オラリオに来たけど治安悪くない?   作:のん野のん太郎

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体調ぶっ壊れてたので遅れ申した
不定期更新タグは保険、はっきりわかんだね
そして、短ぁああああい


第14話

 ──夢を見る。なにか特別なイベントがあった後とか、嫌なことがあった後とかではなく、定期的に見る夢。

 

「葵羽様、天華様のどちらが家督を継ぐか。それは姉である葵羽様をおいて他に無い!」

 

「どうか五条家を末永く──」

 

 顔が黒く塗りつぶされた老人共が私を囲む。上にいた輝夜お姉様が居なくなって数ヶ月、気がつけば私達双子は家督争いに巻き込まれていた。

 以前から私達のどちらかに家督を継がせるという話は上がっていたらしく、それもあって輝夜お姉様を居なかったものとするまでかなり速かった。

 五条家の家長は誰よりも強くなければならない──その家訓は私と天華の競い合いを助長させていき、果てには真剣同士で模擬戦(殺し合い)をさせる始末。

 まぁ天華は「んふふっ! 全力を出してもいいから楽しいね!」と言いながら嬉々として襲いかかってきたけど。

 妖術無しなら私に分があり、妖術有り(なんでもあり)なら天華に千日手。一つに特化したバランスの悪い私に対してなんでも出来る天華、どちらも互いを羨んでいた。

 そんな中にあっても、私と天華の仲は悪くなかった。周囲は敵対を煽れども、それでも私達双子は常に二人で一人だった。

 そしてこの夢は、私と天華最後の語らい。毎夜繰り返していた対談はこれで終わりを迎える。

 

「でもね葵羽、わたしは強ければ生き残れるってシンプルで好きなの。家同士の牽制も、結局は力を持つ方が強く出られる。騙し合うのも嫌じゃないし?」

 

 ──私は、私はそんな風にはなれないよ

 

「んふふっ、そんなこと言ってたらわたしが継いじゃうよ? ま、そうなったら右腕にでもなってもらおうかな?」

 

 ──私が右腕? でも人殺しなんて嫌だよ

 

「んー……右腕になったら、というか五条家にいる以上それは避けられないよ? ……あ、それなら逃げちゃえば? 輝夜お姉様みたいに。離れ離れは寂しいけど、嫌なことさせたくないし」

 

 ──逃げてもいいのかな? 

 

「もちろん! 今の五条家に葵羽を止められるのはわたししかいないもの!」

 

 ──じゃあ、逃げようかな

 

「ええ! じゃあこれからはこの語らいも出来ないわね」

 

 ──どうして? 

 

「だってこの時間が唯一、お爺達が見張らないもの! だからこれからこの時間を準備に使うの」

 

 ──天華も逃げない? 

 

「わたしは此処が好きなの。だから、それは嫌。寂しいけど、お互い好きなことをして生きましょう。葵羽は此処の外で、わたしは此処で最強になるの。さっ、それなら作戦会議だよ!」

 

 ──うん、本当にありがとう! 

 

「じゃあまず、武器を調達しないとね? 武器庫……五番なら警備も少ないし、最近確認したばかりだからしばらくバレないと思うよ?」

 

 ──何でそんな事知ってるの? 

 

「んふふ、おとなのレディーは秘密をいっぱい持ってるの! でも一つ、約束して?」

 

 ──どんな? 

 

「決まったら逃げる日をわたしに教えて? 小火騒ぎ程度なら起こしてあげる」

 

 ──いつもの悪戯みたい。つまみ食いを思い出すね

 

「んふふふ! あの羊羹は美味しかったわね! あの頃が懐かしい」

 

 ──うん、そうだね……ごめん、もう行くね

 

「ええ! 葵羽のこれからが幸せであることを祈ってるわ!」

 

 その言葉と天華の自分とは違う笑顔を最後に場面が切り替わっていく。

 今考えると、よくバレなかったものだと思う。穴だらけの作戦に、後先考えない出奔。

 笑ってしまう程滅茶苦茶な脱走は、宣言通りの小火騒ぎと共に成功した。

 そして過酷な旅が高速で終わってオラリオの門を潜り、そこで目が覚める。

 

「あ……大丈夫?」

 

 瞼を開けると、目の前に陽の光を反射して煌めく金髪に妖精のように可愛らしい顔。

 

「……アイズ」

 

「どうしたの?」

 

 葵羽はキョロキョロと部屋を見回して見覚えのない場所、服も違うものだと気づいた。

 

「……また服を買いに行かないとと思って」

 

「ふふっ、そうだね」

 

 葵羽がそれなりに混乱している事に気づいたアイズは思わず笑みをこぼす。

 アイズがチラと見れば、今の葵羽は病院服のような薄着だった。

 

「アイズも作ってもらったら?」

 

「動きにくいから、いらない」

 

「似合うと思うのに」

 

 アイズは葵羽と他愛もない話を続けながらドアを開き、外で控えていた団員に葵羽の目覚めを伝えた。

 そして軽い診察を済ませて問題無しと判断された葵羽はアイズと共にすっかり慣れた『黄昏の館』へと帰還する。

 そして『黄昏の館』へと帰ると──

 

「おっかえりー!」「無事で何よりだよ、葵羽」「今回の事は正式に──」「大丈夫だったー!?」「大変だったねー!」「おかえり!」「ご飯前にお風呂行かない?」「心配したよー」

 

 宴のときのような轟音が浴びせられ、葵羽は面食らう。

 そして同様の経験をしたアイズもまたかと思いつつ、葵羽に声を掛けた。

 

「……おかえり」

 

 浴びせられる大号令に掻き消えるような小さな声だったが、葵羽の耳には確かに届く。

 そしてアイズへと笑いかけた後に、全ての声に負けないように大きな声で返した。




話を進めるために時間を飛ばします。
一年くらい飛ばします。さっさと死の七日間を書きたいので

葵羽たんの将来(作者は髪型エアプです)

  • 黒髪パッツン合法ロリ
  • 黒髪ロング合法ロリ
  • 黒髪パッツンでアイズと同じくらいの体型
  • 黒髪ロングでアイズと同じくらいの体型
  • 黒髪パッツンで大人BODY
  • 黒髪ロングで大人BODY
  • ポニテ(体型は今度アンケート)
  • それ以外の髪型(髪型のアンケートを実施)
  • 任せる(なんでもいい)
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