ご無沙汰してます。シュウです。
ついに次期国王選定戦において、クラミーに勝利し、国王の座を奪った
....そう。
「さて、見事空様と白様が国王候補になることになりましたが....。」
「ああ、そうだな。で、何か問題?」
「えぇ。代々全権代理者は一名という決まりなので、どちらかに国王兼全権代理者になってもらう必要があります。」
「へ?じゃあなんだ?俺と白のどっちかしか国王になれないの?」
「そういうことになりますな。」
「えーマジか。じゃあここは俺が形上国王になるってことでいいよ。」
「そうですか。ならば、この次期国王選定戦において盟約の名の元に、空殿を次期国王に「....異義あり!!」な、なんですかな!?」
「....にぃが王様になったら、ハーレム、つくれる。」
「なっ!?この鋼の理性を疑うというのか妹よ!?」
「....だから、しろが王に、なる....これでいい....」
「わ、わかりました。では白殿を「待った!!」ちょ....」
「おいおいリトルマイシスター。これはどういう了見かな?兄を差し置いて王になるなんざ認めんぞ?」
「....にぃにハーレムは、つくらせない!!」
「オーケー。譲る気はないんだな。じゃあ先に二連勝した方が勝ち。ゲーム内容は一方が提示し一方が同意するものとする。これでいいな?」
「....うん。しろ、負けない....」
「あぁ。兄ちゃんもだ。じゃ、始めっか。」
「「
「あの二人、勝負始めましたけど大丈夫なんですの?」
「えぇ。まあ、その....もし彼らの言うことが本当なら、互いのことは知り尽くしていると思われます。」
「た、確かにあの信頼関係を築くほどでしょうから、そうなんでしょうけど。」
と、いつの間にか隣に座っていたステフの心配に、苦笑いを作って答える。
「だからこそ、この勝負。決着がつかない可能性がありますね。」
「へ?」
「つまり、空様が勝てば次は白様、その次は空様と、その繰り返しになってしまうのではと予想されます。」
「な!?それじゃいつまでたっても終わらないじゃないですの!!?」
「えぇ。まぁ、終わらせる方法はあることにはありますが、今は彼らの実力を見てもらういい機会になるでしょう。」
そういって5戦目が終わり、次のゲームを開始しようとする二人を見て観衆は、この二人の意地の悪さを痛感していた。
最初の一戦目こそ、あっさり勝敗が決まったものの、負けた側の空が長考にふけり、トランプを使ったオリジナルのゲームを提示した。それに白がルールの確認をして空が解説すること三十分。ようやくゲームか始まるという事態になった。
これを見て悟ったのだろう。いくらかの観衆が帰っていった。
そして、空のペテンにまんまとかかって負けた白がチェスと将棋を組み合わせたようなゲームを提示。空は流石に勝てないとハンデを要求。そしてなんやかんやでまた三十分。そしてゲーム開始。
また観衆が帰っていく。これを繰り返すこと後二回。
はい、もう痛感した観衆は私と司祭だけです。なぜならクラミーとゲームを始めたのが19時頃。終わったのがまあ一時間として20時。こっから上記のゲーム時間を合わせて今何時かというともう午前2時です。
そりゃ皆帰るわ。
まあ、私はまだ起きていられるし、空と白は五徹するくらい寝ないことには慣れているだろうからいいけど、司祭さんがヤバい。いつ国王が決まるかわからんから、ずっと起きていなくちゃならん状態になってる。
必死に目を開けてどちらが勝つかを見守り、寝ないよう頬をひっぱたいて真っ赤の顔で二人を見つめてる。
で、アニメではステフもずっと起きていたのか、最後には自分の魂中に浮かばせてたが。今はぐっすりと眠っております。
....私の肩に頭を預けて....。
ヤバい!!女の子のかほりがする!!理性吹っ飛びそう!!寝顔かわいい!!抱き締めたい!!いいよね!!?もう、ゴールしちゃってもいいよね!!?
そんな思考が脳内を汚染していく。こういう経験はないだろうか?電車の中でこのような状態になったことが。私はある。私が寝る側で相手はオネェだったが。俺が起きたときやけにオネェの肌がツヤツヤしていたのは勘違いだと信じたい。
話が脱線した。というわけで、いま私はこの世に転生できたことに感謝の意を天に込めて祈り、感謝を捧げている。ああ、神様テト様マジ感謝。
個人的にはもう半世紀くらいこうしていたいんだが、司祭さんがもう限界そうだし、何よりこのままステフを寝かすと首を痛めてしまうから、空達の勝負を終わらせようか....。
そう思って、まずはステフを起こそうと両肩をつかんで揺さぶる。
「お嬢様、起きてください。」
「う....うん....?どうしたん....ですのっ!!?」バッ
「うわっ!!?」
起きたステフはこちらを見たかと思ったら突然顔を背けて、私から一席分離れた。
「も、申し訳ありません。お嬢様。勝手ながら起こしてしまって。」
(そうか、今は空に惚れてるんだよな。そりゃ警戒されるか....あまり触ったりするのはやめておこう。)
「だ、大丈夫ですわ....大丈夫....。」
(か、顔が近かったですわ!!両肩捕まれててビックリしましたわ!!ドキドキしましたわ!!)
「お嬢様?」
「は、はい!なんですの!?」
「....いまから二人のゲームを終わらせに行きますので、お戻りになられる準備をなさっててください。」
そう言って去っていくシュウの瞳には夜空のせいか、真っ赤になったステフの顔は映らなかった。
おはようございます。メインシステムは起動しているシュウです。
と、いっても、もう午前11時頃ですが。
先ほど国王の戴冠式が行われ、空達の演説により、エルキアは一時の盛り上がりを見せています。
今空達は大臣様たちに今後の政策を捲し立てるように言っています。なお、ステフはその隣で口開けて二人の行政を唖然として見ています。まぁ、所々アドバイスしてるから、話には着いていってはいるようです。
かくいう私はお茶汲みを担当させられています。もう、空達の専属執事みたいになってます。まあ、お嬢様の近くにいれるのでいいのですが。
と、お茶汲みに奔走している最中に、空間が胎動する。魔法を検知できない我々人類種ですら感じる圧倒的存在感を宿した者....神が降臨した。
「やあやあ!元気にやってる!?」
「あぁ。おかげさまでな。自称神様?」
「自称じゃなくてホントに神様なんだけどね....。というか、僕のことはテトって読んでいいよ。そっちの方がいいでしょ?」
「そうだな。自称テトさん♪」
「そこまで僕のことを疑うのかい!?」
と、久しぶりに会った友達感覚で話をする三人をよそに、ステフと大臣達は戦慄していた。
((ゆ、唯一神テト!!?))
あまりの衝撃に声が出ない状態で、三人のやり取りを固唾を飲んで見ているしかなかった。
その会話を聞くと、他種族が動き出すだのこの世界に呼んだだの、そして何より驚いたのは、王が神に一度ゲームで勝ったということ。
現実離れした内容に目眩が起きそうになるのをこらえ、様子を見ていると、一人の執事が近づいていった。
「テト様、お茶はいかがですか?」
「ん?ありがとう。....ふぅ。うん。美味しいよ。」
「ありがたきお言葉。」
ふっふっふー。恐らくこの世界に俺を呼んだのはテトだろうからな。お礼っぽいことしておこう。
「うーん。でも僕の気は休まっても、他の皆の気は休まる暇無さそうだし、そろそろ僕は帰るね。」
「あぁ。じゃあな。今度会うときはチェス盤で....ってか?」
「....次も、負かすから、覚悟する、の!!」
「あははっ!!その時を楽しみにしてるよ。じゃあね~。」
そういってテトは虚空へと消えていった。それと同時に、長らく息をした気がしてなかった大臣達は、ゆっくりと深呼吸して、空達の尋問を始めたのであった。
(うーん。原作知識持ちの転生者、これがバレるだけで物語が急変しちゃうからな。テトはそれを避けるために、俺に何も触れなかったのか?)
そうして、自室のベッドに横になりながら考えていた。
(普通なら自身が転生させた人間には、少なからずアプローチをとってくるだろうに....。それがなかった。)
(唯一あったとするなら、お茶の水面越しにこちらを見ていたことぐらいか?)
うーん。と、唸って考えてみるも答えは出ずに悶々としているうちに、眠気が襲ってきた。
(ま、なにか考えでもあるんだろ。俺の預かり知らぬところで....な....。)
そうして暗闇に意識を沈めていくのであった。
ーもし?
ん?なんだ?なんか呼ばれた気が....
ーちょっと起きてもらえます?
は?起きる?あぁ。寝てたのか。ハイハイ。いま起きますよっと....
そうして目を開けたその先には....
「はじめまして....ですかね?シュウ。会えて嬉しいです。」
そこにはアクアマリンの色をした長髪の、前髪で目元が隠れているが赤い瞳を持ち、いかにも天使のような風貌をした女性がいた。
「やあやあ!さっきは無視してごめんね?このこにきっつく話すなって言われちゃっててさ~。」
それとおまけに唯一神(笑)がいた。
「なんか皆僕の扱いひどくないかい!?」
「あ、心を読んだんですね?いきなり叫ぶから驚きましたよ。」
「あ、ごめんね。こんな近くで大声だしちゃって。」
「あ、え、えーっと....どういう状況?」
「あ、まだ君、自己紹介してないよ?僕はさっきしたから問題ないけど。」
「おい。人の話を....」
「それもそうですね。では改めて....」「ちょ....」
「はじめまして。シュウ。私の名はフォルメリア。種族は
(おいやめろ!他の
「私の場合は、恋愛厨....でしょうか♪」ニコッ
(....あ、なんか尻軽女に見えてきたわこの
「って、彼思ってるよ?メリーちゃん♪」
と、シュウの心を読んでケラケラ笑う唯一神と
「し、失礼ですよ!!」
と、臀部を両手で抱えるように押さえ、顔を赤くして怒る
「心読むのマジでやめてもらえませんかテト様ぁ!!?」
そしてその二柱の神を前にしたシュウは、頭を抱えるしかなかったのであった。