空の欠片   作:koba艦長

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はいどうも。kobaです。
今回は新キャラが登場しますので、お楽しみに。
それでは......戦闘へ行きましょう......


第8話 MISSION2 デザートイーグル

 2019年 5月 11日 モンゴル南西ゴビ砂漠 廃空港エアーデザート(現在は国連軍が使用)

 

 基地中が騒がしい。そりゃそうだ。今、この基地は攻撃を受けるかもしれないのだから。

 しかし、数あるこの基地の航空部隊のうち、たった1つの部隊はこの状況でも落ち着き、冷静でいる。

 

 その部隊の隊長TACネーム:スラッシュは、表情一つ変えない。

 この部隊員は全員恐いほど冷静だ。

 

ブリーフィングルームにAWACS:スカイアイの指揮官、べリック大佐が入って来た。

 

「よし、全員揃ってるな。これより、作戦を伝える。70分前、カザフスタン南東のレーダー基地にレーダー反応があった。情報によると、爆撃機4機、護衛戦闘機約36機の大編隊らしい。」

 

 パイロット達がどよめく。しかし、スラッシュ率いるリッジバックス隊は表情さえ変えない。

 

「先見部隊がもうじき戦闘を開始する。また、当基地へ、移動中の輸送機C-5ギャラクシ

ーは先見部隊が護衛する。諸君らには、増援として戦闘に参加してもらう。今回が初戦のルーキーもいるようだが、戦闘経験者は彼らを援護してやれ。作戦内容は言わなくても分かると思うが、当基地への攻撃を阻止することだ。作戦内容は以上だ。全員起立!!敬礼!!解散!!!」

 

 リッジファックスはハンガーへ移動する。

 俺ことスラッシュは他のパイロットに対し、「そんなに焦っても状況は変わらん。むしろ落ち着くべきだ。」と心の中で呟く。

 

ハンガーに入ると、我々の愛機SU-37が駐機している。整備員もセッセと作業している。

 

「スラッシュ中佐、整備完了しました。全機、いつでも出撃できます。武装もフルで搭載しました。」

 

「ご苦労。今すぐ出撃する。リッジバックス全員、搭乗せよ。」

 

 タラップを上り、キャノピーを閉め、システムを起動させる。この操作は何百回やってきただろうか?

 全システム異常なし。

 

『こちらエアーデザートコントロール。リッジバックス各機第一滑走路へ移動せよ。』

 

「こちらリッジバックス1。了解した。移動する。」

 

第一滑走路では現在、ジャべリン隊のタイフーンが離陸している。

 

『こちらコントロール!!離陸中の全機に通達!!離陸中止、全機、待機せよ。』

 

『隊長、なにかあったのでしょうか?』

 

 副隊長のナガセが落ち着いた声で言う。

 

「わからん、そのまま待機だ。」

 

 レーダー上でも敵の姿は映っていない。だが、西側に大きい青い点がある。輸送機か。

……いや、あれはまずい、エンジンから出火している。

 いかん!早く着陸させなくては!

 

『こちら輸送機C-5!!空対空ミサイルを食らった!!出火している!!第一滑走路へ着陸する!!』

 

『こちらコントロール。ジャべリン隊!!至急退避せよ!!』

 

『くっ!まじかよ!!』

 

『リッジバックス隊!!すまんが、入れさせてくれ!!。』

 

『レイク、バックしろ。いいぞ、リッジバックス4がバックしたところに入れ。』

 

『かたじけない。』

 

 いや、当然のことをしたまでだ。

 

『着陸を開始する!!くっ!!持ってくれよ!!』

 

 減速により、火災が酷くなっている。まずいぞ。

 

『問題発生!!回路がイカレて車輪が出ない!!胴体着陸を試みる。』

 

 あの状態での胴体着陸は極めて危険だ。成功できるか?

 輸送機はコントロールを失ってか、やや早く機首を上げる。ああ、まずい!

 

 輸送機は後部から高い角度で滑走路に激突する。主翼、垂直尾翼が折れ、エンジンから出火していた炎は、機体全てを飲み込む。

 

『う、うわぁー!!』

 

『消防!!!急げ!パイロットの生死を確認しろ!!』

 

 消防車から大量の消火剤がまき散らかし、烈火の如く燃え上っていた炎を弱らせていく。

 

「リッジバックス1よりコントロール。離陸は出来そうか?」

 

『コントロールからリッジバックス、ジャべリン両隊へ、第一滑走路、前部から短距離離陸せよ。』

 

『こちらジャべリン1。了解した。離陸する。ジャべリン全機、俺に続け。』

 

 ジャべリン隊が離陸する。後では、いまだに消火隊が炎と格闘している。

 

『こちらコントロール。リッジバックス隊、離陸を許可する。』

 

「スラッシュからリッジバックス全機へ、戦闘の呼び出しだ。行くぞ!!」

 

 愛機は勢いよく滑走路を駆ける。機首を上げ、大空へ飛び立つ。

 

『リッジバックス1へ、リッジバックス全機上がるまで、指定する空域にて待機せよ。』

 

 部下達も順調に離陸している。だが、さっきの輸送機が攻撃されたように、敵も本気で潰しに来ているのだろう。そうであっても、なくても、敵を落とすことに変わりは無い。

 

 そう、この男は、敵を落とすことに迷いは無い。落とさなければ、自分や仲間がやられる。

 その執念は、彼の長期に及ぶ経験から学び、生みだされた。彼と一般のパイロットの違いは、「経験の差」である。

 

『リッジバックス全機上がったようだな、先程、先見部隊が戦闘を開始した。数で圧されている、今すぐ急行してくれ、貴機の幸運を祈る。』

 

「了解。作戦空域へ移動する。」

 

 作戦空域では、先見部隊が戦闘を開始しているが、確かに旗色が悪い。

 

『こちらクロウハンター6!やられた!ベイルアウト(緊急脱出)する!!』

 

『こちらサーベラー2!被弾した!!』

 

 味方の通信が混乱した状況にある。一刻も早く戦闘に参加し、この状況をひっくり返さなければ、全滅などの最悪の状況になる。

 

「こちらリッジバックス隊。先見部隊全機に通達。我々も戦闘に参加する。援護が必要な部隊があれば、いつでも言ってくれ。」

 

『こちらサーベラー1。来てくれたか……早速だが、俺の部隊の援護を頼む。もう3機も落とされたんだ……』

 

「そうか……リッジバックス全機、サーベラー隊の援護に迎え!!」

 

『了解!!!』

 左にF-14Dが2機、ミラージュ3機。敵機はサーベラー隊に気をとられている。どうやら、それほど実戦経験が多くないようだ。だが、こちらには関係ない。敵は敵だ。1機のF-14Dに狙いを定める。

 

『くっ!後にトムキャットだ!!』

 

 サーベラーのF-16Cにトムキャットが食い付いている。だが、敵は決定的なものを見逃している。こちらもミサイルロック。

 

『FOX2!!(赤外線誘導ミサイル発射)』

 

 ミサイルの速度は母機を超え、敵機後方で炸裂し、敵機は行動不能になり、パイロットはベイルアウトする。それでいい。敵を落とせばいいのであって、殺す必要は無い。目の前の敵に気をとられ過ぎて、レーダーを見忘れるルーキーであっても、だ。

 

『こちらサーベラー4、すまない、助かった。』

 

「気にすることは無い。それより、まだ敵が大勢いる。行くぞ。」

 

『ああ、だな。』

 

 部下達も敵を落としている。それより、レーダー上に北北東の方角に、デカイ赤点がある。爆撃機か。

 

「エッジ、爆撃機をやるぞ。ついてこい。」

 

『了解。』

 

 おそらく、あの形はB-52あたりだろう、護衛機もいる。

 

『……絶対に敵機を近づけないでくれよ、もうすぐ攻撃地点だ。』

 

『ああ、分かってる。』

 

 これは……敵の通信か。

 

「エッジ、一気に叩くぞ。中距離空対空ミサイルを使用しろ。」

 

『了解、特殊兵装ロック解除します。』

 

『……ん?敵が来たぞ!敵機2!速いぞ!!』

 

 敵も気付いた、だがもう遅い。

 

「FOX3!!(中距離空対空ミサイル発射)」

 

『FOX3!!』

 

『ミサイル!?回避しろ!!う、うわぁー……』

 

『フレア(赤外線センサかく乱装置)!フレア!!うわっ!!かすった、ベイルアウトする!!』

 

 護衛機の半数以上落とした。後は本命の爆撃機だ。

 

『私が残りの護衛をやります。隊長は爆撃機を。』

 

「わかった、任せたぞ。」

 

『敵が来るぞ!!な、なんとかしろー!!』

 

『フレアだ、フレアを使え!!』

 

 フレアを使うならば、機銃を使うまでだ。

 大型航空機の急所……それはエンジンに他ならない。

 

 機関砲照準にプロペラ後部を合わせる。コンマ3秒ほど発射した機関砲弾はエンジンに命中。小爆発を起す。ヨー(水平移動)を行い、隣のエンジンも狙う。

 

『なんだ!?』

 

『左第一エンジンがやられた!!』

 

『うわっ!!第二エンジンもやられた!!もう一つやられたら、安定性を失うぞ!!主翼にもダメージがある!!!』

 

『左主翼全エンジン停止!!!やばい、機体が揺れている……』

 

『んなことわかってる!!増援を呼べ、高度を維持しろ!!もうすぐだ。』

 

『だめです!!右エンジンも被弾!!!高度維持できません!!落ちます!!!!』

 

 4つのエンジンをやった。これでもう、何もしなくても落ちるだろう。

 

『ああ……落ちる……』

 

『緊急着陸だ!!』

 

『だめです……エアブレーキ作動しません、機首が高すぎます……』

 

敵はだんだんと落ち、ついに地面と激突し、デカイ火の玉が地面に現れる。

 

『隊長、護衛機全て撃墜しました。』

 

『わかった。仲間と合流しよう。』

 

 肉眼でも分かるようになったが、敵の数が明らかに減っている。戦況をひっくり返したのだ。

 部下やサーベラー隊と合流するため、西に進路をとる。レーダーに一つの赤い光点。残存兵か。……ん?敵機前方に青い光点味方だ、まずい、食い付かれている。ルーキーか。

 

「エッジ、お前は先にいけ、俺はあいつを落とす。」

 

『了解。先に合流します。』

 

『ちっ!!まだいるっ!』

 

 やはりルーキーか。

 

 アフターバーナー点火。敵もこちらに気づき、反転する。ヘッドオン(敵機と対峙する状態)。

 敵からのレーダー照射。ならば、こちらは下降……いや、フェイクを掛ける、そのまま、機動を生かしながら、360度ピッチング(上下回転)。体正面に当たっていたGは、深く体全体を廻り、再び体正面に戻る。

 捉えた、FOX2!重力に引かれ、派手に炸裂したミサイルは、SU-27の機体をへし折る。

 

『ぐわぁぁぁぁぁっ……』

 

 パイロットの叫びが聞こえる。この叫びは慣れるものではない。

 

「おい、大丈夫か?」

 

『ええ、助かりました。ありがとうございます。』

 

「気にするな、本隊と合流するぞ。」

 

『了解!!』

 

 

 

『こちら、エアーデザート、レーダーコントロール。全ての敵機の撃墜を確認した。よくやった。』

 

『やりましたね、隊長。』

 

「ああ、やったな。リッジバックス隊全機へ、皆よくやった。帰還しよう。」

 

 

 

 

 

 後日、撃墜された敵機はヴェルナー社製であると正式に発表された。

 東京襲撃、エアデザート侵攻により、ヴェルナー社の国連査察はイユーリ自治政府の反対を押し切り、強行されることになった。

 

 




プロの方を主人公にすると書きにくいな......

そんなことより!!この小説、オリジナル、息抜きの方もストーリーが着々と出来上がっていますので、お楽しみに。

それでは、次回またお会いしましょう。ではでは~
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