ガレスの口調も分からないよチクショウ
評価と誤字報告に感謝の正拳突きをしながら書きました。
「まだやっているのかい?」
「うむ。朝から声をかけても無反応、昼食も食べず、微動だにせん」
「……心配だな。アイズは?」
「常時監視をつけて部屋で寝かせている。リヴェリアとロキが葵羽の一件もあって特にカンカンでな。
「気の毒といいたいところだけど、今回ばかりは妥当だね」
フィンとガレスが夕陽が差し込む中庭に目をやると、大太刀を足に乗せて坐禅している葵羽の姿があった。ヨナが心配して持ってきた昼食も既に片付けられ、拗ねたヨナが葵羽の頭の上に立てた積み木も組んだその時のままである。
葵羽は目を覚まして二日間ずっと、最低限の飲食以外は坐禅を繰り返していた。アイズ共々一週間の安静を命じた為坐禅そのものは咎め難いのだが、ただでさえ細い身体が痩せていくのは見るに堪えない。
「何はともあれ今日の夕食は無理にでも参加してもらおう」
「任せておけ。引き摺りながら連れていく」
「頼りにしてるよ」
ロキを筆頭に、心配が抑えきれなくなった団員(幹部含め)の訴えから、葵羽に夕食への強制参加が命じられたのだ。それを唯一会話出来る寝起きに伝えたが、上の空は変わらなかった為理解してないだろう。
「メシの時間やで〜! おいで〜!」
中庭に飛び出したロキが叫ぶ。そして数秒経っても反応のない葵羽を連れていこうとガレスが一歩踏み出す寸前。
葵羽の体がビクリと大きく跳ね、葵羽本人も驚いたように目を見開いた。そして降り注ぐ積み木に頭を叩かれる。
「わ、わ〜〜〜っ!?」
「な、なな、なんや!?」
「え、あれ? あ、ロキ様? なんで?」
葵羽は珍しくぽかんとした表情をして、キョロキョロと見回す。
「んー、ようわからんけど元気出たんやったらよし! ご飯食べるでー!」
「は、はい! お腹ペコペコです!」
「よっしゃ宴や!」
「何があったかは分からんが、何よりじゃな? 」
「……ああ、詳細は後でいいだろう。僕達も食堂に行こうか」
驚きつつも見守っていたフィンとガレスは一安心といった様子で食堂へ向かうと、安心した
普段の落ち着いたクールな
隙を晒して体を任せるその様子は、団員の
「葵羽の目が醒めて嬉しいのはわかるが、早くしないと夕食が冷めてしまう。さぁ、席につこう」
フィンが声を張り上げると、名残惜しそうにしながら団員達が離れていく。そして
最後に重い足取りでアイズが席に着くと、静まり返る中ロキが音頭を取って夕食開始。
瞬く間に騒がしい空間に戻ると葵羽は無我夢中で目の前のチキンを貪り、大量に取ったパスタを頬張る。空腹故に凄まじい速度で盛り付けて口に運ぶが、それでも品のある所作は
「おい葵羽……もう少しゆっくり食べろ。朝食を食べているとはいえ、まだ本調子とは程遠い。消化のいいものを食べないと後で苦しくなるぞ?」
いきなり全開で飛ばす葵羽に
それに対してモグモグと十数秒噛んでから呑み込み、控えめに笑いながら返した。
「申し訳ありません、リヴェリア。それと、アイズが無事でよかったです。ありがとうございました」
「……あ、あの、葵羽!」
自分の名前が出た弾みにアイズが堪らず叫ぶと葵羽はそれに少し驚きつつ返す。
「どうかした? アイズ?」
「……怒って、ないの?」
「パーティー組んでるのに私をほっぽり出してダンジョンに潜ったこと?」
「う、うん……」
暴走したことを自覚した上で体を小さくするアイズに、葵羽は眉尻を下げる。
「一声も掛けられなかった事はちょっとムカついたかな? でもアイズの様子を見るに、しこたま怒られた後みたいだし、無事ならそれでいいかな」
「うん……本当に、ごめん」
「うん、許してあげる。でも懲りずに声もかけず、また暴走した時は許さないから、ね?」
葵羽は深く笑いながらそう言うが、眼は笑ってないし、ぎらりと光っているようにすら見えた。
「う、うん。二度としない」
(本気で怒ったリヴェリア様に似てる……!)
葵羽の圧に冷や汗を流すアイズを見て、周囲の団員がそんな葵羽にリヴェリアの姿を見た。
「なら安心。ほら、アイズもいっぱい食べて?」
葵羽は新しい皿にパスタを盛り付けてアイズに差し出し、アイズが受け取ると再びパスタを頬張り始めた。
「だからゆっくり食べろと……! 極東出身だろう? ほら、故郷の粥? というのも用意してあるぞ?」
「ング、ング……ありがとうございます!」
リヴェリアは消化にいいと聞くお粥を葵羽に差し出し、葵羽は受け取ってすぐにスプーンを動かして瞬く間に平らげる。
そして再びパスタを頬張り始めた葵羽にリヴェリアは頭に手を当て、ロキやガレスは面白そうに笑う。
葵羽はパスタを大量に食べる一方で野菜や肉、果物も小皿にそれなりの量を盛り付けて食べる為、偏食と注意しづらいのがリヴェリアの悩み所であった。アイズのように野菜ばかり食べるのであれば盛り付けてやれるが、葵羽は自分で腹いっぱいになる分を正確に盛り付けてしまう。
「どうしたものか……」
みるみるうちに目減りしていくパスタを眺めながら、リヴェリアは溜息をこぼした。
賑やかな夕食を終え、各々の時間を過ごしている中、葵羽は幹部、主神勢揃いの団長室で報告を行っていた。
「黒いモンスターに濃紫色の長髪の男神……アイズが遭遇した男神と同じだね。そして名前が──」
「タナトス、か。顔を合わせたこと無いはずやけど、続けてうちの
「落ち着けロキ。滾る気持ちは分かるが、今は情報収集が最優先だ。葵羽、そのタナトス神の隣にいた者の顔は見ていないのか?」
初めて見る主神の
「口の悪い女性ということ以外、フードを被っていたので分かりませんでした」
「ふむ、ヴァレッタか……? いや、断定は出来ないか」
「何はともあれ葵羽、改めて無事でよかった。それとガレス、今アレを渡しておこう」
「おお、アレか! すっかり忘れておったわ」
「アレ、ですか?」
葵羽が首を傾げていると、ガレスが懐から黒く捻れた角一本と大きな魔石を二つ、フィンの机に置いた。
「儂等が発見した時に落ちていたものじゃ。聞く限り、黒い蜥蜴人のドロップアイテムと魔石じゃ」
「これがあの……」
葵羽が手に取ると、熱と情景が思い浮かんできた。
「脇差を見せに行くついでに椿に見てもらうといいじゃろう」
「あ……」
そこで思い出したのは、新調して半年も経たずに黒焦げになっていた脇差だったもの。鞘は当然燃えて機能を失い刀身が丸見えで、見えている刀身も真っ黒で擦れば粉を吹く始末。鍔も外れて柄も強く握れば崩れてしまいそう。
そうなるのも仕方の無い激戦だったとはいえ、製作者の元へ行くのはやはり憂鬱だった。
「大丈夫。正しく使って壊れたのなら、椿も文句を言わないさ。その角を任せれば感謝すらされると思うよ?」
「うむ、椿はそういう奴じゃ」
「そ、そうですか? とにかく明日、椿さんを訪ねてみます」
「ああ、そうするといい。呼び出してすまなかったね。ゆっくりおやすみ」
「はい、失礼します」
「あ、明日暇な時にうちの部屋おいでや? ステイタス更新、やんで?」
「……! はい!」
葵羽は元気よく返した後、それぞれに挨拶をしてから一礼して部屋を出る。
両手に持つ戦果とステイタス更新への期待に胸を躍らせ、葵羽はベッドへ直行した。
そして翌日の朝食後
「葵羽たんランクアップ来たぁあああああ!!! ……まぁ予想はしとったんやけど」
ランクアップ時恒例、主神の絶叫が『黄昏の館』に響き渡った。
成長スピードの速いアイズと並走する主人公を書くと、ベル君の怪物っぷりがよく分かる。そら不正を疑われますわ……
葵羽たんの将来(作者は髪型エアプです)
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黒髪パッツン合法ロリ
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黒髪ロング合法ロリ
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黒髪パッツンでアイズと同じくらいの体型
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黒髪ロングでアイズと同じくらいの体型
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黒髪パッツンで大人BODY
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黒髪ロングで大人BODY
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ポニテ(体型は今度アンケート)
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それ以外の髪型(髪型のアンケートを実施)
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任せる(なんでもいい)