2回目である その1
セブルス・スネイプは2回目である。1回目の人生は、ある意味で英雄ハリーポッターよりハードモードだった。それをもう一度やれと?冗談ではない。もう既にこっちは燃え尽きた。今更、あの馬鹿コンビ+人狼+裏切りネズミとやりあって、ダブルスパイやって、ハリーを裏で守る?知らなかったから人生を駆け抜けられたが、知った上でやり遂げられるか!!
そういう訳で吾輩は早々に退場することにした。そうすれば、リリーも無事だ。吾輩が関わらねばリリーは安全なのだ。方法は容易である。未成年の魔法使い保護をしてくれるナイトバス。
ナイトバスでプリンス家に直行した吾輩は、プリンス当主にごり押しして面会し、1回目の記憶を開心術で見てもらった。結果、プリンス当主は吾輩を引き取ったのだ。
勝った!!吾輩は思わず拳を握った。
プリンス家は名家だった。吾輩が思う以上に。屋敷には大量の魔法書、専用の薬草園、この薬草園以外でもプリンス直営の薬草園がいくつもあった、大きな屋敷以外にもいくつもの別荘、そして大量の荘園。貴族の所有財産は小市民の吾輩にはキャパオーバーだ。貴族、怖い。
レギュラス・ブラックは2回目である。2回目であるから、人生に過度な期待はさらさらない。期待するには1回目がハードモード過ぎたのだ。だから、妙に達観して、変に擦れていて、全部が全部助けられるなんて傲慢な考えは持っていない。助ける人は厳選するしかない。
まずは、ハウスエルフのクリーチャー。それからスネイプ先輩、以上。
両親は寿命なので助けようがない。実兄は―――あれは僕の手には負えない。どうにか出来るならば1回目でどうにか出来た筈だ。あの時も実兄に対して努力はした。もう今回は見限らせてもらう。あの時の努力はクリーチャーとスネイプ先輩の方に回そう。絶対にそっちの方が有意義だ。
クリーチャーは僕が闇の勢力と近づかなければ問題ない。いっそ、イギリス魔法界を捨ててヨーロッパか、いや、近すぎるな、アメリカ移住を進言しよう。ブラック家断絶より、よっぽどマシ。魔女狩りの歴史があるのだ、生きている方が勝ちという価値観はある。それに、これは逃亡ではない。戦略的撤退だ。闇の帝王は同じ位の曲者ダンブルドアに押し付けて、好きなだけ潰しあってくれ。イギリス魔法界の王ブラックは高みの見物といこうじゃないか。
そうなれば、スネイプ先輩だ。先輩を早いところ回収保護せねば。先輩の才能を今回こそ素直に邪魔されず伸ばすのだ。
ダンブルドアの箱庭ホグワーツに先輩を入学させるものか。僕も先輩もアメリカ魔法界の学校・イルヴァーモーニー魔法魔術学校に入学する。あの馬鹿兄がいないだけでどれだけストレスがないことか。あの兄のせいで僕がどれだけ肩身の狭い思いをさせられ、頭を下げて回ったことか。今でもむかむか腹が立って仕方ない。
フランク・ロングボトムは2回目である。一人息子ネビルを置いてアリスと共に亡くなった1回目を―――。残念ながら、それ以降の歴史の流れは分からない。しかし、1回目の記憶がありながら、同じ道を進むことは出来ない。
ロングボトム家は光派閥有名名家だ。しかも1回目は魔法省との繋がり強化もあって夫婦で闇祓いになったが、ロングボトムの全てを幼いどころか赤子のネビルに押し付けてしまった。それも、自分たちが闇の帝王側に目を付けられてしまったから。慎重に動く必要がある。まず闇祓いにはならない。また、実力を隠し凡庸を装う。闇との戦いは激化するから力は必要だが、それを知られてはならないのだ。これには母オーガスタに相談し、力を貸してもらおう。
今後のロングボトム家の将来がかかっているのだから。