ご無沙汰しております。チュウです。
....失礼しました。シュウです。
前回、ジブリールとの具象化しりとりに巻き込まれ、やるんだったら昔考えた『こうしたら勝てたんじゃね?』と、作品に突っ込んでいた頃の方法を試してみたのですが、結果は敗北。
まぁ、これで空達は無事ジブリールというチップを手に入れ、東部連合に挑む為の識者を手に入れたわけだが....
まあまあ、落ち着きたまえ。皆が聞きたいのはシナリオ通りにいったことにではないだろう。
そう。ステフとの関係の変化のことであろう。
ふふふ。前回のシリアス(笑)回で唯一のラブシーンであるステフとキッスした私ならこの先もう、何も怖くない。
と、思っていたのだが....
『お、お嬢様?大丈夫ですか?』
『へ?あ、いつの間に終わってたんですの?それでどちらが勝ちましたの?』
『....ん?』
『ど、どうしたんですのそんな脂汗流して!?』
『えっ....えーっと....どこまで覚えておいでで?』
『じ、地面がなくなった辺りから記憶がないですわ....』
『....』バタン
『シ、シュウ!?だ、大丈夫ですの!?』
はい。覚えてませんでした。
あれですね。極度の恐怖や痛みが起こると記憶を忘却したり封印したりして、意識しないようにする防衛規制ってやつ。それが働いちゃってた感じですね。
....。
防衛規制なにしてくれちゃってんの!!?
いや確かにあの接吻はつり橋効果ならぬつり橋降下効果だったけど!!自分も予想してなかったけど!!良いじゃん。棚ぼた的な感じで良いじゃん!!良かったじゃん。記憶残してくれても良かったじゃん!!なんて事してくれてんだよステフの本能!!あれか?『まだ貴様にステフは渡せんな。』って本能やら背後霊やらが言ってんのか!?絶対その背後霊先王だろ!!
あぁフォルメリア様よ。どうして我らが愛を救ってくださらないのですか....
『救ってもいいけど、力を別に注ぐことになるから、魂維持できず解放されて死にますが、よろしいですか?』
あ、じゃあいいです。まぁ、偶然の惨物だし?仕方無いっちゃ仕方無いんだろうけどさ....
「なあ、シュウが物凄く悲しそうな顔しながらお茶汲みしてんだが....。」
「はて?思い当たる節はございませんが?」ニコッ
「....♪」
はい。現在、私はエルキア大図書館に引きこもって本を読み漁る空達のお茶汲み係をやらされています。原作ではステフのポジションですね。まぁ原作ステフは王城の政治とお茶汲み両方をこなすという重労働を課せられていたんだけど....。それ思うと尊敬に値するレベルだわ。
んで、以前もステフのポジションに着いちまって『ステフもっと出せやぁ!!』と、お怒りの方もいると思うが、言い訳を少しだけ聞いて考えてほしい。
原作でも思わなかっただろうか?
『
原作ならステフを物語に介入させるために、この政治家兼御茶汲師として仕事してたんでしょうが、今回は完全にサイドになっちまってる。ステフを描写するなら俺を補佐としてあっちにおいて、お茶汲みをジブリールにさせればいいじゃんと。
じゃあなぜそうしないのかという人もいるだろうが、まあ待って下さい。これには訳があるんです。
時を遡ることステフが王政を任されジブリールに転移させられた時になる。
◼️◼️◼️
「....ん?なぜ私はここに残るのですか?」
「なぜって....じゃあ、食事の用意は誰がしてくれるんだ?」
「いえ、てっきり私は、お嬢様の補佐を任されるのかと思いまして....お食事はジブリールで事足りるかと....。」
「....あ、それもそうだな。んじゃ、シュウもあっちに送ってくれないか?ステフだけじゃ頭や首は回っても、体が持たんだろうし。」
「....いえ。申し訳ありませんがマスター。それはできません。」
「「「へ?」」」
予想外の台詞に疑問が声に出てしまった三人に向け、ジブリールがカップを渡した。
「これは私が先程飲んでいたものと同じ物ですが、一度味見をしてもらってもよろしいでしょうか?」
「「....あっ....。」」(察し)
何かを事前に察知した空と白は、握ったティーカップを口に近づけずに硬直していた。
「どれどれ味は....ブフゥ!!?にっがっ!!?なんですかこれぇ!!?」
何も察せなかったシュウが、飲んだお茶を勢いよく吹き出す。
「それはお茶というものにございます。」
「こんなのをお茶とは言わねぇよ!!?って空様これを飲むのは危険....って飲んでいらっしゃらねぇ!!?なぜそのような悟った顔をしておられるのですか!!?」
「あ、いや、ジブリールと勝負する前の賭ける物で異世界の書四万冊を提示したときに、お茶吹っ掛けられたんだよ。」
「その時はご褒美だと思ったんだがな?少し味見をし「....ギロリ。」....てないんだが、香りがやけにきつくて、もしかしたらと思ってシュウに毒味してもらったら案の定だったって訳。」
「そ、それなら早く言っていただけなかったのでしょうか....。」
あぁなるほど、そういうことか。いや、薄々は気づいてたんだけどね。おそらくジブリールは料理などができないわけではないが、味覚が異なっているのだろう。過去に出した俺の料理への感想が、大体食感に偏っていたのにようやく納得がいった。
「我々
「だからってこんな刺激の強いやつ飲まなくていいだろ....。」
「え?以前から親交のあるシュウなら知ってたと思ったんだが....。」
「あ、私ジブリールからお茶をいただいたことはございません。」
「図書館を勝手に使う図々しい猿に、もてなしの提供など致しておりません故。」
「....なあ、なんでお前ら十年もこの関係続いてんの?」
「ジブにゃんが解放してくれないからにゃ~。」
「ほう?よっぽど死にたいようでございますね♥️」
「そそそ、そうにゃ!!空様がジブにゃんにうちに対する盟約解除の宣言を命令してくれにゃ!そうすれば晴れて自由の身にゃ!!さあ早くするにゃ!!こんな天使か悪魔かとも呼べない
「え?盟約で縛られてんの!?それただの奴隷じゃね?」
「相互同意の元で決めたものでございますれば、奴隷とは程遠いでございますね。」
「いいや!もう図書館に寄る必要ないのに、どんなに頼んでも盟約破棄が許されないにゃ!!これ無理矢理縛られてるにゃ!!あれにゃ!必要ないっていってるのに生活用品送りつけて金払えって言ってくるやつらと一緒にゃ!!」
そう言われて、ほんの少しだけジブリールの表情に陰が射す。土下座しているシュウはもとより、空もそういう感情はわからないのか気付いてない様子。だがやはり、女の子同士なのか、それともそういう感情を理解しているからなのか....白は、シュウの前に歩み寄り、
「し、白様!白様が叶えてくれるのですか!?」
「....ジブリールの、盟約破棄は....」
「....。」ゴクリ
「....だ....めっ♪」
「....。」(←顔面蒼白)
そう言われ地面に突っ伏したシュウ。それを慰めるように空。
「うん。その、なんだ。盟約の詳しい内容は後で聞くから....あれだ。女心はわかんねぇけど、わ、悪いようにはならんからさ....。」
そんな二人を遠目で眺めている白に、ジブリールが恭しく頭を下げ、
「ありがとうございます。白様。」
「....これくらい、別に....」
「そうでございますか。」
少しだけ二人の間に沈黙が走る....が、白がそれを破る。
「....ジブリールは、シュウとの関係を、変えたくなかったんでしょ?」
「はて?そのように思った覚えは....」
「....うそ....」
「....。」
白の言葉に目を見開き、自身の心情を振り返ってみるが....
「....申し訳ありません白様。我々
「....そう....」
ジブリールには先程の心情が"よくわからなかった"と表現することしかできなかった。
でも、白は
なんだかんだで十年間も一緒に居てくれた。孤独から救ってくれた人が、どんな理由であれ、離れていくのは辛いことだろうから。
二年少ないけど、自分もこの八年という時間が、にぃが一緒に居てくれたという時間が、かけがえのない物であるように、それは悠久の時を生きてきたジブリールにとっても....
「ですが、それではマスターや白様以外の人物にも気を寄せているということになります。やはり盟約を破棄すべきでは....」
と、先程白に盟約の破棄を
「....ジブリールの、好きにするといい....」
と、あっさり許可を出した白に驚くジブリール。
「....別に、"誰か"とジブリールの関係を、変えるために、こんなことした訳じゃないから....」
「....ありがとうございます。白様。」
そう言って
◼️◼️◼️
一方エルキア王城。国王が留守を決め込んだため、ステフが代理人として王政をこなしていた。
「な、なんでこんなことをやらされてるんですの....。」
そんなふうに、目の前の山積みの書類を捌きながら王の行為に悪態をついていた。
「で、でも、
と、クラミーやジブリールとのゲームを思い出しながら、どうにもやるせない気持ちになっていた。
「あら?なんですのこの記憶?」
ふと、ジブリールとのゲームで終盤に差し掛かった辺りの記憶を掘り起こしてた際、シュウの頬を掴んで顔を近づけるシーンが想起された。
(ふ....え!!?な、なんなんですのこの記憶!!?こ、これじゃまるで私から....!!?)
そういってなお、近づく感覚に頭を支配され、
(ひゃあっ!!?いけないですわ!!危ないですわ!!?と、というかこんなことをするなんて....しかも自分から迫ってるなんて!!?ちょ、いけないいけないいけないですわぁ!!?)ゴス!ゴス!
「きゃあ!?お、お嬢様!?どうなさったのですか!!?」
「お、お嬢様が気をお触れにぃ!!?」
「た、担架だ!!担架と軟膏持ってこい!!」
妄想(?)から逃れようと机に頭突きをかますステフと、狂乱に陥った彼女に混乱する執事やメイドの叫びが王城に木霊した。