嫌々ながら魔法少女になりました   作:紙吹雪

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うわーん、バーの色ががが……

低評価でも良いとは言ったけど
やっぱりへこみはする(´・ω・`)



魔法少女と合流

 

 サリーを加えて三人でメダル集めを決行した夜がようやく明けた。

 

 そりゃもうめっちゃ疲れた。一徹したからな。もう目がチカチカして開けているのも辛いくらいだ。朝日がいつも以上に眩しく感じられる。

 

 メダルはなんとか無事に目標枚数である四枚を集められた。サリーとエリーが敵を誘き出して狭い地形に誘導したタイミングで放つ【アルカナスレイブ】は思いの外爽快だった。誤って味方に当たってもダメージが無いのが大雑把なところのある私にとっては助かる点が多い。これがなかったらもしかするとエリーとサリーが死んでたかもしれない。

 

 ……本人達に言うと微妙な顔されそうだから口にはしないけどな。また怖がられるのは嫌だし。

 

 そうそう、メダル集めをするにあたってローブを被っておいた。やっぱりあのミニスカ姿の魔法少女コスプレはキツすぎる。

 

「やっと集まったぁぁ……これだけ頑張ってやっと四枚かぁ」

 

 エリーが魂が抜けかけてそうな顔で虚空を見つめながらそう呟いた。折角美人なのにそんな顔してたらとか注意しようとしたが、今更なので辞めておいた。

 

「うーん、やっぱり運が良くないと見つけられないんじゃないでしょうか」

 

 サリーは一仕事終えた感じの表情をしている。これが若さか……ちょっと違うか。

 

「はいはい、お疲れさん」

 

「うん、ソラノもお疲れ様」

 

「ああ。サリーもな」

 

「はい。えっと、これからどうします?」

 

 サリーがそう問いかけてくる。結局メダル集め中は謝れなかったな……私が怖い人だと誤解を与えたまま別れるのは何としても阻止したいところだ。

 

「……サリーはどうするんだ?」

 

「え? えっと……実は……」

 

 サリーによると、友人を待たせているらしい。これまで集めたメダルはその友人に託していて自分一人でメダル集めをする予定だったとか。ふむふむ、なるほど。

 

「そう言うことか……もし、その友人と合流したらその後はどうするつもりだ?」

 

「うーん……これ以上メダル集めするのは無理そうだし、目標の枚数に到達できたのでそのまま待機するつもりです。集めたメダルを奪われるのも嫌ですし」

 

 まあ、道理だな。メダルは十枚で一つのスキルや装備と交換できるって話だしそりゃそうするだろう。メダルを奪われる危険性に関しても言わずもがなだ。

 

 しかし……これはある意味チャンスだ。

 

「なら、丁度良い。私達も付いて行っていいか?」

 

「え?」

 

「私達もサリーと同じ予定だったからな。エリーも良いよな?」

 

「私は構わないよ。サリーちゃんの友人もちょっと気になるし!」

 

 うん、エリーはいつもの調子に戻ったな。立ち直りが早いのもこいつの長所ではあるな。

 

「勿論、サリーが嫌なら断ってくれても構わない。

 

「……えっと、付いて行く理由を聞いて良いですか?」

 

 むう、ここは何て返そうか……よし決めた。

 

「なんとなくだ」

 

「え? ……は、はぁ」

 

 不味い、失敗した。完璧なセリフだと思ったのに。

 

「で、返事はどうなんだ?」

 

「……分かりました」

 

 ……あれ、余計に怖がられただけの結果になったんじゃ?

 

 ……後で謝る回数が増えたと考えよう。でも、エリーに相談するのは避けたいな。絶対一ヶ月くらいの間は揶揄われるし。

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 私達がサリーに案内されて到着したのは洞窟だった。この中にサリーの友人がいるのか。

 

「そう言えば、サリーの友達ってどんな奴なんだ?」

 

「はい、名前はメイプルって言って……」

 

「ん、メイプル?」

 

「あれぇ? その名前ってたしか……」

 

 私がエリーと向き合っていると……洞窟内で狐と亀と一緒にいるメイプルの姿があった。サリーの友達ってこの子のことだったのかと納得するべきか、その二匹のモンスターはなんなのかと驚くべきか、反応に迷っているうちにメイプルが私達に気付いて駆け寄ってくる。AGIがゼロなのか滅茶苦茶遅いが。

 

「あ、おかえりなさい……あ、貴女はたしか!どうしてここに?」

 

「え? メイプル、この二人と知り合いなの?」

 

「うん。この前ちょっとすれ違ったっきりだけど、また会えましたね!」

 

 うーん、この子……メイプルとは付き合いやすいんだけどなぁ。いや、この子が特別交流し易いだけか。

 

「ああ、そうだな……サリーとはメダル集め中に出会ってな」

 

「へー、そうなんだ」

 

「まあ、最初は戦闘になったけどね」

 

「えっ、そうなの!?」

 

「あー、それに関してはすまなかったな。まあその後訳あって協力してメダル集めに勤しんだ訳だが……」

 

 私がそう言うと、メイプルはハッとしたような表情になってサリーに質問する。

 

「メダルはどう? 集まった?」

 

「うん、なんとか二枚集まったよ」

 

「すごーい! これで二十枚達成だね!」

 

「む、そっちもか……あと、気になってたんだがその二匹のモンスターについて聞いてもいいか?」

 

 私が二匹に指を指して尋ねる。狐の方は今はサリーの肩に乗っている。なんか可愛いなこれ。、

 

「ああ、それはね——」

 

 メイプルが質問に答えようとした時、洞窟の入口の方から足音が聞こえてくる。私は一応杖を入り口側に向けて洞窟に入り込んだ侵入者が現れるのを息を殺して待つ。

 

 私と同じようにサリーとエリーは武器を構えたが、メイプルはのほほんとしていた。

 

 やがて現れたのは、刀を腰に差していている和装の女性だった。黒髪長髪の大和撫子で桜色の着物がよく似合っている。ああ、身長はそこそこあるな。あと、胸も結構。

 

 そんな女性と遭遇したのだが、

 

「カスミ!?」

 

 と言った。サリーのこの反応からして、どうも知り合いのようだ。

 

「どうしたのこんなところで?」

 

「最終日を前に対人戦が横行していてな。少し身を隠そうと思ってな。そして……」

 

 カスミと言うらしい女性は私達二人に視線を向ける。初対面なんだから、そりゃそうなるよな。

 

「はいはーい! 私はエリー! よろしくねカスミ!」

 

「うむ……うん? 失礼だが、何処かで——」

 

「さ、さ! ソラノも自己紹介して!」

 

 いや、カスミが言いかけていたことが気になるんだが……こいつ人の話を遮って。でも、なーんか事情ありそうだしここはそっとしておいてやるか。

 

「……ソラノだ。よろしく」

 

「ソラノ? たしか、第一回イベント七位の……」

 

「そうだな。何か?」

 

「いや……なんでもない」

 

 絶対ローブを被っているこの格好について聞きたかったに違いない。ただ、なんとなくあの格好は恥ずかしいのだろうと察したのかカスミはその辺りをノータッチでスルーしてくれたようだ。

 

 それから、一応釘を刺しておこうか。

 

「……先に言っておく。あまり年齢の話をするのはマナー違反なのは承知しているが、これでも私は社会人だ。あまり、子供扱いはしてくれないように」

 

「む……そうなのか」

 

「ああそうだ」

 

 うん、カスミは物分かりが良くて助かるな。サリーもなんとなく察しているだろうからこれで問題ないだろう。

 

「へー、そうなんだ……」

 

「うん。その、怒った時はすごい迫力があって……

 

 うん、まだちょっと怖がられているみたいだ……小声で言ってることに反応したら更に怖がらせそうなのでスルーした。

 

「ふーん……あ! ソラノさんって呼んだ方がいいですか?」

 

「別に年功序列がどうのこうの口うるさく言う気はないが……そうしてくれるとありがたいな」

 

 メイプル、めっちゃ良い子だな。生憎私は一人っ子だがこの子のような妹が欲しかったものだ。

 

「そうだ、皆で隠れてようよ! こっちこっち!」

 

 そう言ってメイプルはこの場にいる全員を自分の背後に下がらせる。一体何をするつもりなのだろうと言う私の疑問はすぐに解消された。

 

「【毒竜(ヒドラ)】!」

 

 メイプルは毒の魔法らしきスキルを洞窟の入り口方向に向けて放った。洞窟内は毒まみれとなって毒耐性がない者が足を踏み入れるとすぐにHPバーが尽きるであろうデスゾーンが展開されてしまった。

 

 ……たしかにこれで侵入者避けにはなるだろうが。何というか……発想が……いや、考えないようにしよう。

 

「これで誰も入って来れないよ!

 

 ……そうだな。なんだか、この子が凄い大物に見えて来たぞ。やれやれ……

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 そして、私達はイベント終了まで一緒に暇潰しをすることになった。イベント中起こったことを語り合ったり、オセロなんかをしたりと思っていたよりも楽しい時間となった。

 

 二匹のモンスターはメイプルとサリーがテイムしたモンスターらしい。そんなことできるのかと思い、エリーに聞いてみたところ「運営が今後実装する可能性はある」とのことだ。二人は強力なボスを倒して二つの卵を入手し、その卵が孵化して生まれたモンスターをテイムしたらしいが、それはレアケースなのだろうとかなんとか。

 

 カスミとの関係を聞いてみたところ、イベント中に偶然協力しないと脱出できないダンジョンに強制的に巻き込まれた時にフレンド登録したんだとか。なるほど、私とサリーみたいなものだろうか……いやいや、流石にもっと穏やかな雰囲気だっただろう。

 

 そうだ、まだサリーに謝れてないな……でも、この場で謝るのも見ている人数が多くて恥ずかしいな。どうにかして自然に二人っきりにならなくては。

 

 しかし、そんなタイミングは中々訪れずにイベント終了時間は迫っていく。イベントが終わった後もメイプル経由でサリーに会えなくはないだろうけど、出来ればイベント中に済ませておきたいところだが……ぐぬぬ。

 

 このままではチャンスを得ることなくイベントが終わってしまう。

 

 こうなったら……自分から言い出すしかないだろうな。

 

 よし……今やっている大富豪が終わったら切り出すとしよう。しかし、初めてやったが面白いなこれ。

 





謝ろうと思っていてもプライドが邪魔して謝れない。
素直に自分の気持ちを相手に伝えられない。
そんなこと、Aなたにもありませんでしたか?

今回は一話に纏めようとすると長くなりそうなので断腸の思いで分割しました。


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ぶっちゃけどのお方の登場を期待している?内容によって色々考慮します。

  • 白夜
  • 終末鳥
  • 赤い霧
  • 調律者
  • 蒼星様
  • 盲愛様
  • 黒い沈黙
  • ドンファン
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