寝て起きたらデスゲームに巻き込まれていたんだが。   作:リベリオン

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これにてキャリバー編終了。際どいネタもどんどんぶっ込んでいく。

あと、例によって例のごとく次章の予告も一緒。


第5話 エクスキャリバー

第5話 エクスキャリバー

 

 

 視界の左端、9個並ぶHPMPゲージの一番下に表示されていた【Freyja】の字が、ちょうど今書き変わって【Thor】と表示される。

 トール。北欧神話において主神オーディン、悪神ロキに並ぶネームバリューのある雷神。

 これは後にリーファから聞いた話だが、北欧神話には「スリュムに盗まれたカナヅチ――と言うかトールの持っているカナヅチなんだからトールハンマー(ミョルニル)以外無いよな――をトールが取り返しに行く」エピソードが確かにあるのだそうだ。

 その時トールはフレイヤに扮し、何度もボロを出しそうになるも同行していたロキの助けで切り抜け、とうとうミョルニルを取り返すとスリュムの頭をカチ割り、配下の連中にもお見舞いしてやったそうだが、とにかくカーディナルはそのストーリーをアレンジして今回のクエストに組みこんでいたらしい。どうりであんな違和感があったのか、納得。

 

「卑劣な巨人めが! 我が宝《ミョルニル》を盗んだ報い、今こそ贖ってもらおうぞ!」

 

 やっぱりイイ声で吼えながら、トールは右手の《ミョルニル》を振り被り猛進。

 

「小汚い神め……よくも儂を謀ってくれたな! その髭面切り離して、アースガルズに送り返してくれようぞ!」

 

 対するスリュムも手に息を吹きつけると氷の戦斧を生み出し、トールの《ミョルニル》と激しくぶつけあう。

 ぶつかり合った衝撃が広間どころか城中を揺るがし、足元に居る小人みたいな俺たちはもう、スケールの違いに呆気に取られていた。何この怪獣映画。東○作品? 色的にトールが○ングギ○ラでスリュムは……なんだろ、ゴ○ラじゃないよなぁ……。

 

「トールがタゲを取ってる間に全員で攻撃しよう!」

「よし、全員全力攻撃! ソードスキルもバンバン使ってくれ!」

 

 シノンが鋭く叫び矢を番え、キリトも声を張り上げながら剣を振り上げた。

 まあその通りだけど、もうあいつ1人で良いんじゃないかな……いや冗談だけどさ。

 ついさっきまで支援していたアスナも武器をレイピアに持ち替え、攻撃にシフトして突撃している。

 そんな中ひときわ印象的だったのが、愛と怒りと悲しみを力に……変えたかどうかは本人のみぞ知るが、刀を大上段に振り上げて突撃するクラインだった。その目尻からキラキラと光る物が零れ落ちていたように見えるが、武士の情けと言うことで見て見ぬふりをしておこう。

 硬直なんて知ったものかなんて勢いで、3連撃以上のソードスキルをバンバンスリュムに叩きこむ。特に火属性のスキルを使えるクラインやキリト、俺なんかは率先して弱点属性を叩き込んでダメージを稼ぎまくった。

 

「ぐ……、ぬうっ!」

 

 たまらずスリュムは唸り、左膝を床に着いた。

 

「ここだっ!」

 

 王冠の周囲からはキラキラしたライトエフェクトが回って、スリュムがスタン状態に陥ったを示している。

 それを見逃さず、キリトの合図に合わせて全員が最大攻撃を放った。

 四方からは多種多様なライトエフェクトの光がスリュムに殺到し、身動きが取れないスリュムのHPをごっそり削り取る。

 

「地の底に還るがよい、巨人の王!!!」

 

 そしてトドメと言わんばかりにトールがミョルニルを豪快に振り上げ、スリュムの脳天に叩きつけた。王冠が砕けて吹き飛び、地響きを立てながら床に叩きつけられる。

 スリュムのHPゲージは既に消滅している。巨大な四肢とヒゲの先から、ピキピキときしむ音を立てて氷に変わって行く……と、不意に低い笑いを漏らした。

 

「ぬっ、ふっふっふ……。今は勝ち誇るがよい小虫ども。だがな……アース神族に気を許すと痛い目を見るぞ。彼奴らこそが、真の――」

 

 しかしスリュムが全てを言い終える前に、トールが足を踏み降ろして氷りかかったスリュムの頭を踏み砕く。

 凄まじい規模のエンドフレイムが巻き起こり、無数の氷片がダイヤモンドダストのように宙に舞い散った。

 また意味深な事を言ってたな……そう言えば前にもどこかで似たような事を聞いたような……? スリュムも同じ事でも言うつもりだったのか?

 

「……礼を言うぞ、妖精の剣士たちよ。これで余も、宝を奪われた恥辱を雪ぐ事が出来た。――どれ、褒美をやらねばな」

 

 言うと、トールは右手に持ったミョルニルを翳すと、ハンマーに嵌まっていた宝石の1つが外れて、落ちながら変形して人間サイズのハンマーへと変形しながらクラインの手の中に。

 

「《雷鎚ミョルニル》、正しき戦のために使うがよい。――では、さらばだ」

 

 そう言ってトールはミョルニルを掲げると、ハンマーが黄金の輝きを放って広間を覆い、次の瞬間にはトールの姿が無くなっていた。メンバー離脱のダイヤログが浮かび上がって、9人目のHPMPゲージも音もなく消滅する。

 

「ふう……レジェンダリーウェポンゲット、おめでとう」

「………………オレ、ハンマー系スキルびたいち上げてねェし、うっ、うぅ……」

 

 キリトがクラインの隣に歩み寄って、肩に手を置きながらお祝いするも振り向いたクラインは泣きたいのか笑いたいのか、俺には答えが出せない。そりゃあ惚れた美女が実はおっさんが化けていた姿で、その騙していたおっさんから伝説級武器を貰った……ってなれば泣けばいいのか喜べばいいのか。とりあえずスリュム共々『トールに純情を弄ばれた被害者の会』でも立ち上げればいいんじゃないか?

 などと2人から少し離れた場所から話を聞いていた時、突然城全体が大きく震えた。

 

「きゃああっ!?」

 

 突然の揺れにシリカがネコミミを伏せながら俺にしがみつく。

 この揺れ……まさか城全体が浮いている!?

 

「たっ、大変! クエストまだ続いてる!」

「な……なにィ!?」

 

 上ずったリーファの叫びに全員が驚いてリーファを注視する。

 

「どういうことだ? 親玉のスリュムを倒したらクエストクリアだったんじゃないのか!?」

「いや……そうか! ウルズからの依頼はあくまで()()()()()()()()()()()()()()()()()、肝心の《エクスキャリバー》が抜かれていないならクエストはまだ終わってないんだ!」

 

 と言うことはつまり、あれだけ苦戦した難敵スリュムも前座でしかないってことか!

 

「パパ、玉座の後ろに下り階段が生成されています!」

 

 ユイちゃんが指摘するや否や、キリトは答える暇もなく階段へ駆けだす。それに遅れる形で、俺たちも後を追いかける。

 玉座の後ろには確かに、巨人ではどうあがいても通れない、人間1人がギリギリ通れる幅の下り階段が出現していた。既にキリトは階段を下っている最中で、俺も後を追い階段を駆け降りる。

 

「でも、霜巨人の主であるスリュムがいないのにストーリーが進むってどういうことなんだ?」

「えっとね、あたしもおぼろげにしか覚えてないんだけど……スリュムヘイム城の主はスリュムじゃなかったんだ」

「はぁっ!? だって……」

「いえ、リーファさんの言う通りです。スリュムヘイム城の本来の主は《スィアチ》と言う巨人で、ヨツンヘイム地上フィールドで行われているストーター・クエストの依頼主も、地上で最大の城を持つ《大公スィアチ》と言うNPCみたいです」

 

 ってことはつまり、俺たちはまんまとミスリードに乗せられちゃったわけか……仮に地上のスローター・クエストがクリアされたら、その時はスィアチがスリュムの後釜に座るってシナリオかよ。

 やがて螺旋階段の先から光が見え、それが一気に広がる。広がった先はダンジョンの最下層。所謂『玄室』と呼ばれる空間だった。薄い壁が四方を囲み、その中心に静かに黄金の剣が突き立っている。

 

「《エクスキャリバー》……」

 

 その剣を見詰めながら俺は静かに呟いた。

 実際に目にするのはこれで2度目か……最初はキリトが操られていた俺を助けてくれた時。

 

「………………」

 

 チラ、とキリトが俺を見て、それに俺は頷く。

 キリトの右腕が細い黒皮で編まれた柄を握り、抜い――抜いて……あれ?

 

「っ…………!」

 

 キリトも一瞬戸惑うが、今度は両手でしっかりと柄を握り締め、あらん限りの力を込めて台座から引き抜こうとするも……黄金の剣はビクともしていない。

 ステータス面に限って言えば、この中で最大の筋力値を持っているのはキリトで間違いない。今の俺は敏捷優先、次点で筋力のビルドだから純粋なパワーに限って言えばキリトに若干及ばない。そして筋力値で言うならばエギルの土妖精族が最高で、次点でクラインの火妖精族が高い傾向にある。けどクラインの場合、刀を使うから技のキレを優先して敏捷を優先していて、結局この中で高いのはキリトと言うことになる。

 ……まあ、俺が()()を使えばステータスも無意味になるが、それはそれだ。それにこれはキリトが欲した物。キリトが抜かなきゃ意味がない。

 

「がんばれ、キリトくん!」

 

 アスナが、

 

「ほら、もうちょっと!」

 

 リズが、

 

「根性見せて!」

 

 シノンが、

 

「パパ、がんばって!」

 

 ユイちゃんが、

 

「キリトさん、がんばってください!」

 

 シリカが、

 

《きゅるるーっ!》

 

 ピナが、

 

「しっかりやれよ!」

 

 クラインが、

 

「お兄ちゃん、あと少し!」

 

 リーファがそれぞれにキリトを応援する。

 

「おら、腰が入ってないぞ腰が!」

 

 そして俺も茶化すようにエールを送り、キリトは再び気合いを込めて剣を引っ張り上げた。

 

 そして――

 

 ぴきっ、と亀裂が走る音。直後、あれだけビクともしなかった黄金に輝く聖剣は重厚かつ爽快なサウンドと共に引き抜かれ、同時にキリトの身体が勢いよく後方へすっ飛ぶのを咄嗟に俺たちで支える。

 剣を抜いた事実がまだ湧かないキリトが、腕に抱えた剣と俺たちを交互に見て、快哉を叫ぼうとして……台座から小さな根が飛び出し、頭上の巨大な根と絡み、融合しながら凄まじい轟音を立てていく。

 今までの振動が震度1かと思えるほどの凄まじい揺れに立っていることもできず、四方の壁がひび割れて砕け散り、遥か真下でぽっかりと開く大空洞に落ちていく。

 

「スリュムヘイム全体が崩壊します! パパ、脱出を!」

「って言っても……」

 

 既に俺たちが降りてきた螺旋階段は頭上の世界樹本体の根で破壊され、今このフロアは中心から辛うじて伸びる根と、四方を辛うじて繋ぐワイヤーでどうにか繋がっているような状態だ。おまけに根自体も重みに耐えられないのか、引きちぎれる寸前。

 

「クラウド、いつもの悪知恵は無いの!?」

「無茶ぶりが過ぎる!?」

 

 ひしっと背後を掴んでいるシノンの無茶な要求に全力で突っ込む。

 いや、頑張れば俺1人くらいならなんとか助かるかもしれないが……流石にそれは良くない。と言うか俺自身、どの程度までできるのか把握していないし。

 

「よ、よーし、こうなりゃこのクライン様がオリンピック級の垂直飛びで華麗に……」

 

 がばっと立ち上がったクラインが、樹の根を器用に上って今にも引きちぎれそうな根に向かって思いっきりジャンプ。

 あ、バカ――――と止める暇も無かった。

 おまけにそのジャンプがいけなかったと、後にクラインを除いた俺たち全員はずっと思う事態になった。

 

 ブチブチブチィッ!

 

「あいでっ」

 

 クラインが掴もうとした木の根はまさにその瞬間千切れて寸断され、最後の砦だったワイヤーも落下の衝撃でぷちんと切れた。

 結果、俺たちが居るスリュムヘイム最下層は繋ぎとめる物が一切無くなり、そのままパラシュートなしフリーフォールでウィーキャンフライ。

 

「く、クラインさんの……バカァーッ!」

 

 絶叫マシンが大の苦手だと言うシリカが、ガチで本気に罵倒を浴びせる。

 耳元でシリカが思いっきり叫んでいるが、絶叫系が平気な人でもパラシュートもなしでフリーフォールさせられれば絶叫するだろう。おまけに、周囲では俺たちと同時に崩れ落ちた巨大な氷塊同士が激突し、より小さな氷塊に分解されているんだから恐怖心を煽ってる。

 うーん……これは無理、かなぁ……このままだと大空洞の先にあると言うニブルヘイムまで真っ逆さま。リーファとキリトの会話に聞き耳を立てると、地上で行われていたと言うスロータークエは辛うじて阻止したらしいけど、このままだと俺たちはきっと「ミンチよりひどい」って状況が待ち受けてるはず。

 うーん、ダメだこりゃ。(イカリヤ感)

 などとドリフっていたら、何かが聞こえたような気がして顔を上げる。しかし周囲を見ても、俺たちと共に大空洞に向かって落ちていく氷塊しか見えない。

 しかしリーファにも何か聞こえたらしく、抱きついていたキリトから離れると器用に姿勢を調整して音の主を探し、

 

「――――トンキー!」

 

 何かを見つけた途端叫んだ。

 リーファの視線の先。周囲を取り巻く氷塊のずっと先。南の空から「くおおぉーん……」と啼きながらゾウとクラゲを合体させて羽を生やした邪神がゆっくりと近づいてくる。俺たちをスリュムヘイムまで送ってくれた仲間のトンキーだ。

 これは……危機一髪の所で助かるのか? トンキーの人数制限は7人までだが、実際それを超過しても移動速度に制限が掛かるだけだと言うから乗り移っても大丈夫だろう。

 

「へ……ヘヘッ、オリャ、最初ッから信じてたぜ。アイツが絶対助けに来てくれるってよ……!」

「……クライン(コレ)はこのままニブルヘイムまで落ちてもらおうか?」

「ウソですゴメンナサイ! トンキー様のお慈悲に感謝しますッ!」

 

 調子の良い事を言っていたクラインを見てボソッを呟くと、舌の根も乾かぬ内に早口で捲し立てながら手のひら返し。

 そうこうする内にトンキーは落下する円盤の速度にピタリと合わせ、幅5メートルほどのスペースを開けてピタリと滞空。さすがに周囲を氷塊が舞っていて横付けは出来ないが、これくらいの距離なら全員余裕で飛び越えられるため女性陣たちはとんとん拍子で飛び移り、男性陣のトップバッターを切ろうとしたクラインは、またも不穏なフラグを立てようとしていたので上段回し蹴りで蹴飛ばして強引にトンキーの背中に。若干飛距離が足りなかったが、トンキーが伸ばした鼻で見事キャッチしてくれた。ナイスフォロー。

 

「じゃ、お先!」

「ああ」

 

 キリトに軽く手を上げて断ってから、軽く助走をつけて跳んでトンキーの背中に着地する。

 さて、あとはキリトだけ――と思いながら振り返ると、キリトは円盤の上で立ち尽くしていた。

 どうしたんだ……? と考えてから、すぐに思い当たる。《エクスキャリバー》だ。キリトでも持つのがやっとのそれが原因で、あのままでは飛べないのか……!

 

「…………まったく、カーディナルってのは…………!」

 

 僅かな迷いの末、覚悟を決めたキリトは握っていた《エクスキャリバー》を真横に放り投げる。そのまま軽く助走をつけて円盤の縁を思いっきり蹴って跳び、トンキーの背中に着地した。

 

「……良かったのか?」

「ああ。また取りに行けばいいだけさ」

 

 気遣うように言うと、キリトはスッパリ見切りをつけたようにハッキリと答える。まあ、キリトがそう言うのなら、いくらでも付き合ってやるが……。

 しかし、そんな俺たちの気持ちとは裏腹に水色の髪のアーチャーが1歩前に出て、銀色の細長い矢を番えながら長弓を構える。

 

「200メートルくらいか――」

 

 ポカンとしている俺たちを余所に、シノンは呟くとスペルを詠唱。

 キリキリと引き絞られた弓。静かに予測した位置をポイントすると、シノンはぱっと指を離して矢が鋭く風を切りながら放たれる。

 矢からは不思議な銀の糸が曳かれたそれは、弓使い専用の種族共通スペル《リトリーブ・アロー》だった。矢に伸縮性・粘着性の高い糸を付与し、本来使い捨てになってしまう矢を回収したり、手の届かない位置にあるオブジェクトを引っ張り寄せたりすることが可能な便利な魔法だが、糸が矢の軌道を歪める上に誘導性も皆無。普通は近距離でしか当たらない。

 

「(いや、シノン、いくらお前でも……いや、まさか……いやいや)」

 

 シノンの超人的な狙撃能力は俺が一番良く知っているが、これが12.7ミリないし7.62ミリ弾ならまだしも、弓矢でそれはさすがに……。

 

 たぁん!

 

「うっそー!?」

 

 内心あれこれと文句をつけていた俺だったが、放たれた矢は見事に黄金の長剣に命中して思わず絶叫を上げる。

 

「よっと!」

 

 そのままシノンは右手に持つ魔法の糸を引っ張って、見事に糸がくっついた《エクスキャリバー》がぐんぐん近づいてきて、そのまますぽっとシノンの手の中に収まった。

 

「うわ、重……」

 

 呟きながらも両腕で保持し、くるりと振り返ったトンデモアーチャーに、

 

『し、し、し…………』

 

 俺とキリトを除いた全員が声を合わせて、

 

『シノンさん、マジかっけぇー!』

 

 6人とユイちゃんの賞賛に、ネコミミをピコピコ動かしてきょとんとするシノン。

 

「いや、シノン……トンデモなさすぎるだろ、お前……」

「普段とんでもないことばっかりやってるクラウドにだけは、言われたくないんだけど。それに、《ヘカート》を手に入れた時と同じって考えれば、納得できるでしょ?」

 

 いや、まあ……そう言われて、俺も言葉を濁しながら同意する。確かにあの時も目標は不規則に動き、ボスの起こす振動で照準は不安定だったが……システムアシストも無しに200メートル先の、もはや光点みたいな目標にヒットさせるってのはあの時以上の神技じゃないのか……?

 言い返せない俺から視線を外すと、シノンはキリトに向き合った。

 

「あげるわよ、そんな顔しなくても」

 

 そう言われてぱぁっと顔を輝かせたキリトは、素直に差し出された《エクスキャリバー》を受け取ろうとし、だが途中で剣がひょいと引き戻された。

 

「その前に、1つだけ約束」

 

 そう言い、コンビを組んで以来今まで見たこともないような輝くような笑顔でにっこりと笑ったシノン。

 

「――この剣を抜くたびに、心の中で、私の事を思い出してね」

 

 ピキッ。

 空気がスリュムの氷ブレス以上の寒さで凍りつく中、再び黄金の聖剣はキリトの手に移る。

 

「シノン、お前……行きの階段での事まだ根に持って……?」

「さあ? 何のことかしら?」

 

 頬を引き攣らせながら恐る恐る訊くも、シノンはどこ吹く風のように流してしまう。

 キリトも行きの階段での出来事を思い出し、顔が若干引きつっているが可能な限り平静を装って口を開いた。

 

「……うん、思い出して、礼を言うよ」

「ん。どういたしまして」

 

 トドメにシノンはウインクを決める。こっわ! シノンマジこっわ!

 シノンの執念深さに戦慄して震えあがっていた時、突然トンキーが「くおぉーん!」と啼き、翼を強く打ち鳴らして上昇する。

 釣られて見上げれば、今まさにスリュムヘイム城が崩落する所だった。

 

「映画とかだったら、こう……爆発する敵の本拠地に背を向けながら去っていく、ってシーンだよな」

「いつの時代のハリウッド映画よ……にしてもあのダンジョン、1回冒険しただけで無くなっちゃうんだね」

「ちょっと、もったいないですよね。行ってない部屋とかいっぱいあったのに」

 

 崩れ落ちるかつて城だった残骸を見上げてポツリと呟くと、呆れたようにリズが突っ込みを入れながら残念そうにつぶやいて、シリカもそれに相槌を打つ。

 もっと時間があったら隅々まで探索していたんだが、今回は緊急時だったから仕方ない……これがGGOであったなら、俺はきっと血眼になって探していたんだろうなと考えると自身のがめつさに呆れて肩を竦める。

 

「ん……? なあ、下から何かが……」

 

 城の残骸が大空洞へ呑みこまれるのを見ていると、ふと大空洞から一瞬光が瞬いた。

 目を凝らして光を凝視すると、ゆらゆらと揺れて青く輝くのは――

 

「……水?」

 

 そう呟いた直後、大空洞の奥深くから、轟音を響かせながら巨大な水柱が噴き上がる。

 

「見て! 上!」

 

 何かを見たシノンがさっと右手を上げた。

 スリュムヘイムが完全に消滅したことで、世界樹の根が解放されて生き物のように大きく揺れ動きながら太さを増して寄り合い、かつて大空洞だった湖のある真下に向かって伸び、放射状に広がる。

 

「見て……、根から芽が……!」

 

 アスナの声に目を凝らすと、湖の四方八方から伸びる根のあちこちから立ち上がって急激なスピードで育っていくと、芽はあっという間に巨木へと成長する。

 いつの間にかヨツンヘイムに吹く冷たい風は止み、代わりに春風のような暖かい風が吹き、世界全体が太陽に照らされたかのように輝きを増していた。

 

「………………」

 

 現実では到底起こり得ないだろう荘厳な光景に俺は言葉を失い、ただただ魅入っていた。

 

「くおおぉーん…………」

 

 突然トンキーが高らかな遠吠えを響かせる。

 すると、各地からトンキーの鳴き声に似た遠吠えが聞こえ、ゾウクラゲ型邪神や他にも無数の動物型邪神が姿を見せる。

 入れ替わるように人型邪神は1匹も残らず姿を消し、それと同行していたレイドパーティの連中はハトが豆鉄砲食ったように呆然と立ち尽くしている。あと少しでクエストをクリアして《エクスキャリバー》が手に入る……というタイミングで突然訳も分からずに強制失敗と言うのは、少々気の毒に思うけど。

 

「……よかった。よかったね、トンキー。ほら、友達がいっぱいいるよ。あそこも……あそこにも、あんなにたくさん……」

 

 感極まったリーファがトンキーに囁きかける。その頬からはぽろぽろと雫が毀れ、シリカも共感してリーファに抱きついてしゃくりあげた。

 それが伝わってみんなも涙ぐんだりしているのを見て、俺も少しウルッとくる。

 

「無事に、成し遂げてくれましたね」

 

 と、その時。突然声が掛けられてはっとなって顔を正面に向けた。

 トンキーの頭の向こうに、金色の光に包まれた人影が浮かんでいる。

 身の丈およそ3メートルほどのこの巨大な金髪の美女が、もしかしてキリト達が言っていた《湖の女王ウルズ》……なのか? 特徴も同じだし。

 

「“全ての鉄と木を斬る剣”《エクスキャリバー》が取り除かれた事により、ヨツンヘイムはかつての姿を取り戻しました。これも全てそなたたちのお陰です」

「いや、そんな……。スリュムは、トールの助けがなかったら倒せなかったと思うし……」

 

 尻込みしながら答えたキリトに、ウルズはそっと頷く。

 

「かの雷神の力は、私も感じました。ですが……気をつけなさい、妖精たちよ。彼らアース神族は霜巨人の敵ですが、決してそなたたちの味方ではない……」

「(ん……?)」

 

 ウルズの意味深な言葉に俺はふと既視感を覚える。スリュムも似たような事を呟いていたし、それに……以前にも似たようなやり取りをしたような。あれは……そう、海底神殿で……。

 

「――私の妹達からも、そなたらに礼があるそうです」

 

 記憶を思い起こそうとするも、そう言ったとともにウルズの右側が水面のように揺れて人影が1つ現れた。

 身長は……長女のウルズよりもやや小さいが、俺たちプレイヤーよりもずっと大きい。髪は姉と同じ金髪だが、こちらは少しだけ短いみたいだ。どっちかって言うと、姉が『高貴』で彼女は『優美』か。

 

「私の名は《ベルザンディ》。ありがとう、妖精の剣士たち。もう一度緑のヨツンヘイムを見られるなんて、ああ、夢のよう……」

 

 そして今度はウルズの左側に旋風が巻き起こり、内側からまたも人影が現れる。

 今度現れたのは鎧兜姿で、しかも俺たちプレイヤーと同じサイズだ。姉たちと違って勇壮な雰囲気がある。

 

「我が名は《スクルド》! 礼を言おう、戦士たちよ!」

 

 凛と張った声で短く叫び、ベルザンディとスクルドの2人は手を翳し、報酬アイテムのユルドやらアイテムやらがテンポラリ・ストレージの容量上限ギリギリまで流れ込んできた。

 

「――私からは、その剣を授けましょう」

 

 そう言ってウルズがキリトが抱えている《エクスキャリバー》を指差し、光り輝いてキリトのストレージに格納される。念願の伝説級武器ゲットに快哉を上げたりはしなかったが、「……よしッ!」と小さくガッツポーズしたのは見なかった事にしておこう。

 3人の乙女たちは、ふわりと距離を取って口を揃えて言った。

 

「「「ありがとう、妖精たち。また会いましょう」」」

 

 同時に、凝ったフォントでクエストクリアのメッセージが表示され、やっと終わったかと溜め息をつく。

 ……と、クラインがものすごいスピードで後ろから飛び出してきて、身を翻して飛び去って行く3人に向かって大声で叫んだ。

 

「すっ、すすスクルドさん! 連絡先をーっ!」

「――――――」

 

 あまりにも斜め上な展開に俺は口を半開きにして呆然となり――と言うかクラインを除く全員が唖然としていた――、どっから突っ込んでやろうかと考えたが……。

 あろうことか、スクルドはくるりと振り向くと面白がるように笑いかけて、小さく手を振った。

 振った手から何かキラキラした物が宙を流れて、クラインの手にすぽっと飛び込む。

 直後、今度こそ末妹の女神は消滅し、クラインはスクルドから贈られてきたものを大事そうに胸に抱えていた。

 

「……クライン、あたし今、あんたの事心の底から尊敬してる」

「……いやまったく」

 

 呆れたように言うリズに、俺も何度も頷きながら同意した。

 

 

 

 で、その後の話だ。

 キリトがいきなり、「この後打ち上げ兼忘年会でもどう?」と言い出し、それに全員が賛成。

 しかし場所――つまりALOでするかリアルでするかで悩んでいた所、出来た娘のユイちゃんが「リアルで!」と言って、会場はエギルの店《ダイシー・カフェ》で行うことに。

 何しろアスナが明日から1週間、京都にある父方の実家に滞在すると言うのだから、リアルで当分会えない2人の心情を汲んで提案したのだとか。まったく、ユイちゃんは素直で良い子だなぁ。お兄さん泣けてくるよ。

 そうなると俺はどうするかと言うことになるが、俺はシリカのPC経由で参加、と言うことになって大急ぎでシリカの家があるIPアドレスまで素っ飛んで合流。途中でリズとも合流して台東区御徒町にある《ダイシー・カフェ》に到着すると、俺たちが最後だったらしく既に全員が揃っていた。

 

「ごめんごめん、ミストが合流するの遅くってさー」

『あのなぁ、お前らは『パッと行く』が出来るかもしれないけど、俺はそういう便利なの出来ないんだぞ!?』

「だから言ったじゃない、「私の所なら近いしこっちから来る?」って」

「あはは、ダメですよシノンさんー。仮にシノンさんの家に行っても遠隔接続する設備がないじゃないですかー」

 

 にこにこと笑いながら、しっかりシノンに牽制を入れるシリカ。リアルのイベントに参加する時には何かと必要だろうと、キリトが好意でシリカの家から遠隔接続できるように道具やら何やらを譲ってくれていたのだ。つまりシノンの部屋に行っても、俺は参加できないわけで……。

 

「あ、あはは……けど、この『視聴覚双方向通信プローブ』が完成したら、今よりももっと手軽になると思うぞ」

『そうですよミストさん! 私とミストさんのためにも、パパにはガンガン注文出してますから!』

 

 何とも頼もしいユイちゃんのコメント。

 キリトは学校でメカトロニクスコースなるものを選択しているそうで、その授業の課題でこのデバイスを作っているらしい。なお、内容に関して俺は一切頭が付いていかなかったけど、それって専門学校とかの分野じゃないの……? 俺が学校に通っていた当時そんなコース無かったよ? とここでもジェネレーションギャップで衝撃を受けたのは覚えている。俺、文系とか理系とか普通にある奴だったし……。

 まあ、それは置いておいて、全員が集った所で会場をセッティングし、全員に飲み物が行きわたった所でキリトが音頭を取った。

 

「祝、《聖剣エクスキャリバー》と、ついでに《雷鎚ミョルニル》ゲット! お疲れ、2025年――乾杯!」

『かんぱーい!』

 

 

「それにしても、さ。どうして《エクスキャリバー》なの?」

「へ? どうしてって?」

 

 宴も終盤に差し掛かった頃になって、不意に口を開いたシノンにキリトは照りっ照りのスペアリブを咀嚼しながら聞き返した。

 

「ファンタジー小説やマンガだと、たいてい《カリバー》でしょ。《エクスカリバー》」

『あー、それは俺も思った。《カリバー》の方がメジャーだよな」

「あ、ああ……なるほど。ミストもそう言うの詳しいのか?」

『詳しいっていうか、結構知名度が高いからな、《エクスカリバー》って。《キャリバー》も間違っちゃいないけど、どっちかって言うとマイナーな呼び方だし』

「へぇ~。シノンさんもミストくんも、そう言うの詳しいんだ?」

 

 キリトの隣に座るリーファが感心しながら訊ねると、シノンは少し照れくさそうに笑った。

 

「中学生のころは図書館の主だったから。アーサー王伝説の本も何冊か読んだけど、全部《カリバー》だった気がするな」

『逆に俺はゲームとかで知ったし。カードゲームとか、ファンタジーRPGでも《カリバー》か《カリバーン》ばっかで、《キャリバー》はあんま……あ、1つだけあった。フライトシューティングゲームに出たレーザー兵器が《エクスキャリバー》だった』

「ミスト、お前が何を言っているのか、やっぱりわからない」

「奇遇ね、私もクラウドの話がサッパリ分からない時が良くあるの。以前も《イングラム》が欲しかった理由がバ○オハザー○で出たからって、ネタが古すぎてまったく分からなかったわ」

 

 答えた俺にキリトは頬を引き攣らせ、シノンも淡々と半眼でツッコミを入れる。

 むぅ……エ○コンも知らないとは。またもジェネレーションギャップ。

 

「確か、大本の伝説だともっと色々名前があるのよね」

『《カリバーン》だってその1つだったし、《コールブランド》とか《カレドヴルッフ》とか……他にも色々あったな』

「うはっ、そんなにあるのか」

「あとは、私にはこっちの方が印象強いんだけど、銃の口径の事を《キャリバー》って。綴りは違うと思うけど。あとは、そこから転じて『人の器』って意味もある。『a man of high caliber』で、『器の大きい人』とか、『能力の高い人』って意味」

「へえぇーっ、覚えとこっ!」

 

 感心するリーファにシノンは「たぶん試験には出ないかな」と苦笑する。

 すると横で話を聞いていたリズが、にやにやと悪だくみを思いついたように口を開いた。

 

「とゆーことは、エクスキャリバーの持ち主はデッカイ器が無いとダメってことよねー……」

「……? そ、そう……なんでしょうか?」

 

 意味深に呟いたリズが、シリカの携帯端末に付属するカメラレンズを見て意味深に笑う。

 その、俺に向けられた笑みを見て、俺もニヤリと口角を釣り上げた。

 

『そーうーいーえーばー、どっかの誰かが短期のアルバイトでどっかーんと稼いだって聞いた気がするなー俺!』

「んなッ!? ミスト、お前な! だ、だいたいあの事件は、お前も関わってただろ!」

『えぇ~? 俺はあの事件に巻き込まれた被害者だしぃ~? それにタダ働きでなんにも見返り貰ってないからな~。それに俺、参加しても飲み食いは一切してないしー。ところでエギルー、この店チャージ料ってある?』

「そんな悪徳商法をやってるわけがないだろ……」

 

 わざとらしくエギルに話題を振ると、こっちの意図を薄々感づいたらしいエギルが呆れた様子で答えた。

 はい、と言うことで俺は実質参加費無料です。やったね!

 

「で、どうなのよ?」

「うぐっ……」

 

 リズの催促にキリトはぐっと言葉を詰まらせる。ここまでお膳立てされればキリトだって引くに引けないだろう。

 

「……も、もちろん最初から、今日の払いは任せろっていうつもりだったぞ……はは、はははっ」

 

 口元を引き攣らせて乾いた笑いを浮かべながら、キリトは胸を叩いて宣言した。

 とたんに四方から盛大な拍手とクラインの口笛を鳴らして、喝采を送って場は再び盛り上がる。

 

『よっしゃエギル、料理と飲み物ジャンジャン追加してくれ! なんなら店で1番高い奴を出してくれても良いぞ!』

「やめろ本気でやめろ! いややめてくださいお願いしますっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Next Episode......

 

 

 ――――今でも、時々……考える。

 

 あの時……最後まで戦っていたら、果たして勝つのはどちらだっただろう。

 

 ……結果として勝ったのは俺だった。だけどその勝利はとても苦くて、俺はあれを自分の力で勝ったとは思っていない。

 

 あの時だってそうだ……助けてもらわなかったら、俺は倒されていただろう。結局俺は、あいつに『勝つ』ことが出来ないまま『勝利』を得ていた。

 

 もしも今、再びあいつと戦ったら?……その時は今度こそ、本当に勝てないかもしれない。

 

 ……いいや、違う。その時も俺は再び『勝利』する事になるんだろう。きっとあいつは手を抜いて、わざと勝たせるはずだ。

 

 だけど俺は、本当の事を知っている。今のあいつは俺より……いや、きっとこの世界の誰よりも――――。

 

 

 

 今でも時々考える。

 

 あの時、最後まで戦っていたら、勝つのはどちらだっただろう。

 

 あのまま追い詰めて本気を出させる事を躊躇わせていれば、きっと労せず勝てたかもしれない。それでもわざと逆鱗に触れて本気を出させたのは、あの世界を本気で生きていこうとした人間としてのせめてもの矜持だったか。

 

 けれど結果的に、俺は最後の最後で切り捨てたはずの情を再び抱いて破れ、散った……そのはずだった。

 

 だけど俺は今も生きている。……これを『生きている』と呼んでいいのか、いささか疑問は残るが。

 

 しかし……生き残った代償は、ある意味大きかったのかもしれない。むしろいくつもの偶然といくつもの幸運を折り重ねてこうなったのなら、それはやっぱり『幸運』なのだろう。

 

 ともあれ俺は、人ではなくなった。いや、この世界に降り立った時から既に人でなかったのかもしれない。だけど、1度目の『死』が俺を縛り付けていた『枷』を引きちぎった。

 

 今の俺は人の限界を超えて、この世界で俺と対等の存在は居ないだろう。だからこの事は絶対に、誰にも知られてはならないし、悟らせてもいけない。あくまでも『人間』で在り続けるために。

 

 こんな俺になっても変わらず接してくれる仲間たちには、いくら感謝の言葉を紡いでも足りないほどだけど、同時に後ろめたさもあった。

 

 後悔はない……それは今でも変わらない。だけど……なにも罰せず、ただ赦されるとずっと後ろめたかった。

 

 俺は……俺が彼女のために、彼らのために出来る事はなんだろう。今の俺に何が出来るのだろう……?

 

 

 次章、『マザーズ・ロザリオ』

 

 

「……後悔するなよ、俺に本気出させた事」

 

「しないさ。本気でぶつかって負けたなら、悔いはない」

 

「そうかい。なら――

 

 そのリクエストに応えてやるよ、キリト――!」




ttps://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=193549&uid=67854

現在上記のリンク先でアンケート募集してます、現在圧倒的にAルートが多数ですが、時間はあるのでまだ参加していない方はどうぞどうぞ。

一応次章であるマザーズ・ロザリオは真面目に……うん、真面目にね、やりたかったんだ。ところがぎっちょん、みょうちくりんなイレギュラーのせいで真面目成分がロストしちゃうよ! なんでこうなった! ガッデム!

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