第1話 爪痕
遠く遠く続く水平線、青い空、青い海、白い雲。
その中を飛ぶ輸送機C-130と数機の護衛機。
これほどまで透き通った海の上を飛ぶのはいつ以来だろうか?しかもミサイルも機関砲も飛び交わない空を。まぁ、俺は実戦を経験していないルーキーであるが。だが、模擬戦は嫌なほどやってきた。その成果が実り、我等がアローズ社のエース部隊に配属させてもらうことができたのである。まだ見ぬエースとの出会いが楽しみで仕方ない。と同時に、実戦への不安と恐怖も少なからず感じている。
そんなことを考えながら「俺」ことTACネーム:リーパーは青い透き通った海の上を飛んでいる。他人に操縦をあずけ旅客機や輸送機の丸い小さな窓から見るのもいいかもしれないが、広いキャノピーで自由自在に機体を動かしながら見るのも悪くない。
俺は警戒のためレーダーを凝視するが、自機であるF/A-18Eと数機のF/A-18Cなどの見方機、そして護衛任務の対象となる1機のC-130それ以外何もない。あるはずがない。
―太平洋東部は日本やハワイに駐留するアメリカ軍の管理下にあり、この海域、空域に侵入するなど自殺行為といえる。
そもそもこの任務は正確には、護衛ではなく、輸送と移動なのだが、念のために、こうして物騒な空対空ミサイルをぶら下げてとんでいる。
遠く遠く続いていた水平線に薄く長く、平べったい大地が見えてくる。―見えた。あれが、俺の配属された部隊との合流の地、日本国旧首都東京である。
平べったい大地はだんだん大きくなり、そのうち世界一の電波塔である「スカイツリー」や、世界遺産の一つである「フジヤマ」などもみえてきた。だが、それらを吹き飛ばす光景が目に入る。灰色のコンクリートジャングルの一角にある半径3キロ以上はある黒く、大きなクレーター。クレーター最深部には雨水のような液体がたまっている。これが、「ユリシーズ」の厄災の爪痕である。「破片」がここ東京にも落ちたことは知っていたが、これは想像以上であった。こんな人口密集地帯での落着は何千、何万の死者をだしたに違いない。
厄災当時俺は、6歳だったため、薄っすらとしか覚えていないが、確か昼間なのに流れ星がはっきり見えた、ということは覚えていた。俺の住んでいた町は「破片」が1つも落ちてこなかったので、落着現場は見ていなかったが、後日、200キロほど離れた町でクレーターを見た。そのとき見たクレーターとここ東京のクレーターは瓜二つである。
俺はクレーターに敬礼し、空域を離れ、目的地である百里基地へと向かった。
いかがだったでしょうか?この小説は不定期投稿ですので、いつ次回を投稿できるかわかりません(笑)。また、感想もまっています。アドバイス、質問などをいただけるとありがたいです。(荒らしはやめてください) 次回..主人公が...............................しゃべります。