ホロライブ・ザ・リング   作:坩堝の騎士王

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〜[真・輝石の流星雨]〜

翡翠の輝石を十二門からなる方陣から打ち出す。
追尾性能に長けた迎撃用の魔法である。
輝石の発射速度も装弾数も自由自在な為、擬似的に[ゲート・オブ・バビロン(王の財宝)]を再現出来る。


〜風よ 風よ 夜の風よ〜

 

〜IS学園・個室食堂〜

 

食事を食べている途中にコメット姉妹がこんな話題を切り出してきた。

 

「そういえば、お姉ちゃん?後で配信動画上げるよね?どうせだったらこネロ・フェネクス君と三人でやってみない?」

 

「「「え(゚ペ?)???」」」

 

「モキュモキュ(ฅ・ч・ฅ)…?」

 

ロラン・乱音・箒はその言葉にちょっとだけ疑問符を浮かべた。

そんな中にもかかわらずクーリェは、注文したハニートーストを頬張りながら首を傾げる。

 

「お前さんら…もしかして拗ねてる?…」

 

「拗ねてないもん( ー̀εー́ )…」

 

「アハハ……(;´∀`)…」

 

どうやらGWの時に[ホロアース]に連れて行ってくれなかった事に対して拗ねてるのかこんな事を言い出したらしい。

彼女らはそもそも、GWの時の生放送の収録があった為来られなかったのも事実だ。

というより、[ホロアース]には結構な大問題が控えてるのでみすみす連れては行けない…彼女達は…マイルドに言ったら"愛嬌"のある身体をしてるので、[ホロアース]に連れて来たら[レインボーアース]から"剣持刀也"が来る可能性がバカ高いのだ。

 

『まぁ……生配信動画くらいならいいが?』

 

「ヨシっ( ᐛ )و"言質"は取ったよ!じゃあ今日の2時位に〜[私達の部屋]まで来てね♪」

 

「兎のお姉ちゃんに許可は取ったの?まずそこからになるけど…」

 

『…ん〜〜……ムッ?失礼…メールだ…[配信は良いよd(˙꒳˙* )]……本人から快諾のメールが来たな……』

 

「ならやろー♪」

 

「二人目君と是非やって欲しいってマネージャーさんも言っていたからね〜♪」

 

コメット姉妹はその配信とやらに力を入れているのか…ネロの分の食器も片付けた後ネロの手を掴んで引っ張って行った。

 

「私達は…どうするか…」

 

「さっきの反復練習よ!絶対に一撃決めてやるんだから!」

 

ロラン達は朝の模擬戦を踏まえ、反復練習をする為にアリーナの使用許諾を取りに行った。その後をそっと追う影が1人…その正体は[ラウラ・ボーディヴィッヒ]だった。

 

「……ふふ…奴らを蹴散らせば…あの二人目が出てくる…そして教官の汚点も来る筈だ!纏めて始末してくれる……」

 

だが…その目論見は外れる事になる。彼女は龍の尾では無く、魔神の顔を踏む事になるとは知る由もなかった。

 

〜廊下にて〜

 

「おや?…ネロ君、丁度呼ぼうと思っていたところです。」

 

「!!…"轡木の爺さん"…じゃねぇや…学園長…」

 

「「Σ(゜ω゜)が…学園長?!」」

 

廊下の反対側からやってきたのは、IS学園・学園長:轡木重蔵であった。

今は、用務員として活動していたのか何時もの作業服スタイルだ。

コメット姉妹は学園の最高決定者になんで爺さんと言えるのかを聞きたくなったがグッと飲み込んだ。

 

「いえいえ…ネロ君は今度のタッグマッチトーナメントにおける注意事項を伝えに行こうと思っておりました。ですがこちらであったのも何かの縁…折角なのでお伝え致します。」

 

週明けに行われる、学年別タッグマッチトーナメントにおけるネロ・フェネクスの扱いと制限についてが伝えられた。

其の内容は、[武器種は3種類]・[武装は2種類]・[魔術や祈祷は含めて五つ]という更に対戦相手は当日にランダムで決める条件となった。

 

「そのような条件ですが大丈夫でしょうか?」

 

「……当日決定ってのがネックだな…( ・᷄ὢ・᷅ )……受けようか…」

 

「おや?…その答えが帰ってくるのは予想外でしたね…」

 

ネロは、[ホロアース(向こう)]に居た時は、基本がアウェイな闘い尚且つ、素知らぬ相手や協力者と共闘する事も多々あった為に、戦術の幅を広げるにはいい機会だと…1人考え込んでいた。

 

「「私たちとも組めるのかな?…」」

 

「…当日にならないと分かりませんねぇ…私はこの後…所用が有りますので…それでは…本日もご緩りとお過ごし下さい。」

 

そう告げると学園長は、すれ違うように去っていった。

学園長の後ろ姿を見送り、コメット姉妹は再びネロの手を引こうとするが…その後ろから、誰かが思い切り走ってくるのを目視したネロ達は脚を止める。

走って来たのは、()()()()()()()であり、息を切らしている事からかなりの距離を走ってきたのだとみてとれる。

 

「ハァ……ハァ…ネロ…ゲホッ……ゼェ…ゼェ…」

 

「確か…グリフィン・レッドラム…先輩だったか…何用?」

 

グリフィン・レッドラム…ブラジルの代表候補生である彼女が息を切らしてまで自分を探していたのだから、相当なことなのだろうかと思ったが、…次の瞬間に紡がれた言葉はネロが存分にキレるには充分な言葉であった。

 

「…第2アリーナで、ロランさん達が模擬戦をしてる時に…ラウラさんが突然乱入して来てアリーナ所構わず破壊してるからパニック起こし始めてる子もいるの!!」

 

「は?…案内してくれ!」

 

「う、うん!!こっちだよ!」

 

グリフィン・レッドラムの案内によりアリーナへと駆け出す。その前にコメット姉妹達に先生方を呼んできて欲しいと告げる。ついでにーある程度ボコボコにしますよ?ーという伝言も伝えて欲しいと言い、途中で姉妹と別れる。

先頭にグリフィン先輩を先行させながら、ネロはとある鎧に換装しアリーナへと走っていく。

 

 

 

 

〜第2アリーナ〜

 

「……グッ…ウゥッ…」

 

「……小さい子を狙うなんて…卑怯よ…ガッッッッ!?!!!」

 

ロランと乱音の纏うISは無惨な姿と成り果てており今や主の身体が傷つかぬ様にする最低限の設備しか生きていなかった。

ーこのような有様になった要因……先ず…ロランに向かって無警告で[レールカノン]を撃ったのだ。すぐ横にいるクーリェがその凶弾からロランを庇ったのは想定外らしく、クーリェは其の儘ロランをかばいながら吹き飛び気絶した。

そして気絶したクーリェを放って、其の儘ロランへと突貫した。

当然周りの生徒達も訓練のさなかである。

いきなりの凶事に悲鳴が木霊したが、構うことなどないらしく、ラウラは己の力を示す為に……()()()()()()()()()を叩き潰し、[教官]に再びドイツに帰って来て貰うために…この様な凶行を行ったのだ。

 

それだけに飽き足らず、ラウラは公式戦において使用を禁止されてる[スタングレネード]を使ったのだ。

軍人のルールに乗っ取ると、[勝つ為に手段など選んではいられない]という思考に辿り着くが、ココは学園だ。ーそんなルールも守れない奴は生徒と認めた覚えは無い。

 

 

ネロ・フェネクスとグリフィン・レッドラムがアリーナにたどり着いた頃には、惨劇とも言える光景が広がっていた。

片腕が曲がっては行けない方向に曲がっている乱音の腕を持ち上げ、身体中傷だらけのロランの首に手をかけたラウラは其の儘[レールカノン]の砲口を2人に向けるとエネルギーを充填していく。

 

その横には何をしに来たのかは知らないが織斑秋也が転がっていた。

奇襲すればいいのに雄叫びを上げて突っ込んできたため、シュヴァルツェア・レーゲンに搭載されたAICにより動きを停められ、レールカノンをゼロ距離連射されたのだ。気絶しない方がおかしいのである。

 

「ククククク…お前達は哀れだ…だが最後にひと仕事してくれた。お前達を害した並ば"奴"は来るだろう…この手でやつを倒し私が最強だと示すのだ!!!!」

 

半ば、イッてるかのような目付きをしたラウラは、この2人にトドメを刺そうとするが……刹那、身の毛もよだつようなおぞましい殺気と共にとある言葉が聞こえてきた。

 

『エエカトル・エエカトル・ヨワリ・エエカトル!!!』

 

グリフィンにとって懐かしいユカテク語の言葉が聞こえた直後に、アリーナのゲートが蹴り飛ばされた。その轟音に気付いたラウラがこちらに振り向いた瞬間、やたらと古めかしいレイピアと青い鉱石質の杖を携えたネロが黙したまま佇んでおり、其の儘ゆっくりと歩みを進める。

ラウラは、ギラついた眼を隠しもせずに構えるが次の瞬間、正面から隕石とみまごう程の一撃……否、一蹴りがラウラの無防備な腹目掛けて襲いかかった。ご丁寧に右脚を踏み付けて固定しながらである。

 

「ガッッッッ………ァァァァァ!!!!!」

 

慣性の法則を完全に無視したその吹き飛びようにラウラ自身が1番驚いていた。……対人戦闘においてはほぼ、ガチ勢と化しているネロは、()()()()()()()()()()()()()()()()()などいくらでも知っている。

幾らISと言えど関節部や顔に腹などは覆われておらず、正しく狙ってくださいと言わんばかりの露出具合である。

それでもバリアを貫通するのは普通に可笑しいが……

 

「グッ!!ネロ・フェネクスゥゥゥ!!!!!」

 

怒りで我を忘れ、飛びかかってくるラウラに、ネロは冷静に杖に魔力を込め、その[魔法]を行使する……

 

『……凍て付け![ブルー・ローズ!!!』

 

その瞬間ラウラを中心に巨大な氷の華が咲いた。

そのアリーナの地面は雪の結晶の紋様を起点とし、壊れかけの設備も覆い尽くす氷晶…観客席にまで伝わる寒さ…、余波で氷の茨に引っかかってる気絶したままの織斑秋也…そして咲いた氷の花弁が散る中心で凍り付いたラウラの無様な姿があった。

 

ネロは、その気絶した二人を汚物でも見るような目で一瞥した後シンとなったアリーナに倒れ伏したクーリェ達の傷を癒しに向かった。

 

そしてコメット姉妹に告られ大慌てで、駆け付けた教師陣は愕然としていた。そして事の顛末を聞いていた教師達はアリーナで氷の茨に引っかかっり気絶していた織斑秋也と完璧に凍り付いたラウラ・ボーディヴィッヒを発掘し連行して行った。

残りは、ネロと共に生徒達の救護作業に取り掛かった。

 

「ネロ君…申し訳ありません、貴方に対処させてしまいました。」

 

『気にすんな…アンタらに怒っても仕方がない……』

 

アリーナに大慌てでやってきた山田摩耶がネロに対しコレは我々の役目にも関わらず生徒に対処させてしまった事を謝罪していた。その言葉にネロは当たり前のように言葉を紡ぎながら、

()()()()()()()()を天に向かい構える。すると、黄金色の粒子がアリーナに降り注ぐ……

 

『…満たせ、満たせ、満たして癒せ…[黄金の雫]……』

 

ネロ君がそう唱えた祝詞は、黄金色に輝く暖かい光が全身を包み込む不思議な感覚がしました。

それと同時にロランさん達の傷が癒えていくという奇跡を目の当たりにしました。

その癒しの奇跡を終えて、ハルバードを収納したネロ・フェネクスはこちらに振り向きこう言った。

 

「この後職員会議とかやるんだったら…()()()()()()()()()()()()()と言ってた……とでも言っててください?」

 

「あ……はい…」

 

ネロ君の言葉は今を生きる私達には、すごく刺さる言葉で、

……[赤子とアホに包丁を持たすな]……誰を指してるのかは知りませんが私達に警告というか…釘を指してるようにも見えました。

 

すると救護作業をひと段落終えたのかコチラにやってきたグリフィンさんがネロ・フェネクスの今の姿を見るなりこう言ったのだ。

 

「……それがネロ君のISなんだ…まるで北欧神話の"シグルド"見たいだね♪」

 

『( ´罒`*)✧……見る目が高いなぁ??敬えよ?損は無いぜ?……』

 

ネロ君はそう言うグリフィンさんに冗談交じりの口調でそう言う。

ー実際に神様…それも創造神の眷属に当たる彼が神じゃないなんてなんの冗談でしょうかとも言いたくはなる。

 

その辺は後の緊急職員会議で詳しく聞く必要が出てきた。

 

 

 

 

〜続く!!〜

 

 

 

 





〜[フレンドフェッスル]〜
ータリスマンの一種ではあるのだが、アイテムとして使用が可能な一品
必要になる魔力を消費し、世界を越えて縁を紡いだ戦友を味方として呼ぶことが出来る。
呼ばれた[味方]は、青いオーラが纏われ、[青霊]と呼ばれる。

遅れてすいません……
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