嫌々ながら魔法少女になりました   作:紙吹雪

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今更ですが今作の魔法少女のイメージについては某ゲームの魔法少女から取っています。
知っている方にとっては「だろうな!」って反応でしょうけどw

ソラノは別にヒステリーを起こしたりはしません。
ツッコミに奔走したりウギったりはします。
ソウルジェムが濁ったりブロットが溜まる事はあっても、
魔女化もオーバーブロットもしませんのでご安心を。




魔法少女とイベント結果

 

「ふぅ……全体を一掃出来たな」

 

 あれだけ居たプレイヤーが誰も残っていない。通狭い地形だったのがデカいな。うーん、まるで掃除を終えた後のような爽快さがあるな!

 

 ステータスダウンはたしか三分間だったか……その間誰にも襲われないといいけど。流石に全ステータスが三割下がっている状態で戦闘するのは怠い。

 

 一応周囲を警戒しながらマップを確認する。さっきまでは確認する余裕がなかったからな。万が一先程あの小っちゃいドラゴンが言ってた3人が近くに居たら厄介だからな。

 

「3人とも私のいる位置からは遠いな……」

 

 1番近い三位の人でも【フレアアクセル】使っても一時間で到着できるかどうかってところだろうか。まあ行く意義は薄いと思うけど。三位の人だってジッとはしないだろうし仮にその場から動いていないくても到着する頃には時間切れになるだろう。

 

 これは運が良いと捉えておこう。あれだけの中から生き残っているトッププレイヤーと戦って勝てる自信はない。私の戦闘スタイルって回復主体でどちらかと言えば支援中心だから……自己回復もできるからそこそこ戦えているってだけで。本来パーティを組んで真価を発揮するタイプなのだ。今回のイベント内容だとぶっちゃけ不向きだ。

 

「……三分たったな」

 

 ステータスは元通りになった。残り後1時間、もう一踏ん張り頑張りますか。とは言え、もうポイントは十分貯まったし守りに入るとするか。欲張って死んじゃったら余計に格好悪いからな。それに、此処からはラストスパートで皆それなりに必死になってる筈。なら、ポイントを守り切る方が得策と見た。

 

「……はあぁぁぁ」

 

 このフリフリの衣装見られちゃったな。リプレイ動画にも映るかもしれないんだよな、これ……間一髪だったから仕方がないっちゃ仕方ないんだけど。リアルで身バレとかされたら会社どうしよう……一応髪の色とか目の色は変えてるから気付かれなきゃいいんだけど。まあ私の通勤している会社はそこまで従業員が多くないし、このゲームをやっている人となるとほぼいないだろう。たった1人を除いて。

 

 そう、ゆりえだ。

 

 同僚の中でも特にゆりえには気付かれたくない。私がこんな格好してると知ったら絶対言いふらすし死ぬ程揶揄うだろうし。面倒な奴だよホント。

 

 あいつはアレでいて勘が鋭い所があるから結構不安だったりする。まあ……まさか私がこんな装備着ているとは思わないだろうし、ゲーム内での名前は告げてないから……でも、ログインされたらまずバレるよな。

 

 どうしよう?

 

「……未来の私に丸投げしよう、うん」

 

 普段なら残業がないようにキリの良いところまで進めておくんだけど、今は解決策が思い付かないし仕方ない。しばらくは適当に仕事押し付けて妨害するしかないだろう。

 

 気を取り直し、私は予備のローブを羽織り直してその場を後にした。

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

「ガオ〜! 終了!」

 

 おお、終わったみたいだ。いやはや中々に疲れたね。

 

 結局、【アルカナスレイブ】を使った後は特に何事も無かった。何回か戦闘にはなったが小規模のものだけだ。強い人とも当たらなかったし、割と運が良かったようだ。

 

「結果、1位から3位まで順位変動はなかったドラ!」

 

 へぇ……たしか一位から順にペイン、ドレッド、メイプルって名前だったかな。どんな人なんだか。バトルロイヤル中は見かけなかったからちょっと気になるかな。

 

「それでは、3位から順にインタビューしていくよ!」

 

 お、丁度インタビューを行うみたいだ。もし、私がされる側だと思ったら生きた心地がしないけど。主に服装的な意味で。

 

「メイプルさん、振り返ってみてどうだったドラ?」

 

「えっあっえっ?えっと、その、一杯耐えれてよかったでしゅ……」

 

 あ、噛んだ。

 

「ガオ〜! おめでとう! それでは、記念のメダルをどうぞ!」

 

「あ、ありがとうございましっ……やだぁもう、恥ずかしいよ〜!」

 

 あざといな……流石三位あざとい。私よりも魔法少女が似合いそうだし、叶うなら代わってやりたいところだな。ざっと見た感じ私と同じかちょっと低い身長みたいだし。

 

 ちなみに私はランキング七位だった。十位がクロムだったみたいなので、これで私もトッププレイヤーの仲間入りできたのだろうか。別に目指してはいないけど、それなりに真面目に取り組んだ結果が出たみたいでちょっぴり晴れやかな気分だ。努力の結果が数字で現れるのはいつになっても嬉しいものだ。たとえそれがゲームだとしても、な。

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

「んー……」

 

 私は自分の仕事デスクに向かい合ってゆりえに押し付ける仕事を選んでいた。どのくらいの量なら違和感の無いかつ引き受けてくれるかを考えて、このくらいなら丁度良いだろうと選び終えて一つ伸びをする。

 

「やっほー、久し振りー心音! ウチがいなくて寂しかったー?」

 

「げっ、出た」

 

 もう出張終わってたのか……もうちょいかかると思ってたんだが、こいつは仕事だけはできるからな……

 

 にしてもデカいな……胸じゃなくてな? いやまあ胸もなんだが、こいつは身長がかなり高い。私はこいつと話す時は座っていようが立っていようが見上げる形になる。

 

 それもその筈、ゆりえは痩せ型で身長181㎝の高身長に美脚持ち。スタイルも抜群で小顔に美形と来た。後は言動と性格さえよければ恋人にも恵まれているだろう。実際、黙ってれば私でも見惚れる美人ではある。合コンでも引っ張り凧でいざ飲み会の時に見た目とのギャップに驚いて男を引かせるなんて日常茶飯時だ。お陰で会社じゃよく私と合わせて凸凹コンビと言われている。なんともまあ不名誉な話だ。

 

「え、その反応は流石にウチでも傷付くよ? ぐすん……」

 

 ゆりえは分かりやすい泣き真似をしながらも私の方をチラチラと見てくる。どの顔でほざくんだか……と言うか、変人な自覚はあったのか。意外にも程がある。

 

「で、で! 結局イベント何位だったの? ねーぇ、ねぇってば、えいっやっとぅ!」

 

「ええい、耳元で騒ぐな! 変な動きをするな!」

 

 なんでこいつはこんなにも落ち着きがないんだ……これで仕事できないんだったら私はとっくに上司に頼み込んでこいつをクビにしてもらってる。まあ、こいつならたとえ頼み込んでもどうにかしてクビを逃れそうでもあるが。

 

 騒いでる暇があったら手を動かせってんだ。

 

「君がッ、順位を言うまでッ、騒ぐのをッ、やめないッッ!!」

 

「ここ職場なんだから落ち着かないとクビにされても知らんぞ?」

 

「あっはい……それで、心音ちゃん結局何位だったの?」

 

 最初からその聞き方しろよ……

 

「全く……七……十七位だよ」

 

 危ない危ない。もしもうゆりえが第一回イベントのリプレイ動画を既に視聴していたとしたら、本当の順位を言ったらすぐにバレる。私の映った映像だってあるだろうからな。

 

「へぇ、初めてにしては結構いいセン行ってるじゃん?」

 

「そうだよ。ほら、満足したか?」

 

「うん、まあ……」

 

「……?」

 

 ゆりえの奴、妙に含みがあるような気がするが……まあいいか。

 

「でね、でね! ウチも今日から《NWO》始められるんだ!」

 

「ああそう」

 

「反応薄くない!? もう少し何かこう、無いの?」

 

「無いよ」

 

 出勤お疲れ様なら言ってやれるんだがな。このノリの奴に言ってやっても調子に乗るだけだろうよ。

 

「でさ……私とパーティ組んでくれない?」

 

 ゲームでパーティなんか組んだら、何なら会った時点でほぼバレるからな。それだけは避けないといけない。

 

「えぇ……? 何でよ〜。私達、友達でしょっ」

 

「いや別に?」

 

「ガーン……」

 

 あーもう……なんでこいつはこう騒がしいんだよ。

 

「そんな事言わずに〜!」

 

「うるさい、仕事に戻れ」

 

「もう、《ソラノ》ちゃんのケチ!」

 

「いや、お前が無理を言ってるだ……け……」

 

 今、こいつは何て言った?

 

「あー、やっぱりソラノちゃん=心音ちゃんだったか」

 

「……な、何の事だ?」

 

「あ、惚けても無駄だよ? もう分かっちゃってるから」

 

 ゆりえは自信たっぷりにニヤニヤと嫌な笑みを浮かべている。もはや、これまで、か……

 

「くそっ……何故気付いた」

 

「あ、やっぱり本当だったんだ。いやーカマかけただけなのに意外と簡単に引っかかったナー」

 

「なっ……!?」

 

 は、ハメられた……! こいつ、さっきのはハッタリだったのかよ!

 

「それにしても、まさか心音ちゃんがあんな可愛らしい装備をして」

 

「わー!!? や、やめろ、言うんじゃない!」

 

「えへへ、大丈夫大丈夫、ウチの口は硬い方だから!」

 

 嘘付けよ……この会社一どころか日本一口が軽いくせに。

 

 

 

「……で、確証があった訳じゃないんだろ。何故分かった?」

 

「リプレイ動画に映ってたソラノと心音ちゃんの顔自体はそっくりだったからね。後、さっき順位答えた時に嘘付いてたでしょ? それでもしかしたらと思ってね」

 

 嘘バレてたのかよ……

 

「それで、心音ちゃんが嘘付く理由って言うとかなり限られてくる訳で……もしかしなくても心音ちゃん、あの装備隠したかったんでしょ?」

 

「まあ、な」

 

 その願望はお前の所為でついさっき見事に崩れ落ちたけどな!

 

「それでカマかけてみたって訳。でもね、心音ちゃんがソラノだと思った一番強い理由はそれじゃないよ」

 

「ん? だったら何が理由なんだ?」

 

 ふふっ、とこの前とは違った穏やかな雰囲気の笑みでゆりえは私の疑問にこう答えた。

 

 

 

「ウチが親友の顔、見間違える訳ないじゃんか」

 

 

 

 ……はぁ。全くこいつと来たら、いつも予想を超えてくるな。ただ騒がしいだけのつまらん奴かと思えば仕事はできるし勘も鋭い。酒癖が悪いかと思えば部下の愚痴はちゃんと聞いて相談に乗ってくれているようだし、意外とこいつを慕う部下も多いんだ。そのお茶らけた性格だけはどうかと思うがな。

 

「お前と言う奴は……」

 

「えへへ、もしかして感動で泣いちゃった? ククク……」

 

「……パーティは組んでやるから、とっとと今日の仕事終わらせるぞ。ああ、後一つ訂正しておくぞ」

 

「え、何?」

 

 相変わらずの間抜け面の……それでも様になって見える友人に、私はいつもと変わらぬ調子で言葉を投げかけてやった。

 

 

 

「お前とは親友じゃないくて、『大親友』な。それから……出張、お疲れ様」

 

「!! ……ふふ。心音、耳が赤いよ」

 

「……うるさい、とっとと仕事をしろ」

 

 





本来はミィ辺りとかち合う予定だったけど【フレアアクセル】鬼ごっこが始まりそうだったので却下されました。
ミィ様魔法少女衣装好きそう(こなみ)


なお、押し付けようとした仕事は無事押し付けられました。

「な、何をするだーッ! ゆ、許さんッ!」
「うるせぇ口じゃなくて手を動かせ!」


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ぶっちゃけどのお方の登場を期待している?内容によって色々考慮します。

  • 白夜
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