待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!! 作:一人称苦手ぞ。
今回、お茶子ちゃんのおべべはお茶子ちゃんに選んで貰うことにしました。背丈は似たようなものなので、トガの服をレンタルって形で。一応念の為、円花ちゃんに監修して貰います。地味とか変だったりしたらリテイクを出すようお願いしといたので、きっとカァイイ勝負服になる……筈です。うーん、でも円花ちゃんはポンコツなので多分駄目です。
まぁ最悪、私がダメ出ししちゃえば良いかなって。後で念の為に確認しておかなきゃ。
それはそうとですね。今、トガは頭が痛いです。風邪を引いたとかそういうんじゃなくって、ただ単に目の前の状況に頭を抱えてるって感じで。原因は、気まずそうに床で正座してる緑谷くんとベッドの上に並べられた服の山です。
「緑谷くん、デート服ぐらい持ってた方が良いですよ? お茶子ちゃんもそうですけど、服にはお金を掛けないと……!」
「め、面目ないです……」
せっかくのバレンタインデートなんだから、しっかり着飾ってくれないと困るのです。だから今回、緑谷くんにもオシャレして貰う為に緑谷くんの部屋に押し掛けたんですけどぉ……。いやほんと、緑谷くんはオシャレに無沈着なのです。これはまっこと良くないですねぇ。円花ちゃんが苦い顔をしてたわけです。
そもそも。円花ちゃんに服で苦い顔をされるって、相当だと思いますよ? だって円花ちゃん自身が服には無沈着なので。それでも基本は和服が良いって拘りは、一応持っててですね。最近はちょっとずつ洋服の勉強もしてたりします。そんな円花ちゃん以下って言うのは、うぅん……。これは教育が必要な気がしてきました。最悪、モモちゃんに創って貰うのを視野に入れましょう。
「良いですか? あのオールマイトだって、色んな服を持ってますよね?
あ、コスチューム的な意味じゃないですよ? この場合、私服って意味です」
呪術科の寮は教師も住んでるので、時折私服姿のオールマイトを見ることもあります。あの人の場合、身体が大き過ぎて服の種類自体は少ないです。それでも、変とかダサいは無いです。筋肉の圧は凄いですけど。
「は、はい。で、でも渡我先輩。オールマイトだって派手な服は着てないし、いざって時の為に動き易さ重視で……」
「だったら動き易くてオシャレな服を選べば良いのです。可愛い女の子とデートするなら、男の子だってオシャレしなきゃ駄目ですぅー。
なんですかこの、無地で単色オンリーな服の山は……!」
「す、すみません……っ!?」
どーーしてこう、地味な服ばかりなんですかねぇ。もう少しぐらいカッコつけた服を持ってても良いと思うんですが、全部似たような形でバリエーション豊富なのは色ぐらいなのです。あと、殆どのシャツに一文だけ文字が書かれてるのも謎です。部屋着としては良いですけど、外でこれを着るのはどうなんですか。オシャレに無頓着なのはこの際仕方ないとしても、もう少しこう……。こう……!
「……はぁ……。ボトムスは良いとして、問題はアウターですねぇ。シャツ……はこの際隠すとして、うぅん……」
新しく服を買いに行く時間も無いのも問題です。少しでも良い感じに纏めたいところですけどぉ、緑谷くんの手持ちだけじゃオシャレには程遠いのです。誰かから借りるって選択肢も有るには有りますが、A組男子の中でオシャレな子って居ましたっけ? 随分前にお茶子ちゃんと二人でデートしてた時は、……爆豪くんに借りてたんでしたっけ? あんななのに服のセンスは有るんですよねぇ。あんななのに。
この際、もう一回借りた方が早い気がしてきました。いやでも、緑谷くんに合わせたいんですよね。童顔ですし、カッコいいよりは可愛い系にした方が似合うと思うので。ってなると……。
「仕方ないので、やっぱりモモちゃんにお願いしましょう。その方が手っ取り早いので!」
こうなったら、もう手段を選んでる場合じゃないのです……!
◆
「うん、良いですね。明日はこれで行きましょう……! モモちゃんのお陰でとっても助かりました!」
「お役に立てて何よりですわ。せっかくのデートですものね」
「そうなんですよぉ。明日は目一杯楽しまないと!」
ど う に か な り ま し た。
はい、どうにかこうにかしたのです。主に緑谷くんの部屋に呼び出されたモモちゃんが。いやぁ、モモちゃんが来てくれなかったら本当に危うかったです。お陰で大助かりなので、後日ちゃんとしたお礼をしようと思います。途中から着せ替え人形だった緑谷くんはぐったりしてますけど、それはもう自業自得ってことで。出来ればこれを機に、もう少しオシャレに拘ってくれると良いんですけどねぇ。
まぁ、何とかなったから今回は良しとしましょう。すっかり遅くなっちゃったけど、ひとまず納得出来たので。次はお茶子ちゃんと円花ちゃんです! んふふ、どんなコーデにしましょうかねぇ。
「じゃあ緑谷くんはもう寝てください! 明日は寝坊厳禁なのです!」
「えっ。あ、はい。お、おやすみなさい……」
「緑谷さん、モモは応援しておりますわ……! 明日は頑張ってください……!」
ちなみにモモちゃんにはトガの味方になって貰いました。緑谷くんとお茶子ちゃんの仲を進展させたいとひっそり相談しつつ、ちょっと話を盛ったら結構簡単に乗ってくれたのです。プリプリしながら頑張ってくれたので、緑谷くんとお茶子ちゃんには頑張って貰わないと! 頑張って貰わないと!!
さぁ、次はお茶子ちゃんですっ。明日の事を考えるとそんなに時間が無いですけど、妥協は出来ないのでっ。せっかくのWデートなんですから、思いっ切り楽しまなきゃ損です損。すっかり忙しくなった毎日を乗り越える為にも、心の休養は大事なので!!
「じゃあモモちゃん、ありがとうございました! 明日はきっと上手く行くのです……!」
「ふふ、はい。お役に立てて嬉しいです」
んふふ。モモちゃんはモモちゃんでカァイイところが有りますねぇ。A組の女の子はみんなそれぞれカァイイです。もちろんトガの一番は円花ちゃんですけど、それはそれとしてって話です。
あと、他のみんなも恋して良いと思うんですよねぇ。ヒーロー候補生は色々忙しいですし、普通科よりずっと大変なのは分かってます。特にA組のみんなは、円花ちゃんを追い掛けてるから余計に。
でもだからって学業一辺倒なのは、もったいないなぁって。ヒーローに恋してるってことなんでしょうけど、やっぱりもったいないのです。
「モモちゃんもお茶子ちゃんみたいに恋したら言ってくださいねぇ。トガも円花ちゃんもお手伝いするので!」
「その時は是非、お二人にご相談させて貰いますわ。恋や愛については、渡我先輩と廻道さんに一日の長がありますもの」
「はぁい、任せてくださいっ。じゃあトガは円花ちゃんのとこに戻るので!」
そんなこんなで。明日はデートですデート! 久し振りのデートなので、たぁくさん楽しまなきゃ損なのです!
三人称による補完は要りますか?
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