ノーステフ・ノーライフ   作:sayutan

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脳内解説トークショー

 ご無沙汰してます。シュウです。

 

 今は、前回の話し合いを終え、クラミーが戻ってくるまでの間、式典会場の外のベンチで休もうというわけで、空が座ってその膝に白、その隣にステフが座ってその膝を枕にしたい私は直立姿勢ですハイ。

 

 とまあ、そんな感じの休憩なので、世間話に花を咲かせようと話題を降ろうとしたところ、

 

「なあ執事さん?どうやってあの森精種(エルフ)の魔法暴いたのか教えてよ。」

 

「....教え、ろ!!」

 

「シ、シュウ。が、頑張ったのはわかるんですけど、森精種(エルフ)の魔法をどうにかできるのは、その、凄いんですけど....怖いんですの。だから....その....」

 

「あーはい!わかりました!皆さん順番に答えますので、お手柔らかに....。」

 

「いや、聞いてる内容皆一緒なんだが....。」

 

 とまあ、前回のことが気になっているようですね。やはりゲーマー。世間話の内容なんてゲームしかないですよね....。確かに魔法で姿偽装していた森精種(エルフ)の魔法を解除させちゃったら、そら注目されるよな....。

 

「と、いうわけで、まずは空殿からどうぞ。」

 

「あ、はいはい。そんな感じでやってくのね。」

 

「んじゃまずは、なぜ森精種(エルフ)の存在を察知できたのか。これは簡単だよなぁ?」ニヤニヤ

 

「おっしゃる通りでございます。これは空様が『他国の力』という話題を聴衆に提供してもらったからこそ、できたことにございます。」

 

「それにより、民衆の会話から外れている人物を特定して鎌かけた....そんなとこかな?」

 

「正解にございます。」

 

「....次は、しろの....番....」

 

「どうぞ。」

 

「....どうやって、魔法....解いた、の?」

 

「それは、森精種(エルフ)にあなた方を他国の間者であると吹き込んだからです。」

 

「....どんな、内容?」

 

「それは次の方の質問にしましょう。では、お嬢様。」

 

「じゃあ白の質問内容を聞きますわ。」

 

「は。あちらは森精種(エルフ)の間者であるなら、こちらもどこかの種族の間者に仕立てあげれば、相手も警戒するようになると踏み、そのような虚偽を申したのです。」

 

「だがそれだけじゃ足りんだろ。もっと決定的な文言があったはずだぜ?」

 

「その通りにございます。然らば、その時の文言を再現しましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど。俺らを隣国の種族、獣人種(ワービースト)の間者に仕立てあげたって訳だ。」

 

「....そして、このタブPCを....その種族の、開発品に、見立て、た....」

 

「そしてその機能が、生物にかかっている魔法を検知する物で、しかも持ち主がその魔法を使えるようになると警告したと。」

 

「ご明察にございます。」

 

「え!?その四角いのってそんな機能持ってるんですの!?なら、魔法を抑制しつつ有利にゲームができるじゃないですの!!」

 

「お前頭お花畑か!?んな機能ねぇよ!!」

 

「え!?無いんですの!?」

「あ。無いんですね。」

 

「....ステフは当然として、執事さんも知らなかったのか?」

 

「あぁいえ。本をお読みになっている際に使っているのをみた程度ですので、機能全体のことは存じてませんでした。」

 

「ま、そんなとこだろうな。で、さっきの文言だとこのタブPCに妨害魔法かなんかかけられたら詰んでたんじゃね?」

 

「残念ながら、そうは絶対になりません。」

 

「ほぉ....たいした自信じゃねぇか。根拠は?」

 

「簡単ですよ。では、白様に問題です。森精種(エルフ)がもっとも嫌いそうな種族と言えば?」

 

「....!!....地精種(ドワーフ)、っ!!」

 

「正解にございます。」

 

「なぁるほど。嫌ってる種族が作ったものに、魔法を見られたくはないし、かけたくもないと思うと踏んだわけだ。」

 

「左様ですね。」

 

「....執事さん、すごい....」

 

「あぁ。不測の事態によく対応してくれた。誉めてつかわす!」

 

「ははーっ。」( ノ_ _)ノ

 

「え?でも、森精種(エルフ)が偽装魔法を使うことくらい予想できたんじゃないですの?」

 

「ぐっ....痛いところを突いてくるなステフよ....。」

 

「....ここは、次の、改善点....」

 

「あー。いっとくと俺らは一定以上離れると人と話すこともままならん状態になんの。」

 

「そ、そうなんですの?」

 

「そ。だから二手に別れての行動ができないわけ。」

 

「で、ステフがあのクラミーってやつとゲームしてるときに奥の席に目深にフードかぶった森精種(エルフ)がいたもんだから....。」

 

「....偽装魔法....かけて、無い方に、賭け、た....」

 

「それが失敗だったな~白。今日は反省会だな。」

 

「....うん....」

 

「というわけで、不測の事態になったらテンパるであろうステフは俺たちがくる理由となる置物になっていただいて....」

 

「なっ!?」

 

「そこの執事さんに森精種(エルフ)捜索を頼んでたって訳。」

 

「ぐぬぬ....。でも、シュウでよかったですわ。なんとか乗りきれましたもの。」

 

「役割を全うできて光栄でございます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トットットッ....

 

「お、ようやくお出ましか。」

 

「では私はこれで....」

 

「ほいほーい。」

 

「また...後で....」

 

「え!?シュウ!どこ行くんですの!?」

 

「どこと言われましても....」

 

「あーステフ。お前ほんと人の話聞いてないのな。」

 

「な!?き、きちんと聞いてますわよ!!」

 

「じゃあ、なんで呼び止めた?聴いてるなら呼び止めはしないはずだぞ?」

 

「え?そうなんですの?」

 

「よし、わかってないな。アイツがくるから手短に言うぞ。」

 

「執事さんは今、俺たちの味方でもアイツらの味方でもない立場にいる。だからここにいちゃまずいってことだ....。」

 

 それを言い終え、ステフがその事実を飲み込んだと同時にクラミーが目の前にくる。

 

「お待たせしたわね。獣の奴隷(ペット)たち。」

 

「あぁ待ったよ。エルフに尻の穴売った売女さん?」

 

「あ、あなたたち....」

 

「で?それが俺らにふさわしいゲームかい?」

 

「えぇそうよ。じゃ、行きましょうか。」

 

「あぁ。ゲームを始めようか....。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうも、ステフの隣に這い寄る執事、シュルラトホテプゥです。

 

 ....無理がありますね。

 

 はい。いま私は観客席にて、クラミーと『 』(くうはく)が行っているゲーム"駒が意思を持つチェス"を眺めております。

 

 あ、このチェスは普通の机の上にボードをおいて行っている。いわば書籍ver.ですね。まあアニメのようにしてしまうと『クラミーが一時間でやった』という状況になって、あんな甲冑姿の駒運び込めるわけ無いのに運んだことになって、『私、森精種(エルフ)と結託してます!』と、宣言してるのと変わらんからな。

 

 あ、でも馬車で移動してたっけ....?

 

 

 

 ....。

 

 

 

 ....こまけぇこたぁいいんだよ!!

 

 で、私は特に役割もなく、ここに座ってことのなり行きを見ていたわけですが....。

 

(ちょっとお話ししませんかぁ?)

 

(こいつ....直接脳内にっ!?)

 

 ....と、クラミーの主人である森精種(エルフ)、フィーに話しかけられています。なんでや....。

 

 

 

(な、なんのご用でしょうか?)

 

(んー。それはですねー。あなたのおかげで魔法がばれなくなったのは助かったのですけど....。)

 

 そう。いま行っているチェスでは魔法がバンバン使われている。意思を持つ駒がある時点でそれ自体魔法なのだが、いまステフが持っているタブPCになんの反応もない。

 

 なぜなら()()にかかる魔法のみ検知すると嘘を言ったからである。ま、ステフはあからさまな魔法による不正を防ぐための置物としての役割だろうが。

 

(でも、それによって私がそちらに近づけなくてぇ~とぉ~っても、退屈なのですよ。)

 

(と、言うわけで私に話し相手になれと?)

 

(その通り、なのですよ~。)

 

(ハァ。あなた方二人はなぜ奇襲的に話しかけるのが得意なのでしょうか....。)

 

(それはわからないですけど、あなたも退屈してたのは事実なのでしょう?)

 

(はいはい。話し相手になればよろしいのでしょう?でも、何を話すか話題くらいくれないと、なにも話さずに寝てしまいますよ?)

 

(それは困るのですよ~。....あ。なら、クラミーのかわいいお胸の変化について話すのですよ~。)

 

(....それは男性である私と話すのに適した話題とは考えづらいのですが。)

 

(とぼけるのはやめた方がいいのですよ。もうあなたの顔はわれているのですよ。)

 

(....え?ほんと?)

 

(本当なのですよ。もうクラミーの中でのあなたは『豊胸の神の使徒』として崇められてるくらいなのですよ。)

 

(え!?そんなことになってんの!!?なんだ『豊胸の神の使徒』って!?クラミーの胸。まさか、大きくなったってのか!?)

 

(そうなのですよ!!1.5cm大きくなってるんですよ!!)

 

(は!?教えたの昨日の夜だぞ!?しかも丸々嘘のやつ!!なんでそんなことになってんの!?)

 

(それはこっちが聞きたいのですよ!!クラミーのあんなにかわいかったお胸が、日に日に大きくなっていくんだと思うと夜も眠れないのですよ!!)

 

(いやそこは喜んであげろよ!?なんでクラミーが喜びそうな事をお前が悲しむんだよ!?)

 

(だって、クラミーのあのお胸は....あのペッタンでまな板並みのかわいい、イマニティでも希少価値のあのお胸が!!適当な大きさに膨らむのは嫌なのですよぉ!!)

 

(いや友の胸の評価辛辣すぎんだろぉ!!?)

 

(ち、違うのですよ!!最大限に良いのですよ!!クラミーのお胸は世界一なのですよ!!)

 

(いや確かに凸凹コンビとしてはかなり噛み合っているとは思うけども!)

 

(クラミーは凹んでなんかいないのですよ!!真っ平らなのですよ!!)

 

(フォローになってねえよ!!)

 

(それをあなたは適当に膨らませる方法を教えてクラミーのお胸に与えた神の作りし芸術品を汚したのですよ!!)

 

(いや、だから俺の教えたのは嘘だっつってんだろ!!あのメイドの話も全部嘘!あの人中学二年からあのサイズ!!)

 

(で、でも、現に大きくなってるのですよ!!....はっ。まさか!人に撫でられると大きくなるというイマニティの古記に伝わる方法を....!!?)

 

(触ってねぇしあとお前は何度も触ってんだろが!!)

 

(異性に触らせたことはないのですよ!!....はっ!!なっ....まさか!!妊娠!!?)

 

 

 

ドン!!エンッ....!!

 

 

 

(だあああああああああ!!ちげえよお!!俺じゃねぇよお!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(シ、シュウ。なんでそんなに険しい顔をしてるんですの?)

 

(チッ!!そんな顔されなくてもヤベェのはわかってるっつの!!)

 

 そう、空は思う。敵のクイーンをこちらに率いれたはいいものの、クラミーがあの行動をとってくれるかの保証がないことに、焦りを感じていた。

 

 だが、その疑念はすぐに氷解した。

 

「....にぃ....」

 

「!!」

 

「....だいじょう....ぶ....♪」

 

(....あぁ。そうだよな。白。俺たち『 』(くうはく)なら....。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ならこうしよう!!俺が貧乳にさせる方法を伝授してやる!!)

 

(でもさっきあなたは全部嘘だっていったのですよ!!)

 

(だがその嘘が本当になってんだ!!なんだ?いまからつく嘘を聞かないのか!?)

 

(き、聞くのですよ!!)

 

(ようし、わかった。ならお前は貧乳のクラミーを思い浮かべながらサイズを測れ。)

 

(で、でもそれだと相殺しちゃうのですよ!!)

 

(だから、ここで一手間加える。それは....)

 

(嘘のバストサイズを言わないことだっ!!嘘をつかないことで現実をしっかり許容しろ!!例えクラミーの胸が大きくなっていようと目を背けるな!!それがいずれ徳となり、神が貴様の徳を美徳と認め、願いを叶えるだろうっ!!)

 

(わ、わかったのですよ!!ありがとうなのですよ執事さん!!今日はぐっすり眠れそうなのですよ!!)

 

 ....そういって魔法を解除したのだろう。フィーの声が聞こえなくなったのを確認し、うなだれてこう言った。

 

「どうしてこうなった....。」

 

 それと同時に、『 』(くうはく)の勝利が決まったのであった。

 

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