どうやらSCPと言うのになったらしい   作:YY:10-0-1-2

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 思ったよりキャラ崩壊起こしてて笑った。ナニコレ。



ファイル53 その少女、掴む

 

 「ハァっ!!」

 

 アベルのブレードが、2()9()()()の死を吸血鬼に送る。

 だが、3()0()()()の復活を遂げた吸血鬼はアベルの腹に血の槍を貫かせる。

 

 アベルは、ゴフッと血を吐くと、吸血鬼からブレードを抜いて右上から袈裟斬りする。

 ズルっと身体が滑る。重力に従って、その内蔵が徐々に明らかになっていく。

 

 吸血鬼は口から吐いた血をアベルに吹きかけ、爆弾に変える。

 ギュッと拳を握ればあら不思議、アベルの顔面が弾ける。

 

 「ラア!!」

 

 だが、アベルは耐えていた。

 零距離での爆撃に近い爆発を耐え、吸血鬼の顔面を左手で潰すのであった。

 

 ゴリュッと骨が砕け散ると共にブチャと血が左手から溢れる。

 だが、元々頭があった場所からは再び頭が生え、ニタァと笑った後に地面からの爆撃。

 

 アベルは飛び下がり、口が裂けんばかりに笑う。

 

 それと同時に、煙が上がる中から出てくる優磨。

 

 【どれ、試してみるか……】

 

 手を前に差し出すと、辺りに飛び散っていた血が手の中に収まり、武器を作る。

 長さ、およそ190cmの柄に、下端に柄からL字に突き出すように長さ130cm程度のカーブした刃が現れる。

 

 俗に言う、大鎌というやつだ。

 

 それも、本来の大きさよりも大きく、一回りも、二回りも大きい鎌であった。

 

 【避けろよ?】

 「っ!!」

 

 その言葉と同時に鎌が振られる。

 壁に大きな斬り傷が走ると、アベルが冷や汗を垂らす。

 

 さらに、その鎌は、血で構成されている。

 一言で表せば、変幻自在の武器だ。鎌は大きくなったり小さくなったり、伸びたり縮んだり、硬くなったり柔らかくなったり。

 

 様々な状態を用いてアベルを追い詰めていく。

 

 無論、アベルも黙ってはいない。

 アベルはそのブレードを振り抜き、鎌ごと吸血鬼を裂く。

 血の桜が飛び散ると、銃弾のようにアベルの脚を狙い撃つ。

 アベルはガクンと体勢を崩すとその首に鎌が振り落とされる。

 

 アベルのウガァという叫び声が響き渡り、地面を抉る程の脚力でその場から離れる。

 アベルがブレードを振りかざし、吸血鬼を真っ二つ。

 そして、さらに真っ二つに、真っ二つに、真っ二つ、真っ二つ、真っ二つ真っ二つ真っ二つ真っ二つ真っ二つ真っ二つ真っ二つ真っ二つ真っ二つ真っ二つ真っ二つ真っ二つ真っ二つ真っ二つ真っ二つ真っ二つ。

 

 

 計501回に及ぶ真っ二つにより、吸血鬼と呼べる存在が塵と化す。

 だが、幾ら切っても斬っても裂っても刄っても、吸血鬼は復活する。

 

 アベルは高揚していたが、次第に苛立ちが出始めた。

 

 ──なぜ死なない? なぜ殺せない?

 

 愉悦だったはずのものが、フツフツと湯だって行く。

 目の前の吸血鬼は、血で何かを作っている。

 大きなガトリング砲だ。それも、何個もあるものが作られていた。

 

 ドドドドドドドドという音と共に弾が発射される。

 アベルは、銃弾をブレードで叩き落としながら、確実に殺せる方法を考える。

 

 生半可な殺し方では、きっと復活するであろうと予測するアベル。

 舌打ちと共に気づく。

 

 

 「…いない?」

 

 目の前でガトリング砲を撃っていたはずの吸血鬼が消えていた。

 

 そして、振り返った。

 

 そこには、大きなトゲトゲとした血のハンマーを振りかぶる吸血鬼の姿が。

 

 「こいつ…!!」

 

 ブレードを構えるが時すでに遅し。

 ハンマーが大きな音を立ててアベルをグチャっと潰す。

 

 アベルの死。

 その光景を見た、ソフィア博士とライツ博士はヘタヘタと倒れ込む。

 そして、同時にアベルでも殺せないのか。と、戦慄する。

 ソフィア博士は、じんわりと下半身で何かが広がっていくのを感じながらも嗚咽を繰り返していた。

 

 ライツ博士は、自分の運の悪さを呪い、そして神様という不完全で証明されていない何かにすがりついた。

 

 

 

 

 ──だが、その神様は、実在していた。

 

 

 「許さない…!!」

 【アァ?】

 

 シガーロスが、立っていた。

 吸血鬼を睨みつけるかのように立っていた。

 

 「ダメよ!」

 

 ライツ博士が震える喉を制して力一杯叫ぶ。

 シガーロスは、その小さな体を小刻みに震わせながらも、指を天に掲げる。

 

 「マジックミサイル詠唱!!」

 

 瞬間、辺りが吹き飛ぶ。

 ギアーズ博士の許可はなかったにしろ、本人の意思での発動であった。

 

 吸血鬼は、吹き飛び、ゴロゴロと地面を転がった後に上半身を上げる。

 

 【このクソガキが…】

 

 再び立ち上がり、シガーロスに血の銃を向けると、その腕が掴まれる。

 

 「やめてよ!!! 優磨!!!」

 

 そこには、アイリスがいた。

 アイリスは泣きながら、吸血鬼の腕に抱きつき、止めようとしていた。

 

 だが、その思いも虚しく振り払われてしまった。

 

 シガーロスの後ろにゴロゴロと転がり込み、ケホケホと肺の中の空気を吐き出すと、シガーロスが心配そうに駆け寄る。

 

 そんな2人に銃を容赦なく構える吸血鬼。

 

 【死ね……】

 

 単純な二言。

 

 だが、それは呪い(まじない)でもあった。

 

 

 銃を構えている右手とは違い、左手がピクッと動いたかと思うと、首を一気に掴み、酸素の供給を止める。

 

 そして、呟く。

 

 「返せよ…このクズ野郎…!!!!!」

 

 優磨(主人公)は、帰還した。

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