七夕の日に地上に舞い降りてきたカービィちゃんとメタナイト、ギャラクティックナイトとがいろいろあっちゃうお話。
メタカビ←ギャラという報われない系ギャラクティックナイトとなっております。
それはある夏の日のこと。
「なぁ、メタナイト」
「どうした?」
「ここプププランドに心惹かれるような、内から魅力が溢れ出しているような女の子はいないのか?」
いつになくそんなことを聞いてくる古くからの知り合い、ギャラクティックナイトをメタナイトは些か不思議そうに見て言った。
「そう言われてみれば、そのような女性はプププランドにはいないな。だが、それがどうしたというのだ?」
「メタナイト、お前は恋人が欲しいと思ったことはないか?」
「恋…人…?」
予想だにしていなかったギャラクティックナイトの言葉にメタナイトは思わず聞き返した。
「ああ。最近ふと考えるようになってしまってな」
「お前がそんな事を考えていたなんてな。だが、私は女性との関わりが薄い。この国の女性についてはあまり詳しく無いのだ。すまない…」
「いや、謝る事は無い。こちらこそ急に変な事を聞いて悪かった」
「しかし、願い続けていたらもしかしたら現れるかもしれんぞ。それに明日は七夕。願いを書いておけば叶うかもしれない」
「だと良いな…」
そんな会話をして、その夜二人は眠りについた。
「おはよう、ギャラ。」
「ああ、おはよう、メタナ…」
挨拶を返そうとギャラクティックナイトがメタナイトの方へと振り向いた。するとメタナイトが自分の体よりも大きな何かを持っているのが目に映った。
「な、何だ?その物体は…」
「これは笹だ」
「…ささ?」
聞いたことのない言葉をギャラクティックナイトは聞き返した。
「これに願いを書いた紙を吊るしておくと、願いが叶うという言い伝えがある」
「それって…」
「昨日のお前の願い事、本気だったんだろう?これに書くと良い」
そう言ってメタナイトはギャラクティックナイトに紙を渡した。
「相変わらずお前は優しいな」
「そんな事はない。それより早く願い事を書いたらどうだ?」
「…ああ、ありがとう」
ギャラクティックナイトは早速願い事を書き始めた。
いつの間にか辺りは暗闇に覆われ、幾多の星が瞬いていた。
「もう夜だな」
「ああ…。今日中に願いは叶わないかもしれないな…」
そう言ってメタナイトは悲しそうに俯く。
「…何故お前がそんな顔をしている。もし願いが叶わなくとも、私は今こうしてお前と星を見られているだけで十分だ」
「ギャラ…」
「一人で見るよりも誰かと一緒に見る方がより綺麗に見える」
「そうか…それもそうだな…あ、見ろギャラ。流れ星だ」
「本当…て、どんどん近づいてくるぞ…?」
ギャラクティックナイトの言うとおり、どんどん近づいてくるそれは…
「きゃああ!」
「うわぁぁ!」
メタナイトめがけて落ちてきたのである。
「だ、大丈夫か?メタナイト…」
「ああ、私はな。しかし…」
「あ…れ?ここは…?」
「大丈夫だったか?」
「!?あ、あの、ごめ、ごめんなさい!!」
急に落ちてきたそれは、今まで見たこともない見知らぬ者、見知らぬ場所を見て少々パニックになりつつ謝った。
「いや、そなたが無事だったのだから気にしなくても良い」
「あ、ありがとうございます…」
「ところで、そなたはどこから来たのだ?」
「ぼく、いろんなところを旅してるんですけどいつの間にかこの星に落ちてしまって…」
「そうだったのか…それなら、当分の間はここに住むと良い。もちろん、そなたが嫌でなければの話だが」
「いいんですか…?」
「ああ」
着々と話が進んでいる目の前の二人。ふいにギャラクティックナイトが口を挟んだ。
「ま、待て、メタナイト」
「ん?どうしたギャラ」
「住むと言っても、何処に住ませる気だ?」
「何処に…て、私達の家に住ませれば良かろう。」
「だが、相手は女の子だぞ?男二人と一緒の家に住むなんて嫌だろう。」
「む…そうか…。しかしそれ以外に住めるような所はないだろう。それに、あの子はお前が望んでいた女性だろう?」
「な…!」
「それなら出来るだけ多くの時間を共に過ごしたで方が良いだろう。お前は嫌なのか?」
「私ではなく、あの子が…」
「あの…やっぱり迷惑…ですよね…」
二人がこそこそ話をしている様子を見て、彼女は心配そうに話しかけた。
「そんなことはない。さ、行こう」
「あ、はい!」
「ちょ…メタナイト…!」
二人が家へと向かおうとしていたのでギャラクティックナイトは為すすべもなかった。
「少し狭いが生活する分には問題ないだろう」
「はい。ありがとうございます」
「っと、急用を思い出した。すまないが私は少し出かけてくる」
「こんな夜中に…?」
「彼女と仲良く…な。」
「メタナイト…」
「では」
そう言ってメタナイトが出ていくと暫く沈黙が続いた。二人とも黙ったままだ。その時。
「「あの!」」
二人の声が重なった。
「あ、ごめんなさい!ど、どうぞ!」
「いや、そちらこそ…」
「えっと…じゃあこっちから…。ぼく、今まで見てきた星の中でこの星ほど綺麗で素敵な星を見たのって初めてなんです。だから…当分じゃなくて、もっともっと長い間この星に居たいんです…けど、さすがにそれは難しいですか…?」
「…いや、そんなことはない。ここで良ければずっと居れば良い」
「…ありがとうございます」
彼女はほっとした様子で感謝の言葉を述べた。
「私の名はギャラクティックナイト。そなたの名はなんというのだ?」
「ぼくはカービィって言います」
「では、カービィ。そなたがこの星で過ごしてて何か疑問に思う事があれば、さっき急用で出ていったメタナイトという奴に聞くと良い。詳しい事はあいつがよく知っている。」
「メタナイトさん…」
先程話をしていた男性の事を思い出し、カービィは顔を赤くする。
「どうした?ぼーっとした様子だが」
「え?あ、何でも無いです!」
「そうか?」
「それより、ギャラクティックナイトさんは…」
「っと、メタナイトは私の事をギャラと呼んでいるな。親しみを込めて…とか言ってな。」
ギャラクティックナイトはカービィにこれみよがしに話しかけた。
「あ、だったらぼくもそう呼んでも良いですか?」
「ふふ、勿論。あと、敬語は使わなくても、いや、使わないでくれ。」
「はい…あ、じゃなくて…うん!」
「少々長く出ていたかな…」
外出していたメタナイトが戻ってきた。
「遅くなったな、二人とも…」
そう言って部屋に入ると、体を寄せあって眠っているギャラクティックナイトとカービィの姿が見えた。
「気持ち良さそうに眠っているな。それに、安心した顔をして…」
メタナイトはふっと微笑んだ。
「ん…もう朝か…て、ええ!?」
目が覚めたばかりのギャラクティックナイトはカービィと体を寄せあっている事に驚きを隠せない。
「ん…あ、ギャラおはよ…」
あまりの事に驚いてすっかり目を覚ましたギャラクティックナイトとは反対に、カービィは未だ眠たそうに瞼をこすっている。
「あ…すまない…起こしてしまったか?」
「ううん、そんなことないよ。あ、メタナイトさんおはようございます」
「ん…おはよう…っと…」
「あ、ぼくはカービィって言います!」
「そうか。改めてよろしくな。カービィ。」
「はい。こちらこそ!」
カービィの自己紹介がすむと、ギャラクティックナイトが昨夜から気になっていた事をメタナイトに聞いた。
「それにしても随分と遅かったな。何処に行ってたんだ?」
「あぁ。星を見に行っていた。曇ってきたから帰ってきたら、まさか一時間もたっていたとはな。一人で見る星もなかなかのものだったぞ」
「そうか…。わざわざ気をつかってくれて
ありがとう」
「あぁ。それにしても、一時間もの間に仲良くなったようだな」
「まぁ…な。だが、愛称で呼ばれたりするとドキドキしてしまうな…」
「愛称か…。それはうらやましいな」
そう言うと否や、メタナイトはカービィに話しかけた。
「カービィ」
「はい。何ですか?」
「私も愛称で呼んでくれないか?」
「え!?い、いいんですか?」
「あぁ。あと、敬語は使わないでくれると
嬉しいな」
「え…と…わ、わかった…」
「ありがとう」
そうメタナイトに言われて、しかも頭を撫でられたカービィはとても恥ずかしそうに、しかしそれ以上に嬉しそうにしている。
「(…これでは、まるで…)
メタナイト…。ちょっといいか?」
「ん…?あぁ…」
いつもより低くこわばったような声で自身を呼ばれ、メタナイトはギャラクティックナイトに同意せざるをえなかった。
「カービィ。すまないが私達は少し外に出てくる。待っててくれ」
「うん、分かった!」
そうして、家にカービィを残したまま二人は出ていった。
「一体どうした、ギャラ?」
「メタナイト…。お前は生まれつき天然で少し抜けている所があるのは知っている。だが、お前が彼女と仲良くなっていくとともに彼女はお前の事を好きになっていく…。そんな姿を見るのはとても…辛い…」
「え…カービィが…?」
ギャラクティックナイトからカービィが自分の事を好きになっていると聞き、一瞬彼が何を言っているのか分からなかった。
「すまない…。こんなわがままを言ってしまって…」
「いや、別に謝る事ではない…」
それ以上言葉は続かず、沈黙が続く。すると、言うか言わまいか悩んでいた言葉をギャラクティックナイトは言った。
「メタナイト…彼女を、カービィを、幸せにしてやってくれ…」
「でも…」
ギャラもカービィの事が…と言おうとしたが、それはギャラクティックナイトの言葉で遮られた。
「彼女を幸せにできるのはメタナイト、お前しかいないんだ」
「ギャラ…すまない…。私もカービィに一目会った時から彼女の事が気になっていた…。だが、カービィはお前が本気で望んでいた女の子だから…」
「メタナイト。お前はいつも遠慮し過ぎだ。私の事は気にせずもっと自分の気持ちを前に出せ」
「…ありがとう」
二人はカービィの待つ家に帰っていく。
「あ、おかえり。ギャラ、メタ」
「ただいま、カービィ」
「…ただいま」
家へ着くとカービィが笑顔で出迎えてくれた。
「ほら、早く彼女にお前の想いを伝えてこい」
「しかし…」
いつまでも渋っているメタナイトをギャラクティックナイトは後押しした。
「彼女を悲しませるような事を言ったりしたら許さないからな」
「ギャラ…」
「それでは私は出かけてくる」
「ま、待て!」
「私が帰ってくる前にちゃんと伝えておくのだぞ?」
そう言い残すとギャラクティックナイトは家から出ていった。
「今度はギャラがおでかけ?」
「あ、ああ…そのようだな」
折角ギャラクティックナイトが与えてくれたこの時間を無駄には出来ない。決心してメタナイトが口を開いた。
「カービィ。そなたに伝えたい事がある。聞いてくれるか?」
「うん。もちろんだよ」
「カービィ…。私は…そなたの事が好きだ」
カービィは目をまんまるにしてメタナイトを見た。まさかそんな事を言われるなどとは思ってもみなかったのだ。
「そなたが七夕の日に私のもとへと落ちてきた時から、私の心はそなたでいっぱいだった。この好きという気持ちは同じ星の住人とか友達としての好きではない。異性として好きなんだ。…いや、少し違うな。好きではなく、愛している」
メタナイトは精一杯にそうカービィに伝えた。
「どうか、そなたの気持ちを聞かせて欲しい」
「ぼくも…メタの事、大好き…。初めてメタと会った時に、メタの優しさがすごく心に染みてきて、すごく好きになったの…。だから…メタもぼくの事好きって言ってくれて、本当に嬉しいよ…」
二人は見つめ合い、微笑んでいた。
「では、これからは恋人として、よろしくな」
「うん。…これからメタを困らせる事ばかりしちゃいそうだけど…」
「あぁ。どんどん困らせてくれて良い。君の為ならどんなことだってするよ」
「ありがと…メタ…」
「ああ。っと…そろそろギャラが帰ってくる頃だな」
すると、メタナイトが言った通りタイミングよくノックが聞こえた。メタナイトは扉を開けた。
「お帰り、ギャラ」
「ただいま。どうだ、ちゃんと伝えられたか?」
「ああ、ありがとう」
二人が言葉を交わしている時、カービィの声がした。
「ギャラ、おかえり!」
「ただいま、カービィ。…嘘ではないようだな。彼女は今とても幸せそうだ」
満面の笑みでこちらを見て言ったカービィは、誰が見ても幸せそのものであった。
「すまないな…ギャラ…」
「もう謝るな。私もこれから友人として彼女を幸せにしてみせる。お前も私以上に彼女を幸せにしてやるんだぞ」
「勿論だ。頑張るよ」
そう言うとメタナイトはカービィの元へと歩いて行く。一方、ギャラクティックナイトはその場で佇み小さな声で呟いた。
「彼女が私に振り向いてくれなくとも、彼女とメタナイトが幸せであればそれだけで十分だ。」
言い終えると笑顔の二人からの声が聞こえてきた。
「ギャラー!ギャラも早くこっちにおいでよ!」
「いつまでそんな所で突っ立っているつもりだ?」
「…ああ、すぐ行く」
二人に呼ばれて歩き始めたギャラクティックナイト。三人の生活はまだまだ始まったばかりだ。
カービィちゃんに淡い恋を抱くメタナイトとギャラクティックナイトのお話でした。
私自身がメタカビ好きという事でこういった形に仕上げたんですけどいざ執筆してみると、ギャラさん…切ない…ごめん…ごめんね…っ!という感情しかなくてギャラカビも書きたい衝動に駆られちゃいました。地雷無しって楽しいですね。えへへ。
三人とも自分好みのキャラにしているので、このキャラはこんな事言わない!こんな性格してない!だとかいろいろあるかもしれませんが自己満足二次創作なのでそのあたりはどうぞよしなに。
後書きらしい事を書かせてもらうと、カービィちゃんと両想いになった後のメタナイトがカービィちゃんの事をそなたから君と呼んでるところがメタナイトらしいところ(自分の中での)だと思っております。
ちなみに、この小説は以前Pixivさんにアップしたものを編集に編集を重ねたものです。垢消しするときにこっちに移そうと思いまして。もったいない精神万歳!
長々と後書きらしくもない事ばかり書いてしまいましたが、ここまでの閲覧ありがとうございました!