俺が教室に着くと席順は既に貼られているらしい。席は番号順とかでもなく完全ランダムなようで兄さんとはかなり離れた位置、窓際の列の最後尾だった。漫画とかなら主人公なんかが座っている席だな。
俺は特に前後左右、と言っても右と前しかいないが、ともかくその席に誰も座ってない事を確認して本を開く。本は坂口安吾の堕落論だ。残念ながら今俺が持っている本はこれと太宰治の斜陽と俺が出版した本だけだ。
「はぁ……はぁ…やっと…追いついた…同じクラスだね、1年間よろしくね。七助くん。」
五分ぐらいしたら櫛田はようやく追い付いたらしく俺の元へ来て右手を出している。恐らくは握手を求めているのだろう。
「えーと……申し訳ないのですが何方でしょうか?」
俺は誰か分からない振りをして本に目を戻す。さぞかし櫛田はフラストレーションが溜まっている事だろう。
「さっき自己紹介したじゃん、もう忘れちゃったの?……私悲しいよ……。」
「それで櫛田、先生が来たしそろそろ座った方がいいぞ。」
櫛田が泣き真似を始めたのだが相手をするのも面倒なのでさっさと追い返す。一部の男子からは睨まれている気がするがどうせ直ぐに櫛田も俺の相手をしなくなるだろう。それに櫛田は皆と仲良くなるタイプだろうしな。
学校の教壇にたった先生は20代後半と言った所か……それにしても最初の感想はエロいだな。胸元のボタンが止まらないのか止めてないのか知らないが開いてるせいで恐ろしく強調されている。既に男子生徒の何人かは見入っているしな。
そして黒のストッキングに気が強くてクールそうな性格。プライドも高そうだ。是非とも卒業までにプライドを壊したいものだ。だいたいあの手のキャラは高圧的と相場が決まっているからな。とはいえ相手は教師、手を出そうものなら豚箱行きだ。
恐らくは担任の先生だろう。鳶色のポニーテールを揺らしながら生徒全体を見渡して、静かになったのを確認して話を始めた。
「新入生諸君。私はこのDクラスを受け持つことになった茶柱佐枝だ。担当科目は日本史だ。
また、当校では卒業までの三年間クラス替えはしない。よって、君たちは三年間同じクラスで生活する一蓮托生の仲間という訳だ。
それと当校は少し特殊なシステムでな。今からおよそ一時間後に入学式が行われるが、その前にその特殊なルールについて説明をしたいと思う。まずはこのパンフレットを配布したいので、前の席の者に列分の枚数を渡すから、前の席の生徒は悪いが後ろの生徒に回してくれ。」
ポニテ黒タイツ改めて茶柱先生はパンフレットを配り始める。パンフレットは精々数ページと言った所か。それにしても茶柱って名前は縁起が良さそうだな。茶柱という名前に因んで心の支えになってる柱もポッキリ折りたい所だ。
俺は前の席の奴からパンフレットを受け取る。パンフレットには幾つかこの学校の目玉(?)とも言える特殊なところが書かれていた。流石に大量の監視カメラについては触れられてなかったが、今も天井に何個かあるしな。
パンフレットの内容を要約するとこうだ。
先ずは一つ目、生徒は在学中、特例を除き外部との接触、外出が出来ない。父親が言ってた3年後と言うのはこれの事だ。尤もこれは初めから分かっていた事なのだが。
その代わりと行ってはなんだが広大な敷地の上に沢山の施設が存在している。また、電気代、光熱費、水道代、ガス代なんかが無料の家賃無料の学生寮もあり、俺達はどうやらここで寝泊まりするらしい。それにしても同じ建物の中に男女が居るのは不味くないか?
他の施設だとショッピングモールやコンビニの様なメジャーな物から脳の劇場やシマネのアンテナショップなんて言う絶対要らなさそうな物まである。そして俺の大好きな飲食店、ソイゼリアがある事を確認して俺は内心ガッツポーズをする。
金持ちがソイゼリアなんかに行くかと思ってる方も多いだろうが『市民の生活を知るため』という事で俺は中学も普通の中学に通っていたしな。そう言う意味では兄貴とはポジション取りが違う。
それにしても他の事は大した事が書いてねぇな。後は説明で何とかしろってことか?
「今から学生証端末を配る。この端末はスマホのようなものだ。この端末にはプライベートポイント、電子マネーのようなものが振り分けられており、プライベートポイントを消費することによって敷地内にある施設の利用や売られている商品の購入等が可能だ。
敷地内で買えないものはなく、また、学校内でもそれは同様だ。端末の使い方が分からなかったり、値段の分からないものは我々教師に聞いてくれればいい。」
敷地内はともかく学校内で買うものなんてあるのか?購買があるとも思えないし……電子マネーなのは貨幣の発行枚数を減らして経済的なデフレーションを起こさせないようにする為かもしれない。
値段が分からないものがあるというのも妙だ。何かしら買えるものの中で特殊な何かしらがあるとみて間違えないだろうな。
「ポイントの使い方は簡単だから迷うことはないだろう。もし困ったらその場にいる職員に尋ねるように。
それからポイントは毎月一日に振り込まれる。今現在、新入生のお前たちには十万ポイントが振り込まれているはずだ。
恐らくは無いとは思うが、もし足りない、或いは過度にある場合は申し出るように。」
茶柱先生の言葉に、周りはザワついている。まぁ当然だろう。一般家庭ならば一月10万は余りにも大金過ぎるからな。金銭感覚狂うんじゃないか?
まぁそんな中で兄さんは端金に興味は無いと言わんばかりに爪研ぎしてるんだけどさ。なんと言うか兄さんらしくて良いと思う。
「おかしいか? 初めに言っておくが、当校では常に実力で生徒を測っている。
倍率が高い高校入試をクリアしてみせたお前たちにはそれだけの価値があるということだ。その評価の報酬ようなものだと思えばいい。ただし、卒業後はどれだけポイントが残っていても現金化は出来ないので注意しろ。仮に1000万プライベートポイント……一千万円貯めていたとしても意味は一切ない。
ポイントを個人がどう使おうがそれは自由だ。自分が使いたいように使えば良い。逆に使わないのも手だな。もしいらないのならば友人に譲る方法もある。
……ああ、だが苛めはやめろよ? 学校は苛めに敏感だから、もし発覚したらそいつは問答無用で退学処分となるからな。では、良い学生ライフを過ごしてくれ。」
茶柱先生はそれだけ言い残して、皆の十万円の余韻に包まれる教室から立ち去った。
何と無くだが言い回しもかなり違和感を感じた。毎月ポイントが貰えるとは言ったが十万円とは言ってなかったり、実力で生徒を測ると言った所ら辺は特に怪しいな。恐らくは実力を何かしらで測ってそれに応じてポイントを増減させるのだろう。
この学年だけで160人、3学年で480人なのでざっと500人近く居る事になる。1人が毎月10万を受け取ればざっと5000万、しかも監視カメラや施設、それらの施設の職員にも払う賃金を考えれば先ず間違えなく億は行くがそんな税金の無駄遣いを国がするとは思えない。
この分だと東京都高度育成高等学校就職率、進学率共にほぼ100%の謳い文句も怪しくなってきた。
学校側は大体的に告知していたが、何かしらありそうだ。なんかしらの試験で上位30人以外は退学、とかな。そう考えるとポイントは増減では無く減るだけの可能性もあるな。何れにせよ貯金をする必要はあるし、学校からの支給以外でも稼いでいきたい所だ。
世の中そんなに甘くない、だが大半の生徒は浮き足立って居るようだ。まぁ一般人の感覚はそんなものなのかもしれないな。
「ねぇねぇ、後で一緒に買い物行かない? 持ってこれた私物はかなり少ないし、服でも見に行こうよ!」
「うん! 今だったら何でも買えるしね。……私、この学校に入学出来て良かったな〜。絶対に落ちたと思ってたもん」
既に何個か友人グループは出来ているようだ。例えば前の方にいるギャルグループ。
「なぁ、さっきの先生の言葉が本当ならさ。最新鋭のゲーム機が売られてるんだろ? ちょっと見に行こうぜ。」
「もちろんだ。今日発売のぺけットモンスターの新作をすぐにプレイしたいな、今日という今日を待ち遠しく思ってていたんだ。」
「お前もか? ならさ、一緒に買ってマルチプレイしようぜ!」
廊下側に居るゲーマーグループ(?)もそうなのだろう。それにしてもあの顔が横長の奴はなんかどうにも心の奥底が拒否反応を起こしているな。失礼なのは分かってるがどうしてだろう。
「皆、ちょっと良いかな?」
俺がお得意の人間観察をしていると教壇の前に爽やかなイケメンが立っていた。こいつ絶対サッカー部だろうな。どっちかと言うと方向は優顔系統、そして細マッチョか。緑と茶色を足したような髪色は思ってたよりも様になって居る。こういう奴がクラスのカーストのトップに居るんだろうな。
「僕らは今日から三年間共に過ごすことになる。だから自己紹介をして、一日も早くみんなで友達になれたらと思うんだ。どうかな?」
ほらほら、こう言うタイプはthis is 行動力で動いて来る。有り触れたイケメンと言う奴だ。あんまり面白みは感じ無いな。
「賛成ー! 私たち、まだお互いの名前すら知らないしね。」
ギャルグループの一人が賛同するが彼女もまたカースト値が高そうな感じだ。
最初に自己紹介をしたのは、発案者の爽やかイケメン。まぁ当然の事だろう。
「僕の名前は平田洋介。中学の時は皆から洋介って言われていたから、気軽に『洋介』って呼んでくれると嬉しいかな。趣味はスポーツ全般だけど、その中でもサッカーが好きで、サッカー部に入部する予定だよ。皆よろしくね!」
一瞬の静寂の後、綺麗な拍手が巻き起こる。100点満点の自己紹介だろう。そして名前呼びをさせる事で親密度をアップさせる作戦にスポーツが出来るというキャラ立てでアドを稼ぐ訳か。頭が良いな。
イケメンなご尊顔も相まって、女子からの人気を勝ち得た彼がそのまま司会進行を行う様だ。
「もし良ければ、端の方から自己紹介をお願い出来るかな? えっと……そこの君から。頼めるかい?」
「わ、私……?」
「うん」
指名された女の子はちょっと不安そうだな…大丈夫か?まあいいや。俺は自分の自己紹介の内容を考える事にした。あっち端から回ってくるならこの位置は最後から5番目、かなり時間がある。構想を練るのは難しくないはずだ。
平田に指名された女子生徒は最初、緊張のあまり上手く喋れなかったが、近くにいた櫛田の手助けによって何とか事なきを得た。
その後も自己紹介は続く。
次に立ち上がったのは、一人の男子生徒だった。
「俺の名前は山内春樹。小学生の時は卓球で全国に、中学時代は野球部でエースで背番号は四番だった。けどインターハイで怪我をして今はリハビリ中だ。よろしくぅ!」
なんかナツキスバルみたいな自己紹介だな。そしてなぜか俺は奴が生理的に受け入れられそうにも無い。ドウシテ……。
ウケ狙いのジョークは綺麗に滑り、完全に痛いやつだった。本人は気付いていない様だが。
「俺の名前は池寛治、彼女を随時募集してます!誰か俺の彼女になってください!どうぞよろしく!」
コイツらモテないんだろうなぁ……明らかに自己紹介がモテないやつのそれだった。まぁ人としてつまらなさそうだし興味をそそらない。
「じゃあ次は私だねっ」
次の自己紹介は櫛田か、100%失敗は無いな。平田と人気を2分するだろう。まぁ仮面を被ってる事に気付く人間からは避けられるかもしれないが。
「私は櫛田桔梗って言います。中学からの友達は一人もこの学校に進学していないので一人ぼっちです。だから早く皆さんの顔と名前を憶えて友達になりたいと思っています。」
櫛田はさらに1歩踏み込んでいく。
「私の最初の目的として、ここにいる皆さん、特に七助君とと仲良くなりたいです。是非、皆さんの連絡先を教えて下さいねっ。」
拍手喝采。さっきの山内や彼女募集中とか言って滑ってた池なんかもう落ちたんじゃねぇの?これ?
それにしても俺の名前を出したせいで自己紹介しずらくなったじゃねぇか……意趣返しか何かなのか?面倒な事この上無いな。俺もう高円寺六助って名乗ろうかな。
「それじゃあ次は君、お願い出来るかな?」
そう言って平田は爪研ぎをしている兄さんに声を掛ける。自己紹介する確率は……まじでなんとも言えんな。兄さんだし。
「私は高円寺六助高円寺コンツェルンの御曹司だ。君達が私の美しさを引き立ててくれる事を期待しているよ。よろしく、子猫ちゃん達。」
これまたなんとも兄さんらしい回りなどどうでも良くて自分の美しさをアピールする自己紹介である。まともな人間ならコレと兄弟と思われたくは無いだろう。
「それじゃあ次の人、お願……い……」
クラスのリーダーのポジションを即取りしたような平田は次の生徒に促すが、その生徒は真正面から睨み付けた。こいつロックだな。
髪の毛を真っ赤に染め上げてるしきっとロックミュージシャンをめざしているに違いない。
「俺らはガキかよ。自己紹介なんて、やりたい奴だけやればいい。」
おぉ……! こいつロックだ!最高にロックだぞ!嫉妬か反抗心なのか目立ちたいのかは知らないが平田に真っ向から食ってかかったとは……今後のリスクを考えたら中々出来る行動じゃない。なんて言うロック精神……これがロックミュージシャンの心得ってやつか。
「僕に強制させることは出来ない。不愉快にさせたら謝りたい。」
一方の平田は深く頭を下げる事で周りから擁護される方向に舵を切ったようだ。ロック精神はゼロだな。コイツ。
「なによ、自己紹介くらい良いじゃない!」
「そうよそうよ!」
「ガキって言うけど、アンタの方がガキじゃない!」
平田の謝罪と同時に彼を擁護する声がロック君を追い込む。どうやら本当に、平田はこの短い時間で一定以上の人望を得たようだ。このままだと彼はぼっちになってぼっちザ・ロックになってしまうだろう。
これからの学生生活を考えるのなら、不良少年もまた平田に謝罪して誠意を見せるのが安全策だ。だがロック君は全くその姿勢を見せなかった。
「うっせぇ。俺は別に、仲良しこよしするためにここに入ったわけじゃねえよ。」
不良少年は席を経ち教室を出ていった。それに追随するようにして数名の生徒も立ち上がる。ロック君は群れたくないタイプの人達から好感を得たらしい。俺もロック君と仲良くしたくなったので着いて行くことにした。
その後も自己紹介は続いていたし参加したい気持ちは無くもなかったのだが、兄さんと櫛田のせいで針のむしろになるのは間違えないし出ていく方がベストだろう。兄さんはまだしも櫛田は確信犯だろう。
ロック君は気が付いたらもう何処かへ行ってしまった……まぁ入学式の後でも仲良くできるチャンスはあるだろう。
ほとぼりが冷めるまで教室に戻るのはリスクがある。俺はこの待ち時間の間に職員室でぼかしていた事を聞いてくる事にした。
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「失礼します。」
俺が職員室に顔を出すと一斉に視線が集まる。茶柱先生は……居ないようだ。まぁ他の先生でも恐らくは教えてくれる事だろうが……。
「お?どうしたのかな?恋のお悩み相談とか?」
これまたフッ軽そうな先生が出てきたな。なんか若干酒の匂いがするが年齢的には茶柱先生と同じぐらいか。ゆるふわな雰囲気を纏って居るが櫛田に近い。詰まるところ仮面装備型あざとい系である。年齢に関しては……女性は触れると失礼なので何も考えない事にしよう。
「実家に帰れば縁談なんて腐る程あるので大丈夫です。茶柱先生は今どこですか?」
「縁談!?凄いね……紗枝ちゃんなら今飲み物買いに行ってるよ。私は一年Bクラスの担任の星ノ宮知恵だよ、君は確か……高円寺君の弟の方だったよね?紗枝ちゃんに何か用かな?」
生徒の名前を全員覚えているのだろうか。だとしたら凄いのだが……。
「茶柱先生じゃ無くても良いんですけどね、幾つか気になったので質問をしたいんですよね。」
「それなら私が答えてあげるよ!何かな?」
この人は何故か若干不安だが……まぁ腐っても鯛だし大丈夫だと信じよう。
「この学校って実力で生徒を測るんですよね?来月貰えるポイントも実力準拠ですか?」
その言葉を聞いた職員室が若干ピリついた空気になる。どうならビンゴの様だ。
「来月ポイントが貰えるとしか言えないかな。それよりなんか失礼な事考えなかった?」
「気のせいです。じゃあ次です。来月貰えるポイントが減る事はあるんでしょうが増えることはありますか?」
「答えられないかな……。」
単純に禁則事項って所か。どっかの朝比奈みくるみたいだな。にしてもビンゴっぽいがこれは禁則事項に大半引っかかりそうだな。
「うーん……それじゃあプライベートポイントで買えるものの一覧のマニュアルなんかは何プライベートポイントでかえますか?」
これぐらいなら答えられるはずだろう。恐らくは者だけじゃなくて情報やらなんやらも買えるようになっている筈だ。
「確かにそんなマニュアルはあるけど前例が無いからなぁ……ちょっと後で確認しておくね。」
うーん、前例が無い?そんなに行き着く人が居ない様なことではないと思うんだが……まぁこれは序だ。
「所で2、3年生は何人の退学者が居るんでしょうか?」
これで80人とかいれば仮説は立証完了である。そしてこの質問は答えられないは恐らく無いだろう。
「うーんと……3年生は21人、2年生は19人かな?と言っても2年生は例年と比べてかなり多いけどね。」
となると残った人間全員が恩恵を受けるのは厳しいだろう。この分なら精々40人減らすのが限界だろうし。となると成績の良い上位数人だけとかそんな感じだろうか。クラス替えが無いと言っていたしクラスでやる可能性もあるな。
「就職率100%の恩恵を受けれた人って去年は何人ぐらいいました?」
それを聞くと星ノ宮先生は苦笑いをしている。別にこの人に不利益はない気がするんだが……受け持ちのクラスの人数でボーナスが増えるとかなんだろうか。
「答えられないかな……でもこの分だとある程度気付いてるんじゃない?」
「まぁだいたいは……それじゃあ最後の質問です。今の2、3年はどれぐらいプライベートポイント貰えてるんですか?」
「それも答えられないけど……そこまで言ってるなら多分正解じゃないかな?七助君みたいな人がうちのクラスにいて欲しかったよ。はぁ…紗枝ちゃんが羨ましい。」
「知恵、喋り過ぎだ。」
「はいはい……真嶋君って変なとこ真面目だよね。ホント。」
この感触だとクラス間で争う感じか。となると自己紹介をほっぽり出したのは完全にマイナスだな。ん?待てよ?
「クラス移動の権利もプライベートポイントで買えませんか?」
「買えるよ。でも2000万プライベートポイントもするし今まで成功した人は一人もいないけどね。」
「0……ですか。」
一人ぐらいいると思っていたが……少なくとも貰えるプライベートポイントが増えるはまず無いなこの感じだと。まぁ仮に増えても2000万とかかき集められる気がしないんだけども。
「バイトとか賭け試合とかやってたりしません?」
「バイトは店では募集してないと思うな。賭け試合は、ちょっと分かんないな。それにしてもプライベートポイントを増やす方法を聞いてるって事は七助君はうちのクラスに来てくれるのかな?」
「まぁ割と前向きに打診してます。勿論2000万稼ぐ事の楽さによりますけどね。」
まぁ八割は嘘なんだけどね。こうやって言っといた方が色々ペラペラ話してくれる事だろう。この人酒も入ってて口軽そうだし。カモにできるかもしれん。
「それじゃあ期待しちゃおっかな。」
「高円寺、そろそろ入学式が始まる。教室に戻った方がいい。」
さっき真嶋君と呼ばれていた太った男の先生の言う通りだろう。流石に初日から居ないのは顰蹙を買いそうだしな。
「そうさせてもらいます。それでは失礼しますね。」
この学校の大体のシステムはわかったが……これを恐らくは既に兄さんは気付いているのだろう。やっぱり兄さんには適いそうもないな。
俺は更に兄さんの評価を心の中で上げながら入学式へ向かうのだった。
氏名:高円寺七助(コウエンジ シチスケ) (5/1時点)
クラス:1年D組
学籍番号:S0T04771
部活動:Secret
誕生日:10月19日
学力:A-
知性:A-
判断力:A-
身体能力:A-
協調性:C-
面接官からのコメント
学力、運動神経とともに学年上位であり、MENSAの会員である事からIQの高さも伺わせる。また面接での会話からコミュニケーション能力も低くない。
ただし欲に忠実であったり、兄である高円寺六助に軽く依存している、嗜虐趣味やTPOを弁えない発言などから、精神的には劣っていると思われる。また、兄である高円寺六助がDクラスへの配属であり、彼をコントロール出来る可能性がある唯一の人間である為、Dクラスへの配属とする。
担任からの評価(5/1時点)
まだ精神的に幼い傾向は見られますが、成長を感じられます。今後の成長にも期待したいです。
みたいキャラは?
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綾小路
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櫛田
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軽井沢
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坂柳
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高円寺
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龍園
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堀北
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平田
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一之瀬
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ひより
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それ以外(コメント欄へ是非)