俺の家は山ぎわなのですが、最近はセミの鳴き声が全く聞こえず、代わりに虫の声が聞こえます。
はぁ......もう、幽香さんの季節が終わり、秋姉妹さんの季節ですね......←トウホウノハナシスンナコノトウホウチュウガ←ありがとう。最高の褒め言葉だよ......
しかーし!!テンション上げて、そんな雰囲気をブチ壊して行きましょう!!!!12話はじまりです!!!!!
注意 必ずお読みください。 今回の話は、少しグロテスクな表現がございます。
2019年 5月19日 カザフスタン シル地方 シル飛行場 ブリーフィングルーム
アローズ社第六航空師団
いましたいことは……酒が飲みたい。全く、この仕事は酒があまり飲めない。酷い時は2ヶ月も酒が飲めない時がある。それが、ここ最近のストレスだ。だが、収入は凡人の数十倍は下らない。これだからこの仕事は辞められない。
そんなことを頭のなかで愚痴りながら、俺ことジャンクは、戦友のMLと共にブリーフィングルームへと向かう。
「おい、ジャンク、もう一分で開始だ。走るぞ!」
「え?あっ、ホントだ。走るぞ!」
これでもし、遅れたら……もう、30回も遅れたことになるな。いや、今回は大丈夫そうだ。
ブリーフィングルームに入ると、第六師団のパイロット達の視線を浴びる。「あ、また遅れそうになったか。」「今日はギリギリか。」などのボヤキが聞こえそうだが。
正面のスクリーンに通信を受け取ったことを伝えるコールの文字が映し出され、グッドフェロー司令の姿に切り替えられる。
『ブリーフィングを始める。その前に……ジャンク!いるか?』
「はい、ここに。」
俺がいるか聞いてきた。これは、今回遅れていたら、ヤバかったな。これ。
『よし、今回はいるんだな。それでは、ブリーフィングを開始する。カザフスタン、イユーリ自治区国境のポルニグラードの南東の町にて、イユーリ、ヴェルナーの地上部隊の駐屯が確認された。町は、カザフスタン側にあるため、これは他国侵攻と見なすことができる。諸君らには、この町の敵兵士を排除してほしい。戦車や装甲車なども隠されている可能性がある、攻撃部隊は対地ミサイルをフル搭載していけ。町の中心部には学校があり、敵はその学校に司令部を置いている。同行する特殊部隊の目的地は学校だ。侵入後、司令室を確保。その後情報を回収し帰還する。また、諸君等が町中心部の空域に到達した時点で、アメリカ陸軍の捕虜回収、完全制圧部隊も派遣する。空域離脱後はアメリカ陸軍が作戦を引き継ぐ。これは敵の情報を奪取する非常に重要な任務だ。気を引き締めて行け。繰り返すようだが、敵部隊は他国侵攻と承知の上で、町に駐屯している、手加減無用だ、排除しろ。いや、お前達にはこんなこと言わなくてもいいか。健闘を祈る。我々も明日の夜、そちらに到着する。以上。』
俺等は画面横のカメラに向かって敬礼。これは、どんな兵士でも敬礼はしなければならない、礼儀である。
ブリーフィング終了後は、各隊、集合し、ミーティングを行う。
「ヤンキー隊、集合!!」
「明日の作戦の確認を行う。我々は、国連軍特殊部隊を輸送するMH-60ブラックホークとV-22オスプレイの援護、特殊部隊ヘリボーン(ヘリ降下)後は、特殊部隊の露払いだ。情報を回収した後、再び輸送ヘリの援護を行い、離脱する。いいな。」
「おっす!!!」
「よし!では、ハンガーに向かい、機体の整備だ!!ハンガーまでダッシュだ!!行くぞ!!!」
これが俺等ヤンキー隊の日常である。「不良と体育会を混ぜたような集団」と周りから言われている。これは、俺自身も自覚があるが。
2019年 5月20日 17:00 カザフスタン 東経50度北緯48度付近 アローズ社第六航空師団
『こちら、航空管制機「エアーピック」ヤンキー隊、状況を報告せよ。』
「こちらヤンキーリーダー。感度良好。任務を開始できる。」
『了解。もうじき、レッサー、ホーカー隊がその空域に到着する。それまで待機しろ。』
「了解。ML、兵装システムに異常ないか?」
「異常は無い。オールグリーンだ。」
「よし、いいだろう。おっと、仲間が来たぞ。」
6機のブラックホークと2機のオスプレイ。中にはアメリカ海兵隊「ネイビーシールズ」と、イギリス陸軍「SAS」の兵士が乗っている。
『こちらホーカー隊ラッシャー。ヤンキー隊ジャンクへ、こちらは感度良好。国連軍のお友達を乗せて飛行中。作戦空域に着いたらカバー頼むぞ。こちらのガンナーも攻撃するが、あんたらの力が必要だ。』
「ジャンクよりラッシャー、あいよ、分かってる。ヤバくなったら大声で呼んでくれ。」
『エアーピックから作戦機全機へ、作戦を開始せよ。』
「了解。作戦空域に移動する。」
前に俺等ヤンキー隊、後方にレッサー隊、ホーカー隊がつく。前方の俺等が大型の対空機関砲、対空ミサイル砲台を始末し、その他の小さな目標はレッサー、ホーカーのガンナーが始末する。単純だが、強力な陣形。肝心なのは、特殊部隊の方だが……いや、彼らは心配いらないようだ。見るからに戦闘のエキスパートだ。MLやギャリサーと同じ眼をしている。
長年、部隊長をやっていると、味方の心情が顔を見れば分かるようになってくる。
川の橋を過ぎると、小さな集落が見えてきた。目標の特殊部隊を降下させる建物は、あの奥の町だ。
『全機見えてきたな。恐らく敵は攻撃してくるだろう。交戦準備!!』
村の中心のところに、トラックのような物が動いている。いや、対空機関砲か。案の定、火砲をこちらに向け、金色の光を放っている。さーて、戦闘が始まるぜ。
『敵が攻撃してきた!!全機、交戦を許可する!!』
「ヤンキー全機、前方の対空機関砲を叩く!!散開しろ!!」
『了解!!!』
「よし、ML、あの中央のヤツを叩くぞ!!準備はいいか?」
「おーよ、全兵装解除。兵装システムをそちらに送る。派手にブチ噛ませ!!」
「おーし!兵装システム受け取った!!」
「こちらレッカー。まず1つ叩きましたぜ!残り2!!」
「やるねぇ~。ミサイル発射!!」
母機から打ち出されたロケットランチャーは、半誘導装置を作動させながら、目標を目掛け、命中し、目標は爆発四散する。
『うわー!!火がぁーーーーー!!!』
「ああ、くそ、いきなり拾っちまったな。敵の回線。」
「……もう拾ったのかよ。はぁー、勘弁してくれ。」
言っておくが、俺は人を殺したくない。できれば、苦しみも与えたくない。言いたいことはそれだけだ。いや、人を殺したいなんて奴は、精神異常者を除けば、いない。
ここでの、「精神異常者」は、ドラマに出てくるような、極度の怒り、憎しみによって、コントロールが狂い、「人間らしさ」が枯渇した奴だ。勘違いはしないでほしい。
では、何故、俺が、人を殺すような道具のパイロットになったのか?それには理由がある。だが、この状況では、述べられないことは承知だろう。後に話そう。
『こちらレッサー隊ローラー。ほとんどの目標が沈黙、降伏した。町に向かおう。』
「了解した。そうだな。全機、町へ向かうぞ。敵の攻撃が激しくなることが予想される。警戒を怠るな。」
『ジャンク!敵戦車だ。主砲に被弾すれば即死だ。狙おう。攻撃許可を。』
町から戦車が4機向かっている。しかも機種は、ヴェルナー社が生産しているT-90戦車!!やはり……。
「村の増援に行く予定だったようだな。全機、攻撃許可!!」
ヤンキーの4機が一斉にかかる。ロケットランチャーでのダメージは薄い。ならば対戦車ミサイル用意!!
「ヘルファイヤ選択。ロック完了。てぇ!!」
ミサイルは狩り用の矢のように戦車目掛けて飛ぶ。着弾!!戦車ハッチから火が噴き出て、火の玉と化す。中の兵士は……ああっ、駄目だ。考えてはいけない。
4つの火の玉が出現したので、俺達は再び、町を目指す。町からは金色の光のような機関砲弾が飛んでくる。
『こちらレッカー。赤外線ロックを受けている。対空ミサイルだ!大型とスティンガーがいる。』
『ローラー了解。スティンガー(携帯式空対空ミサイルランチャー)は俺等が始末するが、大型のは、そっちが始末してくれ。』
「勿論だ。全機、大型SAMを始末する。狙われたら、一時離脱するか、フレア(対赤外線センサデコイ。赤外線ロック出来なくなる。)を放て。各機散開!!」
ミサイルランチャーは全部で8つ。ヘリにとっては、かなりの脅威だ。
「ML、チェーンガン(機関砲)制御システムをそちらに委ねる。手伝ってくれ。」
「了解だ。きっちり援護してやるぜ。」
手は多い方がいい。まず、南東の2基を始末する。MLには言わなくても分かる。
照準よし、ロケットランチャー装填完了。だが、同時に、ビービー、と赤外線ロックを伝える電子音がコックピットに鳴り響く。
「フレア射出!フレア射出!ML、射程に入っただろ、やってくれ。」
「わかってるぜ、チェーンガン発射!」
手前のミサイルランチャーが金色に塗装されたかと思うと、爆発し、煙を上げる。1基撃破!!
「ナイスだ!」
「チェーンガン、冷却に入る。……今回は敵の回線、拾わなくてよかったな。」
「ああ、慣れるもんじゃねぇ。次行くぞ。」
「ああ。」
奥のミサイルランチャーを照準に合わせる。ん?敵がミサイルを撃った……!?ラッシャー!!!
いや、大丈夫だな。ラッシャー機はフレア射出。
『うお!危なかったぜ。ベロート、下にスティンガーとRPG(ロシア製無誘導グレネードランチャー)がいる!始末してくれ!!』
『音が聞こえないのか!?今やってる。』
『操縦に集中してんだよ!!うお!!またRPGが飛んできた!!あぶね~』
オスプレイの側面からM134ミニガンが放たれている。ガトリング弾が着弾すると、敵兵士は武器を捨てて逃げ出す、歩兵は彼に任せて大丈夫だろう。
「照準よし、てぇ!!」
8発のロケットランチャーの直撃を食らったSAMミサイルランチャーは、紅蓮の火の玉と化す。相当ミサイルを搭載していたのだろう。
「おーし、やった。」
「今度は北のヤツを叩くぞ!!ラッシャー、続け!!」
『おーよ、地獄までついて行ってやるぜ!!』
『こちらギャリサー。3基やった。あと2つ。』
「了解、1つ狙っている。南のヤツと対空機関砲を始末してくれ。」
SAMミサイルランチャーの周りには、歩兵がこれでもか、と言う程随伴している。……逃げればいいものを。
『こちらラッシャー。赤外線ロックされた!フレア、フレア。』
敵も馬鹿じゃない。こちらより、腹のデカイオスプレイに兵員が乗っていることが分かるのだろう。だが、フレアの弾数はあちらの方が多い。こちらは兵装が豊富。つまり、誘導兵器で落とされる確率はどの機体もあまり変わらない。あとは運と操縦技術だ。
「歩兵が多いため、MLは小規模目標を狙ってくれ。俺はSAMをやる。」
「了解。」
敵兵がこちらを指さして何か言っている。一斉攻撃か!?否、撤退だ。MLとベロートの攻撃で数をかなり減らされている為、最善の判断だろう。だが、中には、恐怖のあまり、こちらをアサルトライフルで撃ちまくっているヤケクソの奴もいる。軍用ヘリには、装甲が備わっている為、効果は皆無だ。
『ジャンク、作戦変更だ!!左の建物の屋上にRPGが集まっている。SAMはベロートが始末するから、ヤンキー1はRPG野郎をやってくれ。』
やはり、タダで逃げたのではないのか。確かに屋上にたくさん集まっている。
「MLやるぞ。ファーストコンタクトで始末しよう。」
「おお、分かった。」
RPG弾が横を通り過ぎていくが、ひれ伏すことは出来ない。照準をRPG隊の中心に合せる。
「ロケットランチャーてぇ!!!」
「チェーンガン掃射!!!」
ロケットランチャーとチェーンガンの攻撃で屋上は愚か、家が崩れ始める。こちらは成功。ベロートの方も成功したらしい。SAMが真っ黒になり、煙を上げている。
もうこの地域にはヘリに対する大きな脅威は無いと考えてよいだろう。
『こちらベロート、成功した。これでSAM、対空機関砲は全滅だろう。』
「ああ。全機へ通達、これより町中心部へ移動する。ここからが本番だ!!気を引き締めろ!!!」
――彼等はまだ知らない。この時既に、世界の半分を巻き込む、「戦争」が始まっていることを。
はい、今回はここまで。次回をお楽しみにしていて下さい。