オリ主が転生する際に不老とハリポタの呪文全部とアイテムの知識をもらってダンまちに行った話   作:衝動書きする人

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魔法生物使い

 

「みんなすまない。突然集まってもらって」

 

 ロキ・ファミリアの本拠である黄昏の館。その1室である会議室に、フィンとリヴェリア、ガレス、ロキ、そして少なくないロキ・ファミリアの団員が並んでいた。

 

「なんなんだフィン。俺たちを呼び出しやがって」

 

 その中でイラ立ちを隠そうともせずにフィンを睨みつける狼人の少年、ベート・ローガ。いつものことであったためにフィンは特に気にすることなく言葉を続ける。

 

「すまないベート。だが、オラリオにいる者として情報を集めておきたいことがあったんだ」

 

 フィンの言葉にベートだけでなくロキと幹部以外の者全員が疑問気にしている。情報が欲しい、というだけならば集める必要はない上に闇派閥のことならば闇派閥の情報を集めている者がいる。もちろんその者たちだけですべての情報を集めることは不可能だということはわかっているが、それでもこのように集められるとこはこれまであまりなかったことだった。

 何かまずいことでも起きているのか。そう思った団員たちは真剣な表情を浮かべてフィンの言葉を待った。

 

「みんなはヴォルデモートという名前に聞き覚えはないかい?どんな些細なことでもいいから知っていたら教えてほしいんだ」

 

 ヴォルデモート。多くの種族と性別の人が名乗っている名前であり、魔法を使うこと以外にはほとんど情報がない謎の人物たち。共通しているのは腕の長さもないほど短い杖を使うこと、多種多様な魔法を使うこと、そして、致命傷を負わせずに相手を殺すことができるということのみ。

 今は闇派閥やそれに準ずる者にのみその矛先は向いているが、いつ自分たちにその矛先が来てもおかしくはない。そう判断したフィンたちは情報を集めることにしたのだが、ギルドからもらえる情報はロキが話したことのみであり新しい情報はなかった。だからフィンたちは何かほかの情報はないかを確認するために団員を集めて情報を聞いていた。

 だが、ヴォルデモートの名前を聞いてもピンときている様子はなかった。誰もが必死に思い出そうとしているが思い至ることはないのか、首を横に振るものがほとんどだった。思い出した、あるいは知っていると言う者もどれもロキから既に聞いた話ばかりで目新しい話はなかった。

 

「ヴォルデモート?なんであの珍獣野郎の名前が出てくんだ」

 

 ただ1人、ベートを除いて。ベートはどうしてその名が出るんだ、と言わんばかりの声を出し、それを聞いた全員が思った反応と違うとベートを見る。

 

「知っているのか、ベート?」

 

 フィンの言葉にベートは思い出したくもないと言わんばかりに苦々しい表情を浮かべ、大きく舌打ちをした。 

 

「知らねぇよ、あんな珍獣使いのことなんざ」

 

「珍獣使い?」

 

 誰もが魔法使いだと言っている中、ベートは全く違う言葉を出した。魔法以外のことが出てくるとは思ってもいなかったフィンたちは驚く。

 

「ベート、その話聞かせてくれないか?」

 

 フィンの言葉にベートは不快そうに顔を歪ませる。ヴォルデモートと出会った時のことを思い出したくもないのかベートは再び強く舌打ちを打つ。

 

オラリオ(ここ)に来る前にあの野郎の馬車に乗っただけだ」

 

 馬車を引いてたのは馬じゃなくて真っ黒な馬みたいなバケモンだったが、と忌々しいと言わんばかりに吐くベート。嫌がるベートに詳しい話を聞くと、オラリオに来るときにヴォルデモートに出会い、途中まで馬車に乗って送ってもらった、とのことだった。

 

「モンスターを馬代わりに使っていた、か。ヴォルデモートの襲名説が濃厚になってきたね」

 

 調教というスキルがある以上、外部では珍しいがありえない話ではない。調教を使ってモンスターを飼い、並外れた体力を利用して移動手段として使っている。道中もモンスターを使って山賊を退け安全を図る。モンスターを飼うという難易度に目をつむれば、確かに合理的だ。

 フィンたちがそう納得していると、ベートはフィンたちが想像しているものが自分と知っていることとは違うことを悟り、めんどくさそうに顔を歪ませて舌打ちをする。

 

「モンスターじゃねぇんだとよ。ヴォルデモートが育てているのは」

 

「どういう意味じゃ?」

 

「知るかよ。引いてるのがモンスターだと思ってぶっ殺してやろうかと思ったら、あの野郎魔法で止めた挙句あれは魔法生物だとかほざきやがった」

 

「魔法生物?なんだそれは?」

 

「んなこと知るかよ。魔石のない不思議生物だとか言ってたが、本当かどうかは知らねぇし知る気もねぇ」

 

 ベートの要領の得ない返答にますます混乱に陥るフィンたち。モンスターではない普通じゃない生物。そんなものが存在していたなんて聞いたこともなかった。ベートの言葉を信じないわけではないが、説明されたことを聞いてもとても信じられ宇ものではない。嘘をつかれたとしか思えない。

 

「俺が乗ったやつのは、確かセストラルとか言ってたか。人の死を見たやつにしか見えねぇんだとよ」

 

 つくづく人をバカにしていやがった。その時のことを思い出しているのか、イラ立ちを隠そうともせず床を踏みつけるように蹴る。

 

「セストラルぅ?なんでそんなもんがおるんや」

 

 誰もが信じられずにいた中、ロキは怪訝そうな声を上げる。信じられない、というものではなくどうしてその名前が出てきたんだ、という疑問気な声に、フィンたちはロキに視線を移す。

 

「知ってるのかロキ?」

 

「知ってるも何も、うちら神が地上に来る前に滅んでる生物やで」

 

 ロキの言葉にそこにいた全員が驚きの声を上げる。

 

「滅んだ生物?」

 

「せや。リヴェリアたちが知らんのも当然の話や。なにせ生きとったんが遠い昔、それこそアルゴノゥトが現役やったころよりも前って話らしいわ」

 

 神が地上に来たのが約1000年近くも昔のことだ。さらに最古の英雄譚(アルゴノゥト)よりも昔、つまり何千年も前に絶滅した生物だということになる。モンスターが蔓延る時代の生き物は、人すら生きることに必死だったことを考えると確かに絶滅していてもおかしくはなく、誰も知らないのは当然のことだろう。

 

「そんな前の文献、どこにあったんだ?」

 

「どこも何もうちの部屋にあるで。図書館からもらってきたもんや」

 

「図書館?」

 

「なんでも図書館ができた直後に寄贈されたもんらしいで。信憑性もないもんやって処分するところをうちがもらってきたんや。その本を読むまでそんな生き物がいるなんて思ってもいなかったからなぁ、年甲斐もなくはしゃいだもんやで」

 

 まさかこんなところでその時の話が出るなんてなぁ、とロキは感慨深そうに呟く。神すら知らない生き物を記した本が存在していることに驚きを隠せないが、それ以上に処分されかけていたところにロキが拾ったことにこの場にいる全員が奇跡を感じられずにはいられなかった。

 ちょっと待ってな、と一言断りを入れて部屋を出るロキ。しばらくすると分厚い本を片手に服に埃を付けてロキが戻ってきた。

 

「あったあった!いやぁ、もう最後に見たん何年も前やから探すのに時間かかったわ!」

 

 その本はまるで生き物の毛のような装丁がなされており、本の表紙には目を閉じているかのような文様があった。本自体が古いものだと感じさせられるほどボロボロになっており、ロキも扱う手は慎重だった。

 

「セストラル、セストラル……。お。あったあった。ベート、セストラルってこんな感じの生き物やった?」

 

 ロキが全員に見えるように本をかざす。フィンたちを含む全員がセストラルという生物に興味があったのかベートが見える位置を除いて我先にと本へと覗き込んだ。

 

「うわぁ。これ本当に生き物なの?モンスターじゃないの?」

 

 少女の声の通り、そこに書かれていた絵は確かに馬のような姿だが、骨ばっていてドラゴンのような翼を持っている、見た目はまさにモンスターとしか見えない生き物だった。こんなものが見えていたのなら、確かにモンスターと思ってもおかしくはない。というよりもどうやってこれをモンスターじゃないと判断していたのかすらわからない。それほどまでにセストラルという生き物は常識はずれな姿をしていた。

 

「……あぁ。確かこんなやつだった」

 

 ただ、ベートは嫌なものを見たかのように顔をしかめ、同時にわずかに懐かしむかのような声を出すが、それに気づいた者はいなかった。

 

「まさか、その本もヴォルデモートが書いたものなのか?」

 

「いや、著者と寄贈者の名前はルビウス・ハグリットって書いてあるで」

 

 さすがに寄贈したやつの容姿までは書かれとらんかったけど。そういって表紙や裏表紙の裏を確認するが著者の名前とコメントしか発見できず、そのコメントもヴォルデモートを仄めかすようなことは書かれていなかった。

 

「この本によると……。あったあった。『セストラルは死を見た人のみ見える魔法生物である。その特性ゆえに見た者の絶対数も少なく、話を聞いても信じられることも少ない。その姿と発見方法から不吉な存在として語られていた生物でもある』やって。ベートの言ってることと同じことが書かれとるな」

 

「なら、あの野郎が言ってたことは本当だと?」

 

「かもしれんなぁ。この本の書いてあることが本当なら、やけどな」

 

 ロキの言葉に再び大きく舌打ちをするベート。ベートがヴォルデモートとはもう何年も前に出会ったきりであるためヴォルデモートのことはほとんど覚えてない。せいぜいが注意しておいたほうがいい魔法生物をいくつかおぼろげに覚えている程度で、容姿も黒いローブをかぶっていて見えていなかった。

 

「ベートも嘘は言っとらんし、少なくともうちも本でしか知らんやつを飼っとるのは確実そうやな」

 

 ふむ、と少し難しそうな表情を浮かべるロキ。パラパラと本をめくる手を止めようとしない様子にリヴェリアは軽くため息をはいて視線をベートに戻す。

 

「ベート、ヴォルデモートのことで他に何か覚えていることはないか?」

 

「知るかよ。生物の話しかしてなかったぞあの野郎は」

 

「ちなみに何飼っとるとか言っとった?」

 

「んなもん知るかっ!」

 

 ロキの言葉が気に食わなかったのかベートは怒りで声を張り上げ、もういる意味はない、と言って会議室から出て行った。

 

「……ベートに興味本位で聞いても機嫌を損ねるだけだぞロキ」

 

 ベートが出て行った扉を見てリヴェリアはため息交じりに言う。話を聞いているときから聞いてほしくない様子だったのに、どうでもよさそうなことを聞いていたロキに注意をするが、ロキはそれを聞いてもあまり反省した様子はなかった。

 

「うーん。せやねんけど、もしこの本に書かれてることが本当ならヴォルデモートはやばいの飼っとる可能性があるんや」

 

 ロキは難しい顔をしながらパラパラと本をめくっていき、該当するページになったのかめくるのを止める。そのページには危険魔法生物、と題されており、そこにはいくつもの生物が描かれていた。

 

「アクロマンチュラに吸魂鬼にバジリスク。もしこんなん飼っとるんやったら、ヴォルデモートの機嫌1つでオラリオは何時滅んでもおかしくないで」

 

 人すら喰らう肉食の巨大な蜘蛛、幸せな記憶を喰らう化け物、瞳を合わせるだけで死に至る大蛇など、英雄譚にも出てこないような化け物の存在。どれも聞いたことのないものばかりで存在すら疑わしい、いることを信じているのもバカらしいと思えるようなものばかりだったが、どうしてかロキは嫌な予感をぬぐうことはできなかった。

 

 





バジリスクや吸魂鬼が絶滅するわけないやろ!という意見は間違いなくあると思いますが、ルビウス・ハグリッドなる人物が書いただけなので根拠に乏しいです。ルビウス・ハグリットって誰だろうなぁ←
というか、正直ハリポタの世界でもあんなに強いのに管理ありきとはいえ絶対数が少ないので、この世界でも絶対数が少ない、繁殖力が乏しい、生まれることが困難であるということにしてます。
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