真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~ 作:貴司崎
『キイィオオオオアアアアアアアアアァァァァァァァァッ!!!』
\カカカッ/
| マシン/大天使 | ヒュージ“エヴォルヴ” | LV95 | ※特型ヒュージに関する情報はありません! |
雄叫びを上げながら生まれ出た特型ヒュージ【エヴォルヴ】は繭の土台にしていた城を踏み砕き、更に内蔵された【アマラ転輪鼓】を回転させながら異界【魔王城ダブルツインマークⅡセカンド】を改変、深淵と呼ばれる“何処か”と接続させる事で高濃度のマガツヒが存在する異界へと変性させていく。
……これはエヴォルヴが
「これは……以前の京都残党の時と同じボルテクス界の類似異界か?」
『高濃度のマガツヒの反応を確認、同時に異界の変性を確認したが以前のそれよりも大分遅い様だな』
「ふぅん? 異界の質が変わっているから“乗っ取り”かしらね。余程の力が必要だからあんまり見られる現象じゃないんだけど」
尚、この能力は嘗て超大規模ボルテクス界を作る為に使われた【アマラコンピューター】の機能の一端であり、以前の戦闘で数を減らしたヒュージが“地下シェルターそのものを素材として”増殖したが故に足りなくなった資材や棲家を得る為に獲得した機能である。
それによって地下シェルター異界の残りを魔王城(ryに融合させ、ボス悪魔であるエヴォルヴを起点にして深淵からマガツヒを汲み上げて侵食しつつヒュージ達の棲家を確保して異界内部の資材や野良悪魔を捕食する事で増殖しているのだ……が、その作業に加えて繭から出たばかりである事でエヴォルヴの動きは鈍っており、DAT隊側に僅かな猶予を与える事となった。
「……少し術で調べてみたけど、あのヒュージはまだ“異界のボスじゃないね”。多分あのヒュージが居た地下シェルター異界がこの魔王城以下略に接合したばかりだからかな」
「その予想は当たりだろうな。俺の【虚空の眼界*1】にはあのシン・魔王城だった残骸の地下部分は先日乗り込んだ時と違って近代的な内装……以前の地下シェルターと同じものになっているのが写ってる」
「つまりヒュージはこの魔王城ダブルツインマークⅡセカンドを乗っ取ろうとしていると。ボルテクス界みたいになってるのもそれなのか?」
その僅かな猶予の間にアンヌ副隊長やこっそりバフを重ね掛けしつつ異界調査用に走らせていた札によってエヴォルヴの現状を看破、更にケンジロウが魔眼によって拡張された視野によって地下シェルター異界がシン・魔王城の地下部分と融合している事を見抜いた。
「ボス悪魔じゃないならアナライズや逃走系転移魔法は通すっすかね?」
「多分いけるとは思うけど……ケンジロウ、貴方の『眼』では如何見えるかしら?」
「…… 【サードアイ】で見た限りは電撃・破魔・呪殺・精神・神経・魔力辺りが通らない事は分かった。幻視では何も見えないから“この後の戦闘で俺達が死なない可能性がある”んじゃないか? 確証は出来ないが」
| サードアイ | 戦闘中の攻撃対象選択時に、その攻撃が有効か無効かが表示される。 ケンジロウの場合は自身の銃撃が効くか効かないかを事前に判別する応用技で敵の耐性をある程度看破出来る。 判別出来るのは“無効以上かそうでないか”で耐性・弱点・吸収・反射などの細かい部分は分からない。 その特性から判別出来る属性は銃撃属性及び自身の銃攻撃で使える属性のみ。 故に彼は属性弾や悪魔カートリッジで出来るだけ多くの属性銃撃が出来る様にしている。 未来視の幻視の応用であり自身の銃技と組み合わせて属性銃撃が通るかに絞って識別するスキル。 |
| 煌天の幻視 | 自分を除く、味方ひとりの判定の失敗またはファンブルを成功に変更する。 ケンジロウの場合は非戦闘時限定で仲間に訪れる危険を断片的に見る事が出来る場合がある。 ただし魔眼に負荷が掛かるので連続での使用は出来ず、その後に起こる戦闘の趨勢などの詳細な情報は見えない。 彼の魔眼は多様な能力を持つが、その分だけ本職の幻視者と比べると能力は控えめ。 |
同時に彼の魔眼はエヴォルヴの主要な属性相性をある程度であるが見破り、更に“直近の危険を見る”幻視の力を限定的に発動して何も情報が得られなかった事から少なくとも自分達が全滅しない可能性はあると伝えた。
彼【カリヤ・ケンジロウ】は卓越した銃技を持つガンスリンガーであるが、チームとして動く場合はその多様な能力を持つ魔眼こそが最も有用な能力であり、それによって初見かつ突発遭遇したボスの情報すらも多少は抜けるのでDAT隊でも頼りにされているのだ。
最も“未来が複雑に分岐する戦闘の流れ”などの複雑な情報までは見えないので、戦闘前に使っても『自分達が死なない可能性はある』程度しか分からない事が殆どだから勝つ方法は自分で見つけなければならないが。
「それと先程の俺の銃撃とヤマトの万能は普通に通る様だから、パターンとしては高レベルヒュージが持つ“マシンの耐性に【電撃無効】を組み合わせた耐性”だと思われる。1手使って【ハイ・アナライズ*2】を試みるべきか?」
「そうね頼むわ。今回のヒュージ達が何を目的に魔王城以下略に来たのか正確に分からないから少しでも情報が欲しいし。……とりあえず可能な限り粘って出来る限り情報を抜くわよ。戦闘開始」
「了解【メディア】」
「【慈愛の祈り】」
【メディア+慈愛の祈り→合体魔法:メディアマイ*3】
故に超高レベルのボス級悪魔が現れても巨大怪獣が現れるのが“良くある事”となってるインフレ環境に慣れている事もあってDAT隊は動揺する事なくエヴォルヴが戦闘準備に入った瞬間に先手を取り戦闘開始、同時にアンヌとトモヤが全体持続回復の合体魔法を行使しつつケンジロウが【ハイ・アナライズ】を試みる。
| マシン/大天使 | ヒュージ“エヴォルヴ” | LV95 | 電撃・破魔・呪殺・BS・即死無効 物理・氷結耐性*4 |
「……耐性までは抜けたが、大凡以前戦った高レベルヒュージと同じマシンと電撃無効、ボス悪魔っぽい状態異常と即死無効がある以外は予想通りのスペックだったな」
「それだけ分かれば十分です。ガルーダ、コウリュウ、ミトラス、いつも通りに」
「分かったわサマナー」「承知した」「まあ仕方ありませんね」
| ラクンダオート | 自動効果スキル | 1ターン目開始時に敵全体の防御力を20%ダウンさせる。D2仕様。 |
| 畏怖 | 神意 | 戦闘開始時、敵全体に対しランダムに1種類の3ターン持続する能力低下効果が1段階掛かる。 防御力が選択されて二段階ダウン。 |
| ランダマイザ | 補助属性スキル | 3ターンの間、敵全体の全能力を1段階下げる。真3仕様。 攻撃・命中・回避は一段階、防御力は3段階減少。 |
| 五行思想 | 補助属性スキル | 1ターンの間、味方全体を1度だけ万能属性も含めた魔法型ダメージ反射状態にする。D2出典。 |
| 神奈備ノ守 | 補助属性スキル | 次のターンまで味方全体に被ダメージを30%低下させる効果を付与する。真5出典。 |
| ラグナロク | 火炎属性スキル | 敵全体ランダムに2〜5回大威力の火炎属性攻撃。真5仕様。 【火炎プレロマ】【火炎ギガプレロマ】の効果で威力上昇。 |
その結果はエヴォルヴが上位のヒュージと類似する耐性持ちと言う予想した通りの結果だったが、それだけ分かれば十分だとヤマトとその仲魔達はエヴォルヴにデバフを掛けつつ自分達に万能含む魔法反射とダメージカットの結界を展開、そして相手の防御力が大きく下がった所に通常相性の大威力火炎攻撃を叩き込む。
……バフ効果は未だに健在な上で更にデバフと防御を重ねる念入りな布陣だが、アレだけのレベルで耐性が普通な上にマガツヒスキルまで使って来る以上は絶対何かエゲツないギミックがあるだろうとヤマトは考えた上で初手全滅だけはしない様にしているのだ。
「火炎は等倍なのにダメージが思ったよりも少ない! ダメージカットのスキルだから恐らく……」
「それより来るぞ!」
『キイイイアアアアァァァァッ!!!』
| 種族変更 | 特殊行動 | 行動開始時に自身の二つの種族の内『マシン』ではない種族を別の種族に変更する。オリジナル。 武装COMPのコマンダースキルのデータを元に獲得した機能なので手番は消費しないが種族を変更するだけで他のステータスは変わらない 種族を【マシン/大天使】から【マシン/邪龍】に変更。 |
| マガツヒチャージ | 特殊行動 | 周囲のマガツヒを自身に集めてマガツヒスキルを使用可能な状態にする。真5改変。 エヴォルヴは周囲のマガツヒを集めるだけでなく内臓された転輪鼓の力でマガツヒを汲み上げている。 使用しても行動不能にはならず1手番でマガツヒを貯める能力になっているが |
そんな大威力の獄炎を受けたエヴォルヴだったがその肉体には僅かなダメージがあったぐらい問題なく動ける状態であり、直後雄叫びを上げると同時に“地球上の様々な生物の遺伝情報が組み込まれた内部の生体パーツ”と“多数の悪魔が融合したスライムと言えるキメラな内蔵悪魔”の構成を変更して、ステータス上の種族が【邪龍】と判定される様に自己変化を行う。
更に周囲に溢れるマガツヒと内蔵された転輪鼓より汲み上げたマガツヒによって肉体に十分な量のマガツヒを蓄積。試作型の【アンジェラス】や進化前の【クリオン】のデータからマガツヒ運用に最適化されているエヴォルヴはマガツヒチャージを行なっても行動不能になる事なく、更に高位悪魔特有の複数回行動──3回行動が出来る故に更なる行動が可能であり……それを見て種族が変更された*5と気付いたヤマトが慌てて警告を飛ばした。
「種族が【邪龍】になった上にマガツヒを溜めて……万能属性特大攻撃!」
『キイイイアアアアアアアアアアァァァァッ!!!』
| マハジオダイン | 電撃属性スキル | 敵全体に大威力の電撃属性攻撃。確率でSHOCKを付与する。真3仕様 |
| 万能ギガプレロマ | 自動効果スキル | 万能属性で与えるダメージが大きく上昇する。真5出典。 |
| ビッグバン | マガツヒスキル | 邪龍のマガツヒ/敵全体にレベル依存による特大威力の万能属性攻撃。真5出典。 種族が【マシン/邪龍】に変更された事で使用可能となりレベル95のエヴォルヴが使えば威力は絶大なものとなる。 |
| メギドラオン | 万能属性スキル | 敵全体に特大威力の万能属性攻撃。真5仕様。 |
その直後、エヴォルヴは手始めに大威力の電撃をばら撒いてDAT隊を攻撃、それ自体は【五行思想】による魔法反射で跳ね返されるが【電撃無効】スキルを得ているエヴォルヴは跳ね返された電撃をかき消し、更に一度しか反射不可能な万能すらも防ぐ防御結界を解除する。
そしてその直後、蓄積したマガツヒを解放する事で極大威力を誇る大爆発を巻き起こしてDAT隊を飲み込み、加えて
「防御を固めて正解だったな。お陰で増強HPが削れる程度で済んだか」
「それよりも種族変更にマガツヒチャージとなると任意のマガツヒスキルを使えるみたいですね。……後は多分以前最後に逃げたヒュージと同じ【仁王立ち*6】を持ってます。或いはあのヒュージが更に進化したとか」
「あり得そうっすね。この前戦ったヒュージと同じやり方で万能反射結界を突破して来たっすし」
「それとダメージが思ったよりも少ない上でHPと体のステが高い……それ特化か?」
まあ、その理由は単純にバフとデバフとダメージカットとHP増強込みなら極大威力の万能性攻撃にも耐えられると言う至極当然の話であり、DAT隊も『巨大怪獣の相手こそ防衛チームの本領』と言わんばかりに一切の動揺もないまま敵の能力の分析と次なる行動に打って出ていた。
まず【溢れるマガツヒ*7】の効果でMPを回復しつつヤマトがコウリュウをデメテルに
「さて、攻撃下げて魔法防御も上げ直したけれど」
「とりあえず【アギバリオン*10】で攻撃……やっぱり耐久値特化っすか」
「銃撃は等倍ならば【ワンショットキル*11】でどうだ?」
そしてトモヤが
だが、それらの攻撃が全て当たって尚エヴォルヴは圧倒的な重装甲──
……この【エヴォルヴ】の真骨頂は攻撃力でも多様なマガツヒスキルが使える事でもなく耐久力と再生力を重点的に強化した“生存能力特化”の能力。これまで戦闘能力を上げても一瞬の隙を突かれて撃破された特型ヒュージの戦闘データと、狂った制作者達が残した『自らが生きていた事の証明割と次の周回にも示す』という命題が合わさって進化を遂げたヒュージの
「また自動回復系ボス? 面倒ね……」
『キイイィィィィ……』【種族変更:マシン/邪龍→マシン/邪鬼】【マガツヒチャージ】
「……バフを解除してくるか!」
| 羅刹王の宴 | マガツヒスキル | 邪鬼のマガツヒ/3ターンの間、敵全体の攻撃防御命中回避を最低まで低下させる。真5出典。 この“最低まで”は真5の2段階弱体化までであり、 真5だと2段階低下での補正値は攻撃力70%、防御力140%、命中率85%、回避率120%となる。 |
| デクンダ | 補助属性スキル | 味方の能力低下を解除する。 |
エヴォルヴから放たれたマガツヒを触媒としたデバフはDAT隊に掛かっていたバフ効果を全て塗り潰しながら全能力を大きく低下させ、そこから直ぐに自分に掛かっているデバフも解除してから胴体部の巨大な面を上に開き内部に備わった無数の銃口を展開しての一斉射撃をDAT隊へと撃ち放った。
『キイイイイアアアアアアアアアアァァァァッ!!!』
| 物理貫通 | 自動効果スキル | 相手の物理属性の吸収、反射、無効、耐性を無視する。 真4F仕様なのでテトラカーンも突破可能。 |
| 物理ギガプレロマ | 自動効果スキル | 自身の物理属性によるダメージが大きく上昇する。真5出典。 |
| 獣眼 | 自動効果スキル | 自身の命中率を上昇させる。真5出典。 |
| 龍眼 | 自動効果スキル | 自身の命中率を大きく上昇させる。真5出典。 |
| 全体攻撃 | 自動効果スキル | 通常攻撃の対象が敵パーティー全体になる。真3出典。 単体攻撃と全体攻撃を選んで使用する事は不可能。 |
| 吸収攻撃 | 自動効果スキル。 | 通常攻撃で敵を攻撃した際、与えたダメージの25%程度自分のHPを回復する。真3出典。 ただし相手の残りHPが与えたダメージより少なかった場合、残りHPの25%が吸収可能なHPの最大値となる。 |
| デュプリケータ★ | 自動効果スキル | 通常攻撃が30%で2回、15%で3回放たれる。SH2改造。 取り込んだ武装COMPの機能を解析、改造して自身のスキルとした。 |
| ほぼ全ての者が使用可能なMP消費なしで敵単体への物理属性攻撃。 上記の自動効果スキルにより貫通・威力上昇・全体攻撃となり二回攻撃も発動した。 |
放たれた無数の光弾は能力が低下していたとは言え回避しようとするDAT隊を的確に二回ほど撃ち抜き、更に与えたダメージによって霧散したMAGを吸収したエヴォルヴの損傷を癒していく。
「俺の物理耐性は機能しなかったので物理貫通持ち、この前逃げたヒュージと同じならばテトラカーンも抜いて来る可能性はありますね。しかもダメージ吸収してるのか更に回復してるし」
「あのまま特大威力の万能属性攻撃を連発して来るかと思ったっすけど、自動回復スキルでの持久戦と耐久戦重視なんっすかね」
「戦えない相手じゃなく攻撃も耐えられない程じゃないけど……先日の魔王一行といい魔王城のボスは耐久戦特化しかいないのかしら」
「さてな。だが魔王一行と違ってあのヒュージは耐久性に特化してる感がある、与えるダメージ量もそこまででは無かったしな。こちらの息切れ狙い……だけではないか。“地下”にも注視しておく」
最も、2回の通常攻撃程度であればダメージカット結界があるのでさしたるダメージにはならなかったが、膨大なHPを持つボス悪魔が適時HPを回復して来るのは確かに倒すのが面倒な相手だとDAT隊は愚痴りつつも、自動回復でダメージを癒すと共にまずトモヤが【デクンダの石】を使って弱体化を解除してから、アンヌが【天上の舞】を掛け直して魔法攻撃力と魔法防御力を跳ね上げる。
「装甲を砕いて防御を下げる」【急所射撃*14】
「俺は単体攻撃で強力な魔法は持ってないのでいつもの万能物理で……うおっ、反撃持ちか」
『キイイアアァァッ!!!』
「サマナー、攻撃力は下げましたが大丈夫ですか?」
「ふむ、油断しすぎだな」
「ハーベストな回復を行いますの!」
続けてケンジロウが敵の弱所を見破ってのピンポイント射撃によって装甲を砕き、そこにヤマトが【天剣叢雲*15】による光の剣による一閃でダメージを与えるが、接近した敵手に向かってエヴォルヴの長大な触手は自動的に【猛反撃*16】を叩き込むが、カウンターで放たれた職種の一撃にを叩き付けられて吹き飛ばされる。
しかし直前にガルーダが【雄叫び】を使ってエヴォルヴの攻撃力を大きく下げていたのでダメージは最小限で済んだので普通に着地し、そこに追撃にミトラスが再度のの【ラグナロク】を叩き込み、相手の攻撃でHPが一気に削られると読んで出しておいた【エレウシスの実り*17】を使わせてHPの回復と増強を行う。
「反撃があるかは確かめたかったしこれで良い。兎にも角にもバフとデバフ……三回行動ならバフとデバフを解除してからマガツヒスキルによる大威力攻撃は撃てないからな」
『マガツヒスキルは手番を使わず使えるが、それは“まだ行動できる状態でのみ”だからな。マガツヒチャージに一手使う以上はマガツヒスキルを使う前に行える行動は一度のみだ』
「大きくバフとデバフが掛かってるならHP増強かダメージカットがあれば三回連続で全体万能攻撃を受けてもギリギリ死なない筈。連続通常攻撃が最大数当たっても死にはしないでしょうし」
「単体攻撃に切り替えて誰かが落ちたら蘇生するか食いしばり系で」
ダメ押しにトモヤが再度の獄炎をエヴォルヴに撃ち込む横で状況と今後の方針を話し合うDAT隊……確かに任意のマガツヒスキルを複数使えるエヴォルヴは強力ではあるが、全種族のマガツヒスキルの特性を把握しているヤマトとそこから情報を得ているDAT隊にとっては手の内が大凡読めるので与し易い相手ではあったのだ。
『キイイイイィィィィ……』
【種族変更:マシン/邪鬼→マシン/妖精】【マガツヒチャージ】
「今度は妖精って事はデバフを解除する気か」
『キイイイイアアアアアアァァァァッ!!!』
| 妖精王の宴 | マガツヒスキル | 妖精のマガツヒ/3ターンの間、味方全体の攻撃防御命中回避を最高まで上昇させる。真5出典。 この“最高まで”は真5の2段階強化までであり、どれだけのデバフが掛かっていてもその段階まで強化される。 真5のだと2段階強化での補正値は攻撃力140%、防御力70%、命中率120%、回避率85%となる。 |
| メギドラオン | 万能属性スキル | 敵全体に特大威力の万能属性攻撃。真5出典。 |
| メギドラオン | 万能属性スキル | 敵全体に特大威力の万能属性攻撃。真5出典。 |
汲み上げたマガツヒで発動したのは凡ゆるデバフを超過して最高までの強化を行うスキル、それによりデバフを打ち消すついでに自己強化を図ったエヴォルヴは間髪入れずに二連続の特大万能攻撃魔法を放ってDAT隊を攻撃する。
……だが、彼等は【天上の舞】によって魔法防御力が倍加しており、更にHPを増強していた事もあってバフを盛ったメギドラオンであろうとも二発までなら耐える事が出来ていた。マガツヒスキルによる大火力攻撃はレベル依存の魔法攻撃判定故に魔法防御力を引き上げる事を優先していたのだ。
「魔法防御を優先して上げておいて正解だったわね。……しかしレベル90の割にはダメージが少ないから力や魔のステータスは高くないのかしら」
「その分だけめっちゃタフなんで耐久性特化っすかね。前の逃げたヒュージよりもスペックは高そうっすが」
「つまり耐性じゃなくてスキルとステータスで攻撃を受けて、ダメージは適時回復する死な安ストロングスタイルと」
「単純だが攻略法が少ないタイプか。HPを一気に削り切る手段と手数が必要だが耐久性特化という事は……」
彼等の推測通りヒュージ【エヴォルヴ】は進化機能にリソースを取られていたせいでレベル相応のステータスが無い、或いは稼働効率に問題があったこれまでの特型ヒュージのデータを元に余分な機能を排除してその分だけステータスにリソースを割り振っており、HP・体のステータスを最優先で上げつつスキルで攻撃に耐えてから回復、耐性は最低限弱点が無く状態異常に掛からない事を優先する形で調整されているのだ。
ただし、その分だけ攻撃力は落ちておりギガプレロマ系スキルで引き上げてもレベル90越えボス悪魔程の火力が出ないのでDAT隊は余裕を持って耐える事が出来ていたのだが、ここまで攻撃力を捨てても耐久力を上げている以上このヒュージには『敵を倒す以外の役回りがあるのでは』と疑問を抱き始めていた。
……だが、そう考えている間にも戦闘は進んでいるのでアンヌが【滅却の札】でエヴォルヴの強化を解除し、ヤマトが【神奈備ノ守】でダメージカット結界を貼りつつデメテルに【エレウシスの実り】を使わせて味方全体のHPを回復、更にガルーダに再度の【雄叫び】を使わせて攻撃力を大きく下させてからケンジロウが【急所射撃】を撃ち込んで装甲を砕きつつ防御力を下げ、そこにミトラスの【ラグナロク】とトモヤの【アギバリオン】が突き刺さって大ダメージを与えた。
「……ここまでやってもまだHPが大分残ってるっていうか2割も削れてないな」
「どれだけ耐久性特化になっているのか」
『キイイイイアアアアアアアアアアァァァァッ!!!』
【種族変更:マシン/妖精→マシン/凶鳥】【マガツヒチャージ】
「ふむ、そう来るか」
| 呪毒散布 | マガツヒスキル | 凶鳥・霊鳥のマガツヒ/敵全体に状態異常を強力な効果から優先して付加し、3ターンの間、全能力を1段階低下させる。 真5出典であり状態異常の優先度は封技>睡眠>魅了>毒>混乱>幻惑。 |
| メギドラオン | 万能属性スキル | 敵全体に特大威力の万能属性攻撃。真5出典。 |
| ほぼ全ての者が使用可能なMP消費なしで敵単体への物理属性攻撃。 自動効果スキルにより貫通・威力上昇・全体攻撃となり与えたダメージの約25%HPを回復。 |
しかし、それだけのダメージを与えてもエヴォルヴは苦にもしていない様にマガツヒを組み上げて、それを変質させた呪毒による瘴気をDAT隊に浴びせかけて汚染する。これにより強力な倍率を持ちながらも1段階強化でしかないアンヌの舞の効果は相殺され、更にトモヤだけは【魅了*18】され、それ以外の者は【封技】の状態異常に陥った。
そこに間髪入れずに破壊を齎す万魔の光がDAT隊を飲み込み、追撃に無数の魔弾が発射されてダメージを与えつつその一部のみをエヴォルヴのHPへと還元して僅かに追っていた傷を治してしまう……が、二段階の攻撃力低下とダメージカットは維持されていたので問題なくDAT隊は耐えた。
「……まあ、確かに【呪毒散布】は強力なマガツヒスキルだが、悪魔相手ならともかくアイテムが使えるならそこまで脅威じゃないぞ。ガルーダは治療、デメテルは回復」【貫く闘気*19】
「お任せをサマナー」【アイテム使用:アムリタシャワー*20】
「了解ですわ! とびっきりのハーベストですの!」【エレウシスの実り】
だが、伊達にマガツヒスキルを使い続けているヤマトでは無く【呪毒散布】は【封技】が最優先で掛かると知っていたが故、全てのスキルが封じられても問題なく使えるアイテムを【道具の知恵*21】で仲魔に使わせる事で味方の状態異常を治しつつHPの回復と増強、及び自分自身はチャージを行い次の攻撃に備えた。
そしてヤマトなら状態異常にも対応出来ると判断していた他のメンバーも即座に動き出し、ケンジロウが再度の【急所射撃】によって装甲が薄くなった所を穿ちつつ防御力を更に低下させ、アンヌは魔法防御力上昇を切らす訳には行かないので【天上の舞】を掛け直し、トモヤは砕けた装甲部を狙って【アギバリオン】を再度叩き込みそこにヤマトの意を受けたミトラスも続いて【ラグナロク】による複数の火炎弾が撃ち込まれる。
「バフとデバフをしっかりと積めば機械式だとレベル99な相手でも戦えはする……が、あのヒュージ【エヴォルヴ】が耐久特化だから倒す為の手数が足りないな。これだけやってもHPが半分も削れない」
「多分アレだけのマガツヒを運用するなら例の【アマラコンピューター】……転輪鼓を使ってる筈なんだが、いつかのイシュタルみたいに外部から供給されてるのではなく、ヤツの内側から湧き出てるって事は……」
『恐らく転輪鼓を内部に格納……いや、取り込んで融合しているものと推測。それを破壊すればマガツヒの供給は制限される筈だが』
「内部のコアを破壊できるぐらいのダメージを回復能力を持つアレに与えられるなら普通にHP削り切れると思うっす。弱点のコアとか外部に露出させるのがお約束じゃないっすか?」
「まあ、現実では“自分が致死ダメージを負うレベルの中枢部に弱点を置く”のが一番リスクが少ないわよねぇ。弱点が破壊できるなら普通に倒せる仕様なら弱点としては機能しないと……敵の手番だ」
『キイイイイアアアアアアァァァァッ!!!』
【種族変更:マシン/凶鳥→マシン/妖獣】【マガツヒチャージ】
| 昏睡波 | マガツヒスキル | 妖獣・幽鬼のマガツヒ/敵全体に大威力の物理属性ダメージ。 非常に高い確率(基礎確率200%)で睡眠を付加する。真5出典。 |
| 朧一閃 | 物理属性スキル | 敵単体に特大威力の物理属性攻撃。 命中率が低い代わりに必ずクリティカルになる。真5出典。 |
| 朧一閃 | 物理属性スキル | 敵単体に特大威力の物理属性攻撃。 命中率が低い代わりに必ずクリティカルになる。真5出典。 |
しかし、そこまで攻撃しても尚HPが数割も削れていない異常な耐久性を持つエヴォルヴを見て何か弱点は無いかと考えるDAT隊だったが、直後に散々攻撃を受けたお返しと言わんばかりにエヴォルヴは妖獣のマガツヒたる凡ゆる相手を眠りへと落とす波動を放つ。
状態異常の付与確率が異常に高く人間の防具の耐性では防ぎ難い“状態異常相性”の判定故にDAT隊は次々と昏倒していき、睡眠を無効に出来るトモヤには間髪入れず二つの大型の触手を剣の様に変形させての超大威力の一閃が
「……悪いっすが
【頭部装備:
「昏睡波でもマスク系スキル2枚掛けな俺ならレジストは確率だが不可能じゃない*24。まあ運が良ければだが」
……が、先日の魔王城(ryのボス対策としてヤマトを除くDAT隊のメンバーは物理貫通攻撃を軽減出来る装備を付けており、それによって貫通付きの物理攻撃も威力を軽減していたお陰でギリギリ耐えたトモヤは行動待機せずに最速で動きアイテムで味方の睡眠を解除。更に状態異常確率を減少させるマスク系スキルの穏健で【昏睡波】をレジスト出来ていたヤマトを含めて回復した彼等は即座に動き出す。
まずヤマトが【禍時:会心*25】によって味方全体を会心状態にしつつガルーダに【ランダマイザ】を使わせて攻撃と防御を三段階まで低下。更に【急所射撃*26】をヒビの入った装甲に撃ち込んで防御を限界まで低下させる。更にアンヌが【勇奮の舞*27】により物理攻撃力を跳ね上げる。そこにミトラスの【ラグナロク】が放たれて外装が焼かれ脆くさせ、ダメ押しにその部分に向けてヤマトが長大な光の剣【天剣叢雲】による一閃を撃ち込んで装甲を抉る。
「このまま装甲を抉って内部にありそうな転輪鼓を破壊……しようと思ったけど装甲が硬すぎて内部まで攻撃が届かんな。とりあえずデメテルに回復させてと」
「……防御が下がって焼けた部分にクリティカルの攻撃を叩き込んだんっすが、ここまでやっても内部には届かない辺り多重の装甲で攻撃を受け止めてるみたいっすね」
「まあ弱点があるなら念入りに守りは固めるわよね。耐久性特化な分だけ行動速度自体はかなり遅いからある程度自由に動いて攻め立てられはするけども」
「単純にこちらの手数が足りないから戦えはするが倒せないな」
確かにボス悪魔としての膨大なHPを容易く全回復させるだけのマガツヒを毎ターン運用するにあたってエヴォルヴは【アマラコンピューター】──アマラ転輪鼓と融合しているが、それは以前の特型が有していた【マガツヒ運用型ヒュージコア】のデータをベースに自身のコアと融合させた上で内部に格納している。
故にコアとなっている転輪鼓を破壊すればマガツヒの供給が止まるどころかエヴォルヴ自体も撃破出来るのだが、逆に転輪鼓を破壊出来なければマガツヒを用いて躯体は幾らでも再生可能で、かつ転輪鼓にダメージが行かないように躯体が組まれているので“最低でもHPを9割は削られる程の損害を与えなければ”コアに攻撃が届かない作りになっているのだ。
『キイイイイアアアアアアァァァァッ!!!』
【種族変更:マシン/妖獣→マシン地母神】【マガツヒチャージ】
「……おいコラ、ボスがそれは反則だろう」
| 変若水 | マガツヒスキル | 地母神のマガツヒ/自身のHP・MPを全回復する。真5出典。 膨大な量のマガツヒを使う事でボス悪魔のHPすらも即座に完全回復させた。 |
そう攻めあぐねていたDAT隊だったがエヴォルヴが変更した種族を見て次に使って来るマガツヒスキルを予想してしまったヤマトが思わず苦言が漏らすが、そんな事は知った事ではないと言わんばかりにエヴォルヴは溜め込んだマガツヒを用いて自らの損耗とダメージを急速に完全回復させていき、序でに【デカジャ】と【デクンダ】を使って能力変更を打ち消して仕切り直しとした。
……一応3割以上は削れていたHPや損壊していた装甲が一瞬で修復されたのを見て『まともに手段では倒せない』と判断したDAT隊だったが、同時にここまでの戦闘でエヴォルヴの行動目的に関してある程度の予想も立っていた。
「やっぱりあの動き、こっちを倒すよりもあの魔王城の地下にある地下シェルターを守る事を最優先にしたものね。……拠点防衛特化であり時間稼ぎが狙いなら、定石としては援軍の当てがあるから行う戦術だけど」
「ビンゴだ副隊長。エヴォルヴの真下の地下シェルターと思われる施設に多数のヒュージが地上に向かっているのが見えた。もう間も無く到着するだろう」
「初めから援軍が来る事が前提での持久戦戦術だったってことっすか。あのエヴォルヴに加えて援軍のヒュージを同時に相手にすれば流石に押し潰されるっすね」
「マガツヒスキルは集団戦でこそ真価を発揮するので驚異度は一気に上がるでしょうね。
DAT隊が予想した様に特型ヒュージ【エヴォルヴ】の本質はヒュージ達の棲家である地下シェルターへの敵の侵入を防ぐ“拠点防衛型”であり、その分レベル90代のマシン悪魔としては攻撃力が低いので敵が倒しきれない事が多いが、そこは時間を稼いだ上で救援に呼んだ他のヒュージが合流してから数で押し潰せばいいというコンセプトだったのだ。
これは先日の一件で拠点である地下シェルターに侵入者を許した事、ヒュージの追加生産の為に地下シェルターの機能を削らざるを得なかった事、そして改造強化された特型ヒュージだけでは複数の人気の連携には勝てなかった事などから地下シェルターのヒュージ達という“群れ”で戦う事が前提としての進化を遂げたのも一因となっている。
……良くも悪くもヒュージという存在の根幹は『生命が生きた痕跡を残す方舟』であり、それ故に自分達の生存に特化した進化を遂げるのはある意味必然とも言えたが、そう言ったヒュージ達の行動パターンを大凡読み取れたDAT隊は即座に次の行動を決定する。
「じゃあ此処で撤収ね。どの道今の私達の手札じゃあのエヴォルヴは倒し切れないし、
「承知した」【アイテム使用→くらましの玉*28】
「了解。【トラフーリ*29】試して逃げられなかったら殿置いて全力疾走で」
そうして戦闘開始時の予定通り敵に援軍が来ればどうしようもなく、このまま異界が侵食されればエヴォルヴが異界のボス悪魔となって逃走が困難になると判断したDAT隊は即座に撤退を選択。副隊長であるアンヌのその指示に応えたケンジロウが【くらましの玉】をエヴォルヴに投げ付けて発生した閃光により怯ませて、その隙にヤマトが魔法で味方全体を戦闘領域から転移させる事後出来たので逃走に成功したのだった。
あとがき・各種設定解説
DAT隊:一時撤退
・ケンジロウの幻視に関しては隙が出来るし負担も大きいので戦闘中には通常は使用不可能、一応今はレベルが上がったので集中すれば任意で使えるが基本的に戦闘以外の危険をランダムで自動的に見せてくれる感知スキル扱い。
・今回は戦闘の趨勢を戦闘前に僅かに見る応用も行ったが殆どの場合で『戦いで全滅しない可能性がある』程度の事しか分からず、当然それでも戦闘中に全滅する可能性も有るのでDAT隊でも“ワンチャンボスの情報を僅かでも抜ければ良いな”程度として考えている。
・外見だけ特撮風味に変えた装備品は幾つか持っており必要に応じて切り替えるのだが、敢えて“コスプレ”と言う名目で似た様なデザインにしているのでぱっと見装備変更が分かりにくい様になる小細工として機能する。
・まあアナライズで耐性見れば判別されるので大したものでもないが、例えば『ウルトラマンZ』のメダルホルダーっぽくした宝石入れを使ってジャラジャラさせていても他者からは“コスプレの一環”と思い込ませるなどでコスプレしている事を有効活用してもいたりする。
・尚、彼らは直接戦闘以外にも調査や逃走系のスキルや技術を持っている事を含めて『敵を分析してから対策取って戦う防衛チームなりきりが得意』な人達だったりする。
エヴォルヴ:今やお約束となったラスボス大怪獣
・元ネタは『アサルトリリィLast Bullet』のメインストーリー第1章のラスボスであり、特型ヒュージ【クリオン】【ドライツェルレン】が進化した【エヴォルヴ】であり設定通りにヒュージ最終進化形態として出した。
・リソースを集中させて特化させたHPと体のステータスとダメージカットスキルで攻撃を耐え、自動回復や吸収攻撃で損耗を回復させながら戦う高耐久持久戦型ボスで、耐久値を上げた分耐性は微妙で最低限弱点を消して状態異常と即死を無効にするに留まっている。
・目的自体が棲家である地下シェルターを守る事なので防御力重視で攻撃力は然程でもないが、それでもレベル90以上が3回攻撃すれば大抵の相手は死ぬし、それでダメなら呼び出したレベル50〜70ぐらいのヒュージ達と連携して押し潰してくる。
・更にDIO式龍王を組み込んだモノなどマシン以外の種族を追加した試作ヒュージのデータと取り込んだアマラ転輪鼓を組み合わせて、種族のみを自由に変更して任意のマガツヒスキルを使用可能とする機能もある(種族由来の特殊能力は消費リソースに見合わないのでカットした)
・今回漂流して来たヒュージの中では間違いなく最強の個体ではあるが役割としては“拠点防衛”であり、接合している地下シェルター本体を守りつつ他のヒュージが資材や異界を取り込んで自分達の勢力を増やす事を目的としてしている。
・尚、彼等ヒュージは何か目的があって異界に侵攻している訳ではなく、“自分達の星にいの生命が生きていた証明となる方舟であり続けてほしい”と言う製作目的に従って『生命』として自分達の種族を維持・存続する為に必要な資材を回収しているだけである……要するに“害獣”なので駆除するしかないやつ。
読了ありがとうございました。
割とよくある『周回の事を知った人間が未来に何か残そうとして、現行世界では単なる厄災にしかならないやつ』の一個がこのヒュージ達です。まあそれ以前に暴走してるんだけど。