ノーステフ・ノーライフ   作:sayutan

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2巻
ジブリールは不満があるようです


 ご無沙汰しております。シュウです。

 

 神様降臨のイベントが終わり、原作の第一巻辺りが終わった頃でしょうか?第二巻では王となった『  (くうはく)』が知識集めに奔走したり、先王の秘密を知ったり、東部連合に喧嘩吹っ掛けたりなどを主な行動としていますね。まだまだエルキアに余裕がなく、最低限の安定を目指すべく『  (くうはく)』なりに動き出すしかない状況。原作通りに進めなきゃいけないのは続きそうですね....。

 

 で、原作通りだとステフが空に対してゲームで勝って真人間にしようと奮闘し、犬になったり、白にパンツ取られるなど散々な結果になるわけですが、

 

 そんなことにはさせないと!!ブラックジャックの親になってステフに有利な勝負を仕掛けたり、来る人通りをステフの発言に合わせて変えたり、鳩に向かって石を投げようとする空に『ディーフェンス!ディーフェンス!』と邪魔をしたり....

 

....()()()()()んだが私は今ステフの隣にいません!何なら王城にもいません!!何故でしょうか!?正解はこの方っ!!

 

「....では次の質問です。森精種(エルフ)の最上位とされる封印魔法『久遠第四加護(クー・リ・アンセ)』ですが、この魔法の基礎配列の記述がないので考察できないのですが、どうしたらよいのでしょう?」

 

「知るかっ!?」

 

「はぁ....もっとまともな回答はないのですか?その答えを聞きすぎて、私の耳が腐ってしまいます。」

 

「あー....じゃああれだ。適当な森精種(エルフ)引っ捕らえてくるってのは?」

 

「盟約の条件下でそれは不可能だということを念頭にすら入れれない頭をしているのでしょうか?」

 

「ん....ならあれだ!魔法の基礎からやって、擬似『久遠第四加護(クー・リ・アンセ)』をやればいいんだよ!」

 

「我々天翼種(フリューゲル)は細かい精霊操作はできません。そもそも、私が知りたいのは魔法の習得ではなく構造の知識の会得にございますれば、あの雑草の天撃を防げない魔法などに手をかける気はございませんゆえ。」

 

「あーはいはい。そうですか....。」

 

 はい。正解はジブリールでした。

 

 相変わらずの質問に肩を竦めつつ答えていく。なんともまあ、作業を繰り返すように俺の口も回るようになったものだよ。

 

 はい。ではなぜここ、ジブリールの図書館に居るかの解説をしましょう。まあ、簡単なので一気に捲し立てましょうか....。

 

 説明しよう!この小説第一巻に一度も登場することのなかったジブリールは、シュウが執事になってからというもの、王城に住み込むようになって図書館に来ることがないことを()()()()()()、いつものように本を読み、質問したいことをひたすら書き留めていくという行為を重ねていった結果、遂に質問数が千を超えてしまった!!この時点でちょうど『  (くうはく)』がエルキア国王となり、区切りが良くなったのではないかと、シュウの個室に転移空間を作って「質問が千を超えました。早く消化しないと....死にますよ?」という謎の脅迫を残して消え、それを尻目に見たシュウは次の休日の早朝、執事姿のまま図書館に特攻した!!「久しぶりだなジブリール。」と、努めて紳士的笑顔で挨拶したシュウに対し、「お待ちしておりましたよ。また会えて嬉しゅうございます♪」と、目以外で笑った天使(悪魔)は返し、「では、始めましょうか?」と、口火を切った質問攻めは翌日の現在まで続き、家はおろか王城に行くことすら盟約(第五話『執事なる刺客』を参照)によって許されない状況になっていたのであった!!

 

 とまあ、こんな理由でここにいるわけだが、ほんとは昨日のうちに全部の質問に答える気だったのよ?しかし、質問に答えればまた新たな質問が増えることは良くあること。もう実質答えた質問は当初の予定の千を軽く越えちゃっている。

 

 あー。まさかの無断欠勤である。こりゃ明日は大目玉食らうな....明日職場に行ければだけど。

 

 

 

「....なあ?ジブリール。」

 

「そこで....はい?なんでしょうか?」

 

 ジブリールの質問を遮って、ふと思い浮かんだ疑問を聞いた。

 

「俺らってさ、10年以上ここでこんなことやって来たんだよな?」

 

「....えぇ。そうでございますね。」

 

「....ジブリールってここ10年でなにか変わったか?」

 

「....そうですね....質問を集めて答えを編み出し、それを考察する。その行為が定着したことくらいでしょうか?」

 

 そうか、それだけしか変わらなかったか。なら、原作通りに進めるのに好都合だな。

 

「....そ。んじゃ、続きやっていきましょうか。さっさと家に帰って、仕事しなきゃならんからな。」

 

「....そう、で....ございますね。続けましょうか。」

 

 そういって互いの目を本に向け、ひたすら意見を載せていくのであった....。

 

 

 

 

 

 

 

 そうして数時間がたち、日が傾き始めた頃。

 

(コンコン....)

 

「おや?どなたかいらしたのでしょうか?」

 

(....あっ!!もしやっ!!?)

 

 珍しく....それこそ十年ぶりほどになるノックの音に訝しげな表情を示すジブリールと、遂に彼らが来たのだと察したシュウは、努めて平静を取り繕い、答える。

 

「んじゃ、ここらの住人に俺がここにいるとバレると色々面倒だから、身を隠しておくな。」

 

「わかりました。では行って参ります。」

 

 そういって互いに別方向へ歩み出すのであった....。

 

 

 

 

 

 

 

 

(さて、今回はどのようなお客様でしょうか....。)

 

 と、なんの警戒心も持たず、ただの好奇心により、出入り口の扉に吸い込まれるように飛んでいき、その扉を開けた。その先にいたのは....

 

 黒髪黒目の青年と頭にパンツを被った白髪赤目の少女、そして、首に紐を垂らし獣人種(ワービースト)の格好をした赤髪青目の女性が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 はい。シュウです。今は奥の書斎の机の下に隠れております。

 

 あー、来ちゃったか空白の二人。せめて一緒に来てステフを守りながらの具現化しりとりをしたかったが、どうやらそれは叶わない模様。

 

 え?今すぐ行って一緒にゲームすればいいじゃんだって?

 

 いや、それはできない。なぜなら『  (くうはく)』がジブリールをてにいれる必要がなくなってしまうからだ。俺という間者がいれば、本を読める確率はグンと上がり、面倒なゲームをしなくても図書館の知識を得てしまうかもしれないし、ジブリール=識者というチップも手に入れないかもしれない。

 

 俺という存在が、面倒を起こす要因となるなら、今はゲームが終わるまで隠れるのが吉だろう。

 

 

 

 そうしているうちに奥へと歩いていく足音が聞こえた。

 

(ふぅ。これでジブリールと『  (くうはく)』の具象化しりとりが始まるのか....)

 

 書斎の机から身を出し、パッパッと膝についた埃を落として出入り口の扉を見つめた。

 

(お嬢様。この度私は力になれませぬが、どうかご健闘を....)

 

 そう、今回シュウが手助けできることはなにもない。下手に出場すればゲームが行われない可能性が出てくるからだ。だからここは....

 

(それではまた王城にて会いましょう。さらばです。)

 

 そう、恭しく頭を下げ出入り口の扉に向かって歩きだしたシュウであったが、突如後頭部を握られ、景色の転移を経験した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃ、その具象化しりとりとやらを始めようか?」

 

 ルールのある程度の確認を終え、ゲーム開始を促す空。

 

「えぇ。ですが、あなたたちには従者が一人いるようですが....よろしいので?」

 

「ああ。問題ない。」

 

「いや問題有りまくりですわ死にたくないですわぁ!!」

 

「では私からも一人従者をつれて参りましょう。そちらだけというのは、少し不平等ですからね。」

 

「え?まさか天翼種(フリューゲル)?」

 

「いえいえ。条件はそちらと同じく、人類種(イマニティ)にございます。」

 

「....へ?」

 

 空は天翼種(フリューゲル)の従者というから、少なくとも人類種(イマニティ)より上の位階序列の種族の従者をつれて来るのかと警戒していたが、まさかの人類種(イマニティ)という従者に、より困惑の表情を浮かべた。

 

 と、こちらの返事も聞かず、空間に穴開けて、そこに手を突っ込み、まるで道具を取り出すかのように出てきた人類種(イマニティ)は....

 

 

 

「ど、どうも....ご無沙汰しております....シュウです。」

 

 あの執事だった。

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