どうやらSCPと言うのになったらしい   作:YY:10-0-1-2

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「パンドラの箱を再び開ける、ね。」ヒールは言った。
「確かあの神話って、箱は二度と閉じられなかったんだよね?」
「いや、パンドラの箱は違う。」スーツは言った。
「あれは、こう呼んでやろう。」
「なんて呼ぶの?」
「パンドラの箱が開けられた時残されたモノだ。」


「残された希望」



ファイル46 その男、実験記録

 

 

 アルファ-9『残された希望』

 人間型SCPオブジェクトを訓練し、利用することを明確に意図して結成された機動部隊。

 

 その中に、新しく入ることとなった俺。

 その危険性、異常性を再び調べるために訓練するための施設*1へ来た。

 

 俺は手首を噛みちぎって血を吹き出させ、それを操る。

 

 「剣になったり、足場になったり……」

 「その他には?」

 

 ソフィア博士が紙に記録を書きながら俺を見る。

 なんで紙なんか使ってんだろ。記録取るならパソコンとかの方が便利でしょ?

 

 「確か、コウモリにもなれるわよね?」

 「はい」

 

 俺は小さなコウモリの集団となり、縦横無尽に訓練室を移動する。

 しばらくした後に人間の姿に戻る。

 

 「……なぜ服は戻るの?」

 「俺に言われましても」

 

 ソフィア博士が疑問に思ったのか首を傾げるも、俺は肩を竦める。

 

 

 「他には何も出来ないの?」

 「あ〜……特には?」

 

 死ねば死ぬほど力が強くなります!

 なんかにこやかに言えるわけないだろ。いい加減にしろ。

 

 「後は、ブライト博士の記録と同じかしら?」

 「まぁ、大半は……あ、(にんにく)普通に食えるようになりましたよ?」

 「耐性ついてるじゃない……」

 

 ソフィア博士がそう言いながら紙に書く。

 

 「その他には何も無いかしらね?」

 「そうっすね」

 

 ソフィア博士が紙に書き記すのをやめて、俺を見る。

 

 「しかし、貴方がアルファ-9入り……ね」

 「凄いことなんすか?」

 「機動部隊に入ること自体が凄いことよ?」

 

 へ〜。まぁ、レオラが俺やカインを見て目をキラキラさせたりするのも納得だな……。

 

 レオラは実践に出れるかどうかも分からないけど。

 あ、違うよ?年齢の話ね?

 

 「私君の担当になってから結構経つわね…」

 「そうですね…」

 

 いや〜いろいろあったわね〜と呟くソフィア博士。

 そりゃ色々あったわ…。いきなり首落とされるわ、背中引っ掻かれるわ、顔みたら殺されかけるわ、貞操取られかけるわ、脳天ぶっ刺されるわ……。

 

 へし折られるわ、ショットガンブッパなされるわ、宇宙空間飛ばされるわ、なんか先輩に操られてやばい奴に喧嘩ふっかけてしまうわ……

 

 闇深いの見るわ…吸血鬼様(笑)に会うわ……ねこ見るわ……首へし折るわ……マッチョにだる絡みされるわ………変な看板に喧嘩ふっかけてボコられるわ……

 

 ……あれ、ろくな目にあってない?なんならプラマイゼロじゃなくてマイナスばっか?

 

 

 ……あれぇ?

 

 「どうしたの?」

 「いや………う〜ん?」

 

 俺はなんでもありませんと言って笑う。

 やめてソフィア博士。そんな目でこっちを見つめないで?

 

 

 しかし、不思議だな俺の体。

 痛みはあるはずなのに、普通に噛みちぎれる……俺にも困惑だけどね。

 

 吸血鬼の特徴って何があるだろうか。

 俺は指を立てて、ブツブツ言いながら指を折る。

 

 

 首筋に牙を突き立てて人の血吸うじゃん。

 コウモリやオオカミに変身するじゃん。

 鏡に映らないじゃん。

 棺桶で寝るじゃん。

 日光に弱いじゃん。

 銀の武器に弱いじゃん。

 十字架に弱いじゃん。

 聖水とか、聖骸物に弱いじゃん。

 葫とかに弱いじゃん。

 杭で心臓を貫けば死ぬじゃん…?

 

 ……あれ。

 

 

 俺、弱い部分全部克服してね?なんなら、コウモリになるし、血吸ってないし、棺桶で寝てないし。

 

 俺ってほんとに吸血鬼か?そもそも吸血鬼って血操らなくね?

 

 考えれば考えるほど俺って吸血鬼なの?ってなるような現象ばっか起きてるな……。

 

 

 ……ま、まぁ、どこぞのアーカード様も日光やらなんやらは克服してるし、DIO様も十字架握りつぶしてるし……。

 

 

 「よし。普通だこれが……俺が異常なわけじゃない」

 

 そもそも、吸血鬼の時点で異常だろとは言わないお約束だ。自分でも分かってる。

 

 

 『OK、優磨君聞こえる?』

 「ん?はい」

 

 インカムからソフィア博士の声が聞こえる。

 

 『どのくらい、血を出せる?』

 「ん〜……多分、血液パックをいくら持ってきても収まらないくらい?」

 

 インカムからソフィア博士の苦笑いが聞こえてきた。

 

 『OK……じゃあ、たくさん血を出して、剣にできる?』

 「出来ると思いますよ?」

 

 

 俺は首に手をつけ、頸動脈を爪で斬る。

 ドバドバと溢れてくる生暖かい血を俺は操ってみせる。

 

 

 『……改めて、凄いわね…』

 

 大きな血の剣。

 疲れはしたが、凄く簡単に作れた。

 

 まじ異常性だな。

 

 『…OK、実験は終わりよ』

 「また報告書書き直すんですか?」

 

 ソフィア博士の乾いた笑いが聞こえてきた。

 こりゃぁ……徹夜か、それとも血眼になってやるかの2択ですね…。

 

 俺はソフィア博士に休んでくださいと言って訓練室を後にした。

*1
SCP財団内でこんなものあるのかは不明。なのでオリジナル設定です





SCP-???-JP 吸血鬼となってしまった青年
https://syosetu.org/novel/308274/1.html

SCPのリクエストはこちらから!

優磨への質問はこちらから!


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SCP解説のコーナー!

優磨「え、今日誰かいたか?」

アイリス「今回のSCPはこちら!SCP-???-JP『花村優磨』!」

優磨「ちょっと待て。なんで俺?」

アイリス「だってって、SCPだし…」

優磨「……そりゃそうだ」

アイリス「異常性は、吸血鬼全般の能力を使えるって言う点だね」

優磨「吸血鬼が血を操れるかどうかは不明だけどな…」

アイリス「日光も克服してるし…」

優磨「……よく良く考えればこれって『ぼくのかんがえたさいきょうのきゅうけつき』だよな…」

アイリス「作者が厨二病だからさ…」

優磨「何気なく作者に攻撃するのには驚いたよ」

アイリス「そして、異常性はこれだけに留まらず、ロリコンなんだよね!」

優磨「待てや」

アイリス「いや、待たない。俄然ね」

優磨「いや、俺がロリコンじゃなくて、俺に近寄る奴がロリコンなだけでな……?!」

アイリス「トレビュシェット博士にも手を…?」

優磨「あの人はロリコンじゃねぇだろ!」



[nice boat…]
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