身内の創作の二次創作台本。

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サルバドール外伝

クロ:チッ…なんで今回は2人1組じゃなきゃいけねぇんだ

 

城夜:ラビー隊長の指示ですからね。仕方ないですよ

 

クロ:どう考えても俺だけで十分だろーが

 

城夜:それは相手を見てみないことには何とも言えないのでは?

 

クロ:どんな能力者だろうが、俺とまともにやり合えるわけねぇだろ。わかんねぇのか?

 

城夜:…。フゥー…そうですね、クロさんはお強いですから。確かにそういう意味では貴方だけで十分でしょう

 

クロ:なんだそりゃ。足でまといを付けさせたのには何か他に理由があるってのか?

 

城夜:そうかもしれませんねぇ。チーム戦における連携力を高めて欲しいのかも

 

クロ:へっ、いらねぇな

 

城夜:ほら、その様子だと慎重な連携が求められる作戦で、貴方はきっと足でまといになりますよ?

 

クロ:あ?

 

城夜:おや、なにか?

 

癒月:(はぁ…もう少し仲良くしてくれればなぁ…)

 

クロ:おい

 

癒月:(でも本当に、どうして隊長さんは彼1人で行かせなかったんだろう…)

 

クロ:おいコラ。聞いてんのか

 

癒月:(城夜さんの推測はあながち間違いじゃないのかしら…でもこれくらいでクロに協調性が備わるとはとても…)

 

クロ:おい!!!

 

癒月:はい?!…あぁ、どうかした?

 

クロ:テメェさっきから無視しやがって!

 

癒月:あはは…ごめんなさいね

 

クロ:…なんか考え事か?

 

癒月:まぁちょっと…それで、私に何か?

 

クロ:お前医療班だろ

 

癒月:ええ

 

クロ:前線出て大丈夫なのかよ

 

癒月:医療班見くびらないで。これでも結構経験してきてるんだから

 

クロ:へっ、医者が怪我しちゃ世話ないぜ

 

癒月:いいから連れていきなさい。貴方たちが死なないように私が隣で片っ端から治してあげる

 

クロ:必要ねぇよ、今日も200人で来てるからな。多少死んだところで…

 

癒月:クロ!…あなたたちは複数で1人かもしれないけど、私にとっては全員もれなく怪我すりゃ患者。失いたくない大切な人なんだから。命は200人分全部大事にして!いいですね?

 

クロ:…ふん…そもそも俺は人じゃ…

 

城夜:お医者様の言うことは素直に聞いておいた方がいいですよクロさん

 

クロ:けっ…大体2人1組って話だったのになんで3人1組になってんだよ…

 

癒月:監視役ですよ

 

クロ:監視だ?なんのためにそんなもん必要なんだ

 

癒月:貴方ほっとくとターゲット食べちゃうでしょうが

 

クロ:犯罪者1人食ったってお前ら困んねぇだろ

 

癒月:そういう問題じゃないのよ!

 

城夜:それはそうとお2人。どうやら目標地点に着いたみたいですよ。ターゲットの推定現在地は、ここから200m先を中心とした半径…

 

クロ:おい

 

城夜:…なんです?

 

クロ:妙な音がする。聞こえるか?

 

城夜:音?

 

癒月:…ホントだ…なんでしょう…羽音…?

 

城夜:ターゲットの能力と関係あるんでしょうか

 

クロ:子供女、敵の能力は把握してねぇのか

 

癒月:子供女て…サルバドールの隊員としては私たちが最初の接触者ですから。確かな情報が何も無いんですよ

 

城夜:一応通報者の話では、妙な羽音と光、爆発…

 

癒月:一先ずこの音は、ターゲットの能力によるものと考えて間違いなさそうですね

 

クロ:事前準備はできねぇわけか。それでわざわざ俺を指名したんだな

 

城夜:戦闘能力においては、とても頼もしいですからねぇ

 

クロ:当たり前だろ。お前ら人間とは生物としての格も次元も違ぇんだよ

 

城夜:…。そうですか。ではここは貴方にお任せしますね

 

癒月:(なんでよりにもよってこんな相性の悪そうな2人なんだろう…)

 

クロ:雑魚が出しゃばっても足引っ張るだけだからな

 

城夜:そうですね、俺たちはサポートの準備に徹しますよ。貴方が虫の息になった時すぐ対応できるように

 

クロ:なんだと?てめぇおちょくってんのか?

 

癒月:2人とも!ターゲットは音が聞こえるくらい近くにいるんですからね!戦闘の準備を…あれ?

 

クロ:あ?どうした急に

 

城夜:何かありましたか?

 

癒月:いえ…気のせいかな…さっきより羽音が大きくなってるような…

 

(物陰からファンネルが複数飛び出し、光線を照射してくる)

 

癒月:城夜さん!!!

 

城夜:…!

 

(城夜、レーザーを回避。足を掠める)

 

城夜:ッ…奇襲か…

 

敵:おいおいおいおいおい〜…油断しちゃぁダメだろぉ、政府の犬共がよォ…

 

城夜:(第13エリアの出身だな…癇癪起こした能力持ちのゴロツキ…よくいる典型的なタイプだね)

 

敵:にしてもお前よく避けたな。奇襲作戦、上手くいくと思ったんだが

 

城夜:その小うるさいファンネルは奇襲には不向きだと思いますけどね

 

敵:言ってろ。完璧に避けきれてねぇのは分かってんだ。どうだ?少し掠っただけでも脚の動きはだいぶ鈍っただろ?

 

城夜:(チッ…)

 

癒月:すぐ治します…!

 

城夜:大丈夫ですよ、この位は問題にもなりません。それに俺たちはサポート役らしいですから

 

敵:サポートだァ?残念ながらもう1匹の犬は俺の光線が直撃したみたいだぜ?装甲車の外装もぶち破る威力だ。まともに喰らえば消し炭…

 

クロ:誰に直撃したって?

 

敵:…?!生きてやがる…?!

 

クロ:おい、聞いてんのか?誰が消し炭だって?もういっぺん言ってみろコラ

 

敵:コイツッ…どういうことだ…ギリギリで躱した…?いやコイツの何かしらの能力か…!だったら!

 

(クロに突撃する敵。攻撃せずに何かを被せて横を通り過ぎる)

 

クロ:あ?

 

癒月:能力無効化捕縛網?!一体どこで…?!

 

敵:さぁなぁ、お前らの仲間をぶっ殺して奪い取った…って言ったらどうする?

 

城夜:それはないですね。サルバドールの隊員が貴方に接触するのは私たちで初めてです。大方第13エリアで仲間が捕まった時に、助けるついでに拝借したのでしょう

 

敵:ふん

 

クロ:ゴミの出元なんざどーでもいいんだよ

 

敵:ああ悪い悪い、そうだったな。今殺してやるよ

 

クロ:お前…ナメてんだろ?

 

(クロの体が膨張、筋肉の塊のように膨れ上がり、網が引き千切れていく)

 

敵:なっ…?!

 

クロ:こんなモンで俺を捕まえる?そんな能力で俺を殺す?ナメてんだろお前…

 

敵:巨大化…?!なんで能力使えんだ?!

 

城夜:(彼の能力はあくまで自分のストック生成。合体、分離、変形は元々の身体能力の一部だからね。…やっぱり気味の悪い化け物だな)

 

敵:どういう理屈か能力無効化は意味がねぇか…だがお前、俺とは相性悪いみたいだなァ?

 

クロ:あぁ?

 

敵:デカくなったところで、俺のレーザーのいい的なんだよ!!!

 

(ファンネルがレーザーを照射する。しかし、レーザーはクロをすり抜けてとんでいく)

 

敵:なッ…?!すり抜け…ゴフッ…!!!

 

(クロの拳が腹に命中)

 

クロ:ナメてんだろ、俺を

 

敵:くそっ…!

 

(レーザーを複数照射するも、全てすり抜け反撃の拳を喰らう)

 

敵:ガハッ…ハァッ…ハァッ…ど、どうなってんだ…

 

クロ:避けてんだよ。最小限体の形を変えてな

 

敵:畜生ッ…!ブッ…?!

 

(攻防が続く)

 

敵:(ふざけんなよ…ふざけんな!ふざけんな!!ふざけんな!!!何なんだこのバケモンは…!聞いてねぇぞ…!能力無効化は意味ねぇ…俺の能力も意味ねぇ…クソみてぇなパワーに、デカくなってもバカ速ぇスピード…!何したら勝てんだコイツ…?!何すりゃ………っ!)

 

(癒月が視界に入る)

 

敵:これだ…これなら…!!

 

癒月:すごい…圧倒してる…

 

城夜:戦闘が得意なのは本当ですから。というか戦闘ぐらいしか取り柄なさそうですし

 

癒月:あはは…

 

城夜:彼の能力…いえ、身体構造的に、まずターゲットの攻撃は命中しないでしょう。ファンネルの射撃には音と光というわかりやすい予備動作がある。全方位を視認しつつ自在に変形できるなら、それらを確認し攻撃をいなすのは容易いこと

 

クロ:オイオイどうした?ご自慢の能力じゃこれが限界か?

 

敵:チィッ…!!

 

クロ:装甲車の外装もぶち破るんだって?大した威力だなぁ…でも俺なら

 

敵:…!

 

(巨大な拳が迫る)

 

クロ:あんな鉄クズペシャンコにできるぜ

 

敵:っ…ぉぉぉおおお!!!!

 

クロ:(ファンネル…!自分の体で隠してやがったか…!だが…)

 

(飛び出したファンネルがレーザーを照射)

 

クロ:無駄だって言ってんだろ?いい加減…っ!

 

(4発とも命中)

 

癒月:嘘…直撃…?!

 

城夜:…

 

(プスプスと焦げ臭い匂い)

 

クロ:…へっ…少しは頭が回るみたいだな。まともにやり合えば手も足も出ねぇことは理解出来てるようだ

 

敵:コイツッ…これでも生きてんのかよ…!半身吹き飛んでんだぞ?!

 

クロ:残念ながらこの程度で死ぬほど、お前ら人間と違ってヤワじゃないんだよ

 

敵:体が再生してやがる…コイツマジで不死身なんじゃ…(…!いや待て、何かおかしい…コイツさっきより…)

 

クロ:(クソが…半端じゃねぇ威力だ。一気に93人も削りやがって…残りは107…マズイな、巨大化したままあの光線躱すには、150はいなきゃスピード足りねぇぞ…)

 

癒月:あんなの喰らってまだ立ってるだなんて…

 

城夜:しかし状況は思ったより悪そうですよ

 

癒月:そうみたいですね。巨大化してもさっきより一回り…いや、2回りは小さくなってる…

 

城夜:それに…

 

(レーザーが掠る)

 

クロ:チィッ…!!!

 

敵:随分動きがとろくなったじゃねぇか!!!おらおら!ご自慢の能力じゃこれが限界か?!

 

城夜:今の彼では敵の攻撃を躱すのは難しそうですね

 

敵:ボコスカ殴ってくれやがって…このまま消し炭にしてやるよ!!!

 

クロ:!

 

(爆発)

 

敵:おっと小さくなりやがったな…距離詰めて手数で押し切ってやる!

 

(走って接近、射撃の密度が増す)

 

癒月:だ、大丈夫でしょうか…

 

城夜:まぁやられるのも時間の問題なんじゃないですか?

 

クロ:おい!

 

城夜:おや、やっぱり尻尾巻いて逃げてきたんですね。思ったよりも早かったけど

 

クロ:るせぇぞ!俺は1人だ!残り94人はまだ戦ってんだよ!ボケっとしてないで援護しろや!

 

城夜:おや、足でまといは要らないんじゃなかったですか?生物としての格が違うんでしょう、存分に腕を振るってきてくださいよ

 

クロ:野郎ォ…!もういい!!!

 

(クロが帰っていく)

 

癒月:どんどん数が減ってます…!行ってあげないと!

 

城夜:そうですねぇ…仕方ない、行くとしますか

 

癒月:絶対拒否すると思ってた…

 

城夜:まぁさっきは一応俺たちを守ってくれたようですし

 

癒月:え、そうなんですか?…いつ?

 

城夜:攻撃を喰らった時、射線上に俺たちがいたんですよ。脚を怪我したままなら俺が、治癒能力を使った直後なら癒月さんが、回避しきれないと判断したんでしょうね

 

癒月:そうだったんだ…

 

城夜:俺たちを前線に出そうとしないのも、なんだかんだで心配してくれてるだけなのかもしれませんよ

 

(回想)

 

クロ:お前前線出て大丈夫なのかよ

 

クロ:怪我する前にすっこんどけ

 

クロ:その能力貴重なんだろ?せいぜい死なねぇように気をつけろよな

 

癒月:クロ…

 

クロ:雑魚が出しゃばったって邪魔なだけなんだよ

 

クロ:足引っ張ったらぶっ殺すぞ

 

クロ:テメェコラナメてんのか?!

 

クロ:役たたずが!

 

(回想終了)

 

癒月:…。そう…かなぁ…?

 

城夜:うーん俺も自分で言っといてなんですが自信なくなってきました…

 

 

敵:オラオラオラオラぁ!

 

クロ:(見たとこファンネルの射撃はオートだな…砂で目潰しってのも考えたが、それじゃ意味がねぇか…)

 

敵:そこだ!

 

クロ:っ!やべッ…

 

(爆発)

 

敵:ちっ…すばしっこいな

 

クロ:クソ…このままじゃいつまで経っても反撃できねぇ…こうなりゃアレをやるしかねぇか…

 

敵:立ち止まった…?観念したか真っ黒野郎!

 

(ファンネルが取り囲む)

 

クロ:さっきからピーピーうるせぇんだよ

 

(15人のクロが飛び出し、ファンネルの射出口に取り付く)

 

クロ:あばよ俺

 

クロ:上手くやれよ

 

クロ:仇は頼むぜ

 

(照射。その場で着弾しファンネルごと爆発四散する)

 

敵:っ!

 

城夜:射出口に取り付いてファンネルを巻き添えにしたか

 

癒月:…。

 

敵:やってくれたなぁ…ククク…ところがどっこい、このくらいどーってことねぇのさ…

 

(ファンネルが体からスルスルと出てくる)

 

敵:!

 

城夜:フッ!

 

(城夜が背後から奇襲を仕掛ける)

 

敵:っ…このッ…!

 

(体術で反撃するが、当然かわされる)

 

城夜:やはりファンネルは再生成可能…壊しても弱体化には繋がらないようですね。しかし体術はお粗末か

 

敵:ふん…数秒時間を要するが、そのくらいならお前らの攻撃からも逃げ切れる…勝負あったなァ

 

クロ:いいや、それだけ時間がありゃ十分だ

 

(ギシギシと体が引き締まっていく)

 

敵:なんだ…?やつの体がしぼんで…いや、引き締まってる…?

 

クロ:強化結合…合体に参加した全員の、意識と体の結合率を最大まで高める私の奥の手です。貴方ごときに使うのは些か不本意ですがね

 

クロ:(つっても俺30人は念の為分離してるから、アイツの合体に参加できてんのはたった50人…光線はまぁ余裕で躱せるが、反撃までするとなると正直無事で済むとは思えねぇな…)

 

城夜:おや、奥の手なんてあったんですか

 

クロ:残念ながらこの人数では決定打になりませんが

 

城夜:貴方ともあろう者が随分追い込まれましたねぇ

 

クロ:ええ、貴方なら今頃死んでいたかもしれません

 

城夜:ご冗談

 

クロ:…それで、ずっと見ていて何か反撃の糸口は掴めましたか?

 

城夜:今さっき接近して、1つ気になることが…

 

クロ:おいお前ら!!!

 

クロ&城夜:っ!

 

(ファンネルが癒月と分離クロを囲む)

 

クロ:チッ囲まれたか…

 

癒月:そんな…まだ生成中じゃなかったの…!?

 

敵:何も15こ全部作らなくても、いくつか生成すりゃ攻撃できんだよ!

 

クロ:くそッ…お前ら!コイツを包め!

 

(クロが癒月を包む)

 

クロ:至近距離にファンネル8個…さっきみたいに蓋をしてもこれじゃ意味がねぇ…!

 

癒月:クロ?!出して!出しなさいクロ!

 

クロ:ならせめて少しでも威力を殺さねぇと…!

 

(照射の直前、城夜の最大出力の閃光が光る)

 

敵:ウッ…?!なんだッ…目がッ…!

 

(ファンネルが止まる)

 

クロ:ファンネルが止まった…?チカチカ野郎がやったのか?

 

敵:なんだ今の…閃光…?!糸目男の能力だな?!

 

クロ:…ふむ、なるほど…

 

城夜:(やはり目が充血してたのは、能力発動の条件が原因…)最大出力とはいえ射程距離ギリギリです!数秒で視力は戻りますよっ…!

 

クロ:十分。ひとまず危機は脱しました…となれば

 

(分離クロが城夜を持ち上げる)

 

城夜:っと?!

 

クロ:俺はお前ら抱えて走り回る!

 

クロ:腕の治療が終わるまで、彼奴は私が引き付けます。ついでに貴方の有効射程まで安全に近付くために、何かしらの隙を見つけなくては

 

敵:おいおいおいおい…どこ行きやがんだぁ?!

 

クロ:けっ、やっぱこっちを追ってくるか…!

 

(敵が城夜達を追うが、横から結合クロの打撃を喰らう)

 

敵:グォッ?!

 

クロ:よそ見ですか?貴方の相手はこの私ですよ

 

敵:チッ…邪魔だァ!!!

 

 

 

 

ここらでタイトルコールはさむかも

 

 

 

 

(光線乱射。離れた位置からそれを見る3人)

 

クロ:子供女!さっさとその腕治せ!

 

癒月:ダメージが酷い…少しかかりますよっ…!

 

城夜:ッ…

 

クロ:おい大丈夫か?

 

城夜:ご心配なさらずとも、慣れてますんでッ…

 

癒月:怪我に慣れられても困りますっ!まぁ仕事上仕方ないのは分かりますけど…本当なら私の出番がないのが一番なんですからね…!

 

城夜:…善処しますよ

 

癒月:あ、別に責めてるわけじゃないんですよ…!怪我してでも助けてくれたこと、感謝してますから…!

 

城夜:ははは、わかってますよそれくらい

 

癒月:うぅ…この手の話になるとつい語気が強く…ごめんなさい…

 

クロ:おい!お喋りはいいから腕は治ったのか?!

 

癒月:まだ全然経ってませんけど!?

 

城夜:ああ、蚊帳の外は寂しいですよねぇ、失敬失敬

 

癒月:あらあら、寂しかったの?ごめんなさいね〜

 

クロ:振り落としてやろうか

 

(場面変わって結合クロ、敵から距離をとりつつ光線を回避し続ける)

 

クロ:ふむ、この感じ…もしかするとこの能力には大きな欠陥があるのやも…

 

敵:どうしたオイ!奥の手使って、やることが結局逃げ回るだけかぁ?!そろそろ負けを認めたらどうよ!

 

(敵が走ってくるが、距離をとるクロ)

 

クロ:ふん…やはりそうか

 

敵:コイツ〜ッ…まだ逃げんのか!こうなりゃ地の果てまで追いかけて消し炭にしてやるぜ!!!

 

(敵が接近してくる)

 

クロ:貴方がマヌケで助かりました

 

敵:あぁ?!

 

クロ:仮説が確信に変わりましたよ

 

(場面変わって城夜と癒月)

 

癒月:腕、どうですか?痛みとかありませんか?

 

城夜:ああ、問題なさそうです

 

(クロ、大きく飛び退いてくる)

 

癒月:クロ!

 

クロ:フン…その様子、治療は済みましたね。見えてきましたよ、彼奴の弱点が

 

癒月:…!ホントですか

 

城夜:流石は優秀な隊員さんですねぇ

 

クロ:無駄話は結構。2人とも耳を貸しなさい

 

 

敵:あぁん?さっきからなにゴチャゴチャやってんだァ?何企んだって無駄なんだよ!!!!

 

(敵の攻撃。交わして散り散りになる)

 

敵:三方向に別れたか…なら最初に狙うのは当然…!!!

 

(癒月にダッシュで接近。レーザーが多数照射される)

 

癒月:来たっ…!

 

(以下回想形式で作戦会議の声)

 

クロ:本題の前におさらいです。敵の能力は…

 

癒月:ファンネルを生成して、

 

城夜:そこから一直線に超高出力のレーザーを照射する

 

クロ:よろしい

 

癒月:じゃあファンネルを壊すとか?

 

城夜:戦闘が始まってからずっと試してますけど、一向に減る様子ありませんね。恐らく15個までなら無尽蔵に生成できるんでしょう

 

癒月:それじゃどうしようも…

 

クロ:この能力、近距離特化と遠距離特化、お2人はどちらだと思いますか?

 

城夜:遠距離特化では?

 

癒月:ファンネルもかなり遠くまでとんで来るし…

 

クロ:ええ、普通はそう考るでしょう。しかしおかしいですね…だとすればなぜ彼奴はわざわざ私たちへの接近を試みるのでしょうか?

 

癒月:…!

 

クロ:答えは簡単。彼奴の能力は範囲を広げる程、かかる負荷が重くなるからです

 

城夜:なるほど、離れた敵を攻撃する時に、よく狙いを定めて無駄打ちを減らそうとするのがその証拠…か

 

クロ:ご名答。それならば大きく距離を保ちつつ攻撃を続けさせれば…

 

(なんかダウンする音、射撃頻度が減る)

 

敵:チッ…!

 

クロ:彼奴は必ず隙を見せます

 

(頻度の減った射撃を回避し続ける)

 

癒月:推測通り…!射撃の頻度が落ちてきてる!

 

城夜:見たところ浮いてるだけで、まったく撃ってこないファンネルがあるな…なるほど、得体の知れないただの化け物かと思ってたけど…案外使えるな、アイツ

 

クロ:勢いは弱まった…しかし問題は威力ですね。もっと減衰させなければ今の私に反撃は難しいか…

 

(回想)

 

城夜:攻撃手段だけど、1つ策がありますよ

 

クロ:ほぉ。聞かせてみなさい

 

城夜:射程距離まで接近出来たら、俺の閃光で目を潰せます

 

クロ:当然、貴方にはソレを任せるつもりです。しかし問題はその接近方法。いくら疲弊したとしても、彼奴の間合いに入るのは至極危険でしょう

 

城夜:それについては…

 

(回想終了)

 

クロ:フン…この私に盾になれとは…あの男もいい度胸してますね

 

癒月:ハァッ…ハァッ…

 

クロ:おい!もっと早く走れねぇのか!

 

クロ:1発喰らえば黒焦げだぞ!

 

癒月:分かってますよっ…ッ!!!

 

(回り込んだファンネルからの攻撃)

 

癒月:マズっ…

 

(着弾)

 

クロ:チッ…2度も庇う羽目に…

 

クロ:おい走れ!止まんな!

 

癒月:ちょっ、ちょっと!おろしなさい!あの子半身が…!!!

 

クロ:問題ねぇよ

 

クロ:死んだのは6人だけだ、アイツの中にはあと4人残ってる。あのままチカチカ野郎の所へ向かわせる

 

癒月:結局死んでるじゃない…!

 

クロ:今はお前を守ろうってのが俺たちの総意だ

 

クロ:これ以上死んで欲しくなきゃしっかり避けろ!

 

癒月:ッ…わかりましたよ…

 

クロ:6人死亡…彼女は能力使用直後だ、護衛をつけたのは正解でしたね。それに何より…

 

城夜:ふぅッ…流石にハードだな…いつまで続けるんだ…

 

クロ:おいチカチカ!

 

城夜:その呼び方やめて貰えます?それともそのチカチカで目玉潰してあげましょうか

 

クロ:あ?やれるもんならやってみろ

 

城夜:へぇ…?

 

クロ:仲間割れは後でにしてください。1つ吉報ですよ

 

城夜:フン…で、吉報というのは?

 

クロ:光線の威力がかなり弱まっています。今なら貴方を間合いまで連れて行けるはずです

 

城夜:了解。やれやれようやくですか

 

クロ:それと、私の強化結合は間もなく時間切れです。ですので…

 

 

敵:ハァッハァッ…クソッ!治癒能力者を潰そうにもあの黒いチビが邪魔しやがる!ぶち抜いてもすぐ再生しやがるし…アアア畜生何なんだよあの能力はよォ!!!

 

(足ダン)

 

敵:消耗が激しすぎる…ここは一旦退いて体力を…

 

(重々しい足音。巨大化したクロが敵に接近)

 

敵:…!オイオイオイ、あいつ近付いて気やがった…!レーザーの威力が落ちてチャンスだとでも思ったのか?!ククク…バカで助かったぜ…!近付きさえすれば手数で押し切れる…!!!

 

クロ:随分好き勝手やってくれたじゃねぇか…今度は逃がさねぇぜ

 

敵:そりゃぁ…こっちのセリフだ!!!

 

(ファンネルが集合)

 

癒月:なに…!?私の周りからファンネルが消えた…?

 

クロ:全機集合か…来るぞ…!

 

敵:死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!!!!!!

 

(一斉照射、攻撃を受けつつ近づいて行く)

 

クロ:接近すればするほど射撃の密度は増していく…最短一直線で一気に距離を詰める…!!!

 

(重たい踏み込み)

 

クロ:こんだけ近付きゃ拳も届くぜ…ぶっ潰れる覚悟はできたかオイ?

 

敵:バカが!

 

(ファンネルが一点に集まる)

 

敵:ここまでさせられるのは初めてだぜ…俺のとっておきの切り札!例えこのコンディションだろうが、ファンネル15機を1点に集めて繰り出す光線は…!!!!

 

クロ:!!!

 

敵:旅客機丸々消し炭だぜぇ!!!!!!!!

 

(極大の光線が射出)

 

クロ:ッ…ォォォォォォオオオ…!!!!!!!

 

敵:ハハハハハ!!!!終いだ化け物め!!!!!!

 

(踏み止まる足音)

 

敵:なッ…?!ど、どうなってる?!なんで生きてんだコイツ…?!

 

クロ:残念だがよ…バカはお前だ

 

(指パッチン)

 

城夜:!!!

 

(城夜の閃光が炸裂)

 

敵:がァッ?!閃光ッ…?!あの畜生隠れてやがったのか…コイツの体の中に…!!!!!!

 

城夜:ッ…トドメを!!!

 

クロ:切り札の存在は誤算だった…本来なら危ねぇところだが…

 

(削れた体が再生していく)

 

癒月:言ったでしょ…医療班見くびらないで…!

 

クロ:こっちは嬉しい誤算だったなァ

 

(体が引き締まっていく)

 

敵:ぐ…ぁぁ…クソが…!!!

 

(踏み込みの足音)

 

クロ:私1人1人を削れた傍から蘇生しきるとは驚きました…おかげで確実に…

 

敵:…!!!

 

クロ:トドメがさせます!!!

 

(重いの1発命中)

 

敵:ゴハァッ…!!!!!!!!

 

(吹っ飛んで倒れる)

 

 

(座り込む城夜)

 

城夜:おわった…みたいですね…ッ…!

 

癒月:城夜さん…!待ってください、今治しますから!

 

城夜:あーストップ、ダメです…それ以上能力使ったらまた記憶が消えますよ…

 

癒月:でも腕が…!

 

クロ:ふぅ…随分と手間取らせてくれましたね…

 

敵:が…ぁ…

 

クロ:貴方に殺された私、124人分…あなたを食って少しは埋めさせて貰いますよ

 

敵:や…め…くる…な…

 

クロ:命乞いですか?残念ながら決定事項です。来世ではしっかり身の程を弁えて…

 

癒月:クロ!止まりなさい!

 

クロ:ん?なんですか、食事の邪魔をしようと?

 

癒月:例え犯罪者だろうと、無闇に命を奪ってはいけません!止まってください!

 

クロ:綺麗事ですか。吐き気がしますね

 

癒月:クロ…!!!

 

(癒月、前に出て庇う)

 

癒月:止まりなさい…!

 

クロ:しつこいですよ。そこをどきなさい。邪魔をするならあなた諸共…

 

癒月:ええそうしなさい!あなたが何を言おうと私はここをどきません!

 

クロ:…そうですか。残念ですが仕方ありませんね

 

(癒月を鷲掴みに)

 

癒月:うっ…放しなさッ…

 

クロ:あなたがそう言うならば…

 

癒月:…!

 

城夜:テメェ…!!!

 

(踵を返して歩き出す)

 

癒月:え?

 

クロ:2人に免じて今日の所は見逃して差し上げましょう

 

城夜:な…なんだよ…

 

クロ:へっ、命拾いしたなクソビーム。おい城夜、歩けんのかお前

 

城夜:え?…ええ、まぁ…足は問題ありませんよ

 

クロ:あっちは癒月を運んでくみたいだからな。歩けんなら自分で歩け。俺はそのクソビームを連れてく

 

城夜:プッ…くくく…

 

クロ:あ?なに笑ってんだ。頭でも打ったか?

 

城夜:こっちのセリフですよ…さっきまで私の事チカチカ野郎とか呼んでたのに…くくく…っはははは!

 

クロ:あっテメェこら馬鹿にしやがったな?!舐めてんだろおい!!!

 

城夜:喧嘩は腕が治ってから付き合ってあげますよ。ほら、早くしないと置いていかれる

 

クロ:なんだそりゃおい!!!…けっ…つくづくムカつく野郎だぜ…

 

癒月:まったく…貴方には言いたいことがもう山ほどありますよ…

 

クロ:結果的に任務は成功したんです。説教は聞きませんよ

 

癒月:はぁ〜…そうですか…まぁ私も今はお説教する元気なんてありませんけど…

 

クロ:それは結構。一先ずその体が戻るまで大人しくしていなさい

 

癒月:なんで貴方に医療班みたいなこと言われる羽目に…

 

クロ:ああそれと

 

癒月:なんですか…これ以上文句は聞きませんよ…

 

クロ:最後の最後であなたに助けられましたね。不本意ながら礼を言いますよ癒月さん

 

癒月:…あ…あなたって人の名前呼べたのね…?

 

クロ:あまりバカにしているとここに放って帰りますよ

 

癒月:冗談よ。…最後は確かに無茶したけど、貴方も城夜さんもそうだし…何より一番最初に…どういう訳か、私を守ってくれたみたいだしね

 

クロ:ふむ、やはりここに放って行くべきか

 

癒月:あっこらちょっと!摘まないでよ!!

 

クロ:この私をからかった罰として、今日はこのまま持って帰ります

 

癒月:ぅぅぅ…早く戻って私の体…

 

城夜:ふぅ…一件落着…かな。なかなかいい土産話が出来ましたね


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