

*38
オーディン専用/敵単体に特大威力の物理属性攻撃。相性を無視して貫通する。真5仕様。

*39
味方単体のMPを一定量大回復する。真5仕様。

*40
3ターンの間、味方全体が火炎攻撃を吸収する。P1仕様。




あとがき・各種設定解説

DAT隊:プレスターン特化陣形『ウルトラマンを援護せよ!』
・予め過去の再現であるから自分の再現の可能性があるとヤマトはDAT隊に伝えており、更にヤマト達の過去の戦術や今の戦い方もこれまでの訓練や実戦で把握している。
・なので支援に徹すれば全員がベテランバスターであるDAT隊なら最適なアシストを差し込めるし、ヤマトが“何を狙ってるのか”も把握しているのでそれに合わせて動いている。

魔王軍(仮):ダアトの王の再現体
・正確に言えば異界のボスってして発生した悪魔が以前の擬似ボルテクス界の残滓的なマガツヒや御厳の影響を受けて変質したもので、過去のダアトの王の情報に合わせたスキル構成や戦術を披露してくる。
・シーン効果の【魔王の間】も過去のダアトの再現の影響でボス部屋に付与されたもので、ダアトの環境やダアトの王が良く使ってた戦術や能力・神意を参考に設定されている感じとなる。
・ただしその影響で自我が非常に薄くなっており機械的に“嘗てのダアトの王”の戦術をなぞるだけになっているが、そもそも前世のヤマト達に戦い方はスキル枠拡張で事故死しない様に準備を整えてプレスターンで殴るシンプルなモノなので余り問題は無い。
・加えてフィールド自体がボスの戦い方を強力に支援して敵の妨害を行うので厄介になっており、特にプレスターンの強制によって数や戦術の優位を取りにくくなっているのでプレスターンの専門家でないと厳しい戦いを強いられる。
・なのでマガツヒ空間でのプレスターンバトルの専門家なヤマトなら優位に戦える……のだが、彼が魔王の間に入った瞬間に再現精度が上がって敵が強化される罠があったりする。
・まあ以前の戦いでテトラマカラ対策にシュウが【絶対零度】の代わりに【メギドラオン】をセットしているので、神意【マガツヒ散らし】がないと【会心】からの万能クリティカルを起点として補助を挟む連続攻撃とかしてくるのでヤマトを当てるのが正解ではある。
・総じてボス悪魔としてのスペックは強力過ぎるスキルとか理不尽ギミックはないのでそれなりでしかないが、プレスターンに特化したフィールド効果とスキル構成で厄介さを大幅に増している感じになっている。


読了ありがとうございました。
ハイリスクハイリターンなプレスターンバトル強制ギミックボス、ただし敵はHP増強やセーフティやヤブサメショットなどのスキルを揃えてローリスクハイリターンにする構成なボス悪魔。ちなみにナホトラマンの戦闘スタイルも基本はそれ。
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