嫌々ながら魔法少女になりました   作:紙吹雪

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今回すっこい悩んだ所為で更新延期するか悩んだゾ。

お陰で本編結構短めだゾ。



魔法少女と青マフラー

 

 先に仕掛けたのは青マフラーの子だった。その子は私に向かって斬り掛かる。

 

 私はその斬撃をなんとか見切って反撃に転じて槍を振るう。しかし、付け焼き刃の技術ではどうやら目の前の相手には通用しないらしく、容易く躱された。

 

 ええい、まどろっこしい。やはり私には槍みたいな長柄の武器は向いていない。

 

「はぁぁ!」

 

「えっ、ちょ!?」

 

 私はバックステップで距離を取ってから槍を投擲する。困惑と驚きの混ざった声は青マフラーの子ではなくエリーの声だ。ただ、青マフラーの子も多少は驚いたのか表情がやや動いている。まあ、見事に避けられたが。しかし、マジでこの回避能力はなんなんだ? 攻撃が逸れて行くような感覚すら覚える程に当たらない。

 

「エリー、このままじゃ埒が明かないぞ!」

 

「うん……これは正直やばいね。私が精魂尽き果てるつもりで全力で相手しても勝ち目が薄い気がする」

 

 あのエリーがそこまで言うか……逃げることも視野に入れるしかないか。

 

「っ来るよ!」

 

「【超加速】!」

 

 青マフラーの子は気が逸れた一瞬で私の懐にまで踏み込み、短剣を振るって私の背後にまで駆け抜けた。振われた短剣は見事に私に命中してダメージを与える。

 

 だが、私は痛みに耐えて渾身の回し蹴りを背後に向けて放つ。絶対に一発入れてやらぁよ!

 

 

 ——私はこの時失念していた。ダメージを受けると、元の姿に戻ってしまうことを。

 

 ——そして、あの忌々しく愛らしい装備はミニスカなことを。

 

「うぇぇ!?」

 

 姿が変わって瞬く間もなく背が約30cm程縮んだ私の姿を見てか流石の青マフラーの子も驚愕の声を上げる。しかし、驚きながらも私の後ろ回し蹴りをきっちり屈んで躱して……ん?

 

 

 

 ……………………

 

 

 

 青マフラーの子は再び距離を取って私達に対峙する。

 

「その格好は……もしかして、貴女は第一回イベント七位の」

 

「一つ、聞きたいんだが」

 

 私はその質問を遮って低い声で話し出す。

 

「な、なんでしょう?」

 

「見たか?」

 

 私の質問に青いマフラーの子は目を逸らした。

 

「……お前、名前は?」

 

「ええと……」

 

「名前は?」

 

 私は怖い顔を作りながらゆっくりと歩み寄る。

 

「いいか、私は何度も同じことを繰り返すのは好きじゃあない。同じ質問を何度もさせるな。次で最後だ。名前は?」

 

「サリー、です」

 

「よし。それで、先程は見たのか?」

 

「あの、えと……何がですか?」

 

「……私に言わせたいとは良い度胸をしているなぁ? え?」

 

「は、はい! あの、なんか暗くて下着までは見えませんでした! 多分システム的に隠されてるんだと思います!」

 

「ほう、そうかそうか……」

 

 思えばそこまで確かめた事はなかったな。なるほど、そうなっているのか……いや、待てよ?

 

「下着まではってことは他のものは見えたのか? ん?」

 

「え、いや、その……」

 

「あぁん?」

 

 私はサリーに顔を寄せて凄んで見せる。

 

「……太ももまでは見えました」

 

「ほう」

 

「……その、体格の割に健康的だなぁと思いました」

 

「ほう、チビの割には太い脚だったと」

 

「そ、そんなこと言ってませんよ!?」

 

「口答えするな」

 

「……」

 

 サリーは黙り込んだ。

 

 私はコンソールを弄りながら傍観していたエリーに話しかける。勿論、視線はサリーに向けたままで。

 

「おいエリー、垢BANってどうやるんだ?」

 

「う、ウッス! 一番下のやつッス!」

 

「ちょ、待っ……!」

 

 なるほど……うん、あった。あったけど押せない。ダメなのかよ。

 

「……仕方ない。おい、サリーと言ったな」

 

「は、はい」

 

「ちょっとだけで良い。私達のメダル集めに協力してくれないか?」

 

 私はサリーに向けてそう提案した。サリーは若干面食らった様子で眼をパチパチしている。

 

「私だって鬼じゃあない。お前の持っているメダルを寄越せとまでは言わないさ。だが、手伝ってくれるくらいは構わないよな? どうせお前もメダルが目当てで私達に挑んだのだろう?」

 

 私は笑顔でそう話しかける。

 

「……あの」

 

「勿論、良いよな?」

 

「……はい」

 

 よし、なるべく穏便に済みそうで何よりだ。

 

「よぉしよしよし。これからしばらくはお前と私達は仲間だ。なぁ、エリーも構わんだろう?」

 

「ッス! 勿論ッスよ姉貴!」

 

「誰が姉貴だ……」

 

 さっきからエリーのその口調はなんなんだ? 舎弟みたいな口調しやがってよ。

 

 ふむ、この場はどうにか切り抜けられたな……まともにぶつかって例え勝てたとしても正直消耗が激しいだろうからこうした方が結果的に得する筈だ。

 

 

 いや、本当はここまで怒るつもりはなかったんだけどな?

 

 何と言うか……途中から若干ロールプレイっぽくなったと言うか……何だか私の学生時代を思わせるやり取りになってしまったな。こればっかりは私の悪い癖だな。すぐカッとなってしまう。

 

 別にあのくらいで怒らなくても良かったと思う。サリーは同性なんだし別に恥ずかしくは……いややっぱり恥ずかしい。事故とは言えども。

 

 思えば、あの頃もあんな風に振る舞っていたから周囲からは……いや、思い出すのは辞めよう。もうあの頃の私は卒業したのだ。無理に思い出す必要もないだろう。

 

 サリーには後で謝らないと。そんな機会があれば良いんだが……

 

「取り敢えず、自己紹介しようか。私はソラノ。ご存知の通り第一回イベントでは一応七位だが、まだまだ初心者なつもりだ。よろしく頼む」

 

「いや、さっきの蹴りとか完全に戦闘慣れしていたような……」

 

「何か言ったかエリー?」

 

「ッサー! 何でもないですサー!」

 

 それは軍人か? それだと私が男になると思うんだが……まあいいか。

 

「ほら、次はお前だエリー」

 

「あっはい。エリーです。槍が得意ですはい」

 

「……なんかいつもと調子違わないか?」

 

「いやソラノが怖いからだよ!?」

 

 いきなり大きな声出すなよ……耳にキーンと来るじゃないか。仕方ない、ここは軽い感じで注意しよう。

 

「おい……」

 

「ひゃい!? す、すいません生意気言ってなんでもしますから!」

 

「お前なぁ……いつもヘラヘラ笑って受け流す癖に今日はどうした?」

 

「さっきのソラノ、まるでヤンキーかヤクザみたいだったもん! めっちゃ怖かったもん!」

 

 エリーはいつもは余裕そうな顔をしているのに今は本気で怯えた表情をしていた。そんな顔されると私は傷つくんだが……

 

「……ほら、サリー。自己紹介してくれ」

 

「あ、はい……」

 

 取り敢えず、自己紹介を終わらせてから対処することにした私はサリーに自己紹介を促した。これまで黙っていたサリーはエリーを見ながら少し考え事をするかのように俯いていたが、私に声を掛けられるとハッとした表情で自己紹介を始めた。

 

「私はサリーです。えっと、回避能力には自信があります」

 

 うん知ってる。

 

「あの、敬語とか使った方がいいでしょうか?」

 

 主に私を見ながらサリーはそう問う。

 

「……あまり年齢の話はしたくないが、これでも私は社会人だが?」

 

「えっ……!? あ、いや、その……」

 

 ……もしかしなくてもサリーもエリーと同じで怖がってるのか。

 

「何、そう怯えるな。言われ慣れてるから気にしなくて良い」

 

「あ、はい……分かりました、ソラノさん」

 

 ……完全に萎縮しているなこれ。道すがらに頑張って訂正するとしよう。

 

「それじゃあ、三人で仲良くメダル集めと行きますか。因みにだが、私達が必要なメダルはあと二枚だ。君はあと何枚必要なのかな?」

 

「同じく二枚、です」

 

「そうかそうか。なら、頑張って四枚集めようか。早速出発しよう」

 

 サリーは多分メダルを八枚持ってるってことか。あのAGIならソロでもそれくらいメダルを集めていても違和感はないかな。戦力的にも申し分ないし、いい取引ができたと思おう。

 

 

 こうして私達は頼もしい人物を味方に引き入れ、メダル集めを再開した。

 





作者は如くシリーズはエアプです。プレステ持ってないよぉ……

サリーとエリー(名前似てるな)の戦力差は大体呂布と関羽くらいのイメージです。
主人公は桐生ちゃんくらいでしょうか。どっちが強いんでしょうね?


主人公2/3
真崎 心音(まさき ここね) 。喫煙者。彼氏彼女いない歴=年齢。ただ、初恋は経験済み。もれなく散ったけど。
当初は某寮長よろしく真面目系で行く予定だったが考えてるうちに元ヤンへと変貌した。
リドル寮長からデュース君に劇的ビフォーアフター
中学校〜高校は札付きの不良生徒として知られていた。
その理由は他校のヤンキーから自校の生徒を守る為に日夜喧嘩に明け暮れていたから。
体格で舐められがちだったが持ち前のタフネスと漢気()で次々とヤンキー共をシメていた。
フルダイブのVRゲームがある時代に不良いるのかよ
しかし、自分の通う学校に喧嘩売るヤンキー共と地元のチンピラ達を全員シメた時には教師も含めて皆畏怖の目で見られていた。
その為友達は全くいない。舎弟は呆れる程いたが。
噂が噂を呼んで流言飛語が飛び交い、彼女の母校では今でも彼女の伝説が語り継がれている。多分異名とか広まってる。
……本人は売られた喧嘩を買っていただけで、勉強は真面目にしていたし成績も悪くなかったことを知っているのはごく一部の人間のみである。現在は真っ当な仕事をして働いている事に関しても同じく。
その学校は現在どっかのラスボス系主人公やPSガチ勢が通っているらしい。

社会人となった今では学生時代にできなかったおしゃれ等の女の子らしい事に憧れを持っている。
大人になったら色々チャレンジしてみようとは思っていたが……流石にいきなり魔法少女コスはハードルが高かったようだ。
ゆりえとは初めて出来た友人。


どうでもいいですが

エリーの装備=カボチャパンツ
ソラノの装備=太ももまでくっきり見えるがそれ以上はどれだけ照らしても暗くて見えない

こんな感じです。


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ぶっちゃけどのお方の登場を期待している?内容によって色々考慮します。

  • 白夜
  • 終末鳥
  • 赤い霧
  • 調律者
  • 蒼星様
  • 盲愛様
  • 黒い沈黙
  • ドンファン
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