真・女神転生オタクくんサマナー外伝 ~ナホトラマン奮闘記~ 作:貴司崎
「……優花、どうやらアイツらがこの異界のボスの様だな」
「その様ですね美岳様。……【堕天使 フラウロス LV71】【邪鬼 ギリメカラ LV64】【魔獣 ケルベロス LV59】【天使 ドミニオン LV55】ですか。ボスはフラウロスで他が取り巻きと」
\カカカッ/
| 悪魔人間 | LV62 | 備考:【龍王 クエレプレ】の悪魔人間 |
\カカカッ/
| 悪魔人間 | LV65 | 備考:【龍神 ウロボロス】の悪魔人間 |
そこは関東圏の都市部から離れた郊外のとある異界、放置された極小規模な霊地が上昇したGPの影響で異界化すると言う今のご時世そこら中で起きている現象によって発生したその異界だったが、そもそも悪魔の存在などは知っていても場末の霊地の管理程度しかして来なかったインフレ環境にちょっとついて行けてなかった現地の管理者からすれば非常に脅威になる規模のモノであった。
そうして最早自分達ではどうにもならないと判断した管理者達は縁戚と言う形で辛うじて伝手のあった霊地管理補助を生業としている【河合家】に異界の修祓を依頼……したのだが各地に異界が頻出している今の情勢から河合家自体も人手が足りないと言う割と切実な理由で【グランギニョル社】のCEOに嫁いだ【朋美・ヌーベル】に話を持っていくと言う事になったのだった。
『我が神域への侵入者か。不敬者共よ、今すぐにその命を差し出すなら許してやろう』
「こんな場末の霊地を占拠する程度の堕天使風情が何を偉そうに言ってるんでしょうね?」
「わー結爾辛辣ー。でも実際やってる事はしょぼいよね」
「ま、御託は好きに言わしておけば良いさ。どの道これからぶっ飛ばすんだからな」
\カカカッ/
| 悪魔人間 | LV60 | 備考:【邪龍 バジリスク】の悪魔人間 |
\カカカッ/
| 悪魔人間 | LV60 | 備考:【邪龍 ニーズホッグ】の悪魔人間 |
\カカカッ/
| 悪魔人間 | LV63 | 備考:【龍王 ヤマタノオロチ】の悪魔人間 |
その依頼を朋美社長夫人は丁度新装備である【試作型バトルクロス】の実践テスト後したかった事もあって了承、運用試験をしていたグランギニョル社実働部隊のエース【導師 高島八雲 LV75】とその直属の部下である武装COMP運用試験チーム【クエレブレ】に異界の修祓を任せたという訳である。
「おしゃべりはそこまでです。……武装の試験を兼ねているとはいえ異界のボス相手に油断は出来ません。道中の戦闘で試験自体は十分だから普通に戦いましょう。召喚【ティターニア】」
『言わせておけば……まあ良い、それなりに見目麗しく魔力も高い女共だ。その血を生贄とすれば我が神域を更に拡大する事も出来るだろう。者共かかれ!』
そう言いつつ八雲は武装COMP【ダインスレイフ】より【妖精 ティターニア LV62】を召喚、それに合わせてクエレブレの面々も各々のCHARMを構えて戦闘態勢に入った事を見て、異界ボスであるフラウロスは怒りと嗜虐心を剥き出しにしながら彼女達に襲い掛かった。
「【アクセラレート*1】は私が使います。八雲さんはアナライズをお願いします」
「
「分かったわ、でも無理はしない様に……ギリメカラが物理銃撃反射に四属性弱点、ケルベロスが火炎反射氷結弱点、ドミニオンが魔力無効に四属性耐性に物理弱点よ」【ハイ・アナライズ*3】
事前の打ち合わせ通りにボス戦時における【バトルクロス】の性能調査、及びクエレプレメンバーに経験を積ませる事、そして“不測の事態”へ対処する余裕を持つ事を目的として八雲は後列に下がりつつボス以外の取り巻き悪魔達のデータを解析した。
その情報を受けて行動を加速させた優花は更に美岳のバトルクロスにインストールされた【速攻戦型】の効果によってフラウロスよりも先に動き、自身のバトルクロスより【ブレイブハート*4】を起動させて状態異常を防ぐ結界を展開、行動加速によって味方間での動き方が変わるので
「天使なのに破魔耐性がないのは最近発見された破魔・呪殺を持たないタイプの悪魔*5かしらね。なら【テトラジャ*6】よりはこっちよ」
「先手が取れるならまずは備えておこう」【溶解ブレス*7】
「やっぱバトルクロス便利ですね。状態異常効きにくいボス相手でも使える手が増える」【防御モジュール*8】
「それじゃあ姉さんお願いします!【タルカジャ*9】!」
「よっしゃぁ! 喰らえ!」【カタストロフ*10】
コマンダースキルにより奪った時間を持って更に美岳が腐食を齎す波動を持って敵陣の防御力を下げ、続いて結爾がバトルクロスの機能で味方の防御力を上げて備えると共に牧菜が補助魔法で味方の物理攻撃力を引き上げる。
そして定石通りにバフとデバフを重ねた所で緋紅が巨大な斧型
「は天使は回復役だろうからさっさと倒すつもりだったが、ボスの取り巻きだけあってタフだな」
「先手が取れて物理弱点相手ならならこの手に限りますが、流石に一撃で倒されてくれる程甘くはないですか」
『チィ! 調子に乗るなよ雌餓鬼どもがぁ!!!』
| タルカオート | 自動効果スキル | 戦闘開始時から3行動の間、味方全体の攻撃力が上昇する。SH2仕様。 |
| パワーブレス | 補助属性スキル | 味方全体の物理攻撃力と命中率を上昇させる。真if仕様。 |
| タルカジャ | 補助属性スキル | 味方全体の物理攻撃力を上昇させる。真3仕様。 |
| 八相発破 | 物理属性スキル | 敵全体に物理属性の大ダメージを与える。 術者のHP最大値が大きいほど威力が上がる。真3仕様。 |
| 乱入剣 | 物理属性スキル | 敵全体のうちランダムに1体にダメージと『PANIC(30%)』の効果を与え、これを1~5回繰り返す。 術者のHP最大値が大きいほど威力が上がる。真3仕様。 |
見下していた人間達に先んじて攻撃された事へ激昂するフラウロスだったがそこからの行動は冷静なものであり、自分の自動効果とケルベロスの補助スキルへ更に攻撃強化のバフを掛けて物理攻撃力を3段階上昇させ、続けて異界ボスとしての特権をフルに活かした2回行動から自らが有する膨大なHPをコストとする事によって放たれる破壊的な威力の物理攻撃でクエレブレのメンバーを薙ぎ払ったのだ。
加えてダメ押しでギリメカラにも連続物理攻撃のスキルを使わせて追撃させ、もし生き残れた相手がいても確実に始末できる様にする隙のない二段構えの攻めを見せつつ、大ダメージを負ったドミニオンには【ディアラハン*14】を使わせて傷を癒させる形で態勢を整えると言う用意周到さを見せるフラウロス……だが。
「……ボスのHPでHP消費補正がある物理攻撃は反則でしょ。お陰でドリンコで増設したHPが吹っ飛んだ〜」
「ですが物理貫通までは無くて良かったですね牧菜。追撃の連続攻撃を二発も運悪く喰らってましたから耐性無かったら即死でしたよ」
『何だと!?』
それでもクエレブレのメンバーはボス戦前に飲んでいた
そして減ったHPも敢えて行動を遅らせていたティターニア(悪魔合体で【物理無効】スキル保持)の【メディアラハン*17】によって癒されて、そこで『想定以上に厄介な相手である』と判断した八雲が前に出てきた。
「予定変更 私も前に出るわ。思ったよりも思考しながら戦う事が出来るレベルの悪魔みたいだしね。……出来たばかりの異界にいる様なボスじゃ無さそう」【デ・カジャ珠*18】
「分かりました、一気に仕掛けましょう」
「りょうかーい……おっとラッキー、発動したね」【プロモーション*19】
「分かった優花。【マカ・カジャ*20】」
そして八雲はすぐにアイテムを使ってボスの強化状態を解除、同時に牧菜のバトルクロスにインストールされていたオートコマンダースキルが起動して味方の全能力が向上し、更にダメ押しとして美岳が魔法攻撃力上昇のスキルを持って味方全体を“魔法攻撃力3段階上昇”に上書きする。
……先程の攻防から彼女達はボスはともかくその取り巻きは通常の悪魔程度の耐久力しか無いと判断し、まずは物理スキルの使用でHPを減らしているギリメカラを狙ってそちらから先に潰すと言う狙いの動きである。
『ええいっ! だがあの妙な感覚がないなら我よりも早々先に動けると思うな!!!』
| デカジャ | 補助属性スキル | 敵全体の能力上昇を無効化する。 |
| 八相発破 | 物理属性スキル | 敵全体に物理属性の大ダメージを与える。 術者のHP最大値が大きいほど威力が上がる。真3仕様。 |
だが、先の手番と違って敢えて部下に先に行動させ必要の無くなったフラウロスがボスとしてのステータスを持って彼女達よりも先に行動を開始、ボス悪魔として当然の嗜みとして持っている強化解除の魔法で積まれたバフを解除しつつ再び超威力の全体物理攻撃によって眼前の敵を薙ぎ払おうとする。
「……さっきと違ってHPがコスト分減ってるならダメージも落ちる。強化が解除されてもそれだけなら死にはしない」
「でも強化は解除されたから取り巻きを一気に倒すのは難しいか……なら手筋を変えましょう」
| 氷結威力アップⅧ | 魔晶 | 氷結属性スキルの威力が45%上昇する。SH2出典。 松村優花のCHARM【マルテ】に装備された魔晶。 |
| ブリザードブレス | 氷結属性スキル | 敵全体に術者のレベル×1.6の氷結属性ダメージ+30%の確率で氷結状態。P2仕様。 |
| コキュートス | 氷結属性スキル | 氷結属性で敵単体に中ダメージを与え、弱点だったら高確率で【封印】を付与する。SH2出典。 松村優花のCHARM【マルテ】に装備された【絶氷の魔晶】の効果で使用可能。 |
しかし、物理耐性とボスのHP低下による威力減少もあって強化がなくとも彼女達のHPをゼロにする程の威力はでず、すぐさま優花が反撃としてCHARM【マルテ】をシューティングモードへと変形させて銃口から極低音の冷気を発射する。
その猛吹雪のブレスは氷結に耐性があったフラウロスとドミニオンには対して効かなかったものの氷結を弱点とするケルベロスとギリメカラには敵面に効果を発揮してケルベロスの方には【氷結*21】の状態異常を齎す結果となり、それを見た優花は加速された行動をもって即座にCHARMに装備された魔晶の力を解放した絶氷の魔弾をギリメカラへと撃ち込んでダメージを与えると共に【封印*22】状態としてスキルの発動を制限する。
「【封印】状態にはなるって事は取り巻きには状態異常が効くって事か。結爾!」
「はいはい私にも仕事がありそうでっと……石になりなさい」
| デザートクラウン | 特徴 | 生者を寄せ付けぬ砂漠の王たる悪魔。 呪殺相性・衝撃相性のスキル使用時、威力が30%上昇する。 全ての状態変化付与確率が30%上昇する。 IMAGINE出典。 |
| 石化の呪い | 状態異常スキル | 敵単体に50%の確率で【石化】を付着。SJ出典。 |
更に指示を受けた結爾が色が変わったその眼……嘗て【バジリスク】の力を宿らせられた時に目覚めた“魔眼”によってドミニオンを見据えて効果を増幅させた【石化*23】の呪いを投射してその身を石に返事させる。
続いて牧菜が【マカカジャ】によって魔法攻撃力を上げた後に緋紅がCHARMの魔晶【氷結威力アップⅧ】の力で増幅された【ブフダイン*24】を叩き込んでダメージを稼ぎ、ギリメカラが反撃しようにも【封印】によってスキルが使えないので通常攻撃しか出せず物理耐性がある彼女達には大した損害にはならなかった。
その後に受けたダメージは先程と同じ様にティターニアの【メディアラハン】によって癒され、残ったケルベロスとドミニオンはそれぞれ【氷結】と【石化】で動けなくなった状態で
「じゃあ追加でデカラビアを召喚して【テトラカーン*25】を使わせておくわね」
「貫通が無いならこれで物理攻撃は防げるか。魔法を使ってくるなら装備で耐性もある事だしそっちでも構わんが」
「ボスである貴方自身には状態異常は聞かないけど取り巻きには効くのなら片手落ちね。……ところで“状態異常を回復するスキル”は持ってるかしら?」
『き、貴様ラァ!!!』
ボス悪魔として通常よりも遥かに多くのスキルを有するこのフラウロスは強力な物理・魔法スキルに加えて各種強化魔法に強化・弱化解除、更には【ディアラハン】による全回復も可能とかなりの対応力を有している……のだが、本人が状態異常無効のボス耐性を有しているが故に状態異常回復のスキルまでは有していなかった。
……故に状態異常によって配下が絡め取られて手数を制限された状況を覆す手段はフラウロス自身にはなく、物理反射の結界などで散々メタを張る事でクエレブレ側に徐々に圧倒され始めるのであった。
──────◇◇◇──────
「…………いたな。アレらが“【クエレブレ】、“ヤツらから渡されたリスト”に乗っていた武装COMP使い達か」
「今はこの異界のボスと戦っている様だな。……都合が良い」
そんなクエレブレとボスのフラウロスが戦っている異界に複数の人影があった。彼等は一律メシア教の物らしき法衣を見に纏い術で気配を消しながら、遠見の術までも併用してボスと戦っているクエレブレのメンバーをじっくりと見定めていた。
その様子から異界攻略ブッキングしたデビルバスターたちと言う訳ではない事は明らかであり、クエレブレとボスとの戦いを見る目はまるで獲物を前にして舌舐めずりする獣の様ですらあった。
「あの女共のボス戦が終わって疲弊した所に仕掛けるぞ。連中からの要求は生け取りだが、まあ一度殺してから捕獲して蘇生させれば良いだろう」
「完全にロストした死体だと報酬が大きく落ちるのは面倒だな。……あの様な連中の依頼を遂行せねばならないのは不満だが」
「仕方あるまい。だが今の我らがもう一度返り咲くにはあの連中の力を借りなければ難しいのだから」
「我らが聖務の為の礎になれる事を誇りに思うがいいさ」
どうやら彼等がこの異界にいる目的はクエレブレメンバーを誘拐する事であり、その為に集中せざるを得ないボス戦の最中に接近して戦いが終わって疲弊した所を狙うと言う効率的だが相当に悪辣な策を考えて実行しようとしている様だ。
だが、それに関する罪悪感など彼等にはかけらも無く、自分達の行いこそが正しい事をまるで疑っていない様な狂信者の様な雰囲気すら醸し出しており……その狂信と獲物を前にして狭まった視野ではこの異界に侵入してしていた“もう一つの勢力”に気付く事は出来なかった。
「……成る程、だが獲物を前に舌舐めずりは三流のする事だ」
「百合に不当に挟まる男は死ねば良いと思うんだ(本人達納得済みの純愛は除く)」
「な、後ろ……!?」
| 先制攻撃 | 真5ではフィールドシンボルに気づかれていない状態で剣攻撃がヒットした場合ナホビノ側の先手となる。 ヤマトは最近検証が進んでいる先制攻撃のノウハウを掲示板等で調べて色々訓練したりしている。 |
| 刹那五月雨斬り | 物理攻撃スキル | 敵単体に5回小威力の物理属性攻撃。命中率50%。真5出典。 ヘビクラは武器【 武器の力で連続攻撃出来ないなら自前のスキルでやれば良いじゃないとは彼の弁。 |
そんな連中の背後から【DAT隊】所属の一般通過ナホビノであるヤマトのビームサーベルの一閃が襲い掛かり怯ませて先手を奪い、間髪入れずにヘビクラ隊長の連続斬撃が男の1人に襲い掛かって八つ裂きにする。
今回DAT隊はグランギニョル社からのバトルクロスの試験運用に際する護衛と言う依頼を受けて同行しており、更に“とある事情”から襲撃が来ると予想していて逆に襲撃者を捕えるため敢えて身を隠しながらクエレブレメンバーの監視と敵の索敵を行っていたのだ。
そして襲撃を予期していたが故に今回はフルメンバーで来ており、その魔眼【天空の眼界*26】によって男達を見つけたケンジロウが構えたCHARMから追撃の【フュージレイド*27】を撃ち放つ。
「銃撃の通りが悪いな。恐らく9割程威力が削がれてるからブレバンか」
「物理耐性も無さそうだがダメージを軽減された形跡があるから耐性でない物理ダメージ軽減かね。……ヤマト、魔法だ」
「了解、召喚ジャアクフロスト、イナンナ、オーディン、戦闘開始だ」
「ヒーホー! 久しぶりの出番だホー!」
「分カッタワヨサマナー」
「さしたるソウルもない雑兵相手に念入りな事だ」
| 氷結プレロマ | 自動効果スキル | 氷結属性で与えるダメージを上昇させる。真5仕様。 |
| 氷結ギガプレロマ | 自動効果スキル | 氷結属性で与えるダメージを大きく上昇させる。真5仕様。 |
| マハブフダイン | 氷結属性スキル | 敵全体に大威力の氷結属性ダメージを与える。 更に15%の確率でFREEZE状態にする。真3仕様。 |
| 衝撃プレロマ | 自動効果スキル | 衝撃属性で与えるダメージを上昇させる。真5仕様。 |
| 衝撃ギガプレロマ | 自動効果スキル | 衝撃属性で与えるダメージを大きく上昇させる。真5仕様。 |
| マハザンバリオン | 衝撃属性スキル | 敵全体に特大威力の衝撃属性ダメージ。真5出典。 |
| 電撃プレロマ | 自動効果スキル | 電撃属性で与えるダメージを上昇させる。真5仕様。 |
| 電撃ギガプレロマ | 自動効果スキル | 電撃属性で与えるダメージを大きく上昇させる。真5仕様。 |
| マハジオバリオン | 衝撃属性スキル | 敵全体に特大威力の電撃属性ダメージ。真5出典。 |
だが、不審者達が物理も銃撃も耐性がある装備を付けていたと見たDAT隊は即座に耐性ノックを兼ねた魔法攻撃をヤマトに指示、それを受けた彼は先手を取った勢いで三体の仲魔を召喚してそれぞれに別属性の全体攻撃魔法を使わせた。
その内ジャアクフロストが放った猛吹雪は男達が付けていた氷結反射の防具の効果で反射されるも氷結吸収の相性を持っていて有する【セーフティ*28】の効果で動きが乱れないフロストにとっては特に問題では無く、残るイナンナとオーディンが放った極大の衝撃波と雷撃は多少軽減されたものの敵陣に突き刺さり、威力増加スキルと圧倒的なレベル差もあって男達をあっさりと戦闘不能にしてしまった。
「む、バフも掛けてない耐性ノックの攻撃でもう倒されたのか? まあちょっと【畏怖*29】で防御力は下がってたが食いしばりとかもないのか?」
「アナライズしたらレベルは50ぐらいだったからな。レベル80近いの悪魔による特大威力攻撃を喰らえばそうなるだろ」
「むしろロストとかしてないっすよね? 情報とか引き出したいんすけど」
「そこは大丈夫みたいだな。とりあえず装備を剥ぎ取って拘束してからロストしないレベルで蘇生させるか」
まあレベルで10以上上回るチームに油断してる所へ不意打ちを受ければこうもなろうと言わんばかりに倒された男達は。手慣れた様子のDAT隊に装備やアイテムを剥がされて拘束された後に最低限の蘇生魔法を掛けられた上でヘビクラ隊長の【シャッフラー*30】によってカードに変えられた。
「やっぱカード化は捕獲に便利だな。……しかしコイツらの装備、物理ダメージ軽減に銃撃無効、後は氷結に対する対策と偏ってるな。あからさまなメタ装備って感じだ」
「それもCHARMユーザーに対してのメタって感じねぇ。グランギニョル社製の武装COMP【CHARM】は悪魔召喚機能オミットと大型化を引き換えに【物理貫通】と可変機能による銃撃がデフォルトで備わってるから、貫通で抜けない物理ダメージ軽減と銃撃無効は有効でしょうね」
「氷結属性に関しては後でクエレブレに得意な魔法属性でも聞いた方が良いかね。……しかし、これで
そう、今回DAT隊がわざわざ異界攻略の護衛について、更には襲撃者が来る事を前提に動いていたのは近頃グランギニョル社の武装COMP使いがピンポイントで狙われるのは事件が複数回起こっていたからだ。
グランギニョル社を狙うと襲撃自体はこれまでもまあそこそこあったのだが今回の件ではあからさまにメタを張られていたり、或いはこちらの動きが読まれていたりと恣意的なモノを感じさせられたので念を入れて護衛の強化や襲撃者を逆に確保出来る様な備えをしていたのである。
「しかし隊長、今回の襲撃者はメシアンっぽいっすね。前回の襲撃はガイア系で前々回がヤクザ者だったっすか」
「それでいてその全員がきっちり狙われた武装COMP使いへのメタを張ってた訳だな。まあぶっ殺す相手を事前に調べてメタを張るぐらいは良くある事だし、襲撃者自身がそこまで強くなかったから撃退は出来たみたいだが……こうまで続くとやっぱり何か裏にありそうだ」
「だからこうして襲撃者を逆に襲って捕まえて情報を引き出そうとしてる訳ですか。個人的にも
「それは同意ねヤマト。前までの襲撃者は逃げられるかロストレベルでぶっ殺したみたいだから捕獲出来たのは良かったわ。とりあえず捕虜入りカードを持ち帰って徹底的に“尋問”しましょうか」
そうしてDAT隊は何処かきな臭い空気を感じながらも捕虜を捕獲してから手早く護衛対象であるクエレブレと合流、その時丁度ボスを倒して異界が崩壊しそうだったのでそのまま一緒に脱出した後にお互いに情報を共有してから報告の為にグランギニョル日本支部へと帰還したのだった。
あとがき・各種設定解説
クエレブレ:グランギニョル社所属の武装COMPチーム
・メンバーは元は京都ヤタガラスに近い霊能家系にいた異能者だったが殆ど人体人権のモルモットの様な扱いであり、何の目的だったのか分からないが『龍』に纏わる悪魔の力を植え付けられた悪魔人間件強化人間でその実験の生存者達。
・それからもデータ取りを兼ねて厳しい任務に駆り出されて肉壁の様な扱いを受けていたが、そこで知り合った八雲が彼女達の状況を知って京都ヤタガラスに見切りをつけて出奔するついでに助けられてグランギニョル社に所属する事に。
・その後は無理矢理な悪魔人間化の治療を行なった後で八雲やグランギニョル社に恩返しをしたいと言う理由から異能者として色々と仕事をしているのだが、八雲自身や社長夫妻の意向で学校にはしっかり通って欲しいと言われたので聖華学園に通学してもいる。
・現在ヘルヴォルが持って来たCHARMの運用データに“彼女達”の物が多数あったので、そのデータを使って作られた専用CHARMやその関連装備のテスト運用なども行われており、その時にヘルヴォルメンバーとも顔を合わせたのだが向こうが色々と話しかけてくるのでやや困惑したりしている。
・ちなみにフラウロス戦ではそのまま取り巻きを状態異常で嵌めつつ倒して、その後単騎になったボスを手数の差で圧殺して普通に勝ったが、出来たばかりの異界の格に合わないボスとか状態異常耐性も無い取り巻きとか色々と疑問点はあった模様。
・また襲撃者が来る可能性とDAT隊の護衛は事前に打ち合わせており、最初に八雲が後ろに下がったりしたのもボス以外に周辺警戒を兼ねていた。
読了ありがとうございました。
今回は新章のプロローグ的な感じのお話として書きました。まあこの先の展開は作者にも分かってませんが(笑)ボチボチ書いていきます。