唯我独尊自由人の弟は強欲だった件   作:あもう

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内容薄めです。


入学式

入学式、それは中身の話をダラダラと校長先生だか教頭先生だかが喋り、大半の生徒がウトウトしながら必死に眠気を抑える時間である。現にクラスメイトの約半数は寝落ちしている。

 

そして問題なのがこの体育館にも監視カメラが何個か天井に着いている事だ。この瞬間も恐らくは寝ている奴らの来月に貰えるプライベートポイントは減り続けて居る事だろう。

 

ちなみに他クラスはと言うとAクラスは北〇鮮の軍隊ばりにピシッと並んでいる。約1名足を怪我しているのか椅子に座っている人間も居るがまぁ差し当たり減点はされないと見た。

 

次にBクラス、こちらもAクラス程では無いがしっかりと話を聞いている人間が多そうな印象を受ける。Aクラスが軍隊ならこっちは社会人かな?

 

そしてCクラスだが……明らかに学生とは思えない人間が約2名いる。一人はロン毛の男。肉食獣の様な獰猛な眼に何かを観察するかのようにAクラスの方を見ている。コイツは只者じゃあ無いな。恐らくはこの学校のシステムの根幹に気付いている。

 

それにしてもコイツもロックミュージシャンみたいだな……この学校はロックミュージシャン養成所だっけ?

 

Cクラスにも何人か爆睡族は居るが、それにしても全体的に見るとABCDと順序よく綺麗に話を聞いているように見える。その事を考えると入試の出来順か何かで1番上がA、1番下がDと言う風になっているのだろう。

 

俺は二年、三年の方にも目を向けてみる。コチラもAクラスが突出していい姿勢で聞いており、Bクラスがその次に真面目に聞いている。とは言えC、Dクラスは五十歩百歩だな。一年生で言うならばCクラスと同等の様に感じる。二、三年を含めてもウチのクラスが一番酷いんじゃないだろうか?

 

にしても妙だな。他の人は現状が分からないから何とも言えないが、俺や兄さんは勉強、運動、その他もろもろは恐らく学年上位レベルな筈だし調査書に書かれる程の何かをやらかした覚えも無い。強いて共通してダメな所があるとすれば性格が終わっている点だが…何でDクラスなんだ?

 

「では以上で入学式を終わります。一同、礼!」

 

どうやら俺が考え事をしている間に入学式は終わってしまったらしい。そのままダルそうに教室に戻るDクラスの面々。俺の予想が正しければ今年のDクラスは群を抜いて酷いのだろう。どのようにクラス間で争うのかまでは現状分からないが、兄さんが本気を出して勝てる相手などいようはずも無い。まぁなんの問題も無いだろう。

 

教室に戻った後は茶柱先生から軽い挨拶があって解散となった。既にクラスメイトの何人かは友達になっているのか仲良くバッグを持って帰宅しようとしている。

 

「七助、我々も帰ろうではないか。七助は色々と答え合わせもしたいんだろう?」

 

俺の所へ兄さんが髪を櫛でとかしながらやって来るが、七助という名前を聞いたからなのか、残っている何人かはこちらをヤバいやつを見る目で見てくる。兄さんの自己紹介のせいの可能性もあるのでなんとも言い難い所だ。

 

「ごめん兄さん。答え合わせは明日の朝でいいかな?ちょっと今日はやりたい事があってさ。」

 

「分かったよ。また明日の朝七助の部屋を訪ねようじゃあないか。」

 

それだけ言い残して兄さんは去っていった。答え合わせという事は兄さんは既に確信しているのだろう。やっぱり兄さんにはかないそうもない。

 

さて、俺のやりたい事だがロック君と仲良くなる事だ。自己紹介の時のロックな姿勢に大変感銘を受けたので仲良くなりたい。とは言え俺はロックな姿勢を貫きたい訳じゃないし、面倒事に首を突っ込みたい訳でもない。ではどうするのかって?

 

「……ンだよ…。」

 

ロック君がバックを持って教室を出る。俺はロック君が角を曲がったタイミングで後を着ける。ロック君の性格上恐らく今日も誰かしらと揉める事だろう。狙いはひとつ、ロック君をストーカーして揉めてるシーンを録画する事だ。勿論今後のクラス闘争の為、とかでは無く単純に人と人が醜く争っている姿を見て見下したいだけである。

 

だって仕方無いじゃん。自分の下に人が居ると思うと気分がスーッとする。これもまた欲の一形だろう。多分。

 

まぁロジカル的な事はどうでもいい。大事なのは俺がいい気分かどうか、それだけである。

 

早速ロック君はコンビニに入るらしい。個人的にはコンビニは恐らく物価が高いので辞めておいた方がいいと思うのだが……そこら辺の計算は出来なさそうなタイプだし仕方ないか。

 

それにしてもコンビニにも監視カメラがある様だ。入口付近に一つ、レジ上に一つ、トイレ近くに一つで3つか。この位置だと真ん中の棚は死角になって映らなさそうだな。まさかこの国立の高校生だけの場所に居ないとは思うが万引き犯に取っては有難いことこの上無い。

 

さてさて、ロック君はどうやらカップラーメンを買うらしい。味は激辛トムヤンクン……絶対不味いだろそれ。辛いものを食べる辺りロックの風格が滲み出ている気がする。

 

そのままロック君はカップ麺を持ってレジへ……クソ、美男美女カップルが邪魔で見えないじゃねぇか!イチャつくならオシャレなカフェでも行ってくれよ、ホント。

 

俺はロック君の後を付けるためにカップルの横を通り過ぎる事にした。

 

「凄いサイズだよな、Gカップって。」

 

おぉぅ……この男、初日から新手のセクハラか?それとも刺激的なカップルなのか?どっちにしろロック君より『面白そう』だな。付ける対象はコッチに変更だな。俺はポケットの学生証端末の撮影画面をロック君からバカップルに変える事にした。

 

「それはどう言う意味かしら?」

 

「いや、特に意味は無いぞ?」

 

嘘つけ!絶対女側の貧乳を揶揄ってるだろ……それにしても綺麗な黒髪が似合う整った美人だな。男の方もイケメンだし、自己紹介の時から思ってたがこの学校は顔面偏差値で入れる人間を決めてないか?

 

「悩んでるならこっちの五枚刃なんでどうだ?綺麗に剃れるんじゃないか?」

 

「一体、私に何を剃れと?」

 

「ぶふぉっ……。あ、すいません。」

 

この男……なんて事をキメ顔で言うんだ。思わず吹いてしまったじゃないか。尾行スキルがこんな形で看破されようとは……。なんでこの男はしてやったりって顔をしてるんだ。普通にセクハラだからな。それ。

 

「何かしら貴方…私達の方を見て笑うなんて、不快だわ。」

 

「あぁごめんごめん……気にしないでくれ。」

 

だって笑うだろ。急にあんな事言われたら。女子にセクハラトークを連打してるとかこの男は常識を何処に捨ててきたんだ?コイツあれか?山内と同じタイプの人間か?

 

ここで撮影してる事がバレると後で面倒な事になるのは目に見えている。俺は彼らから離れて別の場所に行く事にしよう。

学生証端末のカメラ入りの胸ポケットを彼等と逆向きに向け、俺は横の棚を物色している振りをすることにした。

 

「あぁ……やっぱりか。」

 

彼らと逆側の棚には『無料商品!!おひとり様3点まで!』と書かれたプラカードと一緒に安物のシャンプーやティッシュ等の商品が並んでいる。

 

 

この分だと来月ポイントはかなり減ると見ていいだろう。最もその事に気付いている人間が何人いるかは怪しい所だが。

 

 

そしてこの分だと他の店にも置いてあるのだろう。現状明確なプライベートポイントを得る手段が来月1日のいくつかすら分からない配給しかない以上極力無料で済ませるのが得策か。それにしても来月はどれぐらいだろう。

 

 

流石に0は無いだろうが……。と言うか無いと信じたい。

 

 

 

俺は暫く悩んだ末3点をシャンプー、ティッシュ、タオルの3つにした。シャンプーとティッシュは恐らくは安物だろう。タオルもデザインが悪いので無料…という事だろうか。

 

まぁ無料品にするボーダーラインの分析に意味は無いか。

 

 

 

それにしてもレジは思ったより混んでいるな。後特筆する様なところだとDクラスの生徒が多い事ぐらいか。なんでかは知らん。

 

「っせぇな!ちょっと待てよ!今探してんだよ!」

 

列に並んでたら急にロック君がキレだした。一体全体どうしたってんだ。

 

ちなみにレジに並んでる人達は既に軒並み迷惑そうな顔をしている。授業とかも明日からボイコットしそうだなコイツ。Dクラスのお荷物担当になりそうだ。

 

 

まぁ面白いからいいんだけどさ。大方学生証を忘れたとかだろう。

 

 

 

 

おっと…さっきのセクハラ野郎が金を立て替えているようだ。初日から女にはセクハラでヤンキーには自らパシられに行くとかアイツ大丈夫か?まぁ見てる分には面白いので良しとしよう。

 

「それでは次の方、どうぞ。」

 

そのまま列は進んで行き、ロック君とヤベェ奴はコンビニを出て行った。彼らの行く末に少々興味はあるのだがレジを会計してしまう必要がある。そして残念な事にレジは若干混み気味だった。

 

「それでは次の方、こちらの商品が3点で……ゼロポイント、ですね。」

 

なんでそんなに睨まれなきゃ行けないんだ…こっちは正当な権利を使った正当な買い物だろ?店が赤字になった所で俺の知った事じゃあ無い。兄さん風に言うならナンセンスだ。

 

「はい、何か問題でも?」

 

「いえ、何も問題はありませんよ。」

 

店員さんは笑顔でこそあるが、私怒ってますオーラが滲み出ている。まぁこんな店員に構ってる暇など無い、俺はそのまま商品を袋に入れてコンビニを出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……それにしても、我が家のメイドに顔が似ていたような…気の所為か?まぁこんな所にウチのメイドが居るわけないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何なんだよアイツは!クソっ!」

 

コンビニから出てみるとなんかロック君がブチ切れてた。俺はある程度距離を取ったところから見守る事にした。

 

最悪コイツのやらかした動画なんかを他クラスに売り捌いてもいいな。ロックなのはいいがここまでだと手に負えない気がしてきたし。

 

「おい一年、そこは俺らの場所だぜ?どけよ?」

 

何だこの圧倒的チンピラっぽい奴らは。コイツらの名前絶対チンピラA、B、Cだろ。

 

 

 

「んだと!?俺がココに先に居るんだからお前らがさっさとどっか行きやがれってんだ!」

 

対するヤンキー君は……応戦するらしい。これ他クラスに取られてたらその時点で不利なんだけどな……まぁ面白いしそのまま放置するんだけどさ。あの隣のセクハラ野郎も止めるつもりは無さそうだしな。

 

 

 

「ククク、どっか行きやがれだってよ、お前らのクラス当ててやろうか?Dクラスだ!正解だろ?なぁおい!」

 

 

 

 

この分だとAクラスが1番上でDクラスが1番下で確定してそうだな。それにしてもあんなチンピラに見下されるレベルって……Dクラスだけ枠組みとして明らかな下って事か。

 

こうなってくるといよいよ俺と兄さんがDクラスにいる理由が分からなくなって来たぞ。

 

 

 

一回始めの入試に立ち返ってみるか、まず試験の内容は体力テストと筆記試験、それと面接だ。体力テストと筆記試験で俺と兄さんがコケる事はまず無いと見ていい。

 

面接は…兄さんは唯我独尊でやったかもしれないが俺は安牌だった筈だ。

 

後は有り得そうなのは…調査書か。とは言っても内申点も45だったし俺の調査書が悪くなるとは思えない。学校の方も『俺は』何もやらかしていない筈だ。この線も違うか。

 

そもそも俺の欠点は欲の為なら何をしでかすかわからない事位な筈だ。

 

となるとこの学校は日常的な態度を何かしらの方法で見ているという事だろうか。うーん……この学校の実力の振れ幅はどうにも広く感じるな。

 

 

 

とは言え学校側の選考データみたいなものはあるのだろうし、恐らくはそれもプライベートポイントで買えるのだろう。Dクラスにいる優秀な人間のは購入しておくべきだな。

 

 

 

そして今日までで分かった事をDクラスに共有して、プライベートポイントの貯金やらなんやらでも作れば700クラスポイント位は残せるはずだ。まさか0ポイントになるなんて有り得ないだろうし。まぁうちのクラスがどうなろうが知ったこっちゃないオマケだ。

 

 

 

別に最悪俺はAクラスに行かなくてもいいのだが一応目指す方針ではいたい。後はウチの会社で働けそうな優秀な人材を脅し……じゃなかった、懐柔させて雇っておいたり、欲望を満たす事ぐらいか。

 

そうなると他クラスとも交流は作っておくべきだろう。そうと決まれば早速明日に備えて無料商品を周回する事にしよう。チンピラ先輩達も、ロック君とセクハラ野郎も何処か行ってしまったし…あのチンピラ先輩達はまた何処かで脅すとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、俺はDクラスのあまりの酷い惨状に頭を抱えて、Dクラスに情報共有してクラスポイントを守る作戦を諦める事になるのだが、この時の俺にそれを予想しろというのは酷な話だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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