ノーステフ・ノーライフ   作:sayutan

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無理ゲーに挑むならバグを持って立ち向かえ

前回までのあらすじ!

 

 ご無沙汰しております。シュウです。

 

 前々回、空様達との盟約によって"原作の関係者に会えなくなる"という状況に陥った私でございますが、そんなところにアズリール=サンが現れたではありませんか!

 

 AZにゃん曰く、"ジブちゃんの様子がおかしい。それはおみゃーのせいにゃぁ!!"と。

 

 そんなこんなでとりあえず今の状況を打破すべく、色々やっちゃおう!…というのが前回のあらすじ。

 

(…我ながら適当すぎないか?)

 

 ともかく!あらすじを脳内に書き出し終え、本編に意識を持っていこう!…えー、その意識の先にいるのは、何やら興奮気味のアズリールさん。

 

「さぁ、早くするにゃ!!ジブちゃんから『おねぇちゃん大好き!!愛してる!!もう抱いてっ!!』って言われるため、うちは何でもするにゃーーーぁ!!」

 

「ん?今『何でも』って?」

 

「そうにゃ!"何でも"にゃ!!ジブちゃんの為なら戦火の中、魔水の中!!どこへだって何だって、やってやるにゃぁ!!」

 

「ふーん…。じゃあ脱いで♪」

 

 

 

 

 

 

()ぐぞ?」

 

 

 

 

 

 

「…。」(←白目&土下座)

 

 純正な、しかも第一号の天翼種、アズリールの殺気に、ジブリールから得た殺気への『耐性』も虚しく吹き飛び、土下座をかます。

 

(いやー、本能って凄いね。瞬時に土下座の姿勢取るんだもん。アレだ、意味深な意味で剥がれるならまだしも、完全に"『皮を』剥ぐ"って意味だったよ。たまりませんな全く(←白目))

 

「にゃー?何を考えているか知らないにゃけど、そんなに早く骨から肉が剥がれる音を聞きたいのかにゃー?」

 

「エグいよアズにゃん!?」

 

 想像したより10倍ヤバかったです、ハイ。

 

 己の想像力の無さを痛感しつつ、アズリールに顔を上げ、視線を向ける。アズリールはしばしの間、絶対零度の視線光線を私に浴びせ続け、盟約により手が出せないことに、冷め始めた理性で気づいたのか、ため息をついて口を割る。

 

「はぁー、で、うちは何をすればいいのかにゃー?次余計なこと口走ったら帰るにゃよ?」

 

「ハイ。スミマセンデシタアズリールサマァ!!」

 

 盟約で殺されないとわかってても、本能で従っちゃう。悔しい!!でも、死にたくないのぉ!!

 

「それじゃあ…何から始めよっかねぇ…。」

 

 唐突に現れたアズリールが協力してくれると言う。それだけで、今まで考えていた策の穴を一気に埋められる。さて、どの策を試そうか、そんなことを考えていると、アズリール。

 

「にゃー?何を言ってるにゃ?今すぐ穴から飛び降りてジブちゃんに死んで詫びればいいにゃ。」

 

「…RTAやってる訳じゃないんだけどなぁ…。」

 

 まさかの策が、『策に出来てた穴に真っ向から飛び込んで死ね!』というものである。速攻で即効の方法をご所望のようで、早くジブリールの甘い言葉に溺れたい様子のアズリール先輩。

 

(…まぁ、代償になってる俺の命については、気にも留めてないようですがねぇ…。)

 

「というか、取り戻そうとしてる存在が死んで侘びに来たら元も子もないんじゃ?」

 

「その時はジブちゃんも諦めて、悲しみという心の穴を埋めにうちの胸を借りに来るにゃ!だからさっさと飛び死ねにゃぁ!!この泥棒猫ォ!!」

 

「…ジブリールが俺の死に"悲しみ"を覚えてくれると…?」

 

「…はっ!?そうにゃ!?こんな猿モドキの為にジブちゃんが泣いてくれる訳無いにゃぁ!?くそぅ…泥棒猿を消してジブちゃんを独り占めにするうちの計画がぁ!!!」

 

「結局私利私欲のためじゃないですかーやだー!!?」

 

「にゃーーー!!!私欲だろうと死体だろうと、お前が戻ればジブちゃんも元に戻るにゃ!!早く飛び降りろにゃぁ!!」

 

「…。」

 

(うーむ。こりゃダメだ、聞く耳持たずって感じだな…。)

 

 プンスカと私欲に駆られて荒事をつきつけてくるアズリールさん。目の前に垂らされたジブリールからの愛に盲目模様だ。

 

(はぁ…でも、それで解決するなら、それはそれでアリか…。)

 

 "現状を知らない"…かつてジブリールが恐れなかった"未知"の恐ろしさを知らない。もしくは、ジブリールから聞いていても理解できないアズリールに、今はお灸を据えてみることにした。

 

「…じゃ、やってみる?」

 

「にゃー?ようやく覚悟を決めたのにゃ?じゃ、張り切って死ぬにゃ♪」

 

「よーし、人生初の飛び降り自殺だ!シュウ、いっきまーす!!」

 

 

 

あーーーいきゃーーーん…フラァァァァァァイ!!!

 

 

 

 家の床を盛大に蹴り、次元の狭間を通り抜け、ジブリールの元へドラゴンダイブをかましにかかる。

 

 重力という名の加速器に後押しされ、急速に地面への距離を縮めていく。

 

(うーむ…。盟約通りなら無事なんだが…。)

 

 今まで、ステフに会おうと思ってやって来たことを根拠に、この飛び降りは"何事もなく終わる"と結論づけている…が、

 

(やっぱり飛び降りなんて怖いわぁ!!)

 

 一瞬意識が遠のくのを感じ、それが引き金になったのか、一気に恐怖が湧き出した。

 

(む、無理無理無理無理無理無理ィ!!!い、命綱無しとか無理ィ!!)

 

『助かる』という保証のないバンジージャンプ程、怖いものは無いわけで、

 

(はっ!!あの考えておいた『セリフ』を…っ!!)

 

 飛び降りの直前、『あ、これヤバくないか?』と思い、一瞬で練った『別の策』を投じる。

 

「さぁジブリールよぉ!!俺に抱きつかれるがいいわぁ!!」

 

 そう言いながら、私服を脱いでいく。…()()()()()

 

「にゃぁ!?しまったにゃぁ!!あいつ、死ぬんじゃなくてジブちゃんを襲う気にゃとぉ!?ジ、ジブちゃんに指一本触れさせないにゃあ!!!」

 

(無事に釣れたか…。)

 

 "ゆうかん"な『ドラゴンダイブ』を"すけべ"な『ル○ンダイブ』へと変更したことにより、ジブリールの身の危険を暗示させる。それにより、ジブリールに辿り着く…まぁ、俺が地面に突き刺さる前に、アズリールが捕獲してくれるという保険を作って置く。

 

(ま、間近で見てもらったほうが、良いってこともあるんだよな…。)

 

 と、ジブリールの光輪が手に届きそうな距離まで迫った瞬間、

 

 

 

 

 

ギィィィンッ…!!

 

 

 

 

 

「な、なんにゃ…なにが起こってるにゃ!?」

 

 

 

 その時…俺とジブリールの時が止まった。

 

 

 

 

 

■■■

 

 

 

 

 

 

「さて、説明してもらおうかにゃー?」

 

「説明って言ったって、全部見てたんでしょ?百聞は一見に如かずって言いますし?」

 

「はぁ?そんな言葉知らないにゃ。『百の見聞、一殺に如かず』って言葉ならあるにゃ。」

 

「相変わらず物騒な迷言集だこと…。」

 

「殺さないだけマシだと思えにゃ。百の見聞で許してやると言ってる今がチャンスにゃよ?それよりも…。」

 

「はーい!!盟約提示をさせていただきます喜んでぇ!!」

 

 生命の危機を感じ取ったので、素早く盟約が書かれた書簡を渡す。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

『一つ、『  』、及び『  』の指定する関係者との接触・会合・会話を禁ずる。』

 

『二つ、上記の行動を試みた場合、両者の意識を遮断する(生命は維持される)。』

 

『三つ、原作における、ゲームに関する知識の流布、伝達を禁ずる。』

 

『四つ、盟約の内容の決定、変更、及び破棄の権利は『  』のみが持つものとする。』

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「はぁ…ん。だからあの時ジブちゃんも気絶してたにゃね…。」

 

「そ。これが盟約を決める前に聞かされた、盟約の概要ね。」

 

「ん?どういうことにゃ?」

 

「つまり、今この盟約は変更されてる可能性が高いってこと。」

 

「はぁ?」

 

「本来『  (くうはく)』の関係者であるライラと普通に話せてるのがその証拠。一つ目の盟約の枠から後でライラが外されたってことだ。」

 

「ほーん…。でも、変更がどうとか関係無いにゃ。そんな盟約を交わされてちゃ、な~んもジブちゃんにできないことに変わり無いにゃ。やっぱり死ねにゃ。」

 

「そんなに結論を急がないでくれよアズにゃん…。」

 

「にゃー!!だったらどうするにゃー!!その『  (くうはく)』とやらを冥土に送ればいいのにゃー!?」

 

「いや、ちょっと脅すくらいでいいんだけど…。」

 

「にゃー?うちが全力でやれば、ヘコヘコ頭下げて命乞いするんじゃないのかにゃー?」

 

「ジブリール相手にそんなことしてなかったし、アズにゃん相手でも怯みはしないよ…あの二人なら。そもそも、こっちはジブリールと話すための許可をもらいに行くだけなんだから。」

 

「ほー?でもどうするにゃ?脅しの内容が『原作の知識』だとしたら、『盟約』によって伝えられないから無理にゃ。」

 

「そりゃ盟約に書かれてる方法で伝えるのは無理…。だけど、それ以外にも『知識』を伝える方法があるとしたら?」

 

「にゃー?それ以外ぃ?」

 

「ふっふっふ。まぁ、これが人類種(イマニティ)の為せる技ってね。さて、あとは"領土侵犯"の問題だな…。」

 

「領土侵犯?それがどう関係するにゃ?」

 

「いや…とある人のところにアズにゃんの次元の穴を開通させたいんだけど、許可がいるじゃん?『十の盟約』によってさ?」

 

「あー、そういうことにゃーか。」

 

 そう、そもそもなぜここにアズリールが来れたのか。今現在エルキアに侵入できるのは人類種(イマニティ)獣人種(ワービースト)のみ。その他の吸血種(プラム)天翼種(ジブリール)水棲種(ライラ)森精種(フィー)は特例扱いでエルキアにいる事を許されている状態だ。

 

 だが、原作でもあったように、空達が巫女様のところへ転移する際、巫女の許可した範囲…いわば、天守閣内だけは侵入が可能になった。

 

 だから、この家の空間…というより、自分の部屋の領域だけを『誰でも入って良し!…というか、早く来て!!』状態にしておくことで、アズリールが直接ここへ来れたというわけだ。

 

「と言う訳で、その人から許可を取るよう連絡してくれる人が欲しいんだが…。」

 

(なかなか想像するだけで遠いんだよなぁ…。俺が直接伝えるわけにもいかないし…。)

 

 と、そんなことで悩んでいると、

 

「それならそこにいるにゃ。」

 

「あ?…あっ!!」

 

 アズリールの指差す先に居たのは、未だ水瓶の中で気絶しているライラだった。

 

「おいライラ!!いい加減起きろ!!」

 

「…はっ!?何!?ダーリン!?もしかして私を虐めてくれるの!?辱めてくれるの!?」

 

「いや、お使いを頼みたいんだが…。」

 

「いじめる!?いたぶる!?」

 

「…あぁー、すごい不安だなぁ…。」

 

 目をキラキラ輝かせて見つめてくるライラに、"お使い"をきちんと遂行できるか不安になってきたが、

 

「…で、こいつをどこに落とせばいいにゃ?」

 

 『そんなことに期待するな。』と、もう落とす準備満々なのか、ライラの方に手をかざして聞いてくるアズリール。

 

「え…あーうん。じゃあ…。」

 

 とりあえずライラに言わせるセリフは置いといて、場所の指定だけ先に伝えておこう。

 

(まぁ、取り敢えず伝わればいいか…。)

 

 できるだけ言わせるセリフを短く、簡略化を重ねておこう。

 

(んじゃ、行動開始と行きますか!!)

 

 そして、その場所の指定を皮切りに、動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「東部連合上空でお願いします♪」

 

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