空の欠片   作:koba艦長

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投稿がかなり遅くなったkobaです。
オリジナル小説の方のタイトルとかストーリーとか考えていて、すっかり、8月終わっちゃいました(笑)
そんなわけですが、14話お楽しみ下さい。


第14話 空ザメの群れ

『やーと、着いたか。』

 

「腰が痛い……」

 

『リーパー、お前、腰があまり強く無いようだが、大丈夫か?』

 

「ああ、大丈夫だ。問題無い。」

 

 スリランカ、ガル飛行場出発して10時間。やっとこさ、カザフスタン、シル地域に到着した。かなり腹が減っている。餓死は避けられそうだが、着陸したらすぐにでも夕食が食いたいところだ。

 

『こちらシルコントロール。アローズ第一航空師団は第一、第二、第三滑走路へ着陸せよ。なお、作戦から帰還したヘリ部隊が着陸を行っている。注意せよ。』

 

『もうすっかり夜だな。今日は爆睡できそうだ。』

 

『同感だ、オメガ。おい、西の格納庫前に着陸しているヘリ部隊は第六航空師団じゃないのか?ラプターアイ?』

 

『ああ、あれは確かに第六航空師団だ。交信は出来ないが、降りたら話に行くといい。』

 

 西格納庫前にはAH-64アパッチ、UH-60ブラックホーク、V-22オスプレイが着陸している。あれが彼等の機体……高価な機体の性能十分に発揮できるパイロットというわけか。ますますパイロットに会いたくなってきた。

 

『ボーンアロー隊、第三滑走路に着陸せよ。』

 

『了解。ヴァイパー、着陸態勢に移る。』

 

『ブロンコ及び、3,4後方に待機。』

 

 ヴァイパー、着陸成功。我々も着陸を行う。相変わらずブロンコの着陸は滑らかだ。俺も着陸態勢をとる。夜間着陸なので滑走路周辺はライトが輝いている。機種をやや上げ、車輪が地面と接触するため、Gが体に伸しかかる。着陸成功。傭兵になってから地面の感覚がすっかり安息の感覚になってしまった。

 

『ボーンアロー隊は西側第2格納庫へ移動せよ。』

 

『おおっ、第六航空師団の格納庫に近いな。こりゃ、管制塔の連中もいいとこあるじゃねーか。』

 

『聞こえてるぞ、ボーンアロー1。』

 

 第六航空師団のアパッチにはサメのマークが描かれていた。やはり「エース」の証だろう。

 タラップを掛け降り、部隊と合流する。が、何故か3人が7人になっていた。えっ?誰?整備兵の格好では無い。ということは……第六航空師団のパイロット!

 

「おお、彼がスーパールーキーか!?」

 

「ああ、そうだ、「リーパー」って言うんだ。」

 

「あっ、どうも。」

 

「ああ、よろしくな、リーパー。俺はジャンク!! 第六航空師団ヤンキー隊隊長だ。んで、こっちが副部隊長の酒にガメツイMLだ。」

 

「ガメツイのはお前もだろ!! ああ、リーパー、俺がMLだ。こいつの火器管制士だ。」

 

「んで、俺がラッシャー。ほら、あれ、あれが俺のオスプレイだ。」

 

「そのオスプレイのガンナーのベロートだ。リーパーいいか? 絶対、ラッシャー、MLと酒飲むなよ、こいつ等、酔いまくってヤバいから。あ、因みに俺は酒に強いぞ。」

 

「なんだよ!! 酔いまくるって!!!」

 

「俺はそんなに酔わんぞ!!」

 

「「「「いや、お前、酔いまくって、酒飲んでる時の記憶飛んでんだよ。」」」」

 

 第六師団連中が声を合せてMLに向けてツッコむ。これにはボーンアローの面々も吹いてしまった。

 

「え?……」

 

 MLが苦笑している。この男、そんなに酒に弱いのか? だが、確かに第六航空師団は酒好きが多いようだ。まぁ、そんなに酒は飲めないと思うが。

 

 

「ああ、よろしく。改めて俺がリーパーだ。愛機は、今ハンガーに移送しているあのF-18E。得意戦闘は対空と対艦。アカデミーはサンフランシスコだ。第六航空師団、よろしくな。」

 

「おう!!! こちらこそ、よろしくな!!!」

 

 ジャンクが俺の肩を少し強く叩く。うん、オメガより陽気だな、この人。それと、ジャンクの肩にはサメのワッペンがある。やはり、第六のエースか。

 

「俺等の機体を見ておかないか?リーパー。」

 

「ああ、今日は夜遅いからな。明日見させてもらうよ。」

 

「よっしゃ、分かった。俺がガイドするぜ。」

 

「あ? ジャンク、俺がするぞ。」

 

「いや、ML、俺がやる予定だ。」

 

「いや、ギャリサー、俺がしたいんだ。」

 

「「「「あ、バットズ、どうぞ、どうぞ。」」」」

 

「はぁ!?」

 

滑走路の一角に笑い声が響きわたる。第六航空師団という刺激的な連中に出会ったことが今日のメインイベントだったが、それ以上に約10時間という過酷な長距離飛行が体力を奪った為、案の定、寝床に着いてすぐに夢の中だ。

 

 時計の針を数時間前に戻そう。

同日 16:30 イユーリ、ヴェルナー本社

 

「……では、貴方及び傭兵部隊、兵器開発部門関係者以外は、この件に関わっていないと。」

 

「はい、そうです。やはり、わが社の兵器開発部門最高責任者のキャスパー、コーエンの独断だと思われます。既に、コーエンには処分を検討しております。」

 

「ふむ……それでは、ヴェルナー社への制裁は「傭兵部隊、兵器開発部門の再編」と「キャスパー、コーエンの解雇」ということで決定しましょう。」

 

「分かりました。彼に解雇処分を申請します。」

 

「ええ、お願いします。しかし……貴方が事件に関わっていなくてよかった。」

 

「私は父からヴェルナーを受け継いだ身です。ヴェルナー社の顔に泥を塗るような真似は致しません。コーエンには罪の重さを味わってもらいましょう。」

 

「そうですな。あ、そうそう、貴方に見せたい写真があるのですよ。コーエンにも見せますが、やはり、貴方の目にも入れておいた方が良いかと。」

 

「ほう、で、その写真は?」

 

「これです。これは、東京襲撃前日に、アメリカの軍事衛星が偶然捉えたものです。少々、ぼやけておりますが。」

 

「……これは……兵器開発部門はこんなものを開発していたというのか……」

 

「ご存知ない?」

 

「ええ、こんな大きいものをこれまで秘かに開発していたとは……兵器開発部門上層部にもコーエンの考えに賛同する者が、いたのかも知れない……官僚、また明日も制裁についてお話できないでしょうか? 傭兵部隊、兵器開発部門への追加制裁を加えなければ、ならないかもしれません。」

 

「よろしいですよ。私はこの後、コーエンとの面会を行います。まず、彼を洗ってみましょう。」

 

「ええ、では、また明日。」

 

「ええ、それでは。」

 

 

 

「終わったよ、これより、面会を行う。」

 

 随分長かったな。やはり、それほどまで大きな決議だったか。

 

「ええ、第二塔へ行きましょう。」

 

「ああ。」

 

「それで、官僚、制裁のほうは、いかなるもので?」

 

「ん? 明日、もう一度決議する。それで決まるだろう。」

 

 官僚が獲物を狩った猟師のような眼をしている。なるほど……どうやら、事件の完全な終息が近いようだ。

 

「でも、「事件」で収まって良かったですね。「戦争」にならなくて。」

 

「全くだよ。もう、この事件は終わる。」

 

「やはり、官僚が自身でここまで来た甲斐があった、ということでしょうか?」

 

「そうだよ。今日の決議が始まる前に家族からメールが来てね。孫の誕生日パーティーを5日後開くそうだ。それまで、帰らないとな。」

 

「おめでとうございます。3日後には帰れると思いますよ。」

 

「ああ、それまで、仕事だ。」

 

 3日後には帰れる。ホント、俺も早く家に帰りたいところだ。聞けば、官僚も孫のパーティーがあるらしいから、俺と同じだろう。異国の地はどうも、慣れることは出来ない。だが、3日後には祖国の領空に入れるんだ。それまで、この仕事を成し遂げよう。

 

 

 

「官僚、こちらです。」

 

「うむ、彼はいるのか?」

 

「はい、待機しております。」

 

「よし、早速、面会するぞ。」

 

「それでは官僚、私はモニター室にて待機します。案内してくれ。」

 

「はい、こちらです。」

 

「それでは、官僚、後に会いましょう。」

 

「ああ、監視頼むぞ。」

 

 二号館の廊下でもこの豪華な模様は、ヴェルナー社の裕福ぶりを思わせるようだ。しかし、廊下にもアサルトライフルで武装している警備兵が巡回している。

 

「警備が相当厳重なんだな。」

 

「ええ、ここニ号館は兵器開発部門の総本部でもありますからね。本館同様の警備です。機密情報などがありますので。」

 

「なるほどな。」

 

 俺は納得したのだが、すぐに目を疑った。ぶ厚い金庫のような扉の前に、ライトマシンガンで武装した兵士が2人立っている。おまけに、監視カメラに高質力スタンガンが搭載しれている。……ここまでするか? 普通。

 

「こちらです。」

 

「ああ、ありがとう。」

 

 扉を開けた先は、中型のディスプレイが並ぶモニター室だ。だが、そこにはもう一人の男の姿があった。彼の姿はヴェルナー社の者ではない。俺の同僚である。

 

「おお、来たか、マイク。」

 

「先に居てたとはな、チャールズ。で、官僚は?」

 

「4番モニター、取り調べ室のカメラだ。」

 

 官僚は白衣を着た男と話しをしている。キャスパー、コーエン。恐らく東京、エアーデザート、国連艦隊襲撃を指示した張本人。そんな犯罪者と官僚を直接面会させるのは危険ではあるが、彼には本来の意味での「敵」と話したいという強い意志があった。その為、警備兵が取り調べ室周囲に展開し、コーエンにも手錠をさせている。

 

 

 

 取り調べ開始から20分がたった。一つ気付いたことがある。それは、コーエンが「焦り」や「恐怖」を感じていないということだ。マイクから拾う彼の声にそれらを感じられず、むしろ、官僚の質問に冷静に受け答えしている。ここまで冷静だと、なにか奴に策があるように思えるが、この警備体制ではおかしな行動は出来ない。そうしたら、10秒後には奴の頭が飛ぶだろう。

 

「あいつ……おっかねぇほど冷静だな。」

 

「ああ、なんなんだ? 奴は。」

 

「失礼します。ご夕食をお持ちしました。」

 

「ああ、入れ。」

 

「失礼します。」

 

 警備兵が夕食を持ってきた。豪華な夕食なだけ満足だが。

 俺等はモニターを凝視しながら夕食を口に運ぶ。なかなか旨い。

 そういえば、昨日の就寝は2時だったな。昨日ではなく今日であるが、収集した情報の転送や報告やらで夜遅くなってしまった。その寝不足が今襲ってきたようだ。だが、さすがに寝ることは出来ない。

 さっきまでは、眠気だけだったが、だるさまで襲ってきた。しかも、だんだん強くなってゆく。

 おかしい……体に異常なまでに疲労がたまってきている。1日程度の寝不足ではこんな症状はでるはずがない。

 

「おい……チャールズ……チャールズ? おい! チャールズ!! どうしたんだ!?」

 

 この時、疲労ではない、異常に気付いた。――体が動かない!!!

 チャールズの状態を見にいこうとした俺は下半身が動かせなかった。焦りと同時に、今までになかったほどの強烈な眠気に襲われ、状況を理解できぬまま、眠りに入った。

 

「お話したいことがあります。……入りますよ。」

 

「……こちら2-1。1-3へ、行動を開始しろ。」

 

「1-3了解。そいつらも人質に使えそうか?」

 

「ああ、だが、殺しちまうんだから、誰でもいいだろ。国連官僚は必ず必要だがな。」

 

「そうだ。これより行動を開始する。その2人はトラックに入れとけ。」

 

「ああ。分かった。」

 

 

 

「どこから、技術を盗んだ?」

 

「「盗んだ」ですか、官僚。私は盗んだのではなく、造りだしたのですよ。」

 

「ほう、この写真のヤツをか? よく、こんなものを。今、どこ飛んでる? 開発資金はどこからだ? 協力者は何人いる?」

 

「……官僚、あなたは、視野が狭い。」

 

「は? 何を言っていr――」

 

「突入!!」

 

「なんだ貴様ら!!!? おい、なにをする、バックを返せ!!! 部下が監視していることを知らんのか!!!?」

 

「官僚、視野とは、貴方がこの世界の実態について、どれだけ、理解しているか、ということです。貴方は愛国心の強いあまり、自分達のことばかり考えてしまっている。だから、今すべきことを実行できない。」

 

「コーエン貴様!!! 私を捕まえることが目的だったのか!!!!」

 

「ええ、貴方は愛国者の英霊となっていただきます。因みに、ここの貴方の部下や仲間ももう、私の手のひらにありますよ……やれ。」

 

「おい、なんだそれは!!!! うっ!!!!」

 

「ごゆっくりお休みください。こいつとこいつの仲間を偽装トラックに運べ。出発するぞ。」

 

「了解です。傭兵部隊の司令官から連絡がございますよ。」

 

「なんだ?」

 

「明日の今には決起が開始できる、と。」

 

「そうか、準備は万全だな。よし、移動するぞ。」

 

 

 戦争は戦争を産む。もう、止めることは出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
これからの投稿もすごく遅くなると思います。
あ、ちなみに、オリジナルのタイトルは「並行戦火」(仮)です。11月にピクシブ様、小説家になろう様に投稿しますので、そちらもどうぞ!!
それでは、また次回~
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