真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~ 作:貴司崎
ボス悪魔の四度目の
| メギドラオン | 万能属性スキル | 敵全体に特大威力の万能属性ダメージ。真5仕様。 |
| パス | アイコン半消費で自身の行動を終了し、次の行動者へ順番を回す。真5仕様。 |
| メギドラ | 万能属性スキル | 敵全体に大威力の万能属性攻撃。真5仕様。 |
| デクンダ | 補助属性スキル | 味方全体の能力低下効果を消去する。 |
| メギドラオン | 万能属性スキル | 敵全体に特大威力の万能属性ダメージ。真5仕様。 |
更にボス悪魔達は
次いでイシュタルが味方の能力低下を消去して、最後にシュウがバフとデバフが無くなった完全な威力の
「これがダアト時代から今の世界でも通じる最上位防御
『プレスターン戦闘で最も重要なのは“落ちず落とされない事”だ。仲魔が減るだけでも
| ボーナスポイント | 真5のナホビノはレベルアップ時に通常のステータス上昇以外にも力/体/速/魔/運のどれかに1ポイント振り分ける事が出来る。 ヤマトとアオビトも同じ事が可能でありレベルアップ75回中60回を“体”に割り振ったので現在の体ステータスは『110』。 “■を受け入れる器として作られた神造魔人”と合一したナホビノが有する拡張性の高さによって成長方向をある程度操作出来ると裁定。 |
| 成長祈願・体 | 神意 | 仲魔のレベルアップ時、一定のレベルに達するまでの間、体のパラメータが1多く上昇する。真5仕様 |
| つわもの誕生 | 神意 | 合体後の悪魔がパラメータに素材となった悪魔の育成状態に応じたボーナスを得る様になる。真5仕様。 |
| 大活脈 | 自動効果スキル | 最大HPが大きく(+30%)上昇する。真5出典。 |
だがボス悪魔達による3度に渡る万物を滅ぼせる筈の万能属性魔法を受けてもヤマトとその仲魔、及びDAT隊は誰一人として落ちてはいなかった。
まあ、単純に彼等の能力が高くスキルや装備などでHPや防御力を引き上げており、更に事前に使っていた【雄叫び*2】による攻撃力低下とヘビクラ隊長のアナンタによる【無終なるもの*3】の効果があったから余裕をもって耐えられたのだが。
……そしてイシュタルによる能力低下消去もシュウとアドラメレクの一度目の攻撃が終わった後なのでバフとデバフにより最初の攻撃は威力が大きく落ちていたのがダメージギミック少ない原因で、それならイシュタルを先に行動させれば良かったと思うかもしれないが
(やはりプレスターン戦闘中に行動順を入れ替えるのは不可能な様だな。まあ俺も仲魔だけだと出来ないから、前世俺らのコピーで自我がないならそうなる)
『プレスターンの欠点の一つだからな。機先を制して次の味方に呼吸を繋げながら超高速で動く事で1手番毎の行動回数を増加させる戦術故に、事前に決められた行動順を違えるなら難度が跳ね上がる。途中で誰かが下手に行動を遅らせるなどしてもその時点でプレス式の連続行動が破綻するからな』
| プレスターンバトルの行動順 | 真5の戦闘時の行動順はメニュー画面上の戦闘メンバー(最大4人)の右から順になる。 この順番はナホビノを含めて“ だが戦闘中だとCHANGEで仲魔を控えに移すか控えの仲魔と交代する事は出来ても戦闘中ユニットの行動順を操作する事は出来ない。 高速で次の味方に行動を繋げるプレス式戦闘では手番を遅らせるなどの行動調整が行い難いと裁定。 |
プレスターンバトルを強制するボス部屋【魔王の間】であるが、それ故にプレスターンバトルの欠点も平等に戦っている者達に降りかかっておりボス悪魔達もシュウ→ギリメカラ→アドラメレク→イシュタルの行動順を変える事が出来ないのだ。
ただし個人差もあるので手番の開始時にどの順番で行動するか変えられる者もいる*4のだが、ナホビノの契約を介して自在に仲魔を動かせるヤマトはそれ故なのか戦闘中の行動順変更を不得手としており、そのコピーであり自我もないボス悪魔も当然そんな高度な真似は出来る筈もない。
(プレスターンにおいて行動順の事前設定はジッサイ大事。俺は必要に応じて仲魔を直ぐに交代させる為に行動順を一番先にしているが、向こうはアタッカーのシュウを活かす為のプレス式連続攻撃前提の攻撃偏重陣形)
『それならテトラカーンで
(
そこまでの思考を手番が敵から味方に移る一瞬で終えたヤマトとアオビトは加速された戦場の流れの中で手番が来ると同時にお約束の【ヤブサメショット*6】で先制して機先を奪うが、物理攻撃を受けたシュウが【猛反撃*7】で手持ち武器による攻撃をヤマトに打ち込む。
それでも物理には耐性があるヤマトは必要経費だと考えて呼吸くぅ次に繋げ、そこにガルーダが【道具の知恵*8】をもって【柔軟性・消毒スプレー*9】使ってボス悪魔の防御力大きく下げる。次のオーディンは【Change*10】でカーリーと交代しフツヌシは【ヤブサメショット】でダメージを与えつつ機先を奪い再度ヤマトの手番に
「ふむ、やはりこの空間では【溢れるマガツヒ】を含むマガツヒ系神意の効果が高いな」【天剣叢雲*11】
『嘗てダアトのマガツヒが俺達には一番相性が良いという事だろう。だからこそゲージが貯まるのも早い』
そうして手番が来たヤマトは普段通りの口調で話しながらも自然に戦いの流れに合わせて長大な光剣を形成してイシュタルを斬り裂く、
だがそんな事は分かり切っていたのでヤマト達に同様は無く直ぐにガルーダが【雄叫び】を上げて敵の攻撃力を下げて、そこにカーリーが【龍眼*12】【千発千中*13】を持って強化された三つの目を光らせながら三対の腕による斬撃【朧一閃*14】によってイシュタルを斬り刻み、そこに呼吸を合わせて最後のフツヌシが【テトラカーン*15】でヤブサメショット連打からの連続攻撃を対策する。
「回復は私がしておくわね」【メディアラハン*16】
「MPに余裕がある者が少しでも削るとするか」【カタストロフ*17】
そしてヤマトの手番が終わると同時に他のDAT隊メンバーの支援が行われ、今回はアンヌ副隊長が呼び出したペルソナ【ラクシュミ】の癒しの力で味方全体のダメージが治り、ミツヒロが強烈な斬撃をイシュタルにお見舞いした後で直ぐに後ろに引っ込む。
……とにかく死なない様にバフデバフ回復重視で動きつつ余裕があったらまず回復役のイシュタルを潰すという戦術を一貫して行い続けるDAT隊。プレスターンによる連続攻撃を防ぐ物理反射を毎ターン行って即殺されない様にしながら相手が死ぬまで殴る“ボス戦のお約束”な戦術を前に、それでも『嘗てのダアトの王』の残滓であるボス悪魔達は機械的に“最適解”を実行し続ける。
「【メギドラオン】」「……」【道具使用→除霊の札*18】「【パス】」「【メディラマ*19】」「……」【シュウはマガツヒを集めた!】
魔王の万魔を打ち滅ぼす破壊の光がDAT隊を襲い、邪神は当たり前の様に手にしたお札を引きちぎって弱体化を解除、堕天使は敢えて行動せずその呼吸を引き継いだ地母神が味方が負ったダメージを回復させ、再度動いた魔王が室内に満ちたマガツヒを己の肉体に集めた。
そんな高速連続行動を何処までも機械的に行うボス悪魔達を見ていたヤマトだったが、
(メギドラオンは攻撃力低下していたから問題ないがダメージを与えて回復に手番を使わせるのが目的。そしてマガツヒを集めたが次の手は恐らく【会心】では無く……)
「魔法防御優先! 次に大威力の攻撃が来ます!」【Change:カーリー→デメテル】
「ふぅん? 私も交代か」【Change:ガルーダ→コウリュウ】
「呼ばれて飛び出てとびっきりのハーベスト!ですわ!」【エレウシスの実り*20】
「ふむ、正念場かね」【ヤブサメショット】
だからこそヤマトは直ぐに次の攻撃に対応してする為にデメテルを呼び出し、その意を汲んだガルーダも自主的にコウリュウに交代、呼ばれたデメテルもいつもの事であるのもあって直ぐに自らが持つ豊穣の権能でもってHPを100%以上に増幅し、フツヌシは牽制の
「そして結界で守りを固める!」【神奈備ノ守*21】
「呼び出されてもやる事が単なる壁役とはな」
「私は【
「承った」【テトラカーン】
そして仲魔の交代は最低限の時間で行われるのでプレス式であれば更なる追加行動の起点とする事が出来、ヤマトは更に防御結界を敷きコウリュウはパスで手番を回し、次いでのデメテルは防御の体制に入りフツヌシは物理反射の結界を展開する。
状況に応じた仲魔を高速で切り替えながらのプレスターンバトルがヤマトとアオビトが
「そういう事ならアナンタは帰還だな」【Return→アナンタ】
「ああ成る程、じゃあコレを使っておくか」【アイテム使用→虚弱性・消毒スプレー*23】
「そして私が魔法防御力を上げる訳ね」【天上の舞*24】
そのヤマトの動きから状況を察したDAT隊もそれぞれボス悪魔達の攻撃に備え、ヘビクラ隊長がアナンタをCOMPに戻して常時発動のバフ効果を切り、ミツヒロが消毒スプレーらしきものを敵の振り撒いて攻撃力を下げ、更にアンヌがペルソナに美しい舞を踊らせて味方の能力を上げる。
そこまでして防御を全力で固めた彼等に対してマガツヒを満ち溢れさせたシュウはその力──“自身の種族に由来する”マガツヒスキルを開放する。
「【禍時:蛮攻】【メギドラオン】」「【ランダマイザ】」「【パス】」「【畏怖なる光輝】「【メギドラオン】」
| 禍時:蛮攻 | マガツヒスキル | 魔王族のマガツヒ。真5出典。 ターン中、味方全体にスキルの消費MPが倍になる代わりに攻撃ダメージも2倍になる効果を付与する。 |
| メギドラオン | 万能属性スキル | 敵全体に特大威力の万能属性ダメージ。真5仕様。 |
| ランダマイザ | 補助属性スキル | 3ターンの間、敵全体の全能力を1段階低下させる。真5仕様。 |
| パス | アイコン半消費で自身の行動を終了し、次の行動者へ順番を回す。真5仕様。 |
| 畏怖なる光輝 | 電撃属性スキル | イシュタル専用/敵全体に大威力の電撃属性攻撃。 相性を無視して貫通し、確率で封技を付加する。真5出典。 |
| メギドラオン | 万能属性スキル | 敵全体に特大威力の万能属性ダメージ。真5仕様。 |
使用されるは消耗を倍加させる代償に攻撃の威力を跳ね上げる禍ツ霊の力、だがこの魔王達反射異界からのバックアップによる
まず初手のメギドラオンの効果が思った以上でないとすると即座に次のギリメカラが能力を下げて相殺、アドラメレクは行動を放棄して味方の呼吸を更に加速さあせつつそれに乗ったイシュタルが放つ畏怖を抱かせる光輝の雷が襲い掛かり、最後に再び手番が回ってきたシュウが極大威力の万魔の光を放ってDAT隊を飲み込んだ。
「……やっぱり【蛮攻】の方を使って来たか。マガツヒチャージ時にそのまま【会心】状態になっていなかったからな」
『通常のマガツヒに触れただけの悪魔ならマガツヒを集めた後に会心状態になる*25が、それなりに慣れた悪魔なら溜めたマガツヒを次の手番で自由に使える*26。
「だからマガツヒチャージ後の次の手は読みやすく、何より嘗ての俺達のコピーならコレ絶対消毒スプレーってレベルじゃ無いだろ、何かヤバい物質入ってるだろなアイテムの詳細は知らんだろうからな」
しかし、それらの強化された攻撃を受けてもDAT隊は誰一人として落ちなかった。ボス悪魔達は一段階強化と低下程度なら押し切れると判断したのだが、一段階で魔法防御強化倍率二倍の【天上の舞】に攻撃力低下率が一段階でも3割近く下がる【虚弱性・消毒スプレー】の効果が合わさって【蛮攻】の効果はほぼ相殺されていたのだ。
そこに【神奈備ノ守】とHP増強が加われば二倍となった万能・貫通魔法連打だけであればギリギリ耐え切れると踏んでDAT隊は挑んでおり、所詮は嘗てのダアトという狭い世界のコピー品であるボスにはそこまでの予測は出来なかったのである。
「さてデメテルとフツヌシは耐性があるから問題ないがコウリュウが【封技】を食らったから引っ込めて」【Change:コウリュウ→ガルーダ】
『準備さえ整えれば食いしばり系を切る必要も無さそうだな。引き続き回復と物理反射を切らさずに戦うか』
(それで良いだろう。……いつも通りに戦っていれば良い程度の、しかも前世の俺達の模倣に過ぎない相手だから“強く厄介”であっても“怖く”はないからな。十分に勝てる相手だ)
そう考えつつヤマトはいつも通りの戦い方を決して崩さず前世より慣れ親しんだ動きで行動を加速させながら仲魔の交代、回復、補助、時折攻撃という動きをひたすらに繰り返し、それに併せて他のDAT隊も
──────◇◇◇──────
「【メギドラオン】」「【魔石*27】」「【滅却の札】」「【メディラマ】」
「……攻撃を完全に捨てて回復と持久戦狙いに切り替えてるな」
しかし、その後の戦闘でボス悪魔は7手番、8手番目で相手に回復魔法を使わせる最低限にダメージを与えつつ、回復と最低限のバフデバフ解除のみを行う明らかに敵を倒す気のない動きに切り替えて来た。
ボス悪魔特有の異界からのバックアップにより無尽蔵のMPと【大活脈】によって増幅された膨大なHPによる完全な持久戦狙い、常に物理反射の結界や全回復を維持しなければならないDAT隊の方が先に力尽きると判断しての戦術……であるとヤマトは見切っていた。
(俺がこの状況でボス悪魔動かすにしてもその程度の戦術しか取らないだろうからな。まあ物理反射が無くなれば直ぐに攻撃に切り替える訳だが)
『故に此方も今出来る事は回復と補助と攻撃しかないのだが何処までも機械的だな。自我のあるボスなら長期戦で動きに乱れが出来る事もあり得るが、こいつらには期待できなさそうだ』
(だから回復役のイシュタルを狙っているが……)
「【メギドラオン】」「【魔石】」「【パス】」「【デクンダ】」「……」【シュウはマガツヒを集めた!】
それに対してヤマト側も仲魔をアタッカー重視に切り替えつつ回復役のイシュタルを潰そうとしているが、ボス悪魔達がシーン効果で【道具の知恵(偽)】もち故に割合回復の【魔石】を使われてしまいマガツヒスキル込みでもプレスターン一巡では絶対に倒せないHPを確保してしているので攻めあぐねていた。
……ボス悪魔相手の持久戦はヤマト達も相応の心得があるが、それ故に前世のヤマト達のコピーであるシュウ含むボス悪魔達も実行可能であるのだ。
(……マガツヒチャージ、揺さぶって来たか?【変若水*28】でイシュタル全回復されると面倒だが……一手遅かったな)
『布陣はジャアクフロスト、カーリー、フツヌシのアタッカー構成。事前に回復させてMPの確保も出来ている』
(隊長達も準備が整った所だから仕掛けるぞ)
そんな十分なHPを確保しつつマガツヒチャージを行って敵の選択肢を狭める手を打って来たボス悪魔達であったが、それよりも早くDAT隊が9手番目にして“予定通り”に一気に攻勢を仕掛けた。
「さて、そろそろ決めるとしようか」
「ヒーホー! 特殊合体してから超久しぶりの出番な気がするホー! 電気室で鍛えたフロスト族魂の一撃を喰らうホー!」
| 禍時:会心 | マガツヒスキル | ターン中、味方全体に魔法を含む全ての攻撃がクリティカルになる状態を付与する。真5出典。 |
| 万能プレロマ | 自動効果スキル | 万能性属性で与えるダメージが上昇する。真5仕様。 |
| 天剣叢雲 | 万能属性スキル | 敵一体に力依存による特大威力の万能属性攻撃。クリティカル時に威力が上昇する。真5出典。 |
| 氷結プレロマ | 自動効果スキル | 氷結属性で与えるダメージが上昇する。真5仕様。 |
| 氷結ギガプレロマ | 自動効果スキル | 氷結属性で与えるダメージが大きく上昇する。真5仕様。 |
| ブーメランフロステリオス | 氷結属性スキル | 放つ者の五感が極度に研ぎ澄まされた瞬間に放たれる『完璧』なコークスクリューフック。 ギャラクティカ・フロストパンチと双璧をなす必殺ブローであり特技。 敵一体に対して、力依存による氷結属性ダメージを与える。 更に高確率で対象に【凍結】の状態変化を付与する。IMAGINE改変。 |
徐にそう言ったヤマトはマガツヒを解放して味方を会心状態にした後に腕部から展開された本人にも由来がよく分かってない超大型光剣にてイシュタルを斬り裂き、次いでジャアクフロストが目を漫画チックに光らせながらバックに炎が見えそうな闘志を溢れさせての極大なる冷気を纏ったコークスクリューフックを完璧なタイミングでイシュタルの
更にカーリーとフツヌシが会心と
「そして全部クリティカルだからもう一巡!【天剣叢雲】!!!」
「今度は幻の左だホー!【ブーメランフロステリオス】!」
「もう一度切り裂いてやるよ!【朧一閃】!」
「ようやく剣神として活躍できるな。【カタストロフ】!」
そして全ての攻撃がクリティカルになる【禍時:会心】故にプレスターンバトルでならもう一巡パーティーメンバーによって攻撃を叩き込める。コレこそが常々ヤマトが【会心】を最強のマガツヒスキルと言っている理由であり、再度の連続攻撃がイシュタルを襲う。
……のだが、強力なバフデバフは適時解除されていた事もありそれらの連続攻撃を持ってしてもイシュタルは倒しきれず、勝負を急いだと判断したボス悪魔達は一転してマガツヒスキルからの一斉攻撃に切り替えて敵を始末しようと動き。
「おっと、まさか俺達を忘れてないよなぁ?」【アイテム使用→柔軟性・消毒スプレー】
「このタイミングで仕掛けたのにも意味があるのよ」【勇奮の舞*29】
「良い加減見てるだけと言うのはな!」
「
「この時を待っていたんだ!」
その直前に割り込むように他のDAT隊が前に出てヘビクラ隊長が敵にスプレー缶を投げ付けて防御力を下げ、更にアンヌ副隊長がペルソナによるバフを全員に掛けて、その上で今までは後ろで援護しただけの残りメンバーが一斉にボス悪魔達へ攻撃を仕掛ける。
……本来なら最大四人程度でにプレスターンバトルを強制するこの空間では少数での援護以上の事は出来ない筈だとシュウ達は思考するが、コレもまたプレスターンバトルの
| アシストアタック | パートナーが行動するごとに溜まるゲージが8つ(最大)溜まると発動。 現在いるパートナーのうち2人がスキルを使い、その後パートナーの数だけ万能属性での一斉攻撃を仕掛ける 発動すると敵のターンが飛ばされ、さらにパーティ4人に確率でニヤリが発動。 真4F出典のシステムでDAT隊が訓練の末に習得、ヤマトをメインとするプレスターン戦闘の切り札とした。 ただしヤマトが |
それによる一斉攻撃でヘビクラ隊長の【蛇心剣】による一閃が、アンヌ副隊長の【ダインスレイフ・カービンSP.DAT】による射撃が、ミツヒロの魔改造魔晶武器【DATハイパーブレード】による剛剣が、トモヤの【フラガラッハSP.DAT】による刺突が、ケンジロウの【アステリオンマギカノンSP.DAT】による銃撃がボス悪魔達へと襲いかかる。
それらの攻撃は全て万能属性故にボスの耐性に関係なくダメージを与え、更に急な一斉攻撃に呼吸を乱されたボス悪魔達の
「器が無いならマガツヒは1手番しか溜められず、故に手番を飛ばせば霧散する」
『そして再び此方の手番となり、そちらのイシュタルのHPはもう一巡すれば削り切れる程度だ』
「相手のHPが非常に多くて回復するならどうすれば良いか……簡単だ、死ぬまで殴り続ければ良い。【ヤブサメショット】」
そして再びヤマト達の手番が始まり彼自身のヤブサメショットを起点としてジャアクフロストの【ブーメランフロステリオス】三打目とカーリーの【朧一閃】がイシュタルに突き刺さり、そこに追い討ちとしてフツヌシの【ヤブサメショット】が放たれて機先を制する。
会心こそないが掛かっている
「物理攻撃力が上がっている内に殴り倒す!【天剣叢雲】!」
「ヒホー! 君が泣くまで殴るのを辞めないホー!」【ブーメランフロステリオス】
「ああ、コレで最後さ!」【朧一閃】
「まあ一人倒しても戦いはまだ続くのだが」【テトラカーン】
そうして再度の光の剣による斬撃、極大の冷気を纏ったレバーブロー、使い手自身にも斬撃が朧の様にしか映らない速度で振るわれた一閃によって漸くイシュタルのHPを完全に削り切りその身をマガツヒへと返す事が出来たのだった。
だが、それでもまだボス悪魔達のプレスターンバトルの連続行動が有れば倒される恐れがあるので念入りに物理反射の結界を張り、更にアンヌ副隊長が【メディアラハン】で味方を全回復させた上でヘビクラ隊長も【虚弱性・消毒スプレー】で敵の攻撃力を下げる。
「さて、回復役も落ちて手番で優位に立ったから引き続きバフデバフ掛けつつ潰しておこうか」
『仲間による一斉攻撃は初見なら引っかかると踏んでいたからな。……嘗ての俺達は常にたった一人で戦って来たのだから、その残滓でしかない連中がこんな戦い方を知るはずもない』
「残念ながらこの世界は“一人でただ戦っていれば良い”なんて言うヌルい世界ではないのでな」
そう言いつつもヤマト達は三体となったボス悪魔達に対して油断なく戦闘を続ける構えであり、実際に仲間が一体倒されても機械的なプレスターンバトルを続けるシュウ達はまだ十分に脅威であった。
……だが、イシュタルが落ちた事でバフデバフ解除とHPに割く手番が減り、それをアイテムで他の悪魔が補おうと手番を減らした所に攻撃を増やしてHPを削り、最終的にはバフ解除が出来るアドラメレクが落ちて解除効果の札系アイテムが尽きた辺りでバフデバフマガツヒスキルを重ね掛けして一気に倒す形で順当に格上勝ちしたのであった。
──────◇◇◇──────
「あー疲れた。後半は作業じみていたとはいえ体感10分ぐらい戦う事になるとは。実際には40ターン程度なんだがプレス式の行動回数増加で倍ぐらい時間がかかった気分。ボス悪魔がHP増強と持続回復は反則だろ」
「アイテムによる蘇生や全回復までして来なかったのは幸いだったが、お陰でMP回復アイテムや【物反鏡】HP殆ど使い切ったぞ」
「物理反射しないとヤブサメからの一斉攻撃で死ぬから仕方ないでしょ。まあ今回HPグランギニョル社から補填が付くんだからまだマシよ」
「やっぱり大企業のスポンサーは正義だな」
最後に残ったシュウがマガツヒに返って更に蘇生や第二形態が無いか念入りにレッドチェックを行った辺りで、流石の超長期戦で疲れていた事もあり漸くDAT隊は一息吐いたのだった。
まあその間も周囲の警戒はキッチリやっている辺りはベテランデビルバスターと言うべきであり、特に“過去の自分達の再現”と思われるボス悪魔がいたのでヤマトとアオビトは戦闘が終わり次第直ぐにボス部屋の詳しい調査を開始していた。
「それでヤマト、あのボス達について何か分かったか?」
「恐らく事前の予想通りに以前の『過去のダアトを再現したボルテクス界』の残滓みたいなモノが影響してボス悪魔やボス部屋に妙な特性が付与されていたと思われます。丁度ボス悪魔を倒したら【御厳結晶】が出たのでそれを喰って部屋内部のマガツヒを全部吸収したら違和感が消えましたし」
『御厳やマガツヒを吸収して俺達のレベルグランギニョル少し上がったからな。昔同型の神造魔人の写せ身を吸収した時の様な“習合”に近い感覚であったし、ボス悪魔に影響を与えていたのが嘗ての俺達の情報の様なモノと言うのは間違いでは無さそうだ』
「その辺り専門家じゃないんで感覚的なものになりますけど、とりあえず此処にあった嘗てのダアトの残滓っぽい御厳とマガツヒは全部吸収したのでもうあんな妙なボスが生まれる事は無いと思います。ついでにレベルも上がりました」
| 八坂ヤマト/アオビト | LV79→83 |
流石にレベルが70を超えてからは中々レベルが上がらなかったヤマトだったが、今回高レベルボスを倒して更に嘗てのダアトに生きていた『前世の自分』の情報の断片を取り込んだ事によって結構レベルが上がっていた。
「機械式で90超えてるボス倒せばレベルも少しは上がるっすね。俺達も多少はレベルが上がったけどそこまでガッツリは上がらなかったっす」
「成長限界の差ってのは残酷だな。前世ではレベル99まで上がったらしいからそこまでは壁にぶつかる事もなさそうのは羨ましい」
「過去の自分を乗り越えてパワーアップとかはお約束の展開ではあるな」
「実際には長時間掛けての持久戦で勝利で特撮やアニメみたいな見栄えのする死闘じゃなかったですがね。……まあ自分のコピーなんて弱点も分かりやすいから手筋を打ち間違えないなら普通に勝てますよ。ボス部屋の制限も俺にとっては無いも同然でしたから、正直言って普通に高レベルのボス悪魔だった方が怖かったな」
実際、このボス悪魔達は幾ら特殊なシーン効果やマガツヒスキルなどの強力な能力を持っていても、それらの手を把握していて対抗できて地力も足りてるヤマトからすればパターンを読んで対応してすれば問題なく勝てる程度の楽な相手であると考えていた。
だからこそ事前に情報を得た時点で勝てる公算が高いと判断してDAT隊は【魔王城ダブルツインマークⅡセカンド】のボス戦に挑んだと言う事情もある。
「それにコピーと言っても劣化コピーと言うか、ボス悪魔が昔の俺達の戦い方とかの影響を受けていただけっぽかったですね。まあ厄介ではありましたが予想を超える様な手を打ってこなかったので。……前の
『此方には反則的なスキルやアイテムがあって向こうにはないのが大分アドバンテージだったからな。幾ら過去の環境で最強の戦術でもインフレが進んだ今の環境では通じないと言う事だろう』
「カードゲームやソシャゲであるあるヤツだな。ただダアトと呼ばれた世界は文明滅びた結構キツい世界だったと聞いてるけど」
「それでも今の世界と比べれば“ヌルい”ですよ。生活環境の厳しさとかとは別の話ですが、ちょっとナホビノになってレベル99まで上げて強い仲魔を揃えれば殆ど
まあこの世界でナホビノになって以来、直接戦闘以外だと書類仕事とか情報の取り扱いとか業界のルール把握で散々失敗しながらDAT隊の皆の世話になり続けていたヤマトだからこそ出た心の底からの言葉であったとさ。レベルが高くて強いだけで社会で上手くいけば苦労はしないとは本人の弁。
「直接戦闘ではそこそこ上手く出来てますが、それでもこの世界を俺達だけで如何にかするなんて不可能ですからね。前世と同じやり方をすれば絶対にどっかで事故るでしょ。今回もDAT隊として戦ってなければ地味に長期戦になって普通に負けてただろうし、見栄えがしないのは変わらないが」
「まあ特にドラマもなく普通に勝てるならそれに越した事はない。俺達はわざわざ死闘を演じるのが大好きなバトルジャンキーではない。……特撮や漫画やアニメやラノベで見るならともかく、現実で戦うなら被害がなく普通に勝てる方が良いに決まってるからな」
「そうは言ってもかなりの長期戦で苦戦はしたんだがな。絵面が地味なのは否定はせんが」
「ボス戦なんて基本的にそんなモノでしょ。超絶技巧で大活躍やら窮地に覚醒大逆転なんて現実では早々ないわよ」
「食いしばり系にはあんまり頼りたく無いですしね。そもそも食いしばりを“使わされた”時点で大体ジリ貧でそのまま負ける事が多いし。戦術に組み込んで使うならともかく、基本は事故死かサマナー狙い対策って言うか」
そんな事を話しつつも異界の調査はやっていたのだが懸念されていた異常を起こしている黒幕の存在などそれらしい痕跡は無かったので、単に以前の擬似ボルテクス界の影響で生まれたこの【魔王城ダブルツインマークⅡセカンド】の特殊性からボス悪魔が偶発的に変質した可能性が高い高い推測された。
……少なくとも暫く待ってみてもボス悪魔が倒されたら魔王の裏で糸を引いていた黒幕が出て来るみたいな事は無く、彼等が行える限りの調査ではそのぐらいしか分からなかったのだが。
「『ヤツ等は所詮傀儡、我こそが真なる魔王なり』……みたいなお約束の展開にはならないみたいだな」
「ボスの戦術が昔のヤマトのコピーだったから、てっきり過去ヤマトを完全コピーした『ダークナホビノ』みたいな裏ボスが出て来ると思ってたっす」
「流石にそんな物理的な黒歴史は勘弁願いたいですね。今の消耗した状況だと前世の全盛期が現れたらキツいってもんじゃないですし」
「まあ依頼である【魔王城ダブルツインマークⅡセカンド】の調査と異常なボスの討伐は終わったし、さっきも言ったが防衛チーム的にはこのまま何事もなく平和に終わるならそれに越した事は無い」
「ちょっと隊長、その言い方だとなんかフラグっぽく聞こえるわよ」
そんなアンヌ副隊長の言葉がフラグにはならなかったのか、その後もDAT隊は暫く出来る限りの調査を行いつつ『この戦い、我々の勝利だ』とか『漸く魔王を倒す事が出来たぞ!』とか『やったか!』とか『マガツヒに分解された以上は確実に死んだだろう……』みたいなフラグ臭溢れる台詞を連発してしてみたが異界に何か異常が起きる事副隊長なかった。
「色々とフラグになりそうな台詞を言ってみたが何も起きんな。やはりこういうネタ的な感じで言ってもフラグとしては逆効果なのか」
「まあフラグっぽい台詞を言ったら何かが起きるなんてサブカルじゃないんだから早々ないでしょ。それより異界ボスは倒して異常の原因も取り除きましたが、今後のこの異界はどうなるんでしょうか?」
「ボスを倒したんだからその内崩壊すると思うが? まあかなりデカい異界だから時間は掛かるだろうが。必要なら話の分かる悪魔をボスに据えて維持するか、或いは異界自体を上手く修祓する調整とかが必要があるかもしれんがな」
「最もそこまでするには私達だけだと手が足りないし、この異界を探索してるデビルバスターは他にもいるから今後の方針とかは色々と擦り合わせが必要でしょうけど。……とりあえずその辺りの面倒ごとはヤタガラスとかに丸投げしたいわね」
「管理者って決まってましたっけ? 確か【魔王城ダブルツインマークIIセカンド】は例の京都ヤタガラス残党が管理してた異界が変質・拡大したって話だから、やっぱりヤタガラスに任せるのが残当っすか。元からあった神殿構築用の術のお陰で異界の維持がされてるみたいっすし」
「単にボスを倒してはい終わりとは行かないのが現実のツラい所ですね。ゲームとかと違って」
「グランギニョル社から援助が出るけど、その為にはキチンと今回の戦いの資料や調査結果や使用アイテムの詳細とかを纏めなければならないからなー。だからこれから報告書書きに徹するぞー」
「ボスとの決戦の後に待ち受けるそれ以上の脅威が書類仕事なのが社会の世知辛い所だなぁ」
こうして長い戦いの末に魔王城の決戦を制したDAT隊であったが、多分ボス戦に掛かった時間以上に事後処理の方で手間が掛かりそうだと何時もの事ではあるが辟易しつつヤマトのスラオシャが覚えている【
あとがき・各種設定解説
DAT隊:決戦が終わったので事後処理です
・残りの戦闘シーンは丸々カットしたけど大体テトラカーン貼りながらカジャンダ掛けて殴る、MPがヤバくなったらチャクラポッド使ってを何十ターンに渡って繰り返すだけなので。
・嘗てのナホトラマンのコピーと言う特異なボスだったので倒した後も可能な限り様々な手段を使って念入りに調査したけど、特に何の異常も確認出来なかったので単なる偶然の可能性が極めて高いという結論になって肩透かしを食らった。
・むしろグランギニョル社にも伝える訳にはいかないナホビノやナホトラマンの過去周回関係の情報を誤魔化した上で、向こう側を納得させる報告を用意しなければならなくなったので事後処理の手間が増えた方が面倒だった模様。
ボス悪魔達:黒幕とかはいません
・実際の所はDAT隊の予想通り以前の擬似ボルテクス界の残滓の影響を受けて変質した特殊ボス悪魔と言うだけであり、偶然過去のナホトラマンに類似した能力と戦術を得ただけの悪魔。
・今の世界では稀に良くいる魔界とかと繋がって異常変化したボス悪魔の一体だったのだが、影響元が元だったのでDAT隊も深読みせざるを得ず報告にも頭を悩ませる事を強いられる戦闘以外で面倒なボス。
・戦闘面ではシーン効果によるギミックとか多少のアイテムが使えるなど厄介ではあるがナホトラマンにとっては見知った戦術でしか無いので対応されて、更に嘗てのダアト以上に無法なスキルやアイテムが跋扈する現行世界の戦術には勝てなかった模様。
・……ただし、このボス悪魔が発生したこと自体は完全に偶然なのだが、その“発生原因”が擬似ボルテクス界の影響だけとは限らないかもしれない。
読了ありがとうございました。
多分レベル100越えの合一神とかよりも確定申告とか書類仕事とか取引先との交渉とかの方が強いと思ってるナホトラマン。だって前者は力で倒せるけど後者は倒せないから。