流星のロックマン1.5 -Cassiopeia Duo-   作:はっぽーしゅ

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みんな大好きロックマン様大活躍回。
心の中の委員長を呼び覚ましてお楽しみください。

アクションシーンは見栄えとハッタリ重視です。細かい設定やらリアリティやらはモアイフォールで粉砕しました。






第4話:ロックマン・オン・エア(またしてもヨの出番が!?)

 

 

『スバル、おいスバル!』

 

 放課後の掃除当番を終え、育田先生の科学実験に参加しようと教室を出たスバルは、突然ガタガタと震え出した自分の左腕におや?と足を止めた。

 

「ロック?」

 

 一応軽く周りを見回してから、左腕の青いトランサーを開く。通常であればメインメニューが表示される筈のその画面には、彼のトランサーに住み着いている、青い電波生命体の姿があった。

 

『スバル』

 

 足の無いオオカミ男といった風貌の、気性の荒い宇宙人。星河スバルの相棒、ウォーロックだ。

 

『学校を出るぞ。なにか妙な電波を感じやがる』

「えっ…」

 

 普段通り荒々しい口調のウォーロック。しかし、いつになく神妙な様子でもある。スバルの胸にざわりとイヤな緊張が走った。

 

「…ウィルスじゃなくて?」

 

 廊下の端に移動しながら、小声でトランサーに囁くスバル。側から見れば、友達と通話をしている普通の小学生にしか見えない。

 ウォーロックは、薄いディスプレイの中で小さく肯首した。

 

『あぁ。この電波強度、ウィルスやジャミンガーなんか比にならねぇ。間違いなく電波人間だ』

「なんだって!?で、でももうFM星人は」

『へっ、血の気の多いヤツらのことだ。残党の一人や二人くらいはいるだろうよ』

「そんな…」

 

 FM星人。電波の身体に残忍な精神を宿らせた、好戦的な宇宙人たち。彼らはFM星王ケフェウスの命令により、スバルたちが住む地球を破壊しようと様々な悪事を働いた。

 彼らの侵略行為に対して、スバルとウォーロックは力を合わせて立ち向かった。人間と電波生命体が融合した正義の電波人間、『ロックマン』として。

 ある日突然出会った二人は、様々な紆余曲折を経て共に戦う相棒となり、ロックマンとなった。

 時に迷い、時に躊躇い、時に傷つけ合いながら。ロックマンとなったスバルとウォーロックは、仲間たちと紡いだキズナのチカラで、見事FMプラネットの地球侵略を止めさせた。星の支配者たる星王ケフェウスと和解し、彼とキズナを結ぶ事によって。

 

「もう、戦いは終わったのに…」

 

 争いを好まないスバルの顔が、悲しげに曇る。

 そう、彼らとの戦いは、もう終わった。終わった筈なのだ。

 

『…だから行くんだろ、俺たちが』

 

 そんな優しい彼に喝を入れるのも、ウォーロックの役目だ。

 

『ソイツが誰かなんざどうだっていい。みんなの町でバカ騒ぎしてるバカがいんなら、ぶん殴ってでもソイツを止めて、みんなを守る。それが俺たち"ロックマン"だ。ちがうか?』

 

 ウォーロックの赤い瞳が、スバルの胸に眠る強さと熱さに火を点ける。

 ——そうだ、ボクは守りたい。みんなを、友達を、家族を、ブラザーを。

 

『守ろうぜ、スバル。俺たちが守ったこの町を、この星をよ』 

「…うん!」

 

 力強く頷いたスバルの瞳には、明るい光と確かな熱が宿っていた。

 誰かを守りたい。その想いを原動力に、星河スバルは流星となる。

 

 

 

 

 矢の様に学校を飛び出し、ウォーロックの感知能力が示す先へと駆けつけたスバル。そこで目にしたのは、正に地獄と言うべき破壊と悲鳴の嵐だった。

 

「これって…!?」

『ひでぇな…!』

 

 暴走したクルマたちが、コダマタウンの道路という道路でピンボールの様に跳ね回っている。破壊された消火栓が間欠泉の様に水を吹き散らし、へし折れた電子看板がバチバチと火花を飛ばしている。歩道には逃げ遅れた人々がひしめき、目前に迫るくろがねの暴威に慄いていた。

 助けを求める人々の、悲痛な叫びが耳をうつ。スバルの中で、カチリと何かが切り替わった。

 

『妙な気配は後回しだ、いくぞスバル!』

「うん!」

 

 少年から戦士の顔へと変わったスバルは、ウォーロックが宿る左腕を高らかに掲げた。この惨状から人々を、みんなを救う為に。

 

「電波変換!星河スバル、オン・エア!!」

 

 瞬間、スバルの小さな身体は地上から姿を消し、人間の目には見えない青い戦士が、眩い緑の輝きと共に、颯爽と宙に飛び出した。

 

「バトルカード、プレデーション!」

 

 空中で鮮やかに身を捻りながら、一枚のカードを眼前に放る戦士。

 

捕食(プレデーション)!』

 

 戦士の左手に生えたケモノの生首が、放られた『バトルカード』を素早く捕食し、戦士の身体にデータを取り込んでゆく。データは一瞬で戦士の身体にインストールされ、彼に超常の力を与えた。

 

「グラビティステージ!」

 

 暴走バスのルーフに片膝を突いて着地した戦士が、開いた右手を勢いよくルーフに叩きつける。すると、彼が乗るバスと周囲のクルマたちに、凄まじい高重力が発生した。

 ホバー装置が耐えきれなくなる程に車体重量が激増したクルマたちが、ズンッ!と重い音をたててアスファルトに埋まっていく。歩道で身動きが取れずにいた人々は、突然道路にめり込んで動かなくなった暴走車たちに困惑しながらも、すぐさまその場から逃げ出していった。

 自分たちを危機から救った青い戦士の姿を、彼らは知らない。何故なら戦士は、不可視の電波で肉体を構成された電波世界の超人、『電波人間』だからだ。

 彼の名は『ロックマン』。星河スバルとウォーロックが電波変換する事で誕生する、ふたりでひとりの電波人間だ。

 

『スバル!』

「わかってる!」

 

 道路上のクルマたちをその場に縫い付けたロックマンは、青いアーマーに包まれた小さな身体を緑色の閃光へと変え、瞬時に道路中を駆け巡った。

 

「助けるんだ、みんなを!」

 

 自身の『周波数』を変化させ、超高速の流星となったロックマンは、クルマに閉じ込められてしまった何人ものドライバーや同乗者たちを、瞬く間に救出していった。

 電波で出来たカラダの特性を利用し、クルマのドアやフロントガラスをケムリの様にすりぬけ、車内の人々を特殊な変換能力で一時的に電波体へと変化させ救出、建物の屋根などの安全地帯へと素早く避難させる。

 この一連の救出作業を、ロックマンはものの数秒で完遂させた。FM星人との戦いで多くの経験を積み、その能力と特性をひたむきに磨きあげていった彼らだからこそ出来る、鮮やかな救出劇である。

 しかし、そんなロックマンの勇姿を認識できる者は、このストリートには一人もいない。

 

「へ…」

「なにが…?」

 

 救出された人々は、生還を喜ぶ事もせずポカンと口を開けて呆けていたが、それも無理からぬ事だ。

 電波人間は不可視の存在だ。自分で『見せよう』『見せてもいい』と周波数の調節でもしない限り、普通の人間では見る事が出来ない。

 そんな不可視の何者かが、目にも止まらぬ超高速で動いていたのだ。ロックマンに助けられた事など、彼らには『暴走したクルマの中から突然外へと瞬間移動していた』、としか認識できていなかった。

 

「よし、あとはウィルスを!」

 

 人々を避難させたロックマンは、『グラビティステージ』の効果が切れて再び動き出したクルマたちに向け、赤いバイザーに覆われた、幼くも凛々しい瞳をキッと尖らせた。

 クルマを暴走させている電波ウィルスは、車体の制御を司るメインコンピューターの電脳に潜んでいる筈。そこに飛び込みウィルスを直接デリートする事で、初めてこの惨劇は終息するのだ。

 だが、ロックマンの左手に生えたケモノの生首、ウォーロックは、早速バスの電脳に飛び込もうと勇むスバルに、鋭く意を唱えた。

 

『ダメだスバル、それじゃキリがねぇ!』

「え?」

 

 ウォーロックの強い口調に、スバルは何事かと左手を見下ろした。

 ウォーロックは、ある程度自分の自由に動かせるロックマンの左腕をぐっと上向かせ、スバルに視野の拡大を促した。

 

『こんだけの台数が暴れてんだぞ!?チンタラやってちゃ町が潰れる!』

 

 荒々しい口調で怒鳴りながら、パペットの様にバクバクと口を動かすウォーロック。彼の鼻先が示す先は、今彼らが立っている道路から少し離れた交差点。

 

「あぁ…!?」

 

 その交差点でも、そして、更にその先の交差点でも。大小のクルマたちが、暴れ馬の様に激しくその身を周囲に叩きつけている。

 

「くっ…!」

 

 苦々しく歯噛みするスバル。ウォーロックの言う通りだ。このまま一台一台丁寧にウィルスバスティングしていく猶予なんて、ある訳がない。

 

『こうなったら、ウィルスを無理やり追い出すしかねぇ!やれ、スバル!』

「クルマを壊せってこと!?」

『迷ってるヒマがあるか!?』

 

 躊躇するスバルに、ウォーロックはすぐさま怒鳴り返した。

 

『中のヤツらは助ける、だがその後はぶっ壊せ!さっさとやらなきゃみんな死ぬぞ!』

「っ…!」

 

 その言葉に、マシンの破壊を嫌うスバルはぐっと息を呑む。

 だが、スバルの中に存在する戦士としての使命感が、その躊躇を乗り越えさせた。

 

「…わかった、やろう!町を救うんだ!」

 

 迷いを捨てたロックマンは、僅かに残った躊躇いすら振りきる様に、素早くその場から跳躍した。

 そのまま左腕を真っ直ぐに構え、再び暴走を始めたクルマたちに狙いを定める。

 

「ロックバスター!」

 

 構えた左腕の先、大きく開いたウォーロックの口から、桃色のエネルギー弾が次々と発射された。電波人間ロックマンの主武装、その名も『ロックバスター』だ。

 空中から放たれたロックバスターは、狙った的を外さず的確にクルマたちに着弾し、頑丈なボディを容易く破壊していった。

 

『くるぞ!』

「うん!」

 

 手近なウェーブロードに降り立ったロックマンの元に、赤く燃えるずんぐりした影の大群が殺到してくる。クルマの残骸から飛び出してきた、問題の電波ウィルスたちだ。

 このウィルスたちの名は『モエローダー』。ダルマの様な大型の上半身と一輪車の様な下半身を持つ、燃え盛る炎を纏った灼熱の電波ウィルスだ。

 そんな危険なウィルスたちが、さながら暴走族の様に群を成し、ロックマンの小さな身体を轢き潰そうと、燃える車輪を唸らせ襲いかかってくる。

 

「バトルカード、プレデーション!」

 

 そんな恐ろしい軍勢に、ロックマンは怯む事なく立ち向かっていく。

 

「ネバーレイン!」

 

 ウォーロックにカードを捕食させたロックマンが、鋭く右手を天に掲げ、振り下ろす。

 すると、ロックマンの前方に迫っていたモエローダーたちに、凄まじい破壊力を伴った光の豪雨が降り注いだ。

 水色のエネルギーで構成された破壊の飛沫の猛威にさらされ、次々とデリートされていくモエローダーたち。何十体といた炎のウィルスたちは、あっという間に数える程の数になった。

 そんな生き残りたちに、ロックマンは風を突きぬけて飛び込んでいく。

 

「バトルカード!」

捕食(プレデーション)!』

 

 新たに放られたバトルカードを、左手を振りかぶる様にして捕食するウォーロック。斜めに掲げたケモノの頭が、一瞬にして青い剣へと姿を変える。

 

「スイゲツザン!」

 

 水のエネルギーを宿した鋭い刃が振り下ろされ、生き残りのうちの一体が、真っ二つに両断された。

 剣を振り抜いたロックマンは、その勢いの導くままに、駆け抜ける様に敵を斬り裂いていく。

 

「やぁぁッ!」

 

 まだ幼さの残る少年の雄叫びが、ウェーブロードに木霊する。

 

「えぇぃッ!!」

 

 さながら自らも激流と化したかの様に、怒涛の斬撃を浴びせかけるロックマン。

 襲いくる青い剣戟の波に飲み込まれ、モエローダーたちは瞬く間に全滅した。

 

「オールデリート!」

『次だ!』

「うん!」

 

 全てのウィルスを切り捨てたロックマンは、次の暴走車群に狙いを定め、滑る様にウェーブロードを駆けた。

 

「いくよロック!」

『おうよ!』

 

 一瞬で次の交差点に辿り着いたロックマンが、再び車内の人々を助け出そうと周波数を変える。

 だがその時、スバルたちの目の前で、信じられない事が起きた。

 

「あぁっ!?」

『なんだ!?』

 

 今まさに飛び込もうとしていた軽自動車が、突然天から放たれた緑色のレーザーに車体を射抜かれ、小さな爆破と共に勢いよく横転したのだ。

 

「——ッ!」

 

 考えるよりも早く、ロックマンは動いていた。周波数を限界ギリギリまで高め、緑の閃光となって道路中のクルマたちの間を縦横無尽に飛び交い、車内の人々を解放していく。

 だが、その間にも件のレーザーは無慈悲にクルマたちに降り注ぎ、人々と町に少なくない被害を与え続けていた。

 

『急げスバル!あの攻撃は電波人間だ!』

「わかってるッ!」

 

 多分に焦りを含んだ声で叫びながらも、ロックマンの動きは正確さを欠かなかった。誰一人としてその命を散らさせる事なく、全ての人々を救出したのだ。

 何度となく臨んできた、FM星人たちとの命懸けの戦いの数々。そこで培ってきた強靭な精神力と冷静な判断力が功を成した、まさに奇跡の業だった。

 

「なんてひどいことをするんだ…!」

『バカッ!ウィルスがくるぞ!』

「はっ!?」

 

 だが、それでもスバルはまだ子どもだ。成功の後にはどうしても隙が生まれてしまう。謎の敵が犯した所業への憤りも相まって、ロックマンは降り立ったウェーブロードで棒立ちになってしまった。

 そんな隙だらけの小さな戦士に、破壊された車両群から飛び出してきたモエローダーたちが容赦なく襲いかかる。

 

「ぐあっ!?」

 

 モエローダーたちの突進を躱しきれず、ウェーブロードから叩き落とされてしまうロックマン。

 

『チッ!』

 

 動揺を隠せないスバルに代わり、ウォーロックがロックマンの周波数を変化させた。

 通常より更に非物質性を高めたロックマンの身体が、落下先に建つ民家の壁をスルリとすりぬける。ロックマンは慌てて周囲に感覚を走らせ、民家の庭に設置されていた電波望遠鏡から伸びる細いウェーブロードに掴まり、腕力にモノを言わせて無理やり登り立った。

 

「ありが…」

シャンとしろッ!

「ご、ごめん!」

 

 ウォーロックの一喝に少々萎縮しながら、スバルは上空から大挙してくるウィルスたちをキッと睨みつけた。

 

「バトルカード、プレデーション!」

 

 ロックマンは新たなカードを頭上に放り、同時に自身もその場からジャンプした。

 矢の様に天へと登りながら、殴りつける様な勢いでカードを捕食するウォーロック。カードに組み込まれたデータがロックマンにインストールされ、ウォーロックの頭は平たい発射口を備えた特徴的な砲身へと変わった。

 

「ワイドウェーブ!」

 

 上空から押し寄せる赤い軍勢に対し、幅広の砲で敢然と立ち向かうロックマン。

 

「いっけぇ!」

 

 構えた砲口から『ワイドウェーブ』を発射しようと、ぐっと腕に力を込めるスバル。

 だがその時、またしてもあの緑のレーザーが空に瞬いた。

 

「えっ!?」

 

 細く鋭いレーザーが、二本、三本、四本と、続けざまにモエローダーたちの大軍に襲いかかる。 

 もはや、スバルが砲を放つ必要などなかった。赤い軍勢は四方から降り注ぐ緑色の殺意に焼き尽くされ、電波の残りカスとなって宙に溶けていった。

 

「どうなって…」

 

 ジャンプした先のウェーブロードに着地したロックマンが、今まさにウィルスたちが焼き払われた辺りを見下ろす。

 その時、スバルとウォーロックは気づいた。コダマタウンの上空に散らばる、緑色のエネルギーを湛えた黒い剣たちの姿に。

 一、二、三、四…少なくとも五本以上はある謎の黒剣は、町の上空をヒュンヒュンと高速で飛び交い、標的となる暴走車両を見つけては、切先から放つ緑のレーザーで無慈悲に破壊していた。

 

「アレだよロック、あの剣だ!」

『まかせろ!』

 

 ウォーロックは剣に意識を集中させ、その周波数と近い電波を放つ、何か大きな気配のする謎の敵の居場所を探った。ケモノの要素を強くその身に宿したウォーロックが持つ、彼の得意技だ。

 

『こっちだ!』

「よしっ!」

 

 ロックマンは左手をナビ代わりにして前方に掲げ、ウォーロックが見つけた敵の元へ全速力で急行した。

 周囲の景色が一瞬で塗り変わり、瞬間移動さながらの速度で目的地に辿り着いたスバルたち。そこで彼らが目にしたのは、見た事もない新たな電波人間の背中だった。

 

「——、———!」

 

 全体的に黒っぽい姿の、スラリと背の高い人影が、空中に浮遊しながら何やら独り言を喋っている。距離が空いている為よく聞こえないが、妙にウキウキと弾んだ楽しげな声だ。

 破壊音と悲鳴に溢れた町を見下ろしながら、ケラケラと無邪気に笑うその様は、まるで悪事を楽しんでいるかの様だ。

 

「アイツが町を…!」

 

 スバルはギリリと歯を食いしばり、その黒い背中に左腕を真っ直ぐ構えた。ロックバスターの構えだ。

 

『な……』

 

 だが、そのロックバスターを吐き出す肝心要のウォーロックの様子が、どこかおかしい。獰猛な青い口をあんぐりと開き、赤い両目をこれでもかと見開いている。明らかに動揺した様子だ。

 

「ロック?」

 

 そんな相棒の様子を、スバルは訝しんだ。

 どんな時でも勇猛果敢で、時に野蛮とすら言えるほど気性が荒く乱暴なウォーロック。そんな彼が、いったい何にそこまで動揺しているのか。

 

『ま、まさか、そんな…いや、そんなハズはねぇ…ヤツは、ヤツはもう、とっくのむかしにくたばって…だ、だがアレは…あの周波数に、あの声だって…だが、だとしたらどうして……』

「ロック、ロック?大丈夫?ロック!!」

『ッ!?あ、あぁ。わりぃな、なんでもねぇよ』

 

 左手のウォーロックが、気を取り直す様に頭を左右に振っている。なんでもないなんて言っているが、どう見てもそんな事はなさそうな仕草だ。

 

『おら、何ボサっとしてんだ!アイツを止めるぞ、スバル!』

「う、うん…よし…!」

 

 気にはなったが、今はあの電波人間の悪事を止める事が先決だ。スバルは意識を切り替えて、左腕をぐっと構え直し、叫んだ。

 

「ロックバスター!」

 

 勇ましいスバルの声と共に、ウォーロックの口からバスターが連続で吐き出される。

 発射された何発ものエネルギー弾は、狙いを違わず黒い背中に全弾命中し、空中で小さな爆発を起こした。

 

「背中痛ァッ!?」

 

 突然背後から奇襲を受けた黒い電波人間が、どこか間の抜けた響きの悲鳴をあげて身を捩る。

 

「いっっっった!?ちょ、ハァ!?なんじゃ今の、くっそ痛いんじゃけど!?」

 

 ギャーギャーと大声で泣き喚く女の声が、スバルとウォーロックの耳に飛び込んでくる。ウォーロックは思わず息を呑みそうになり、寸でのところで堪えた。

 

「ク、ククク、クククク!おうおう誰じゃ!この痴れ者大明神が!ヨのかよわい背中をバッシバシ撃ちまくるとか、よほど夜空の星になりたいようじゃなァ!?オォン!?」

 

 怒りに肩を震わせながらスバルたちのいる背後へと振り返った女が、喧しくもどこか憎めない不思議な声でキャンキャンと吠える。そんな女の周囲には、先ほど町で猛威を振るっていたあの黒い剣たちが、シュンッと空間転移でもしたかの様に顕現していた。

 黒装束に身を包んだ女にかしづく、八本の黒剣。それは女の腰から生えた黒い翼の様で、女を高貴に着飾るロングドレスの様にも見えた。

 

「そこから降りろ!FM星人!」

「は?はむそーせーじ?なんじゃキサマ、最近流行りの腹ペコ系か?あいにく物乞いなら間に合っておるわ。ほれ、シッシッ!」

 

 高慢な声で間抜けな発言をぶちかます謎の女に、スバルは思わずずっこけてしまう。

 そんな中、ウォーロックはスバルにも聞こえないほど小さな声で、決心を固める様に一人呟くのだった。

 

『そうだ、とにかくアイツを止めてやる…聞きてぇ事もあるしな…!』

 





Q:車が埋まる程の重力下でなんで中の人が無事なの?
A:ワタシの脚本だからです!(ハイドさん並感)
Q:ロックマンもウォーロックも好き勝手に能力盛り過ぎじゃない?
A:ワタシの脚本!(ハ並感)
Q:(その他諸々のガバ要素)
A:ワ タ 脚 !(天下無敵)


ゆるして。

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