ギリギリを生きています
ゴジョウノ・葵羽
Lv.2
力:I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
《魔法》
【シカイ】
無詠唱魔法
納刀時に発動可能
《スキル》
【神秘術・芽】
肉体による極小規模の奇跡の発現
《発展アビリティ》
魔防:I
「……随分とスッキリしましたね」
「ま、【ランクアップ】すればアビリティ全部0になるからなー。というか見たことないスキルが出とんな? 思い当たる節ある? これ」
【ステイタス】の紙を持つ葵羽の隣に寄って指差す。それは葵羽も気になっていた【神秘術・芽】。
極小規模と書いてあるとはいえ奇跡なんて大仰な言葉、思い当たる節があるはずもなかった。
葵羽は困惑したように首を横に振ると、ロキもまぁせやろなと言って顎に手を当てる。
「まぁ神秘の有名所は魔道具やな。やから魔法、精神力使わんでも魔法みたいなことが出来るってこと……かもな?」
「……あ、最後の」
「ん? なんや思い出したんか?」
葵羽は黒蜥蜴人戦最後の攻撃を回想する。あの時は間合いでもなんでもないにも関わらず、無意識で構えて振り抜いた。結果として蜥蜴人の炎ブレスを割り、その上喉を傷付けることに成功したが、考えればあの攻撃はどう考えてもおかしい。
「この間の天井から落ちてきたモンスターと戦った時に、間合いの外から炎を斬りながら怪物の喉を裂いたんです」
「何そのカッコええの! もしかしてもう一回出来る!?」
「んー……分からないけど試してみます」
「頼むわ!」
そうして葵羽はロキからペーパーナイフを借りて窓を開け、裏に植えてある木の枝を見据えてペーパーナイフを振り抜く。
すると一拍置いて木の枝がすぱりと斬り飛ばされた。
「おー! やるなぁ葵羽たん! これ以外にもあるかは分からんけど、ええ【スキル】もろたな!」
「そうですね! 弾切れのない遠距離攻撃なんて凄いです!」
「せやなせやな、でも【ランクアップ】してすぐは油断しがちやから気をつけるんやで?」
「はい! アイズにも気をつけさせます!」
「おっしゃ任せた! 頼りになるわぁ」
「ふふふっ……任せてください。では鍛冶師の所に行ってきます!」
「ファイたんのとこやな。気ぃつけてな〜」
葵羽が一礼して部屋を出ると、再びロキはステイタスに目を通す。発展アビリティの『魔防』は話で聞いた黒蜥蜴人のブレス攻撃を受けたことによるものだろう。ガレスも持っているし、ありふれたものだ。
だが先程の葵羽が言ったように、【神秘術・芽】による飛ぶ斬撃は完全にノーリスクならば後衛殺しにも程がある。
アイズに魔法が発現したこともあって、攻略ペースは自然と上がっていくのだろう。
「言うてもまた無茶するんやろな……」
【ヘファイストス・ファミリア】の鍛冶場、椿・コルブランドの作業場へと団員に案内してもらう。
葵羽を案内した団員は新人だったようで、緊張してガチガチになった様子に葵羽もあてられて緊張が移ってしまった。
「つ、椿さん! 【ロキ・ファミリア】のゴジョウノ・葵羽さんをお連れしました!」
「し、失礼します」
「待っておったぞ葵羽嬢! 大変な目に遭ったと聞いておるが、無事なようで何よりだ!」
葵羽が入室してすぐ、大きな声が
「はっはっは! 猫のようだな葵羽嬢? して、何の用だ? さしずめ刀が駄目になったという所か? ん? うむ、ご苦労だった」
葵羽を案内した団員が素早く一礼して出ていく。
そして葵羽は会釈した後に包みを取りだし、チラチラと椿の様子を窺いながらおずおずと開いた。
「刀もなんですが、脇差もその、こんなになっちゃいまして……」
包みが開かれると真っ黒に焦げた脇差が顕になる。運ぶ最中にも擦れたのか、包み全体は黒ずみ、底は真っ黒な粉が溜まっていた。
「なっ……これは……」
「す、すみません! 大事に使ってはいたんですけど、黒い蜥蜴人のブレスで……」
驚いて後ずさる椿に先んじて謝罪する葵羽。
「これは凄まじい火力だな……確かにこの脇差では耐えきれんな。刀身や柄を見れば一目瞭然だ」
「え……? その、怒らないんですか?」
「なに、これを見れば武器の性能不足だったのは明白。むしろ謝罪する、葵羽」
椿はボロボロになった脇差を手に取って詳しく調べる。脇差を抜こうとすれば引っかかってガリガリと焦げが削れ、強引に抜けば粉塵が飛び散った。
「い、いえ! 謝られても困ります!」
「いや、手前の矜恃にかけて刀も脇差も新調してやろう。流石に
「もちろん
「む? なんだ、この程度……いや、レベル1だったな。まぁ良い、足りない分はガレスに請求する」
なんでもないように呟く椿を葵羽は大慌てで引き止める。
「そ、それならお金を稼いでまた来るので大丈夫です……あ、あとドロップアイテムと魔石はまだ売ってないのでそれを足せば!」
「ほう? ドロップアイテムがあるなら先に言わんか! ほれ、見せてみろ」
「え? はい、コレです」
葵羽は腰のポーチから黒い蜥蜴人のドロップアイテム、黒く捻れた角を取り出して見せる。
「ほう……ほう! これは見た事がないな! 通常の蜥蜴人よりも大きく黒く、硬い……!」
それを見た椿は目を輝かせ、ほんの少しだけ削る許可を得てから材質を調べ始めた。
叩き、火に通し、その様子を観察。そして十分も経たずに立ち上がって椅子に座る葵羽に駆け寄る。
「これは素晴らしいぞ! 火への耐性も非常に高く、硬く柔軟性もある。加工が難しいのが難点だが、これを使えば傑作を生み出せる予感がする! 頼む! この素材を使わせてくれ!」
「ですがお金が足りないので──」
「──このドロップアイテムを使っていいのなら20万ヴァリスで手を打とう! 刀と脇差合わせてだ!」
「え、余裕で払えますけどいいんですか?」
「見た事のないドロップアイテムというのは鍛冶師にとって喉から手が出る程欲しい物だ。上手く使えそうなものなら尚更」
「それなら、是非よろしくお願いします」
「感謝するぞ葵羽嬢! 業物を約束する」
椿はそう言うと前回のように葵羽の話も聞かずに鍛冶場の火を起こし始める。既に集中した様子の椿を見た葵羽は一礼した後、退室して『黄昏の館』へと戻った。
翌日、中庭で木刀と木剣を持つ幼女二人。当然葵羽とアイズだ。
二人とも【ランクアップ】したてでアビリティが更地状態。最初の【ステイタス】差は既に埋まったと言っても良い。
そこでアイズが提案したのは、アイズは魔法、葵羽はスキルを解禁した模擬戦だった。
互いに見せあってもいない中でそんな提案をしたのは、反省しているアイズも一週間の謹慎に痺れを切らした為だ。
団員もちらと見るが、いつもの模擬戦と思って素通りしていく。
「じゃあ葵羽、始めるよ」
「ええ、今回は私から」
ヒュッと短く息を吐き出しながら、葵羽は木刀をアイズへと横薙ぎに振り抜く。
アイズは何をしているのかと不思議に思いつつも木剣を構え、直後に襲いかかる衝撃を何とか弾いた。
とはいえアイズは体勢を大きく崩し、そのまま木刀を突きつけられる。
「はい、私の勝ちっ」
葵羽は悪戯に成功したような、蠱惑的に笑うとアイズは頬を膨らませて再戦を要求する。
「……ずるい、もう一回」
「もちろん!」
燻っているのは葵羽も同じだ。アイズと同様に戦意がみなぎっていた。
そして今度はアイズが木剣を構え、詠唱式を唱える。
「【
アイズが呟くと木剣を中心に荒々しい気流が生まれる。可視化されている様なものではないが、靡くアイズの金髪や服がそれを示していた。
そしてアイズが葵羽へと飛び込んで斬りつけ、葵羽は様子見の為に木刀を強く返す。
すると鍔迫り合いは起こらず、風のクッションに減衰されて受け流される。
「何これ……!?」
葵羽は反撃など無かったように一切ブレずに迫る木剣を膝の力を抜くことで仰け反って躱すが、木剣の周囲の風の刃に小さく体に傷を負う。
小さく呻きながらバク転し、その勢いのままサマーソルト。だがそれさえ風の防壁に阻まれて弾かれた。
葵羽はこのままでは分が悪い、弱点を探ろうと距離をとってからフェイクを混ぜつつ二度斬撃を飛ばし、アイズは初戦の屈辱から最大限警戒して暴風域を広げて迎え撃つ。
斬撃は暴風域を浅く切り裂き、追加の斬撃でアイズの木剣に衝撃が届いたが、その後何も無かったかのように風の鎧が再生した。
その後葵羽とアイズは数度衝突するも、葵羽は風の影響を強く受ける木刀での攻撃は弾かれ、飛ぶ斬撃を駆使して戦えども決定打を与えられず、アイズはひらひらと紙一重で躱す葵羽を捉えられずに精神力が削られていく。
「いい加減、当たって!」
「そっちこそ堅すぎ……!」
そして風の扱いに慣れてきたアイズが動きの補助を始め、ただでさえ葵羽を上回る敏捷が底上げされていく。
それに葵羽も純粋な剣技と体捌きによって躱しつつ攻撃を仕掛ける。
もしもアイズの風の扱いがもっと繊細であれば速度と攻撃で圧倒して即座に片がつくだろう。
もしも葵羽の飛ぶ斬撃の扱いがもっと緻密であれば風の鎧への連続一点集中攻撃によって勝利を掴むだろう。
だが双方が新たな力に不慣れであることによって、勝負は長引く。
そして精神力を消費するアイズが
付与魔法強くない?
葵羽たんの将来(作者は髪型エアプです)
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黒髪パッツン合法ロリ
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黒髪ロング合法ロリ
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黒髪パッツンでアイズと同じくらいの体型
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黒髪ロングでアイズと同じくらいの体型
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黒髪パッツンで大人BODY
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黒髪ロングで大人BODY
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ポニテ(体型は今度アンケート)
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それ以外の髪型(髪型のアンケートを実施)
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任せる(なんでもいい)