ご無沙汰してます。シュウです。
いやー、前回は
とはいえ、アミラの突貫授業がアレだったというだけで、特に問題なく終わってよかった...さて、後は学園生活を過ごしていくだけなんだが、確か...いのが土下座をやめてプラムのチート魔法を使うのって40日後位だったよな?
...え?この生活をあと40日も過ごすの!?...まぁ、あのアミラ先生(笑)の授業の続きが、どう進展していくのかは気にならなくもないし、ステフと過ごせなかった学園生活を過ごせると思うと、貴重な体験のような気がするが...空達は学園イベントをスキップしまくったから40日はあっという間に過ぎたんだが、40日かぁ...まぁ、これを機会に色々やるのもアリか?この学園生活も原作では、いの以外は特に重要性無いし。
そうと決まったら、まず目の前の課題に取りかかるとしましょうか!!
「~♪~♪」
...怖いなぁ。課題が殺気放ってるよぉ...
ハイ。只今、ステフに腕を絡め取られて、商店街と見られる道を徘徊しております。
あ、腕を『絡め取られてる』っていうのはかなり優しく表現していて、実際のところ『縛り上げられてる』から、腕が鬱血して感覚がないんですよねぇ。胸が当てられてるけど全く何も感じないという、端から見ればリア充爆発案件なんだけど本人は地獄を味わってる感じか。
...どっちも救われんな。
と、まずは右腕解放作戦を決行しよう。大抵、何らかの要因でステフが鬼神化した場合は、ちょっと過激めに好意を伝えたら何とかなるけど、まずは普通に持ちかけてみるか。
「あの~、お嬢様?」
「はい、なんですの♪」
声はいつもより明るく高めだが、目はノゲノラ特有の流れるハイライトさんがどっかへ流れて遭難しちゃってます。はよ戻ってこい。
「申し訳無いのですが、腕の拘束を解い...」
「却下ですわ♪」
「なぜぇ!?」
あっさり却下されてしまった。というか若干拘束力が増したような?とりあえず対話は可能っぽいので続けましょう。
「理由をお聞かせ願えますか?」
「もし今腕を離したら、ライラさんの方へ行くかもしれないじゃないですの。そんなことにならないよう捕獲しているだけですわ♪」
『浮気、ダメ。絶対。(物理)』スタイルかぁ。でも、それなら話は早いな。というわけでシュウ、こましモード発動ッ!!
「そんなことはありません。私は常にお嬢様の側にいますから。」
「...。」
決まり手、『従者の告白』。いや、元よりそのつもりではあったんだけど、口に普段出さないからな!こっちが恥ずかしさで狂いそうだけども、これは効果抜群のはず...
「いえ、そうゆうのを心配してるんじゃありませんわ?」
「へ?」
あ、あれ?違った?
「側にいるのは当然として、もしライラさんがシュウを取って食うような事があったら、私はライラさんを██するかもしれませんし、███にして████████するかもしれないから、そんなことにならないように離さないだけですわ♪」
「リアルタイム検閲されてる!?」
内容が酷過ぎたのか、ゲームの方から規制が入るレベルの発言...ステフは一体何を言ったんだ!?
...と、ともかく理由はわかったが、ライラに食われる未来を回避する代わりに右腕が犠牲になる未来を回避できていない。ならば次なる手を...
「...ねぇねぇ、あの二人何であんなにくっついてるの?」
「さぁ、何でだろ?」
「あれじゃない?男って男同士で恋するものなのかもよ?」
「そっかー!私達も女同士で恋愛するから、そういうのが常識なのかもね!」
なにぃ!?
確かに女性しかいない
じゃなくて、ステフの事に気を取られて忘れてたが、
横目で見た感じ、あの授業の時に一緒にいた
となればあまり時間は残されていない。
「お嬢様っ!!失礼致します!!」
「ふぇ?」
見よ、これぞ我が究極奥義ッ!!
ナデナデナデナデナデナデ...
究極奥義、撫でるッ!!これによりステフは嬉しさと恥ずかしさの極致で逆に正気を取り戻すに違いな...
「~♪」ギュウッ!!
ビキュッ!!
「いぎゃあああああああ!!?」
今変な音したっ!!俺の右腕から鳴っちゃいけない音がしたぁっ!!?一瞬感覚が戻ったと思ったら痛覚だけ戻ってきやがったぁっ!?何だこの締め上げ技術!?ステフの両腕はアナコンダでも憑依してんのか!?
「あー!!撫でてるわ!!やっぱりそうよ!
「へぇ~♪ちょっとゾクゾクしてきちゃった♪混ぜてもらおうかしら?」
「いいわね!異性との恋愛もコーフンするってことをわからせてあげましょう!」
(しなくていいですぅ!!?)
アカン!状況が悪化しただけだわ!完全にホモ扱いされてるぅ!?いやまぁ端から見れば仲良しこよしだろうけども、まさかステフが『じゃれつく』を使って攻撃(?)してくるとは想定外だよ!?完全に発狂してるじゃないですかーやだぁー!!
...っと、このままでは盟約の効かない夢の中だと、
「やっほ~♪そこのイケてるお二人サン♪今日はなんと『本日開店セール』!!で、この洋服が99%引きで販売だよ~♪ぜひぜひ見ていってネ♪ウフフ~♪」
「へ?99%オフって幾らなんでも...って、アミラさん!?」
「あっ!シュウくん...だっけ?またまた登場のアミラちゃんだよ~ウフフ♪って、ナニナニ?『でーと』って奴なの?そうなの!?見せつけちゃってくれるね~ウフフ♪」
「いや、正確には違うんですが...今度は呉服屋やってるんですね...」
「そうなの~♪なんか面白い下着がいっぱいあったからつい...ね?キャハッ☆」
「いや、それブラウスって言って上着に値する物なんですが...」
「そーなの?でも可愛いいなら上とか下とかどーでもイイんだよ!気にしない気にしない♪」
そういってくるくると回ってみせるアミラ。持ち前の美貌と服のセンスが合わさって、色気が適度に抑えられてキュートさが全面に出ている。
「まぁ、そうですね...い"っ!?」
その姿に目を奪われていると、右腕にかかる負荷が強くなって痛みが走る。
「どーしたの?」
「あっ、いえいえなんでも...あっ!ちょっと服を見てもいいですか?」
「もっちろん☆さぁさ、どぉーぞぉー!」
◼️◼️◼️
呉服屋『アミラこれくしょん☆』。天井は光る
「あっ!そぉーそぉー!見て回るのもいいけど、ゆーあい?ってものにかたろぐ...とかいうものがあるから使ってネって
「店長なのに店員に教えてもらっているのか...」
その言葉に同意を示すようにうなだれる女性の
「それじゃぁ
と、視界に映るアイコンを操作してカタログから目的の服を探す。そう、呉服屋に入ったのは今の状況を打破する為の作戦を思い付いたからであって、決して値段99%引きに惹かれたわけではない。
「お、あったあった。今の手持ち金で買えるな。即購入っと...」
会計ボタンを押すと、何やら奥でガサガサと音がして、
「ご購入ありがとうございますぅ...またのご利用をお待ちしてますねぇ...」
「あ、うん。ありがとう...」
普通だったら注意されてもおかしくない程の悲壮感漂う態度で品を差し出す女性の
「なになに?何買ったの?」
「あー、これはですね...っと」
興味津々のアミラを尻目に、再び
「お嬢様。こちらを受け取ってもらえませんか?」
「へ?......あっ、これって......でも......」
「ライラさんは今いらっしゃいませんから、攻略の範囲外。ですので大丈夫かと。」
「そうですの?な、なら......」
と、右腕の拘束を解いて更衣室へと入っていくステフ。解放された右腕に血流が恐ろしい勢いで循環し始めるのを感じて胸をなでおろす。
「へぇー♪何か服をプレゼントしたの?アミラ気になるぅ♪」
「何って...元々の服を渡しただけですよ。」
「?」
困惑するアミラと一緒に、少しの間待っていると...
「に、似合ってますの?シュウ...」
不安と期待が入り混じった様子で更衣室から顔を出したのは、女性服ならぬ女制服を身に纏ったステフだった。
「えぇ、とてもお似合いですよ。」
これには思わず頬を緩めずにはいられない。いや~眼福眼福。
「そ、そうです...の......いえ、皆がこれを着てて羨ましくは思っていたんですけど、実際に着てみると布の面積がかなり...そのぉ...///」
と、前々から思ってた憧れの姿になったものの、流石のステフでもへそが丸見え&ミニスカの露出度高め制服はどこか抵抗心があるようで、顔を赤くするばかり。
ただ、ここで見た目やスタイルの事について誉め言葉を安易に言葉に出すと、アナコンダ通り越してウロボロス級の意味不明で理不尽な事態に発展しかねないので、ここは口に出さないでおく。いや、個人的には抜群なんだけどね?うん。
っと、言っておくがこれは私の趣味ではないぞ!決して原作でステフの女制服姿を拝めなかったからこれを着てもらったわけではない!!さっきから店のガラスに貼りついてこちらを覗いている
「わぁー!ステフ様は女装しても美しいなんて!」
ん?
「流石はステフ様ぁ♥️性別を越える美しさとはこの事なのね!」
あっるぇ~?おっかしいなぁ~?余計に勘違いが深まってるぞぉ?
「もしかしたら今度はシュウ様が女装を...っ!?」
「何ですって!?私、これ以上二人の美しさを見せつけられたら失神しちゃうわ!」
何なの?こいつらバカなの?あ、馬鹿だったわ♪じゃなくてぇ!何で気づかないんだよ!?ステフを後ろから見たってわかるスベスベお肌の胸板についた豊満なソレを見ても男だって思えるのかよ!?どーやったらコイツらステフが女だって気づくの?生まれたまんまの姿にでもなれってかぁ!?
と、頬をひくつかせながら額にうっすら青筋を立てていると、どうやら
「シュウくんがお困りのようだから~アミラちゃんがお手伝いしてあげるよ~キャハッ☆」
と、シュウに見せたのは...
「な、なんですかこれぇ!?」
「商品名は『あぶないみずぎ』だよ~♪これで皆メロメロだネ♪」
ドラ○エかっ!?というか...
「いやいやいや、危なすぎるにも程があるわ!?布面積がギリギリ過ぎるよ!?」
もはや紐レベルのマイクロビキニを持ってきやがったアミラ。なんか
そんなことを思っていると、ステフがアミラの持ってきたビキニを見て、
「わ、わわわ、わぁっ!?こここ、こんなの裸同然じゃないですの!?着られるわけないですわぁっ!?」
顔を熟れたトマト並みに真っ赤にして抗議してきた。
「えー?でもシュウくんはステフちゃんに着て欲しそうだけど?」
「ふぇぁっ!?」
「言ってませんししてま...(一瞬の熟考)...してませぇん!!というか目的が公私混同しとるわ!!アミラさんわかっててやってるよね!?」
「えー?アミラわかんなーい♪キャハッ☆」
このクソアマーメイドォ...!!
「............へ、」
「ん?お嬢様今何と...」
「変態ですわぁ!!シュウのド変態ぃぃぃぃ!!もうシュウなんて知らないですわぁぁぁぁん!!」ダカダカダカ!!
「えええええええええええ!!?ちょっ、これは誤解ですお嬢様ぁぁぁぁってか、はやぁぁいっ!?」
まるで光のように、泣きわめきながら地をおそろしい速さで駆けて行くステフに置いてけぼりにされたシュウ。
「あの、とんでもない勘違いをさせちゃったんですけど、どうしてくれるんですかアミラさん?」
「アミラのせいじゃないよ~?それとシュウくん...逃げないの?」
「へ?」
ガシシッ!!
予想外の忠告に、気の抜けた返事を返すと同時、体の自由が一瞬にして掌握された。
「あちゃー、遅かったかぁ♪でもでも、折角だから楽しんでってねー。ウフフ♪」
「は!?え!?何が起きて...っ!?」
気がついたら外にいたはずの
「あ、R-18的な展開はNGだぞっ!?いろんな意味でぇっ!?」
と、いろんな方面へ予防線を張りつつ、身をよじって
「ウフフ☆そんなことは無いから安心して大丈夫だヨ♪」
「あ、そうなの?」
そのアミラの言葉に、若干の抵抗を緩めたシュウ。
...今思えば、この時抵抗を続けていればこの先の運命を変えられたのかもしれないが、そんなこと知らないので後悔するしかない。
「ねぇシュウくん。
え?誰かが先手必勝で『天に召せっ!!』ってヤると思ったけど?
「それはね...」
「「男を女装させて百合百合パーティしましょう!!」」
「
◼️◼️◼️
一方、空達の様子はというと、
「よっしゃぁ!!また『
「卑怯だぞ!いづなばっかり狙いやがって、ですっ!!」
「フハハハ!!なんとでも言うがいい!!勝った者が強者ァ!!卑怯の限りを尽くして行くのが俺たちなのだよ!!」
と、『
「しっかし、ここまで徹底するこたぁあらへんやろ?もう少し手加減して欲しいわぁ。」
ゲーム操作機をつまんでプラプラさせながら、いづなの訴えに便乗する巫女。
「いや、巫女さん単独にしないとこっち負ける確率が急上昇待った無しなんだが?」
「それはいづなが弱ぇってことか、です!?」
「いや、巫女さんには劣るけどコンビプレーの上手さが際だってっかんな...やむ無くだよやむ無く。」
「そうか、次は巫女様より強く動いてやる、です!」
「んじゃ、もうひと勝負と行きますかぁッ!!」
と、白はそんな兄の様子をいつものことだと気にも止めずに再戦のボタンをタッチしようとしたが、
コンコン
「おや?こんな夕時にどなたでございましょうか?」
「というか本当に学園に行かなかったですねぇ...冗談かと思ってましたよはいぃ...」
落胆するプラムを余所に、ジブリールが玄関の扉を開けると、
「あぁ、ジブリールか...空様は?」
「え?あぁ、あなたでブフゥッ!!」
「あ?どしたのジブリー...ブハッww」
「...え?シュウ、どうかした...ちょっwwそれは、卑怯...ww」プククッ
「アハハ!!おもしれぇ格好してやがる、です!!」
「んぁ?なんやおもろいもんでも...クカカッwwあ、あんた、あてを笑い死にさせるつもりかえ?ww」
「えぇ?何が...プフゥッ!!ちょっ、シュウさん、それはないですよぉww」
「笑われるのは承知してましたが、そこまで笑わなくともよいでしょおっ!?」
と、金髪両サイドドリルロールでピンクのリボンをつけ、マスカラやファンデーションが雑に塗られて片目につけまつげと黒目増量コンタクト、口紅はあちこちに塗られて顔面福笑い状態。それに加えてピンクのワンピース姿という何ともヘンテコリンな女装のシュウが叫ぶ。が、空達は腹を抱えるのに必死なようで聞く耳を持たない。
なんでこんな状態なのかというと、好き放題に
「シュウ、ちょ、ちょっとそのまま、ステイ!写真に撮って爆笑フォルダに永久保存するからw」パシャ!!
「やめてくださ...ってもう撮っておられるし...はぁ...。」
ガックリと肩を落とすシュウ。その前で、一際お腹を抱えて震えている存在がいた。
「ねぇ、ジブリール。さすがに笑いすぎじゃない?」
「いえ、ですが、あまりにも滑稽で...フフフッ♪」
空達が笑い終えて息を整えている間も、ツボに入ってしまったのか苦しそうに笑うジブリール。そんな彼女を見てシュウはちょっとした
「...あー、そうだ、ジブリールに良いものを上げよう。」
と言って、持っていた紙袋の一つをジブリールに差し出す。
「クフフッ...ま、まぁ、今日は気分がよいので、猿からの貢ぎ物を寛大な心で受け取って差し上げましょう♪」
と、笑い涙を指で拭いながら、笑いすぎて歪んだ笑顔のまま受けとるジブリール。
(え、涙...?
ジブリールの意外な表情に戸惑いつつ、様子を伺うシュウ。
「ほう?これは衣装データ...でしょうか?」
「そうだな。折角だし着てみ?」
「ふむ。いいでしょう。」
と、プレゼントされた衣装を自身の衣装データに反映させ、現れたジブリールの姿は...
「...?なんでしょう?
そこには角と尻尾を生やし、持ち前の羽と光輪を漆黒に染めたジブリールがいた。
「おぉ、予想したよりも似合ったな...」
「ふむ。まぁ、猿の賛辞にしてはまだまだですが、受け取っておきましょうか♪」
「うん。似合ってる似合ってる。可愛いなぁジブリールは。ワハハ。」
と、どこかノリノリのジブリールに軽い誉め言葉を添えるシュウ。そのシュウのへラッとした態度から何か気づいた空が口を出す。
「なぁ、ジブリール。」
「はい♪なんでしょうかマスター?」
「それ...悪魔の衣装だぞ?」
シュガアァァン!!
空の方からシュウの方へと向き直ると同時、振り向く勢いに任せてコスプレ道具のオモチャ悪魔モリをシュウの金髪ロールごと壁に食い込ませる。あまりの衝撃にシュウのつけまつげが部屋のどこかへ飛んでいった。
「これは一体どういうことでございましょう♪」
声はとてつもないほどいつも通りなのだが、目がブラックホール並みに光を吸い込みまくってハイライトさん(本日二度目の出演)が殉職なされてる。
「あー、それは悪魔的に似合ってるって意味で、決してジブリールの事が昔から悪魔に見えたから渡したって訳じゃないぞ?」
「嘘だな。」
「嘘、です。」
「嘘やね。」
シュウの言い分に速攻で反論する空達。
「あっあー、空様。今日の学園での生活レポートを書きましたので、良かったら読んでください。プレゼントボックスに送付しておきますので...ではっ!!」
と、シュウはプレゼントコマンドを押し、瞬時に『帰宅』コマンドを打ってその場から瞬間退避した。ジブリールが壁に突き刺していたモリには金髪のカツラだけが残った。
「あっ!逃げるとは...いい度胸ですねぇ♪」
「あー、ジブリール、追っても無駄だと思うぞ?」
「へ?あっ、あのアホ猿の部屋に繋がらない!?なぜっ!?」
空間に穴を開けてシュウを追跡しようとするジブリールに、空が説明する。
「このゲーム、よっぽどのイベントがない限り、個室は本人の許可がないと侵入不可にしてんだよ。盟約も夢の中じゃ効果無いっぽいし?一応のためな。」
「なっ!?そ、そんなぁ~...」
ガックリと崩れ落ちる悪魔っ娘姿のジブリールを漏れなく写真におさめつつ、テレビ画面の方に向き直って、
「さぁ、まだまだゲームはこれからだっ!!」
そう叫んで、仕切り直しの再戦ボタンをタッチした。
□□□
空達がゲームに夢中になっている間、ジブリールは悪魔っ娘の衣装をいじりながら物思いにふけっていた。
そんなジブリールの様子を横目で見ていた白は気づく。時折ジブリールの表情が柔らかくなっていることに。
それは、普段ジブリールが空に見せるような、神のような存在へ向ける恍惚とした表情、敬愛する表情ではない。それはまさしく...
「...よかった、ね♪」
「...ん?どうしたんだ、白?」
「...ううん。何も♪」
...それはまさしく、しろがにぃに向ける時の...一緒の表情...。
◼️◼️◼️
「あったどぉ~!!」
ようやく学ラン見つけたぁ!!あーもう、私室のクローゼットが初日から満タンになるなんて誰が予想できようか?持ち物多すぎてずっと整理しながら学ラン探してたらもう深夜だよ畜生!!まぁ、整理し始めると夢中になるのはよくあることなんだが、まだ上着くらいしか整理できてないという現実、厳しいなぁ...というか下着のプレゼント率おかしくない?
と、整理で身も心も疲れきってしまったので、珊瑚の柱で支えられたベッドに飛び込むようにして入り込む。うむ。感触は良い方だな。
「...初日からこんな感じかぁ...」
振り返ってみれば、かなりの出来事が初日から起こっていたことが、過去会話ログを見ていて気づいた。
「まぁでも、大抵は初日がイベント増し増しで、後は小さなイベントがーってのがゲームの常ではあるのかな?」
初日の登校時に『いけない!遅刻しちゃーう!』ってパンを咥えて~という、特大のテンプレイベントが起きなければ物語が始まらないように、そこを逃せば何も起きないように...物語の最初なんてそんなもんだと自分に言い聞かせつつ、
「ま、流石に今日はもう何も起きないでしょ。」
そういって
「ん?なんだこのアイコン...あっ...」
そのアイコンはハートマークにゲージが溜まっていく様子を表したものだった。
「これっていわゆる『好感度』がわかるもの...だよなぁ...」
ひとまず歯車の形をした『設定』のアイコンへ指を滑らせて確認すると、それは『相手からの好感度』を主要人物毎に表示するアイコンであった。まぁ、よくある機能っちゃ機能だが...
「これを見るのはなんか...うん。とある物語じゃあ好感度測定器なんてもん作って組織内の人間関係がとんでもないことになったって話もあるし...見ないでおくか。」
と、好感度は気になりはするが、その閲覧したときのデメリットを考慮し、ひとまず先送りにして、目蓋を閉じて明日への逃避行を行おうとした。...が、
バァン!!
「ふぁっ!!?なんだなんだ!?」
突如、シュウの部屋の玄関の扉が開け放たれた。記憶には、しっかり施錠したと覚えてるのに!?
空いた扉の方から風が吹き荒れる...とは違う、激しい水の流れがシュウを襲った。
そしてその先にいたのは、全身に激流をまとわせ、『水精』という海の中では魔法の域に届きうる力、現に絶対不可侵であったはずの自室すら、ゲームシステムごと扉を吹き飛ばし、強引に探索範囲外へ乗り込む。まさしくチートを使って進行してきたのは...