ホロライブ・ザ・リング   作:坩堝の騎士王

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保健室での一幕と[レインボーアース]でのプチハプニングも……



遅れて申し訳ない


〜少女達と勇者と〜

 

〜IS学園・保健室side〜

 

『お邪魔します……元気そうだな……』

 

保健室の扉を開けて入って来た甲冑が、こちらの安否を気にするような発言を取った。

 

「…あれ?織斑君?……違うよね?」

 

『……ウヌゥ…存外に似てるのは否定しないが…()()と間違われたくない………何故、警戒してるんだ?』

 

声で判別できる当たりは流石だと思うが、それよりも警戒している事に気付かれた。一応の防衛術は習っているが、目の前の人に勝てるとは思っていなかった。

私は、警戒していた理由を話すと、兜の中の表情が分かるくらいに、怒っていることが分かり、その怒気は、今迄、相対したどの強敵よりも上だと分かるくらいに重厚だった。

 

『あのやろぉ…今度あったら、烈日の大剣(灼熱斬波)で斬ってやろうか……』

 

「…怒ってくれてありがと……」

 

互いの素性は知らない、だけどここまでの怒りを向けてくれたことには、ほんの少しだけ嬉しかった。

すると、保健室の扉を開けて[クーリェ]達が入って来た。私のお見舞いに来たと言っていたらしく保健室の先生も[鎧の人]同様、入室許可を出したのだ。

 

「…乱お姉ちゃん…大…丈夫?」

 

「うん…ありがとう!クーリェちゃん♪」

 

『おや?君は、確か……』

 

「……|'ヮ')……( ..)"…クーリェ…ルククシェフカ……」

 

『………ふむ…××××××(こんにちは)??…』

 

「!!!……×××、××××××××(なんで、ロシア語話せるの)???」

 

×××××××(たばねさんに)×××××××、×××××(教わったのと、向こうでね)♪』

 

唐突にロシア語で繰り広げられる会話。だが効果はあったらしく、私達でさえ時間がかかった[クーリェ]と瞬く間に打ち解けていた。人との接し方には問題が無さすぎると言うより、彼のいた世界には人ならざる者や、果てには、[神]さえいるのだ…そのような者達とも対話をしたのだろうと推測ができる。最も、初期は目と目が合う=殺し合い(迫真)見たいな状況だったというのだから笑えない話である。

 

「君という男は…ほんとに途方も無い旅路を歩んだみたいだね…おっと、私の名をまだ言ってなかったようだ。[ロランツィーネ・ローランディフィルネィ]…オランダの代表候補生さ!」

 

と、お芝居主役の様な身振りで自分の名を名乗ったのは、オランダの代表候補生だと言うでは無いか。

ー(セレ女の子達とは息合いそうだな)

そう思ったイチカは[建国祭]の日に会わせてみるのも悪くは無いと思っていた。

 

「?何故、こちらを見て少しだけ笑ってるんだい?」

 

『いや…君と似た様な子達が五人組で劇団をやっているからその子達と会ってみたら意気投合しそうだな〜なんて…』

 

「なんだい其れは!!凄く面白そうじゃないか!是非とも行ってみたいな!」

 

劇団繋がりで、興味津々なロランだが、自分も高貴な立ち振る舞いは、ある程度、そちらで習ったのが多い。

 

(実際に教えるのは凄く上手だからな……[王朝剣術]の習得ができたのもそこだったが……)

 

すると、鎧のマフラーを握る白く綺麗な手が目に付いた。其の手の主は[クーリェ]であり、何を言おうか迷った仕草の後意を決して口を開いた。

 

「わ…私も、行って…見たい…な……」

 

『…"割符"、人数分作んないとな…侵入者が友人でしたとかシャレにならん…』

 

「"割符"?…」

 

『通行手形…というより、[1日無料フリーパス]みたいな物……」

 

"割符"外側の世界から来る客人や[レインボーアース]から来る客人用であり、ぶっちゃけると、本当にフリーパスのような働きをする。それでも立ち入り禁止の箇所は、存在するが……

 

「何処か、名所はあるのかい?」

 

『セレスの世界樹と枯れぬ泉は名所!』

 

[ホロアース]には現在、修繕中とはいえ名所とも言えるべき場所が数多存在している。

 

海の底の海底都市(アトランティス)や、白上神社を戴く古都の大結界を突破してきた、堕天神IRySの戟槍を筆頭に、大聖剣の麓にある戦場跡、鬼神の山嶺、時の狭間の遺跡群などが、あるのだが、ほぼ自然の産物である。又、[レインボーアース]にも名所と呼べるべき場所は沢山ある。

 

「「うわーー、私達も行きたいよ〜だけどラジオ収録があるんだよなぁ……」」

 

コメット姉妹は、ゴールデンウィーク中にラジオ番組に出演がある為、行くことが出来ないらしく地団駄を踏んでいた。

 

「そういえば、その書類はなんだい?」

 

『一応、秘密結社?とやらにいるので、業務の手伝い……あと、色々…』

 

『…良くも悪くも、[ホロアース]の皆さんは、俺想いの良い人だらけですから……ちゃんとしねぇと暴走する。』

 

(それもそうか、千冬さんから聞いたが、彼は、この世界では蔑まれていたと言うじゃないか…矢張り、優先順位は[ホロアース]という場所で、こちらの世界には唯、用事があるだけなのか……)

 

信頼が格別に重く、仕事をこなさねば反動が大きい。なまじ、イチカが何回も世界を繰り返して救っているという話を知っているならば彼が次に何をやるか、気が気でないもの達も居ると思われる。そういう時のイチカの行動力には隠蔽工作に詳しい者達ーー全知の悪魔(ラプラス)蒼空輪廻転生(ときのそら)以外はお手上げとなってしまう。

 

『過保護だと思うがね?』

 

(貴方のせいじゃ?……無自覚か?)

 

無論、無自覚である。虹石人ぶっ殺ルートに突入した時、ときのそら達を筆頭に、hloXのメンバー、五大神とそれに忠義する者たちに死ぬ程(物理)怒られた理由を理解していないらしい。

 

しばらくは談笑しながら、過ごしていたが、辺りがすっかり夜になっていたことに気付いた。そして、保健室の扉が開き[織斑千冬]が入って来た。その後に続いて、[箒]が入って来た。

 

「…[乱音]代表候補生…無事…な様だな…なぁ一夏?…束からの伝言だ…明日の昼に体育館で、ある程度、誤魔化して伝えるらしい…そしてお前は、兜の下の顔を見られている。

その顔に覚えのあるもの達がお前の正体に気付くかもしれないから束の護衛をしていたと言うらしい。…それでいいな?」

 

『その後に束さんは何か言う気だろ?衆目の興味を集める様な、特大の釣り餌でも引っ下げるだろうな?』

 

束さんは、ある程度、バラしてしまおうと言うが、其れは、身の回りを嗅ぎ回るネズミに対する牽制でもあると同時にそれを吹き飛ばすような事を言うつもりらしい束さんの計略だった。それに気を取られてる内に、色々済ませる気でもあるらしい。ラプラスが聞いたら爆笑するだろう。

 

『構わないよ…姉さん……』

 

「!!…一夏…未だ私を…姉と呼んでくれるんだな…」

 

『…皮肉にも姉上が教えてくれた"剣術"や、[篠ノ乃流]が、俺が生きる為の力になってくれたからな……サバイバル術は独学でほんと良かったと思ってる。』

 

皮肉だが、[織斑千冬]が教えた"剣術"は、多少なりとも、[ホロアース]での戦い方の基盤になっていたらしい。それを歯牙に掛けぬ脅威がポコじゃかと湧いてきた序盤で、誉も流儀も、彼方へ飛んで行ったが…

 

「…そうだな…今付けてる鎧の他にあと三つ選んでくれ…なに、束曰く、換装型ISだと言えばいいよ〜…だそうだ…」

 

「もう遅いから、早めに就寝するんだぞ…そうだ、[乱音]以外に言っておくが、[寮長]には、事情があり遅れる…とは言ってあるからな?」

 

「「!!!(゜Д゜)アッ!?…乱((さん))((お姉ちゃん))…それじゃあまた明日!!」」

 

ロラン達は蜘蛛の子を散らすように保健室から出ていった。

[乱音]は、こんな時に来るべきだった[義姉]が来ていないことに少ししょげていた。

一夏は、そんな[乱音]の様子に気付いたが、どう言葉をかけていいのかは、分からないため、傍に居てやるという選択肢を取った。

すると、一夏に縋り付き、泣き始めた。

 

「…お姉ちゃん、何でかな…日本に行って帰ってきて、なんかムキになったかのようにISに乗り始めて、代表候補生になったその背中に憧れて私も、操縦者になろうと決めたのに………心配すらしてくれなかった、うぅっ…ぐすっ( ̄^ ̄゜)…」

 

暫く泣き腫らした後に寝静まってしまった[乱音]の頭を撫で、シーツを体にかけた後、一夏は、ベッドの近くのソファーで寝る事にした。

そのまま意識を沈めて眠りについた。

 

 

◆◆◆

〜[レインボーアース]……[桜魔皇国]〜

 

「景ちゃん!この"祭具"はどうします?」

 

「あぁ!hanaさん、其れは向こうの方にお願いします!」

 

「舞元さん!御神酒は彼処に奉納して下さい。」

 

「了解了解!今年もいいのが出来たぜ♪…」

 

[桜魔皇国]では、年に一度の[建国祭]の準備が急ピッチで勧められていた。[桜魔皇国]としては欠かすことの出来ない神前儀式である[残響神楽]も披露する為に、本当に欠かせぬ行事なのだ。[決闘祭り]もこの時に行われる。

一夏は、ー(多分、相撲と同じでは?)と言っていたが、流血沙汰有りの武器を使わぬ殴り合いである。頭おかしい…。

 

「…Σ(゚Д゚)ヤバい!!"竜胆尊"が来たァァァ!!!」

 

「妾の"酒"は何処じゃ?」

 

「"捕縛せよ!…九九如律令!………マジかよ?!"前回"より強度上げてんだぞ!こっちが引きずられるとかどうなってんだ?!この鬼!」

 

前回と同じく、"御神酒"目掛けて進撃して来た鬼の女王[竜胆尊]…ヘルエスタ皇国で起こった[錬金術師争奪戦争]と同レベルの脅威だった去年より力が上がってると言うのだから、笑えない話である。

 

「…"同族"がゴメンなさいm(._.)m……」

 

「……(;゜∀゜)イヤイヤ…奈羅花ちゃんが謝ることは無いのよ(´・Д・)」…ソレに……」

 

\\ドッカァァァァァン//

 

「晴ぅぅぅ!!!」

 

捕縛の為の陰陽術は、術者を潰すか、引き千切るかのどちらかであり、前者の方が手っ取り早いらしく、捕縛鎖をちぎった鬼は、其の儘、進撃を続けるかと思われたが其の儘、前のめりになった。

 

「??……あれ?倒れ込んだぞ?……」

 

「……へべれけで生きててゴメンなさい( ´•̥ו̥` )……」

 

ーー(((なんかネガティブになっとる!!!)))

 

「…"ネガティブホロウ"…効いて良かった…ε-(´∀`;)ホッ」

 

「[reimu]さん!助かりましたm(*_ _)m有難う御座います(_ _)」

 

…"唯の幽霊(自称)"である、[reimu]の活躍?により甚大な被害を被る前に、沈静化出来たため、取り敢えず、竜胆さんは、[ロゼミ・ラブロック]の作る"眠りの棘茨"で縛り上げてもらった。

 

「長尾隊長…あの幽霊は一体?…鬼の女王を一撃で昏倒させましたけど」

 

「ん?…そっか、お前は新入りだから知らなかったのか?…彼女は……ん〜なんというか強力な"幽霊"?みたいなやつでな…」

 

「そうですか…あの…彼処に[帝国騎士]達が屯してますけど…」

 

「おん?…うわ[皇国騎士]も居る……おいおい、お前ら、揉め事は困るんだけど……」

 

騒動の中心から少し離れた広場に、コーヴァス帝国の騎士団とヘルエスタ皇国の騎士団が互いに睨みを聞かせながら、何かを話していた。

 

「今年は、どうやら[桜]がメインらしいぞ?…だから去年と同じく[火]をメインにした飾りはしないらしい。」

 

「そうか?…互いに迷惑をかけた詫びはここでするべきだと思うが……」

 

とお互いの騎士団は天空…雲のかなたに浮かぶ大地を睨み付けた。

 

「「「一番、迷惑かけた、"エデン"の連中が来ないとか舐めとんのか!!」」」

 

空中都市"エデン"…そこの[機動騎士隊]の面々が1人も来ていない事に、少し憤慨している騎士団達。だが、居ない奴らに愚痴ってもしょうがないので各々で作業を手伝う事にした。

 

「文句言ってもしょうが無いぞ、諸君!では、作業に取り掛かるぞ!!」

 

「「「おうっ!!!!!」」

 

文武両道の騎士団はこういう時こそ、頼りになるのだ。

闘いもそうだが、政のサポートも出来てこその騎士であると豪語するのが騎士団員達の共通認識である。

 

……今日も[レインボーアース]は目まぐるしく廻ってく。

 





因みに、空中都市"エデン"が帝国と皇国からお熱いヘイトを稼いでる理由は後程…なお"エデン組"は悪くないです。


竜胆尊さんは、舞元のとこにある酒蔵を狙って何回か本人のところに襲撃をかけてます。その都度追い返されております。
(主に、ベルさんとレイドロの皆によって……)

本人の言い訳は……(旨いのが悪い!!)だそうで……
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