ホロライブ・ザ・リング   作:坩堝の騎士王

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こっから現代科学そっちのけのガチマッチが始まる。

この世界が産んだバケモノ(VTシステム)のなり損ないが振り撒く怨嗟……

星も人も魔も神も手を貸す永遠の王(織斑一夏)の本気の一端……


〜呪いと王と妖精と〜

 

ー[創星雨]ー

 

……アリーナの空を彩る()()()()()が落とす涙がバケモノ(ラウラ)の放つ人魂を貫き昇華させる。

 

セシリアは白昼のプラネタリウムの様な光景を絶句したような顔で眺めていた。

余りにも綺麗な景色……瞬く星々が降り注ぎ、闇を貫き光に変えて行く。

 

何やらネロが呼び出した馬?の様な生物に跨ったかと思うと……跳んだのだ。その馬ごと……宙を駆け抜けながら、ネロは大剣を背にマウントし盾に魔力の大弓を形成。試合の時のように、四つの大矢を放つ。

間髪入れずに、馬からジャンプ…持ち替えた大剣に魔力を込め、大幅な残撃破をバケモノ目掛けて()()()()

 

ー[月光波]!!!

 

『ギギョォア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッッッッッ!!!!!!!!!!』

 

が、バケモノは三本の手を一纏めにし受け止める。

その手は余すことなく凍りつき、砕け散るがすぐ様次の腕を生やす。

凡そ人では考えられない、再生能力を手にしたバケモノは骸のように黒ずみ腐った手を無数に伸ばし、ネロを掴もうとするが…

対するネロはセシリアの方にも殺到した腐り手を……

 

『…そんなばっちい手で触れないでもらおう……[ハウザーインパクト]!!

 

杖から迸った赤い魔力が連鎖爆発を起こし腐った手を吹き飛ばす。

吹き飛び、あちこちに落ちた手から瘴気が溢れるが、瞬間的に床を凍結させ破壊する事で汚染を防ぐ。

 

その戦いぶりに見蕩れるセシリアだったが、バケモノの更なる変化に、顔を青ざめさせる。ソレは観客達も、カメラの向こうの衆目達も同様だった。

敬虔なクリスチャンやカトリックなどが居たらこう言うだろう。

 

「「地獄から悪魔がはい出て来た」」と……

 

普通なら頭が可笑しい者の戯言だと流せたがこれは現実だ。誰がなんと言おうと紛れもない現実である。

 

巨大な獣の様に成り果てたラウラの喉元に腫瘤の様なモノが脈動……ソレは何と、顔となった。幾つも幾つも浮かび上がった顔は全てが似たような顔であり、半ば溶けたかのような様相は吐き気すら覚えるほどだ。

 

「「「¥々〆〒」○・**++$×××!!!!」」」

 

声にならない叫びは絶叫となり襲い掛かるが、アリーナのバリアに沿うようにに氷の膜を張り、呪いの声が届かない様にする。

 

『埒が明かない……ん?…コイツは……』

 

ネロのポケットで淡い光と僅かな熱を持って存在を示すのはあの日貰ったタリスマンの1つ[フレンドフェッスル]…魔力を込めて、吹く事により次元を越えた友軍を呼ぶ事が可能になるアイテムだ。

その笛は、縁を手繰り思わぬ友を呼ぶ事もある。

 

『よし…スゥッ…』

 

ーフォォォォォォォォォンンン……………

 

 

音色は世界を越え、その音に応えた友人を呼び寄せる。

 

バケモノが、大きな体躯を揺り動かし数多の手を使い、此方に巨体を活かした突進攻撃を繰り出して来る。瘴気と腐臭、汚泥と怨嗟を撒き散らしながら迫り来るが……

突然現れた小さな光源が凄まじい風の壁を発生させ巨体を吹き飛ばしたのだ。

 

光源の正体は、妖精種の友人…[レインボーアース]にて契約を交した風の妖精[ポム・レインパフ]…十五センチの見た目とかなり小さいが、それでもあの地に居る妖精種の中では最強の実力を誇る彼女が縁を辿り着てくれたのだ。

久々の再会に喜ぶネロとポム。

鎧兜にハグをする妖精というファンタジーの中でしか見ない摩訶不思議な光景が展開されているが、それよりも逼迫してるのが今の状況だ。

すると……

 

『………ナゼダ……ナゼダァァァァ!!ナぜカテナイ!セッカク[カミ]と名乗るモノト[契約]シて獲タちカらデナゼ勝てなイィィィ!!!!』

 

本体の顔や生えてきた複数の顔から重なった様な声が響く。

その言葉の節々に、気になるワードが幾つも入っていた事にポムとネロは気付いたが、次の言葉が聞こえた瞬間……場は静まり返った。

 

『セッカク……キョウカンノ汚点ヲ!!"織斑一夏"ヲッッ!!ハイジョデキルハズダッタンダ!!!』

 

「「「えっ??……織斑…一夏??」」」

 

『ソウダ!!ソコニイル男ガ"織斑一夏"ナノダ!!』

 

 

……ザワザワザワ……

 

観客席からは動揺が生まれ始め、その頃の実況席では……

 

『……(ゴンッ)…バレた…』

 

『…えっ?えっ?バレたって織斑先生!?知ってたんですか?!』

 

『…さーて、言い訳をどう考えようか…布仏姉…なにかいい案はあるだろうか…』

 

『今の事態より、言い訳の方に時間取るんですね…』

 

『考えても見ろ……男性操縦者絡みの仕事にこれ以上の負荷が来るんだぞ…』

 

『『『あぁ…(;´∀`)・・ァハハハ・・ハハ・・ハ・・"』』』

 

実名がバレたことにより、それによるこれからの負荷を想像し胃が痛くなって来た織斑千冬含む教師一行…それを他所に戦闘は激化して行く。

 

その頃、ホロアースでは……

メガロポリスの中心に展開された大きなモニターで、永遠の王の戦いぶりを見ようと集まった住人達が変貌したバケモノとネロの正体バレに関してギャアギャアと騒いでいた。

曰く……

 

「友に受けた恩を今返す時!!」

 

という声が多かったが……

その声を諌めたのは、以外にも[ラプラス]だった。

 

「皆…落ち着け!」

 

「「「?!」」」

 

「良いか?コレは新人の世界の問題が今になって噴出してきただけに過ぎん…それに……この中に()()()()()()()()()は居るのか?()()()()()()()ならまだ良いが……」

 

「「「……( ;゚³゚);゚³゚);゚³゚)ヒュ〜ヒュ〜」」」

 

その問いに全力で明後日の方角を向く皆。

世界を越える手段を持つのは複数だが存在しているが、各々条件が違う。

 

「あの、風の妖精(ポム)は呼ばれたからいるらしいな。……風に弱いのか?並ば、[桜魔皇国]の鴉天狗でも呼べば良かっ……ブツブツブツ

……」

 

桜魔の鴉天狗とは[山神カルタ]の事である。

風を超えて神風の領域に居る彼女は妖精種以上の風使いであり、妖の中でも上位種に位置しているが……呼べないのはそれなりの理由がある。

 

「総帥がまた考察の世界に入っちゃった…」

 

「ルイ殿〜取り敢えず、弟子の動向を見守るという事にしましょ〜」

 

[hox]の者達は会場で大騒ぎしている者を宥めて落ち着かせに掛る。

 

一方でネロ達は……

 

ドス黒い怨念を撒き散らしながら暴れる成れ果て(ラウラ)に対しての装備に切り替えたネロがポムのサポートを受け、バケモノ退治にかかろうとしていた。

 

『…埒が明かないな……ポム…サポートしながらあっちの淑女を護ってて欲しい…お願い出来るか?』

 

『良いよ♪風は吹いているから大丈夫!』

 

そう言うとポムはセシリアの元へと移動し、風のフィールドを貼る。

セシリアは、自分の膝に少しの重みを感じ見下ろすと、自分の膝に座る小さな妖精を見た。絵本でしか見た事の無い光景にぽやぽやとした気持ちになっていると、その視線に気付いたのか…ポムが手を振り返した。

その光景でも凄く絵になるが……今は戦闘中である。

 

いつの間にかネロは、[百鬼・赤備え]に換装、剣と盾を変更。

剣は、[楔刀]……左手に握るは[虹陽の聖印]…装着した状態で、成れ果て(ラウラ)に向かい駆け出す。成れ果て(ラウラ)は獣のような爪をのばし攻撃を仕掛けるが黙々と切り伏せながらその剛爪を踏み台に空へと跳躍、次の瞬間思い切り上空に打ち上げられる。ポムが風を操作し、上昇気流を起こし更に上へと飛ばしたのだ。そのまま、を天に掲げると……曇り空から()()()()()()()()()

 

「「「「えぇぇぇぇぇぇ?!?!?!」」」」

 

観衆……本日2回目の絶叫。

落ちた赤雷を刀で纏め刃となし、落下する勢いに合わせて刀を振り下ろす。

 

ードォォォォォォンンンンンン!!!!!!!

 

轟音と閃光がアリーナを覆い尽くす。

観客達はしばらく経って目を開けるが、そこには半身を消し飛ばされた成れ果て(ラウラ)と風の壁により無傷のセシリアが居た。

……アリーナの端に蹴っ飛ばされて、結果的に氷の壁で護られていた織斑秋也は気絶していたが……。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

一方、放送席では……

 

『『『……( ºロº)( ºロº)( ºロº)……』』』

 

『…縛り無かったらこんな光景なんですね…』

 

『と言うか、セシリアさんのお膝に妖精が座ってますね……』

 

『絵になるな……戦争真っ青な光景のど真ん中でなければな!』

 

『確か、あの[赤雷]は古龍達の王にタイマンで勝った時に受け取ったと言っていたな…と言う事は……一夏は[古龍]に勝っているのか…凄いな……』

 

『『( ಠдಠ)( ಠдಠ)( ಠдಠ)……』』』

 

千冬の言う事は最もだが、更に箒から齎された情報がヤバかった。

ファンタジックすぎる光景の落差が激し過ぎる為にフリーズしてる観衆達を他所に、未だに鳴る警報が虚しく響くだけだった。

 

[ポム]のサポートを受けながらも激しい闘いを繰り広げるネロと半身を消し飛ばされても再生した成れ果て(ラウラ)が絶叫をしながら、触手を伸ばす……が、触手を弾き、切り裂き、躱し、蹴りあげ突き刺す。

最小限のダメージに抑えながら、斬り進む其の姿は歴戦の戦士を錯覚させる。

 

その時……

 

ージュッ……

 

『ギョォァァァァ!!!!!』

 

[怨念]を放とうとした成れ果て(ラウラ)が煙を上げて苦しみ出す。

 

『〜♪漸く効いたね?』

 

「あの…妖精さん?何をされたのですか?」

 

セシリアが恐る恐るポムに問いかけると……

ポムは優しく微笑みながら、疑問に答える。

 

『…聖水を、吹き荒ぶ風に交ぜたの♪』

 

成れ果てが苦しんだ理由はこの戦場に吹き荒ぶ風に交ぜられた聖水の影響だと言った。

 

ここで言う聖水とはホロアースに聳える[世界樹]の窪みに溜まった[雨水]の事だ。大地のマナを吸い陽の光を存分に浴びた[雨水]は瘴気に汚染された大地に撒くと、たちまち浄化させるという破格の聖遺物でもある。

 

『…一発の火力で焼き払った方がいいな…』

 

そう言ったネロは刀を納刀する。両手の指で夫々狐の形の印を結ぶと、一方は成れ果てに向け、もう一方の手で弓を番える形にすると……

左手から走る蒼炎が揺らめくように右手に移り……焔の弓となる。

熱量が一点集中したために、陽炎が生じるが更にポムが焔に聖水を含んだ風を吹き込むと……

焔が黄金の粒子を靡かせて活性化する。

生き物の様に揺れる焔は、美しくそれでいて尚、激しく燃え盛る。

 

ネロは引き絞る炎の密度を引き上げ、その技の名を唱える。…その構えは[白狐]より賜りし術の構え……

引き絞った焔を成れ果て(ラウラ)放つ。

 

……[(フーガ)]……

 

青い光が周囲を覆う。……しばらく経って目を開けた者達は蒼炎に包まれ、焼け落ちているラウラと、構えを解いたネロの姿を見た。

 

 

 

ネロも完全に終わったと安堵し、セシリアの元に向かおうとしたのだが……

 

ーザグッ!…………

 

…エネルギーの刃が鎧を貫き、ネロの鮮血が飛び散る。

 

 

……地面に出来た血の池に倒れ伏すネロを目撃したセシリアが悲鳴をあげると同時に会場からも絶叫が迸った。………

 

 

 

……続く………

 

 

 

 





〜[楔刀]〜
ネロが修復の旅に繰り出した直後から手にした変哲も無いただの刀
が今となっては、[古龍]・[半神]・[妖魔]をぶった斬り続け、血を吸った結果……そこら辺の妖刀を鼻で笑うレベルの刀となった。
〜[戦技:雷轟一閃(チェスト)]〜
上空から降り注いだ赤雷を刃とし振り下ろす戦技。敵が放った稲妻を返す事も可能の戦技である。

※モーション:SEKIROの雷返し


〜[虹陽の聖印]〜
虹に輝く琥珀が埋め込まれた指輪の様な聖印
今まで取得した祈祷や術の威力を底上げする反則神器。
もれなく創造神謹製である為に概念レベルでなければ破壊不能の仕様……
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