ホロライブ・ザ・リング   作:坩堝の騎士王

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始原(オワリ)の秘割符
とある[()()]に誘う不思議な秘割符。
[運命の死神]を越え、大聖剣の秘路に至る時……
そして、秘割符を掲げよ〜






この先、祝福があるぞ…即ち、苦難の時間だ!

 

〜とある世界の中心・大聖剣の麓〜

 

翡翠に輝く大聖剣の麓にある平原にて、幾人の戦士達が、強大な"英雄"に向かって突撃して行く。ある者は、王女から譲り受けた"斬馬刀"を振るい、ある者は退魔師として、ある者は異世界からの英雄としての矜恃と共に、最強に挑み続ける。

 

「効かぁぁぁぁん!!!!!」

 

「…はぁぁぁ?!…もう、"時食み"から復帰しやがった!!」

 

「…一応貰い物だけど[時間の神]の御業だよ?……強すぎる…さすが、…最強の一角……!!」

 

フェネックの少女"尾丸ポルカ"が当てた特別なナイフは、時間の神から授かった[時食みのナイフ]私の力のほんの一欠片と言っていたが、当てれば数分は相手を固定できるがものの数秒で復帰されたことに戦慄した。

そしてに紅い龍の鎧に身を包んだ少年もまた、理性を取り戻した最強の一角――【天騎士・ノエル】と戦っている。

 

「ポルカぁ! 赤聖杯は!?」

 

「ゴメン!もうないよぉぉ!!イチカは!?」

 

「じゃ、俺の一本やるわ!!もう突っ込むから、フォロー宜しく!!」

 

「うん!!"ラスト・ファンファーレ"これが最後だよ!!」

 

イチカと呼ばれた少年が虚空から"白銀騎士の斧槍"を取り出したと同時に、ポルカと呼ばれた少女は、自身が持てる最大の支援技にて、イチカや場に居る戦士達の鼓舞をしていく。

 

「ノォォォォエェェェェルゥゥゥ!!!!!」

 

「「はぁぁぁぁ!!!!!」」

 

「来い!!全て"団長"が薙ぎ払ってあげるっ!!」

 

本来ならば、混沌の呪いによって意識を蝕まれ、獣のように振舞っていた堕ちた天騎士は、言葉を介し 全盛の力を持って、英雄たる者達との戦いを楽しんでいる。 これには、今の世界の法となり、現在は【オメガ・ジェネシス】と呼ばれる異空間に存在している[???・????]が絡んでいるのだが、これはまた別の話。

だが、壊れ狂った世界を元に戻す為、イチカは元の世界から此処に転移されてきた。始めのうちは、只只、混乱しながらもホロアースを巡り、各地の敵と殺し殺されを繰り返して、繰り返して、繰り返して、6回を超える程に[律]を修復した。その結果、ホロアースを[律]が覆い、生命達は正気を取り戻した。

 

「重撃で気絶しろっ!!」

 

「オマケで残花の太刀も、受けろっ!!!」

 

ちなみにだが、ホロアースでは魔法も己が武力もどっちもクソ強が少数だが、存在している。(例:【天騎士ノエル】のように…)…その為、その魔法を突っ切った上でフィジカルを超える一撃を叩き込まなければならない。

 

「ぬぉりゃァァァ!!」

 

「ぐふぉぉ!!!」

 

「長尾さぁぁぁん!!」

 

そして、全盛期の英雄の強さは凶悪どころの話では無い。生半可な実力では、まず死に続けるだろう。

 

「まだまだ甘いよみんな?」

 

「くっそ………"総帥達"に笑われる……! って、"ネザーバースト"拡散させんじゃねぇ!!」

 

「おい……イチカ、 これ……詰みじゃね?」

 

「―あぁ、そうだなぁ……!!?」

 

この場にいる戦士全ては、憔悴しきった顔で天に飛び立ったノエルを見上げてこれから起こることを悟った。

 

「「「さすがに強過ぎだろぉぉぉぉ!!!!!」」」

 

その叫びと共に、紫電を纏った龍星の大衝突により、平原をけたたましい轟音と爆発が呑み込んだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

時はキンクリで飛びまくって、戦祭りの終わり……疲れたような顔をしてイチカは、豪勢な食事を摘んでいた。

周りでは宴会も行われている様で辺りに酒の匂いが漂っていた。

 

「今年は……いけると思ったんだけどなぁ……」

 

「死ぬ程、頑張ったぞ……さすが、星砕きの天騎士ノエル……」

 

「落ち込んでもしょうがないだろ?長尾景、イチカ。今回は、天騎士ノエルが強かっただけの事だ!」

 

「うむ!次こそは俺達が勝つぞ!」

 

周りには同じく、戦祭りに参加していた、戦士達がおり、思い思いに酒を飲みながら、肉を喰らい、騒いで踊りまくっている。かつて死したその者達が一同に会している。本来は、有り得ない光景なのだが……

更に目を剥くような光景が追加される。

 

「というか、来賓のテメェらも闘えよっ!!」

 

「イチカよ…それは悪手だなぁ……」

 

「妾達が混ざれば、この大地がご察しの通り…な状態になるが、良いのか?」

 

「…正論っ!……」

 

設けられた来賓席には、異なる世界…[レインボーアース]の出身者達が来訪していた。この戦祭りにも何人かが、打って出ている。

ありえない光景ではあるのだが、世界が何度も修復を繰り返した結果がコレなのだ。最初は、イチカも戸惑っていたが、ホロックスのメンバー達が、

[秘密結社の仕事(汚部屋の掃除)]をさせようとしてくる現実を受け入れている。

 

「―さ〜て、戦祭りも終わった事だし、ラミィと一緒に飲も〜よ〜…ヒック…」

 

「ヒェッ………」

 

瞬間、ガッチリと白く綺麗な手がイチカの両肩を掴む。彼を拘束した張本人は、薄い笑みを浮かべながら、ハーフエルフ特有のパワーでこれでもかと両肩を掴んでいた。ご丁寧に[御神酒]の力(泥酔)で擬似的に能力を引き上げている時点で、彼女の本気度が伺える。

 

「嫌だよ!俺はまだ中学生ですけど?!…」

 

「200年〜近くは〜ここに〜居るでしょ〜……」

 

「助けてアレックス―って居ねぇ!!」

 

何かを感じとったらしい、お菓子の国の女王【姫森ルーナ】の最古参の家臣にして、イチカの友である、【幻影騎士・アレックス】はいつの間にか消えていた。

 

「ぬわ〜、絶対にお酒の序に俺が喰われるのが確定してる場所になんで行かなきゃいけないんだ〜」

 

バタつくイチカをその膂力で引っ張り、連れ去ろうとするハーフエルフ【雪花ラミィ】。哀れ若き英雄。そんな思いでみていた【獣人族】や【神龍種】や【半神】達は、ふと、不思議な気配を感じとった。まるで、こちらの世界と別の世界を繋ぐような、引き戻そうとしているかのような奇妙な感覚を。

 

「……うん?」

 

無論、異世界転移をした事のある者達は、すぐさま気付いた。

 

「あ〜…師匠(センセイ)もしやコレって……」

 

「…世界が…引っ張っている?…何の為に?」

 

忘れやしないこの感覚。この世界に攫われた時と同じ空気。空が輝き、大地が揺らめき、何かを元に戻そうと【大聖剣】の力が発動している。

このようなことは何度かあったが、今回は規模が違う。元々、別の世界から来た彼を引き抜こうとしているのだ。当然、[律]は彼を守ろうとする為、綱引き状態。

 

「何度かあったけど、今回は特にだな……」

 

「俺もあるけど、その時はもう"崩壊済み"か、"もうダメぽ"みたいなパターンがあったからな〜」

 

「どうする〜?留まるの〜?」

 

「どうしようか……」

 

戻るのか、留まるのか……選択を迫られる日は、無情にも訪れる。帰られるなら帰りたい。だが、ここに居たいという思いも当然ながら、あった。向こうでは、姉と比較され"落ちこぼれ"などと蔑まれる日々が続いていたが、この世界は皆が酷く優しいのだ。―自身を愛?してくれる者達が居る、自身を友と呼んで慕ってくれる者達も居る。この世界からでたらまた1人になってしまう……そんな気がしていた。

それに、また戻れる保証がどこにもないのだ……200年もいれば、愛着が出てくるため、遠くに出ている歪みに飛び込むのを躊躇させていた。

が……そんな時、、ホロックスの総帥であり【ラプラスの悪魔】である【ラプラス・ダークネス】がやって来て、イチカにドヤ顔をしながら、あるものを手渡した。

 

『これを受け取れ!"新人"っ!』

 

「総帥?……この【スクロール】は、一体……」

 

『其れは、この世界の"座標"を記録してある転送門の配置用だ!…転送門を通して、何時でもここに帰ってこれるぞ!!……』

 

「ありがとうございますっっ!!!」

 

鍛え上げた、技量99による華麗な脱出&拝謁&受領……

綺麗すぎて、逆に怖い。

 

『…………世界が必要?としているのかもしれんな……』

 

「世界が求める?」

 

『お前をだ!新人!……』

 

この時のラプラスの予想は当たっていた。世界を救うという偉業を成したイチカには、絶望的な世界の危機に対して発動するカウンター型の"固有技能"が覚醒している。【ホロアース】が修復された今、元の世界の危機に対して"固有技能"が発動しているのだ。

 

「世界の危機と言えば……クロエの駄々っ子腐敗ばら撒き事件か?」

 

「いや…まめねこ増殖事件レベルかもしれない」

 

『辞めろ、【来賓】達のライフがZEROになる……』

 

真面目な表情で世界の危機を考察するイチカとエクス・アルビオ。

そうして、心に傷がバクスタレベルで刻まれていく【来賓客】の皆様、

因みにわざとでは無く、真面目に考えていてコレなのだ。

 

「……よし!行くか……」

 

『やはりそうするのか…並ば、"総帥"として命ずる。必ず生きて帰還しろ!!』

 

「はっ!」

 

旅立ちの時である。すると、【剣聖・風真いろは】が"名刀・チャキ丸"を天に掲げると、場にいた戦士達も武器や拳を天に掲げる。

 

「…皆殿!我が弟子の出陣でござる!!"勝鬨"を上げよ!!」

 

「「ぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」」

 

平原を揺るがす咆哮と共に激励を送られたイチカ。

何時もは、こんな賑やかな激励は恥ずかしいイチカだが、この時ばかりは頼もしく感じた。

 

「トレントッ!!」

 

「ボフッ!」

 

「じゃ!行ってくる!」

 

その呼び声とともに角が生えた"霊馬・トレント"が現れ、イチカはトレントの背に跨り、別れの挨拶を済ませ、目の前の揺らぎに飛び込んでいく………………

そして、眩い光がイチカを包み込んだ後暫くして目を開いたイチカが発した一言目が……

 

「あっ…"地図の断片"探さなきゃ…」

 

見知らぬ土地は、土地勘がない限り闇雲に動くと酷い目に遭うことをイチカは理解している為、そう発したのだ。

 

「野宿か……おっ!街の灯だ……久々に見たな……うし!」

 

ふと、明かりが目に付いたイチカは、街で情報を集めようと、行動を開始する。念の為、服装は

[星詠衆の編笠+星詠衆の胴鎧+星詠衆の篭手+星詠衆の具足]に換装し、探索に躍り出た。

問題はこの世界の貨幣を所持してない事(他にもあるだろ)

そんな事は頭から消えたイチカは、久々の街に繰り出す事にした。

だがまぁ、服装が服装である。

 

「視線……すげぇなぁ……」

 

じゃあ、服装を直せよ馬鹿野郎と、[スバル]からツッコミが聞こえてきそうだが、…別に奇異の目で見られるのは苦ではない。修復されていない【ホロアース】では、目と目が合う=殺し合いが待っていた。……見られるくらいなら、可愛いものである。

 

「なに…しようかな……」

 

「…………散策するか…金持ってねぇし」

 

なんとも締まらぬ形で始まったイチカの新たな闘いが幕を開ける。

 

 

 

 





いろはの寄せ鍋
茹でエビ、茹でガニ、干し肉、等を、香草や香辛料を鍋に突っ込んで煮込んだモノ……薬味を添えて、どうぞでござる〜

腹が減っては戦ができぬでござる!By剣聖・風真いろは
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