[戌亥とこ]
地獄の番犬であり、今は、
【ヘルエスタ皇国:第4皇女】・[リゼ・ヘルエスタ]の付き人である……
今は小さな喫茶店を経営しており、密かに皇女が出入りする人気店だとか……
因みに[バン]・[ケン]と呼ばれる分霊を同時に繰り出し、三位一体で襲い来る理不尽戦法を使う……
……[奥の手]?美女が毒の唾吐きながら噛み殺しに来はるけどえぇの?……
※ケルベロスの唾液はトリカブトになったという伝承より……
〜食堂ホール〜
[[\\祝//ネロ・フェネクス歓迎会]]
「それでは〜私達の新しい仲間の歓迎を祝して〜「「「かんぱ〜〜い!!」」」
「か…かんぱ〜い!」
急遽食堂の一角を貸し切って行われたこの歓迎会は、ネロ・フェネクスのクラス入りを祝おうと提案・計画・実行されたものである。そしてちゃんと許可も取っていると来た。手腕とフットワークがすごく上手いなと思いながら、ネロも楽しむ事にした。
「?…処で…アレは何だ?」
「あぁ、ネロ君あれはね……コメット姉妹のプチライブ何だって!」
「ほーう…"歌"は俺も好きだな…」
「じゃあ、行ってみたら?」
ジュースを飲んでいた子に尋ねてみると、コメット姉妹は時々ここでミニライブをしているのだという。プライバシー大丈夫か?という疑問はさておいて、ネロは嘗て一夏だった時に、あの頃は、4人でこうやってバカやってたなぁと思い返していた。思い出したかのように自分のクラスの所に行こうと人集りを抜けようとした時、
『あ!?"お兄ちゃ〜ん"♪』
「「!!お兄ちゃん?!……」」」
『…ちょっとオニール…ごめんなさい"ネロ君"…』
「…いや、君たち以上に"破天荒"な人のとこにいたからこういうのは馴れてる……」
『…それって…"兎のお姉ちゃん"?』
『所で何でここに?』
と、いう質問にネロは暫く思案したあと、部屋の隅にピアノを見付けるとそれ指差し、1曲くらいなら弾けると答えた後ピアノを弾く為に指を解し始める。
『何弾くの?』
「…んー…"蠍火"…」
『え?!!!Σ(゚ロ゚!(゚ペ?)???』
『コレまた、凄いの弾こうとするね……』
そういうとコメット姉妹がグランドピアノにマイクをセットするとネロは、少しだけ鍵盤を弾いてウォームアップを済ませ……弾き始める…が、
「…「すいませ〜ん、[IS学園新聞]で〜す!少しお時間よろしいでしょうか〜?良いですね?それでは失礼しま〜す」…( ¬_¬ )チッ…」
そこに現れたのは眼鏡をかけた生徒だった。制服のリボンから、上級生だと伺い知れる。その生徒は、こちらに名刺を出し自己紹介を始めた。
「え〜と、それじゃあ貴方のことを教えて欲しいな☆」
「…ネロ・フェネクス…座右の銘は…以上でも以下でも無い…」
「…もっと他にないかな?•́ω•̀)?」
「…ようこそ敗北者…俺の楽園はお前を歓迎する…とか?」
「ん〜捻りがないなぁ…適当に捏造しておこう♪」
「…ザリガニの餌にするぞテメェ(#゚Д゚)…」
[黛薫子]が言葉を捏造しちゃおうと言った瞬間、"ちょっと待て捏造ってなんだコラ"と1年3組の心がひとつになった瞬間である。
ネロ君の文句も独特すぎたが……。
「うーん他には…あっ!鳳・乱音ちゃんに質問があるんだけど良いかな?」
「え…えぇ…良いけど…」
「ズバリ……
黛の質問を聞いた瞬間に、鳳・乱音は顔を俯かせてしまった。それと同時に、先程まで、騒いでいた3組の子達やコメット姉妹の周りにいた子達までが静まり返った。
「あれ?乱ちゃん?どうしたの?」
「おい!」
「ネロ…君…な…にか…な?…」
振り向くとそこには、絶対零度と思しき視線を向けるネロ・フェネクスの姿があった。
「なぁ上級生さん…アンタはなんの権利があってそれを聞く?それが乱音さんにとって嫌な記憶だということは理解しているはずだろ?」
「うっ…それは……」
「ネロ君…」
「土足で他人の嫌な思い出を漁った挙句
「ちっ…違うの…そんなつもりじゃ……」
「違う?なら先程の俺の言葉を捏造するという言葉は何だ?"盗賊"のような真似もするとは驚きだな…」
「うぐっ…」
「別段、あの程度の言葉…捏造されても別に痛くは無いからどうでもいいが、乱音さんにした質問は、人としての在り方を疑うような行為だ。俺が所属する事になった1年3組の子達は、その辺の気配りがちゃんとできていてここに居る他の生徒達にも、其の忠告ができていた。その辺見習うべきと思うが?」
「……はい…ごめんなさい……」
「…謝る相手は俺じゃない!…彼女だ!…」
「はい!…乱音さん…ゴメンなさい……」
「いえ、気にしないで……ね?」
鳳・乱音は気にしてないとは言っているが、誰が見ても分かるように無理をしているようだった。
そして、乱音さんが落ち込んだ原因となった黛薫子は、三組の生徒達から、かなり冷めた目で見られていた。
「上級生さん…俺はさっきまで歓迎会とやらを受けていて、皆も楽しそうにしていた。俺もIS学園に対しての意識を改めようと思ってた所だった。……"言葉は自制の聞かない暴力装置"なんて言葉もあるが…今のアンタは正にそれだ。悪い事は言わんがここから立ち去ってくれ……」
「……はい…皆さん…申し訳ありませんでした。…」
そう言うと、黛薫子は食堂ホールを足早に去っていった。
その足取りは、初めの頃の意気揚々とした雰囲気ではなく、とても重い足取りだった。
「ねぇ?ネロ君…ありがと♪…皆?続けよ?ネロ君のためのパーティー何でしょ?」
「「「はーい♪」」」
乱音のお礼と呼び掛けにより歓迎会は再開された。
因みに件の上級生は自分の部屋で記者としてのプライドをグシャグシャにされた事と、発言の不用意さにひたすら泣いていたという。
楽しんでいる途中に壮年の男性が此方目掛けて歩いて来た。その正体は学園長であるが、用務員としての格好をしていた為、誰も気付かなかった。
「ネロ君…先程…螺旋剣の様な物を見つけたのですが…アレはネロくんのものでしょうか?」
「学園長…ソレ何処で?見付けになったのですか?」
「貴方が設置した"転送門"?の近くですよ…良ければ見にゆかれますか?」
「ソレは…明日にしておきます…お伝え有難う御座いますm(_ _)m」
「いえいえ…それでは、ゆるりとお楽しみください。」
そうして学園長(用務員)は立ち去っていき、ネロは歓迎会のムードに再び入っていった。勿論コメット姉妹のお願いで"ピアノ伴奏"によるライブも執り行ったのだが……最高に盛りあがったということだけを伝えておこう。
・・・・
翌朝、転送門周辺にて……
「あったあった……コレだな……」
ソコには地面に突き刺さった焼け焦げた螺旋状の剣があった。その剣に手を翳すと、炎が揺らめき、辺りには、柔らかな光が宿る。ソレはこの世界で篝火が使える様になった…という証である。
"篝火"一夏が"褪せ人"としての使命を持った時から見えている不思議な炎。"導き"と言うが、大概…碌な目に遭った事がなく、"呪い"じゃね?と思ったがいつの間にか、困難=強くなるチャンスと捉えるようになったのは流石、褪せ人と言うべきか。
本日からGWである為、生徒のほとんどは外へと外出している。そして、一応人数分の"割符"は作ってある為、後は来るのを待つのみとなった。
その間、"大盾兵の遺灰"を呼び出し自身が振るう武器の試しを手伝ってもらうことにした。
・
・
「確か……ここら辺…?おい、ロラン…何を見てい……る……」
「シー……織斑先生…アレ……ふむ!矢張り素晴らしいな…」
「何だあの剣術は、あのような動きなど見た事がないぞ?!」
[ホロアース]一時帰宅するネロに着いて行くもの達の引率がてら問題児(主に束)を見張るためとやって来た織斑千冬とその後ろから鳳・乱音に手を引かれてやってきたクーリェは、茂みから隠れているロランと箒を見つけ声を掛けるが、其の儘、転送門の近くを見てと指を指されその近辺を見ると、大きな盾を持った幽霊?の様な人型を相手に狼の様な鎧を纏った人物が身の丈より大きな大太刀と別の手に歪な形状の琥珀色の短剣を持ち相対していた。
己が身体能力をフルに活かしたその戦い方は、相手を翻弄し、油断を誘い、一撃を叩き込むというヒットアンドアウェイの戦法。
「なんだアレは?……大盾を持った幽霊?が5人と…ネロか!アレは…あの戦い方は一体?……」
「あの牙の様な大剣でさっきから縦横無尽に動きながら、着実にダメージを与えるとは……凄いな……」
「左右で重心の揃わぬ武器を持つからか?不規則に揺れ動くから相手は攻撃がしにくい。短剣に注意が剥けば大太刀が襲い、大太刀に警戒すれば短剣がチクチクとダメージを与える……やりにくい手合いだな……」
やがて大盾兵が削り切られて、5体全てが消えると鎧兜を外した一夏は、顔の汗を拭いながらフゥ…っと息を吐く。それと同時に不思議な瑠璃色の瞳がコッチの茂みを見たのを確認した。見られていると分かった千冬達は、大人しく茂みから顔を出した。
「一夏…凄いな今のは…一体何だ?」
「"猟犬の剣技"……んまぁ…とある"ケルベロス"から教わった…とでも言えばいいのかな?…」
「…ケ…ケルベロス……凄いのに教わってるんだね…君は…」
「…凄い…(*゚∀゚)…」
一夏の脳裏には(アハ〜↑↑)と高らかに笑うある皇女の守り人である地獄の番犬がよぎっていた。とある異変の時に、御世話になった縁故、この"剣技"を習得した。本人?が余りにもワイルド過ぎる闘い方だったのはビビったが……戦力其の儘の三体分身とかアタマオカシイ。
「じゃ、行くのはこの五人…(上向き)…あと二人か……」
\\\ドォォォォォン///
「ッッッ……ち〜〜〜チャ「(っ・д・)≡⊃)3゚)∵プゲラッッ!!……相変わらず、愛が重いね〜〜」
「束様…」
「一夏…どうやって行くんだ?」
「…はい('ω')スッコレが"割符"です…一応、首から提げれる様にしてるけど、無くしたらダメだよ?"近衛"がカッ飛んで来るから…」
と、割符を、千冬・ロラン・束・クーリェ・箒・乱音…そしてクロエに渡して行く。
マドカ達はどうやら留守番らしい、世界中に散った亡国企業のメンバー達を束が起業する時の会社員として雇うため探しに行くらしい。因みに、マドカは最後まで駄々を捏ねたというらしい。最終的にスコールに当身で気絶させられ、連れていかれたが……
「じゃ、お先に.ᐟ .ᐟ」\\ブォン//
転送門を起動させた一夏は、銀色の波紋の中に消えていった。
千冬達が恐る恐る見ていると、黒銀の鎧篭手がニュっと出てきて自分の手を取れとジェスチャーを取った。各々は、暫く考えた後…最年少のクーリェから先に行かせることにした。そしてクーリェが黒銀の手にそっと自分の手を置くと、鎧篭手が優しく包み込む。そしてクーリェが波紋の中に飛び込んだのを確認した一行は、暫くしてから1人ずつ飛び込んで行く。そして最後に、千冬が波紋をくぐった直後に銀の波紋は立ち消え、周囲はいつもの景色に戻っていった。
・
・
・〜[ホロアース]・[ワールドポータル前]〜
千冬が目を開けるとそこは信じられないような空間だった。
自分達が居るのは、大きな転送門がいくつか並ぶ広大な広場だった。道行く人々は、皆、角や獣耳の生えた異種族ばかりだが、元の世界と違うのは、どこも活気に満ち溢れているということだ。
「む?一夏殿のお友達かな…」
「あ…( 'ㅂ')ヒッ…」
「むッ……済まない」
クーリェがその声の主に振り向いた瞬間…固まったのも無理は無い。
その声の主は後脚で器用に立つ"白熊"だったのだ。
「く……熊?…白熊が喋ってる…」
「…"モラクス"?…俺の客人達だ…そして言ったろ?姉が居ると…」
「!では、この凛々しい"戦女"がそうか!我が名を"モラクス"という!"客人"達よ!この地は貴公らを試すぞ?」
雪民・モラクスこの地最強の白熊であり、今回の決闘祭りの優勝候補の1人である。その性格は、基本はおおらかであるが、迸る闘志は、"鬼"に引けを取らない。まだ見ぬ猛者を求め各世界を渡り歩いている。
「では、健闘を祈るとしよう!次は闘技場の上で会おう!」
「あぁ!"モラクス"も頑張れよ!」
"モラクス"はそう言うと【桜魔皇国】へと続くポータルに入っていった。
この場にいる妖や亜人の多くは【桜魔皇国】で行われる神前儀式[残響神楽]を一目見るために、訪れる客も多く存在した。
大概は【宴】が目当てだが……
そして一夏達もポータルを潜り、【桜魔皇国】へと足を踏み入れていく。
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続く!!!
【宴】
文字通り、飲めや歌えの大騒ぎ。
神だろうが、人だろうが、妖だろうが、種族?そんなの関係ねぇよとばかりに大騒ぎする。それは日の変わる時間から夜明けまで大騒ぎが絶えず続き
そして種族関係なく、二日酔いに悩まされる……
……知り得たか
……祭りの後の
……二日酔い……